良く晴れた日、ご近所のベランダで黒いいったんもめん(ゲゲゲの鬼太郎にも登場する妖怪のことで一反木綿と書きます)と、見間違えそうな黒い布団干し袋が干されているのを見たことがあると思います。
手間のかかることをしなくても…と思いがちですが、実は1つあると、とても重宝するアイテムなのです。
この布団干しにはかかせない布団干し袋について解明していきます。
どうしてお布団を干すの??
人間は寝ている間にコップ1杯分、約180CCの汗をかくと言われていて、気温が上がり始める5月下旬から6月頃からは、それ以上に汗をかきがちです。
日本はカビの繁殖しやすい梅雨時は、湿度65%以上、気温20~25度になります。
そうなるとカビの繁殖を防ぐために、汗を吸収したお布団を乾燥させることが必要になってきます。
また、高温多湿で繁殖するダニの好物であるヒトのフケ、アカ、髪の毛などはお布団の中にあるため、チリダニが生息してその死骸や糞がアレルギー、喘息の原因になることが多いのです。
アレルギーや喘息の発生、悪化を防ぐことも人やお布団にとって必要なのです。
他にもお布団についた臭いの除去をする作用もあります。
昔からの夏の土用、秋の晴天の日などに衣類等に風を通して虫の害やカビを防ぐために行う「虫干し」と同じように、天日干しをすることで同じ効果を得ることができるのです。
昔は、お布団や衣類をそのまま干していましたが、現在では布団干し袋に入れたり、乾燥機をかけたりと変化してきています。
実際、布団干し袋ってどんなもの?
名前のどおりに袋の中にお布団を入れて干す袋、布団干し袋の色はほとんどが太陽光を集めやすい黒色です。
大きさは143~160×210~220cmで、シングル敷布団、シングル掛け布団、ダブル敷布団を入れることができ、重さは500g程度のものが多く販売されています。
値段は1100円~2500円くらい、ホームセンターや家電量販店、ネット通販などで購入できます。
様々なメーカーから販売しており、SMS不織布を三層構造にすることで花粉やほこりを通さず空気のみが通る仕組みの商品や、洗濯機で洗えるポリエステルタフタ生地でできている布団干し袋もあります。
両者ともファスナーが、三方向についているので開閉範囲が広く、お布団の出し入れが楽にできるようになっています。
さらに干している間に予測ができない鳥のふんが落下してきたり、除草作業や工事作業場から飛んでくるゴミの付着も防ぐことができます。
お布団を清潔に保てるようにお布団そのものを洗うのもなかなか困難ですし、クリーニングに出して高い金額を払うのも考えものです。
リーズナブルなただの「袋」のようですが、便利なアイテムなのです。
どんな効果があるの?布団干し袋のメリットデメリット
太陽熱の吸収効果に優れている黒い袋でできているので、お布団をそのまま干すよりも熱を吸収できる上、日差しによるお布団の痛みも軽減することができます。
花粉・ほこり・今話題になっているPM2.5がお布団につきにくく、思いがけず布団干しの時に、ついてしまうベランダの汚れなども気にせずに、すっきり清潔にお布団を干すことができます。
花粉シーズンに布団干し袋を使用しない状態でお布団を干すと、400万個以上の花粉がつくのを防御できるのです。
そして、お布団の奥まで熱くなるので、寒い冬の就寝時には暖かいままのお布団で寝ることができます。
逆に暑い夏はお布団を干し終えたら、袋からすぐに取り出してお布団の熱を冷ましたほうがよさそうです。
すっぽりダブルサイズが入るものがあまりないのですが、ダブル掛け布団は2つ折りにすれば入れることができます。
布団干し袋でも洗えるタイプは洗った後、濡れたまま干しても吸水性が低くく数分で乾くので、翌日でも使用できます。
ベランダに干す時には生地が滑りやすく、落下する危険があるので注意が必要です。
布団干し袋+αで完全無欠の布団干し
布団干し袋の使い方は、まずお布団を袋の中に入れ、テープまたはファスナーを閉じ、いつもの様に天日干しをします。
最初に約2~3時間、そしてひっくり返して再び約2~3時間干すのが理想的です。
時間帯は午前10時~午後2時くらいの間がベターで、夕方の日が暮れるころまで干しっぱなしや前日に雨が降った時は、湿気を吸収しやすいので、お布団を干すのは止めておきます。
干し終わったら、袋に付いたほこりなどを軽く掃って取りこみ、お布団を取り出してから掃除機で目には見えない高熱で死滅したダニの死骸やほこりなどを吸い取ると効果的です。
お布団を叩いてしまうと、お布団を痛める原因にもなりかねませんし、保湿力や透湿力も低下してしまいます。
また、中綿に蔓延っているダニの死骸や排泄物が表面に出てきてしまい、逆効果を招くことになるので注意します。
ダニが死滅するのは50℃で20分以上の時間が必要です。
黒い布団干し袋に入れて干すと、65℃以上にも温度が上がるので、良く晴れた日の布団干し袋で干すとより効果的と言えます。
また、羽毛羊毛や枕を袋に入れて干すことも可能です。
布団干し袋だけじゃない!布団干しグッズ最前線
お布団だけではなく、お布団と同じだけ使う枕も忘れずに干したいものです。
布団干し袋に枕を入れて干すこともできますが、重なるのが気になる方におすすめの「枕干し袋」も販売されています。
値段は、約800円から1300円くらいで、枕が2つ入り、本体上部に穴が空いているので、S字フックで竿などに掛けやすいようになっています。
お布団は干したいけれど、日中は留守がちな方には伸縮式の室内布団干しもあり、余ったスペースに洗濯物も干す事もできます。
室内で干しているまま、ベランダに出せば場所をとらずに在宅時の布団干しにも使えますし、マンションの規定でお布団をベランダに干せない方にもおすすめです。
布団干し袋は布地が滑りやすくできているので、強力なお布団ばさみも併せて揃えておきたいところです。
一般的な強力なお布団バサミは、バネ部分の強度が強いため、お布団を挟み込む時に力が必要です。
しかし、最新ではネジではなく、ギア式で手に力を入れずに固定できるものも販売されています。
いずれも布団干し袋と合わせて使ってもいいかもしれません。
布団干し袋のお手入れと注意点
お布団をダニ、花粉やハウスダストからガードする布団干し袋ですから、当然のことながら布団干し袋にはそれらが付着しています。
干したお布団を思い切り叩くことはタブーですが、布団干し袋は使用後にベランダや室外でしっかり叩き落とし、定期的に洗濯機で洗います。
洗濯する時は、他のものとは一緒に洗わずに必ず単独で洗うようにします。
お布団を干した後さらに、掃除機をかけるという方は忘れずに布団干し袋も掃除機で、付着したダニ、花粉やゴミなどを吸い取ると効果的です。
また、長い期間使っていると、黒い繊維が剝がれ始めてお布団に付着してくるので、ぽろぽろと目立ち始めた頃には、新しいものに取り替えたほうがよさそうです。
使用頻度にもよりますが、ポリエステルタフタ生地のものは比較的長く使用できるようです。
オールシーズン、いい夢をみましょう!
ネット通販などの口コミでの中では、夏はお布団がさらさら、寒い冬にはお布団が暖かく、「子どものアレルゲンが軽減できている」「毎晩マスクをしなくても快眠できるようになった」など、快適な睡眠を確保できているユーザーの声が多くみられます。
高価な機械を使わなくても、昔ながらの天日干しにエッセンスを加えた布団干し袋は、コストパフォーマンスに優れているのです。
お宅にも1つ、常備してみてはいかがでしょうか。