2歳までは要注意!ベッドから落ちる危険性を考慮しよう!

大人用ベッドから落ちる事故が多発する中で、消費者庁は「2歳までのベビーベッド使用」を呼びかけています。

しかし、お子さんの成長や家庭環境、深夜の寝かしつけの負担などから、2歳という年齢までのベビーベッドの使用は、困難なのが現状でもあります。

どうしても大人用ベッドで寝かせる場合、気をつけることはなんでしょうか。

また、実際に転落した場合の怪我の見極めや、受診基準についてもまとめてみました。

2歳になるまではベビーベッド!

全国の医療機関から消費者庁に平成22~29年までの間に寄せられた事故報告で、6歳児以下のベッドからの転落事故は1000件を超えており、このうち大人用ベッドからの転落とされるものが約半数とされています。

その中でも、0歳児と1歳児の事故が特に多く、頭蓋骨骨折やベッドと壁、物などの間に挟まって窒息という痛ましい事故が多発しているようです。

ひどい夜泣きや深夜の授乳が楽なことを理由に、大人用ベッドで添い寝している場合や、寝かしつけを大人用ベッドでして、その後少しのあいだ目を離したすきに落ちるという事故が多発しています。

これらを踏まえて、消費者庁では平成29年に「満2歳になるまではベビーベッド」と呼びかけています。

個人差はありますが、赤ちゃんは生後6~7か月で寝返りし始めると言われ、この時期から予想もつかない動きをするようになってきます。

さらに成長するにつれて寝相も激しくなってきます。

転落による怪我において、最も心配なのは頭を打つことですが、同じ怪我でも2歳児未満は重症化することが多いため、事故が起こりやすい状況を回避することが何より重要です。

特に危険な2歳児までの子供の、ベッドからの転落について考えてみましょう。

実際にベビーベッドから卒業するタイミングは?

一般的に、ベビーベッドは生後24か月までの使用規定があります。

前章で挙げた消費者庁の呼びかけどおり、きっちり2歳になるまでベビーベッドを使い、その後幼児用ベッドに移行するのが最も理想的です。

しかし、お子さんの成長には個人差があり、ベビーベッドが狭すぎて2歳まで使えないことも考えられますね。

実際に、生後12か月前後になると、つかまり立ちをする赤ちゃんが多く、ベビーベッドの柵をつたって歩き回ることも多くなります。

この時期から落ちることも想定して、ベビーベッドからの卒業を考える親御さんも多いでしょう。

「ベッドガードを設置して気をつけていれば大丈夫・・・」

そう考えて大人用ベッドでの添い寝を考える方も多いと思いますが、実はベッドガードの使用はSG基準で18か月以上からとされているのです。

ベビーベッドの卒業は各家庭ごとに最適の時期があると思いますが、ベッドガードを使えるまでの間は、ベッドを諦めお布団で添い寝するなどの対処策を考えましょう。

大人用ベッドで添い寝するなら!落ちる危険性を考慮しよう!

本来は2歳までベビーベッドで寝かせるべきなのですが、つかまり立ちをして動き回ったり、ベビーベッドだと狭くて眠ってくれないこともありますよね。

このようにどうしても大人用ベッドで添い寝したい場合は、落ちる危険性をしっかり把握し、転落防止対策を徹底することが大切です。

生後18か月を過ぎているなら、ベッドガードの使用をおすすめします。

隙間からの転落に備えて、幅90cmほどの短いタイプを2~3枚使うと、大人用ベッドの長さ分をしっかりガードできて安心です。

寝相が激しいことで転落が心配なら、見落としやすい足元にも設置しておきましょう。

ベッドガードがまだ使えない月齢なら、落ちた時の対策が重要です。

ベッド周りに、お布団やクッションなどを敷き詰めておくのも1つの手ですね。

この場合は窒息の可能性も考えて、柔らかすぎる素材は避けておく方がいいでしょう。

ベッド下に、厚手のラグや極厚タイプのジョイントマットなどを敷くことで、フローリングよりも怪我をしにくくなり、効果的です。

しっかりとした備えと親御さんの注意が、お子さんの安全を守ることを十分に理解しておきましょう。

【2歳未満】ベッドから落ちる事故多発!受診の目安は?

