忙しい毎日を過ごしていると、知らず知らずのうちに溜まっているのが「ストレス」です。
ストレスは、精神的に辛いだけでなく、健康面にも悪い影響を及ぼします。
中でも、ストレスによる「睡眠不足」は深刻な問題で、眠れずに悩んでいる方はたくさんいらっしゃると思います。
ここでは、ストレスと睡眠不足の関係や、ストレスを解消して快眠へと導くコツなどについてご紹介します。
眠れない夜にサヨナラするためにも、さっそく見ていきましょう。
睡眠不足の大きな原因は「ストレス」
睡眠を妨げる大きな原因となっているのは「ストレス」です。
何か悩み事がある時、辛いことがあった時など、心に強いストレスを受け、それが元でなかなか眠れないことがあります。
なぜ、ストレスが睡眠不足の原因になるかというと、大脳がストレスによって過剰に刺激されると、ノルアドレナリンやドーパミンが分泌され、大脳が熱を帯びて興奮状態になってしまうからです。
このような状態になると、穏やかな気持ちで睡眠に入ることは非常に難しくなります。
また、ストレスは自律神経の働きにも強く影響しています。
自律神経やホルモンの分泌をつかさどる「視床下部」に、「脳が興奮している」という情報が伝わると、視床下部はストレスを受けている状態に対応するために、交感神経を優位にするように働きかけます。
この交感神経は全身を興奮状態にするため、血圧や脈拍、血糖値が上がり、体を休める状態ではなくなってしまいます。
お布団の中で、悩み事や辛いことを考えてしまうと、体内でこのような反応が起こり、なかなか寝付けずに睡眠不足になってしまうかもしれません。
身体的なストレスや不規則な生活習慣も睡眠不足の原因に!
精神的なストレスが睡眠不足の原因になるとお話ししましたが、身体的なストレスも睡眠不足の原因になっていることがあります。
身体的なストレスとは、関節痛、頭痛、腹痛などです。
身体に痛みがあると、やはり、交感神経が優位になるため良質な睡眠をとるのが難しくなります。
他にも、アトピーなどの皮膚疾患、気管支炎、ぜんそくなども同様で、身体の不調が原因となって、睡眠不足を引き起こすことがあります。
また、不規則な生活習慣も睡眠不足の原因となっていることがあります。
睡眠前にカフェインの入った飲み物を飲んだり、熱いお風呂に入ったりすると、心身を興奮状態にしてしまうため、目が覚めてしまいます。
お布団に入ってからスマホを見るのが習慣になっている方も多いと思いますが、スマホ、パソコン、テレビなどの強すぎる光やブルーライトは、睡眠ホルモンの分泌を阻害してしまいます。
睡眠不足にならないためにも、眠る前は見ないようにする習慣をつけたいですね。
他にも、昼間日光に当たらない方、運動不足な方なども睡眠不足になりやすいようです。
睡眠不足がストレスを引き起こすという悪循環
ここまで、ストレスが睡眠不足の原因になるというお話をしてきましたが、実は睡眠不足もまた、新たなストレスの原因になっているケースがあります。
心配なことや不安なことがあり、脳が興奮状態にあるとなかなか眠ることができず、心身を休ませることができないかもしれない、ということをご説明しましたよね。
こうして睡眠不足になると、体調が優れず頭もすっきりしないため、思うように行動できなくなり、それが新しいストレスになることもあります。
脳がよく目覚めていないと身体感覚が低下するため、事故やケガの原因になるかもしれません。
また、寝不足の状態では、頭を切り換えたりたくさんの情報を一度に処理したりする「前頭葉」の働きが低下し、情報処理能力が低下するといわれています。
そのため、机の中やお部屋などをうまく片づけることができず、散らかしたままの状態になっている方もいるようです。
また、心身がうまく目覚めていないと、脳がエネルギーを補おうとする働きをし、食欲を刺激するホルモンが分泌されます。
このホルモンの働きにより食欲が過剰になり、太りやすくなるとされています。
「ストレス→寝不足→ストレス」の悪循環を断ち切るために、生活面を見直してみることが大切です。
ストレスを解消することが快適な睡眠への第一歩
睡眠に大きな影響を与えるストレスを解消することが、快適な睡眠を得るための第一歩です。
では、どのようにストレスを解消すればいいのか、その方法をご紹介します。
【適度な運動】
適度な運動はストレス解消に効果的です。
激しい運動ではなく、ウォーキングやストレッチなど無理なく続けられるもので充分に効果が得られますので、取組みやすいものから始めてみませんか?
