コンセントの火種がお布団に!?様々な火事の原因と対処法

一日に約130件。
これは、現在日本で起きている一日あたりの火災発生件数です。

いつ何時、何が原因で火事が起こるか分からない昨今。

もし、自宅で火事が起こってしまったらと考えると、不安になりますよね!

今回は、各家庭に必ずあるであろうコンセントやお布団にも着目して、大切な日々を火事に奪われないために対処法をご紹介してます。

コンセントやお布団は火事の元?近年の火災事情は?

火災が頻繁に起こっていた江戸時代では、人口増加に伴う民家の密集率が高くなっていました。

加えて、木材や紙を建築材として多く使っていたこともあり、一度火災が起きればあっという間に燃え広がってしまいます。

しかし、現在の家は科学技術の進歩から防炎材が普及し、燃えにくい素材が家の建築に使われています。
それなのに何故、火事はなくならないのか。

その疑問を解消すべく、コンセントやお布団が火事の原因になるかを探る前に、最近の火災事情を調べてみました。

1位 放火

2015年に統計された火事原因のトップはなんと放火です。
ゴミの日や乾燥した日などは燃え広がりやすくなるので、特に要注意が必要です。

不審人物を見かけたときは勇気を出して110番をしましょう。

2位 煙草

寝煙草や、火の不始末が多くの原因と言われています。

毎日煙草を吸っているという方は、自分自身が加害者にならないように、煙草の火消しは責任をもって行いましょう。

3位 コンロからの出火

火にかけたフライパンなどから離れた際に、火事に発展するというケースが多いそうです。
「少しだから」という気の緩みは火事の元です。

コンセントやお布団は火事の元?自宅で起こる火災原因はこれだ!

