あなたは今インターネットに接続しこの記事を読んでいるので、パソコンやスマホ、タブレットなどの電子機器を用いているはずです。
今あなたがそれを使用している場所はどこでしょう。
パソコンの近くに燃えやすいものがあると、火事になる確率はどのくらい上がるものなのでしょうか。
この記事では実際に起きた出来事を交えて、その危険性についてご紹介していきます。
皆どこで使っている?自宅の中でパソコンを使用する場所
ノートパソコンであれば、家の中でも外でも自由な場所で使用できます。
では、皆さんがご自宅でノートパソコンを利用する場合、どこがお気に入りでしょう。
◎ノートパソコンでもパソコン用デスクを使用している
パソコン専用のデスクですから、有線で使う場合も配線がしやすいです。
また、操作するのに楽な姿勢が保てるのもメリットでしょう。
◎ソファ+カフェテーブル
ノートパソコン、コーヒー、音楽などネットサーフィンをするにはもってこいのセットかもしれません。
筆者も仕事以外でパソコンを使うときはこのスタイルですが、テーブルに高さがないので、腰が痛くなるのが難点かもしれません。
◎トイレ、浴室
このように普段使用する場所ではないところで、使用するというツワモノもいらっしゃるようです。
ご本人が一番落ち着くのであれば結構な事ですが、水周りは本当に注意していただきたいものです。
◎お布団で寝転びながら
水周りは要注意ですが、お布団での利用も油断は禁物。
利用しているときはどのくらいの危険が潜んでいるか意識していなくとも、「熱をもつパソコン」と「可燃性のあるお布団」の相性は良いはずがなく、「火事」の2文字がよぎります。
ここからは、よくお布団でパソコンを利用するという方に焦点を当てていきます。
お布団の上でパソコンを使うデメリット
お布団の上でパソコンを利用するにあたり、どんなデメリットがあるでしょうか。
思い起こされる最も多い危険性としては、やはり『火事の恐れ』ではないでしょうか。
実のところ、この他にもさまざまなデメリットがあります。
お布団やベッドの隙間などは、ホコリや髪の毛が溜まりやすい場所です。
そういった場所でパソコンを使用するならば、パソコンの吸気口・排気口からゴミが入り込んでしまい、ファンに絡みついたりすることでパソコン自体(CPU)を破損させてしまう恐れがあります。
そうでなくても布が熱を逃がさず、異常に熱を持ったパソコンがオーバーヒートしてしまう事もあるでしょう。
もし、あなたがこれまでお布団の上でパソコンを利用し続けていたのであれば、一度ファンの様子を確認してみると良いかもしれません。
また、姿勢が悪くなる、という欠点もあります。
パソコンを使っていると長時間同じ姿勢になってしまいがちなのは、デスクでもテーブルでも同じ事ですが、お布団の中でパソコンを使っているときの姿勢は最悪です。
始めから寝転んでいるため楽ですから、姿勢を変えたり伸びをしたりする頻度は、座っているときより少なくなる事でしょう。
多くは、うつ伏せの姿勢だと思いますが、体全体、特に肘の辺りの血行が悪くなり痺れ、肩も不自然な格好で固まっているはずです。
また、うつ伏せの状態で首を前のめりに持ち上げているため、首と肩が凝り、最悪”頸椎捻挫”を引き起こす恐れもあるのです。
さらに、デスクでパソコンを使用するより、うつ伏せの姿勢のほうが、目(顔)とモニターの距離が近くなりやすくなり、当然視力低下の原因になります。
楽だから、と『寝パソコン』を続けていた方も、健康の事となれば考え物でしょう。
やっぱり怖いのは『火事』の危険性
先の項目では、お布団で利用する事のさまざまなデメリットについてご紹介しましたが、やはり一番怖いのは火事ではないでしょうか。
部屋どころか、住家、ともすれば命さえ危ぶまれる火事。
ではどのようにして、パソコンの使用からお布団に引火し、火事に発展するのでしょうか。
基本的にお布団の上でパソコンを使用する場合は、楽な姿勢で操作していることが多いので、使用は長時間に及ぶ可能性があります。
そして、電源を入れたまま眠ってしまい、次の日もそのままお出かけ、ずっとつけっぱなしになってしまうという可能性が上がります。
ノートパソコンは使うときだけ電源を入れ、使っていないときはシャットダウンするのが、基本の使い方です。
長時間電源を入れっぱなしにし負荷をかけ続けるなら、【想像以上の発熱】を及ぼす事になりかねないのです。
このことが原因で先にご紹介した、「パソコンのオーバーヒート」がきっかけになることは少なくありません。
吸気・排気口からホコリ、髪の毛などの乾燥したゴミが入り込み溜まっていくと、パソコン内部の熱を逃がす事が困難になります。
そして、電子回路がショートし、火花が溜まったホコリに引火してしまうのです。
