介護のコツ!お布団からの起き上がりは3つの工程で介助する

お手本や動画で見る、お布団からの起き上がり介助は、いとも簡単にやっているように見えますね。

しかし、教わって実際にやってみても、なかなか上手くいきません。

できるようになる前に、介助の現場に立つこともしばしばです。

何かを覚えるには時間がかかるものですが、もともと形を真似る行為はとても難しい作業なのです。

ここでは、ゆっくり考えながら上達への足がかりを探しましょう。

スポンサーリンク

関連のおすすめ記事

人気の布団用除湿シートをピックアップ!おすすめの選び方も

布団用除湿シートはさまざまな種類があり、選ぶ際に迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。除...

敷布団やマットレスはどう選ぶ!?おすすめの寝具選び

睡眠は毎日するものですから、寝具のマットレスや敷布団は自分に合ったものを選びたいですよね。そ...

室内でお布団を干す便利な道具って?人気のアイテムを紹介!

梅雨時期や冬は、外にお布団が干せないので困りますよね。家の中でお布団を干す場合には、どんな道...

上手にお布団を干すには?意外と知らない湿度と風の重要性!

お布団を干すときに重要なのは、適度な日差し、低めの湿度、乾いた風です。中綿の素材によって干し...

木製の家具にカビが生えてしまったら!?原因と対処法

木製の家具は天然木であるため、カビが生えてしまったらどうやって取れば良いのでしょうか。ベッド...

部屋のカビってどこから生える!?カビ対策をして予防しよう

カビというのは実は、空気中どこにでも漂っているそうです。そのカビがあちこちに付着し発育条件が...

ポリエステルのお布団は洗濯できる?クリーニングに頼む?

ポリエステルのお布団は、そのほとんどが洗濯可能となっています。家での洗濯機やコインランドリー...

お布団はコインランドリーで丸洗い!安い料金でメリット多し

汚れたお布団のお手入れはどのようにしていますか。本来ならば、クリーニングで確実に綺麗にしても...

上手にお布団を干すコツ!湿度が高くても大丈夫?役立つ商品

湿度が高いと、お布団を干すのをためらってしまいますね。しかし、ある程度湿度が高くても、気温と...

布団の下がフローリングとカーペット?それは対策が必要かも

フローリングは、今や人気のある物件です。しかし、ベッドを置くスペースがないなど、様々な事情で...

無垢材の床をおすすめする理由!塗装の種類って??

無垢材は、合板や集成材ではなく、使用する形状で丸太から切り出した木材です。割れやひびなどが入...

意外と知らない?布団掃除機に付いているUV機能の効果とは

近年の生活家電は、目を見張る進化があります。布団掃除機もその一つですね。さまざまな種...

お布団を圧縮袋でコンパクトに!収納に便利な圧縮袋の使い方

快適な安眠がしたいと考えて、春夏用の掛け布団と秋冬用の掛け布団を変える方もいることでしょう。...

風邪やウイルスの予防にはお布団も除菌するべき?方法は?

冬は、空気が乾燥しやすく風邪やインフルエンザなどにかかりやすい時期です。予防のために除菌...

賃貸マンションの畳交換は借主が負担するの?費用はいくら?

賃貸マンションに住んでいるけど、和室の畳が劣化してきたときに自分で交換するのか、大家さんが交換してく...

スポンサーリンク

お布団からの起き上がり!介助方法で難しいところとは?

お布団からの起き上がりは、以下の工程で成り立っています。

(1)腕を胸の前で組み、膝を立てて横向きになる。

(2)手を添えて、上体を半分だけ起こす。

(3)真っ直ぐ上体を起こす。

この内(1)は、起き上がるための前準備です。

楽に起き上がるために必要な動作なので、丁寧に行う必要があります。

しかし、それほど大変な訳ではありません。

難しいのは、身体を起こす(2)と(3)の部分です。

しかし、お手本を見てもなかなか分かりにくく、教わってやってみても何となく違うこともあるでしょう。

そのような時には、1度自分の身体を使ってシミュレーションしてみてください。

もちろん、自分で自分は介助できません。

ここで探ってみたいのは、「人間はどうやって起き上がっているのか?」です。

自分がどうやって起きているのかが分かれば、介助に置き換えた時、相手がどうなっていれば良いのか、自分はどう補助すれば良いのかを、イメージし易くなります。

回り道のようですが、上達するスピードが違ってきますよ。

自分の起き上がり動作から介助のポイントを知る!

まずは、「どうやって自分は起き上がっているのか?」ということから考えてみましょう。

「お布団からどうやって起き上がりますか?」と問われて、すぐに答えられるでしょうか?

案外、何度か試してみた後に、「仰向けからそのまま上体を起こす」と答える方が多いのではないでしょうか。

それくらい、起き上がり動作は、普段意識していないもののひとつなのです。

もう少し細かく見てみると、人は起き上がる時、最初に肘をつき、次に手のひらで床を押して上体を起こしています。

逆に言うと、この動作が上手くできないので起き上がれなくなっているのです。

介護の世界では、この肘をついている状態を「肘立ち」と呼んでいます。

介助では、(2)の工程で相手に「片肘立ち」になってもらい、(3)で「床を押し」てもらえるようにサポートします。

つまり、ポイントは「肘立ち」と「床押し」なのです。

「半分起こす」「残りを起こす」ではなく、「肘立ちを手伝う」「床を押すのを手伝う」と考えるようにすれば、介助の方向性が定まるのではないでしょうか。

お布団からの起き上がり介助を実践する!まずは前準備編!