年間を通しての火事原因の中に、コンセントなどの配線機器は上位に含まれていませんでした。
お布団からの出火という割合もありません。

それでは、住宅の火災原因はどのようなものが含まれているのでしょう。

1位 コンロからの出火

布巾に燃え移ってしまったなど、延焼による火災がよく起きているコンロ。

火の近くに服の裾がついていないかなど、もう一度確認をするようにしましょう。
安全装置付きガスコンロがおすすめです。

2位 煙草

ここでも上位に浮上してきました、煙草からの出火です。
大切な住宅を失わないように、煙草の火の徹底確認をしましょう。

3位 放火

「自分の家に火をつける」、または「誰かの家に火をつける」ことで起こる火災の「放火」。
このワードが上位に来ることが、残念でなりません。

時には命すら奪いかねない行ためであることを、忘れてはなりません。
火をつけてしまう前に、踏みとどまる勇気を持ちましょう。

このように近年の火災事情とは逆のランキングになりました。
しかし、トップ3位は、同じ結果になっています。

また、配線機器や電気装置からの出火も火事の原因になります。
この原因の割合は、低く記録されていましたが、火事が起きていることは事実です。

原因は、「電気製品を長時間使用し続けること」や「湿気の多いところに放置すること」が多いと報告されています。

上位に入っていないからと安心できるものではありませんので、電化製品の使い方に気を付けましょう。

コンセントからお布団に?トラッキング現象に気を付けて

近年の火災事情や、住宅火災の原因に触れてきました。

ここでは、いよいよコンセントから出火する危険性などに触れていきます。

皆さんは、「トラッキング現象」という言葉をご存知でしょうか。

この現象は、コンセントからの出火の原因として一番多く挙げられている現象なのです。

「トラッキング現象」とは、プラグやコンセントに溜まった埃が湿気を吸収することで、漏電などを引き起こし遂には発火する現象のことを指します。

これらは、長年プラグが刺さっている場所に起きやすい現象です。

冷蔵庫や洗濯機などの大型家電や、テレビなど日常の中でよく使う家電は、長年プラグを差し込んでいるケースが多いです。

思い当たる節がある方もいるのではないでしょうか。

このようにプラグを長年差しっぱなしにしていると、そこからトラッキング現象が起きてしまうこともあります。

また、湿度を多く含む季節になると、埃が湿気を多く吸収するため、トラッキング現象が起きやすくなってしまいます。

コンセントから生じた火事が、お布団や座布団などに燃え移ってしまうと、自力での消火は容易ではなくなってしまいます。

まずは、予防するように心がけましょう。

プラグやコンセントに埃がついていないですか。
また、濡れてしまっていないですか。

このようになっていないかをこまめにチェックすることで、防ぐことができる現象でもあります。
日頃からコンセントの確認を行うようにすると、火災防止に繋がりますよ。

コンセントからの火事を防ぐためにしてほしいこと

では、万が一「トラッキング現象」によって、コンセントから出火してしまった場合はどうすればいいのでしょうか。

ここでは、対処法をご説明していきます。

●コンセントを抜く

まず、コンセントが刺さったままの状態で水消火を試みることは逆効果です。
感電の原因となり、余計火災を悪化させてしまう恐れがあります。

もし、コンセントを抜ける状態であれば、抜くようにしましょう。

コンセントを抜いて、通電している状態を脱したら、水をかけるか、空気を遮断し消火を行います。

●コンセントが抜けなかったら?

コンセントを抜くことが困難であれば、部屋のブレーカーを落としてください。

これで、コンセントに電気が通ることはなく、水をかけても感電する恐れはなくなります。

また、消化をする際はなるべく消火器での消火が望ましいですが、空気を遮断、もしくは水消火を行うことも可能です。

●コンセントから出火、火事に発展しないために

最近では、電源プラグに絶縁性のあるキャップがついている商品も置かれています。

このような商品もありますので、コンセントからの出火防止のために、家電専門店に足を運ぶことをおすすめします。

そして、コンセントの近くにお布団やカーテンがある場合は、火事が起こる可能性があります。

火事に発展する可能性を想定して、予めコンセントの近くに燃えやすいものを置かないなどの工夫をしましょう。

もし、お布団に火が燃え移ったら注意すべきこと

もし、コンセントやコンロから火事が起き、お布団に燃え移ったと仮定して、その危険性をご説明していきます。

まず、状況が「起こった火事は小規模で、お布団の火も初期段階で消すことができた」としましょう。

ですが、実はこれで一安心できないところが、お布団の怖い所です。
また、お布団だけではなく、座布団や綿でできた製品は要注意です。

これらは、例え目に見える火を消したとしても、内部に火が残っている可能性がとても高いのです。

お布団に飛び散った煙草の火をすぐ消したにも関わらず、お布団から再び出火したケースも報告されています。

「少しの火だから」と思い表面の火だけ消火するだけに留めると、大火災の原因となる可能性が大きいです。

もし、お布団に火が付いたら、水を張ったタライに入れるなど、徹底的にお布団を湿らせるようにしましょう。

知っておくと役に立つ消火方法

ここまで、お布団やコンセントからの火事の対処法などを見ていきました。
しかし、それでも火事が起きてしまったらどのようにしていけばよいのでしょうか。

対処法をケース別にまとめました。

・カーテンが燃えた時

火は下から上に燃えていきます。

カーテンに燃え移った際には、燃え広がりを防ぐために、力任せに引き千切り、床に落としましょう。
その上で、消火器を使うか、水をかけるかして消火を行ってください。

・襖や障子が燃えた時

迷わず蹴って倒します。
その後、水や消火器の使用をしましょう。

さらに裏側も燃えている確率が高いため、必ず裏側の消火も行ってください。

・てんぷら油が燃えた時

ガスの元栓を閉め、手前から炎を押さえるように鍋蓋もしくは、固く絞った布を被せてください。

このとき水をかけての消火は絶対にしないでください。
炎が急激に拡大する危険性があります。

・石油ストーブが燃えた時

消火器の使用が望ましいです。

もし、消火器がない時は、濡れたシーツをストーブの上から覆うように被せるか、お布団を被せた後に大量の水で湿らせる消火方法もあります。

そのまま大量の水を石油ストーブにかけることも可能です。

火事が起きたときこそ焦らないで!

目の前で物に火が付いてしまうと、あまりのことに誰もが、焦り不安に駆られてしまうかと思います。

しかし、そのようなときこそ落ち着きましょう。

今までご紹介して来た消火方法で、自身で対処ができる火事が必ずあります。
初期の火事は、絶対に一人では消せないものではないのです。

とはいえ、火事は命を奪ってしまう恐ろしいものであることも忘れてはなりません。

自分の命、家族の命を守るために、最善の行動をとるために、今回ご紹介したことが、少しでも皆様のお役に立つことを願っています。