他にも、ノートパソコンの電源アダプタはデスクトップと比べて細いのがお分かりになると思いますが、実際故障はしやすいようです。
使いすぎて銅線がむき出しになってしまっている部分が布に触れたら・・・と思うと、おちおちゴロ寝もしていられません。
パソコンの適した使用場所と、お布団で安全に使用する方法
姿勢や視力などの健康面、火事などの危険を避ける安全面、全てに於いてパソコンを使用するのに最も適した場所は『パソコンデスク』でしょう。
少なくともお布団ではない事は確かです。
ただ、費用の点やお部屋の面積の点で、デスクを導入するのが難しい場合もあることでしょう。
そこで、デスクに次いでおすすめできるのは、テーブルです。
結局のところ、火事になる原因を取り除こうとするとき、〈パソコンの熱を逃がす排気口を塞がないようにすること〉、〈ゴミを近づけない事〉、この2点が重要になってきます。
ですから、柔らかくパソコンの底面や側面にすぐ密着して塞いでしまう素材、さらにホコリの溜まりやすい場所である『お布団の上』は特に避けなければならないスペースだったのです。
このことから、固く、グラつきがなく、排気口を塞がないテーブルでの使用が推奨できるのです。
ただし、「どうしてもお布団の上のネットサーフィンは辞められない・・」という方や、ベッドから起き上がることができない状態の方が、その場でパソコンを利用するときのための商品もあります。
その商品のひとつが、ノートパソコン用の【折りたたみスタンド】です。
商品により仕様は変わりますが、いくつかの関節を持ち、好きな角度にディスプレイを傾ける事ができ、仰向けの姿勢でもパソコンを使う事ができます。
関節を一番高く伸ばせばデスクくらいの高さになったりもしますので、いろいろな活用ができそうです。
お布団以外で起こる、火事の可能性
では、お布団での使用をやめれば、パソコンが原因で起こる火事のリスクは無くせるのでしょうか。
こんな具体例が報告されています。
◎ノートパソコンをソファの上に置いて外に出したら、ボヤを起こした
お布団ではないからと油断して、結局やわらかい布製の家具の上に放置してしまっては同じ事です。
可燃性のモノの上には、置かないようにしましょう。
◎タコ足配線で発火
いろんなプラグが交差し、延長コードに延長コードが追加され、コードコネクタが使用され・・・と、所謂”タコ足配線”はそれだけで危険です。
そこにパソコンという”発火装置”が加われば、火事を引き起こしても当然と言えるでしょう。
◎ヤモリが侵入していた
これに関しては『皆様、是非お気をつけください』といったありふれた例ではないかも知れませんが、念のためにご紹介しておきます。
デスクトップであれば、その隙間から小さな爬虫類・昆虫が入り込んでしまう、などと言うことはありえない話ではありません。
自然豊かな地域に暮らしておられる場合(そして窓を開けることが多ければ尚)、小さな生き物を飼っておられる場合は要注意でしょう。
ノートパソコンでも、小さな虫が入り込んでショートした、と言った話は意外と良く聞かれるのです。
◎ノートパソコンのキーボードに飲み物をこぼしてしまった
水分を浸入させてしまい、「拭いたから、乾いたから大丈夫」と思って使用したところショートした、という例もあります。
自身でパソコンを分解して診る技術が無ければ、プロの方に相談するのが最善です。
火事!?ショートしたらパソコンは無事?
上記の注意点を守ったり、お布団での使用を中止しても、パソコンが原因で火事が起こることはあります。
では実際にパソコンがショートして火花を噴いた、火が出た、引火した、爆発した、といったことが起こってしまったらどうすれば良いでしょうか。
もし、電源アダプタやコード類から火花が散ったようであれば、すぐにパソコン本体から引き抜いてください。
あわよくば被害はコードまでに止められ、パソコン本体は救えるかもしれません。
しかし、本体にも影響していないとは限らないので、再度使用する前に専門の方に相談するのが良いでしょう。
本体が発熱、発火するようなら、本体は諦めるほかありません。
火の大きさにもよりますが、まずは火災が広がるのを防ぐために尽力してください。
データを守ろうとして他のものを失ったのでは元も子もありません。
パソコンによる火事を防ぐ予防策
これまでご紹介した点をまとめますと、
・使用に適した場所
・可燃性のものからは離す
・電源はこまめに消す
・清潔に保つ
と言った事が重要であることがわかります。
ノートパソコンの場合、リチウムイオンバッテリー、つまり電池からの発熱・発火が多く、最悪、爆発の恐れがあるリコール商品である事もあるため、自身のパソコンはその対象ではないか確認しておくのは良い事です。
また、ファン付近のホコリもこまめに取り除いてあげましょう。
安全で楽しいパソコンライフをお送りください。