【趣味を楽しむ】
自分の好きなことをしている時間は、嫌なことも忘れてしまいますよね。
悩み事から意識を逸らすことは、ストレス解消のために、とても大事なことです。
【音楽を聴く】
音楽を聴くことはストレス解消や気分転換に効果的な方法です。
穏やかな曲を聞いて気持ちを落ち着けるのもいいですし、自分の好きな音楽を聞いて気分を上向きにするのもいいですね。
【身体の疾患を治す】
体の痛みや不調が原因となっている場合は、その疾患を治すことも大切です。
睡眠不足解消のみならず、健康的な毎日を過ごすためにも必要なことですね。
ストレス解消に効果がある食事を摂るのもおすすめ
ストレス解消に効果があるとされる食べ物があります。
それらを毎日の食事に上手に取り入れて、体の中からストレスを追い出すのもおすすめです。
では、どのような食べ物が効果的なのかご紹介します。
【抗酸化作用のあるもの】
ストレスによって体内に増えた活性酸素を除去するために効果的なのが、ビタミンCやビタミンE、βカロテン、ポリフェノールなどの抗酸化作用のある栄養素です。
これらは野菜や果物にたくさん含まれているので、意識的に取り入れてみましょう。
毎朝、手作りの「野菜&果物ジュース」を飲むのがおすすめです。
【ビタミンB群】
ビタミンBは豚肉や大豆製品などにたくさん含まれていて、代謝を促し疲労回復に効果があります。
身体に疲れを溜め込まないこともストレス解消には大事なことです。
【カルシウム】
カルシウムは、小魚や牛乳・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品に多く含まれています。
このカルシウムはストレス解消のためにはとても効果があり、興奮した神経を鎮めたり、体の調子を整えたりする働きがあります。
これらの栄養素を積極的に摂ってストレスを解消し、睡眠不足とサヨナラしましょう。
睡眠不足解消のためには「睡眠環境」も大切
睡眠不足にならないようにするためには、睡眠に適した環境を整えることも大切です。
最後に、より快適な睡眠環境にするためのポイントをご紹介します。
【室内の温度や湿度】
寝具を使って睡眠をとる場合、快眠に適した温度は16~26℃で、湿度は50~60%とされています。
エアコンや加湿器・除湿機などを上手に利用して、自分に適した環境を作りましょう。
【防音対策】
うまく眠れないときは、少しの物音に敏感に反応しがちです。
ドアや窓をしっかりと閉め、厚地のカーテンをかけるのもいいでしょう。
また、防音サッシなどのお役立ち商品も販売されていますので、音が気になる場合は試してみるのもおすすめです。
【光対策】
就寝前は、睡眠促進ホルモンの働きを妨げないように、暖色系の照明を少し落とした状態で使いましょう。
そして、先ほどもお話ししましたが、睡眠前はスマホやパソコンの利用はなるべく控えるようにしましょう。
【香りを活用する】
気持ちを落ち着かせ、ストレス解消効果のある香りを睡眠時に取り入れるのもおすすめです。
自分の好きな香りを楽しむのもいいですし、ラベンダーやカモミールなどの鎮静作用のあるものを選ぶと、より効果的です。
睡眠不足を解決するにはストレス解消がカギになる
ストレスが原因で睡眠不足になっている場合、快眠を得るためには、ストレスを解消することがとても大切です。
ストレスを解消していくのは簡単なことではありませんが、適度な運動やストレス解消に効果的な食事などを心がけて、できることから始めてみませんか?
自分の心と身体をゆっくりと休めてあげられるように、落ち着けるお部屋づくりもおすすめですよ。