ベッドから落ちると、頭を打つなどの怪我が心配です。

転落した状況の一部始終を見ていることはほとんどないため、どんな落ち方をしたか、どこを打ったかなどもはっきりと分かりません。

小児軽度頭部外傷において、CTを撮るべきかの判断研究である「PECARN」を参考に、2歳未満のベッドからの転落時に起こりうる危険因子を挙げてみました。

1:何となく意識がおかしい
2:おでこ以外にコブがある
3:5秒以上意識がなかった
4:頭を触ってみて凹みがある
5:親から見ていつもと違う

特に2歳未満は、まだおしゃべりができないことが多く、症状がはっきりと分かりません。

泣いているだけのお子さんの症状を読み取る判断材料で、最も重要なのが、親御さんから見てどうなのかということです。

視線が合わない、何となくいつもと違うと感じたら要注意です。

また、おでこ以外の場所に明らかにコブができている場合、骨折や頭蓋内血腫に関連している可能性も否定できないようです。

5秒以上の意識消失や頭部の凹みに気づいた場合も、必ず受診が必要です。

【2歳以上】ベッドから落ちる事故に注意!受診の目安は?

2歳以上のお子さんの場合はどうでしょうか。

やはりベッドから落ちると、頭を打ったかどうかがとても心配です。

こちらも前章と同様に「PECARN」を参考に、危険因子を挙げてみましょう。

1:何となく意識がおかしい
2:一瞬でも意識消失があった
3:吐いた
4:目や耳の周りが黒くなっている
5:強い頭痛がある

2歳以上になると言葉が増え、こちらの質問にある程度返答してくれるため、症状の判断材料が的確なものになってきますが、まだまだ親御さんの見極めが大切です。

話しかけても視線が合わなかったり、言っていることの辻褄が合わないようなら注意が必要です。

2歳以上の場合、一瞬でも意識が消失するようなことがあればすぐに受診しましょう。

そして、1度でも嘔吐すれば、CT撮影を考慮することになります。

また、目や耳の周りが黒くなる症状は、頭蓋底に骨折がある所見とも言われています。

さらに、耐えられないほどの強い頭痛をふくめ、明らかに本人が痛みを訴えるようなら、すぐに設備の揃った大きな病院への受診が必要です。

どうしよう!?困った時のガイドライン!

実際にお子さんがベッドから落ちる事故があった時、特に大きな外傷も見られず、当の本人もケロッとしているなんてことがあります。

このような場合、親御さんとしては病院に受診した方がいいのか、様子を見ればいいのかも悩むところです。

実際、2歳未満の転落事故による怪我は重症化しやすいとも言われている分、心配でどうしたらいいのか、オロオロしてしまうものですよね。

自分だけでは判断ができないと感じたら、「#8000」の小児救急電話相談サービスの利用をおすすめします。

各都道府県の窓口となっていて、小児科医や看護師の方から、電話口で適切な処置や受診すべき病院などのアドバイスをしていただけます。

また、「子供の救急」という日本小児科学会が監修するホームページも、上手く利用しましょう。

小さいお子さんの事故となると、どうしてもパニックになってしまいがちですが、まずは焦らず慌てず落ち着いて、対処することが何より重要です。

日頃からいざという時を想定して、かかりつけの病院や、小児の救急外来を請け負っている病院などの連絡先を、メモしておくことも大切ですね。

大人用ベッドで子供を寝かすなら転落防止を徹底しよう!

0~1歳時の大人用ベッドからの転落事故が多発し、大きな怪我や死亡事故などが問題になっています。

本来ならお子さんの安全を考え、2歳まではベビーベッドを使用すべきです。

しかし、ベビーベッドでは寝てくれない、つかまり立ちし始め1人で寝かしておくのは心配などの理由から、ベビーベッドの使用にも限界があるのが現状です。

大人用ベッドでお子さんを寝かすなら、しっかりとした転落対策が重要です。