さて、ポイントが分かったところで、起き上がり介助を実践してみましょう。

前提条件として、介助される方は右利き、介助者はお布団の右サイドに座っていることにします。

利き腕を気にするのは、利き腕で肘をつく方が身体を楽に支えられるからです。

もし左利きだったり怪我や麻痺がある場合には、力の入る腕側で支えてくださいね。

【前準備その1】・横向きになってもらう

①左手は胸に、右手は身体から45°くらい離して床に置いてもらう。

②右手のひらは、肘立ちし易いように上向きにする。

③両膝を立て、右側に倒れてもらう。

この時、サポートが必要なら、左側の肩と腰に手を添えてゆっくり横に倒します。

【前準備その2】・座る位置を決める

①正座をする。

②相手に近寄り過ぎない、ほどほどの位置に座る。

身体から45°離した相手の右腕の隙間に、膝先で小さな正三角形を作る感じです。

少し斜めに座ることで体重移動がしやすくなり、次の肘立ちが楽になります。

お布団からの起き上がり介助を実践する!肘立ちと床押し編!

前準備ができたら、次はお布団から起き上がる動作です。

この時、相手の方にひと言声をかけることを心がけてください。

「これから肘立ちなので、肘を意識してくださいね。」

「次は、手のひらで床を押してくださいね。」

相手の方に少し意識してもらうだけで連帯感が生まれ、介助も楽になりますし、リハビリにもつながります。

また、慌てないことも大切です。

ひとつひとつ順を追っていけば、無理な姿勢になった時、楽に修正することができますよ。

【肘立ち】・身体を半分だけ起こす

まず、相手の身体をしっかりホールドします。

①左手を相手の首元から差し入れ、右の肩甲骨近辺に手を添える。

②右手は、相手の左の肩甲骨(中央寄り)に当てる。

③相手の身体を左肘に乗せるつもりで抱き寄せ、肘立ちの状態にする。

介護者は、前のめりの姿勢から、後ろに倒れるつもりで体重をかけ、正座に戻ります。

【床押し】

①相手の右手のひらを、床押ししやすいように下に向ける。

②その手のひらに乗せるように、相手の身体を自分に引き寄せて起こす。

手のひらをついているので少し前傾していますが、これで起き上がり完了です。

麻痺がある方向け!一気に起こす起き上がり介助

お布団からの起き上がり介助には、一気に身体を起こす方法もありますのでご紹介しましょう。

ポイントは、腕だけでなく肩も使って、しっかり相手の身体をホールドすることです。

【前準備その1】・定位置につく

①相手の左腕を胸に置く。

②相手の右腕は、ほんの少し離して(巻き込み防止)身体に沿わせる。

③介護者は、左膝を相手の右肩付近につけるようにする。

★実際には、自由になる方の腕側に座ってくださいね。

【前準備その2】・身体をホールドする

①相手の首から左肩に向けて、自分の左腕を差し入れる。

②左手を目いっぱい開いて、相手の肩甲骨辺りに当てる。

③相手の右腰の辺りに、自分の右手のひらをつくようにする。

【肘立ち】

・ついた右手に力を入れ、浮いたお尻を落とすように後ろに倒れながら、肘立ちの姿勢に持って行く。

【床押し】

①ポジション変更のために、相手の肘立ちの姿勢を保持しながら身体を離す。

②相手を左肩と腕全体で支え、右膝を立て、右手のひらを床につける。

③右手で床を押し、重心を右にずらしながら左膝を伸ばして身体を起こしていく。

(②)で左膝を肘立ちの肘に添える位置につきますと、(③)でお尻を持ち上げる動作=身体を起こす動作が楽になります。

また、肩で体重を支えると楽に受け止めることができますので、有効なポジションを探してみてくださいね。

手のひらを裏返す?知っておくと楽になる「古武術介護」

ところで、「古武術介護」はご存じですか?

古武術介護とは、日本の武術の身体のこなしを応用して、より少ない力で介助をしようとする介護術のことです。

武術らしく、人間の身体の仕組みや、相手や自分の体重(重力)を積極的に利用するのが大きな特徴です。

ここでは応用範囲の広い、「手のひらの向きを逆にするだけ」という、簡単な方法をご紹介しましょう。

例えば、人間の身体を支える時、普通は手のひらを自分側に向けて支えますね。

しかし、そうすると相手の重みで自然と肘が曲がり、腕以外にもたくさん力が必要になりがちです。

一方、古武術介護では、手のひらを外側に向けて伸ばします。

そうすると、身体がロックされて、少ない力で済むようになるのです。

「肘立ち」の、相手に腕を回す時の動作で応用してみましょう。

①少し肘を張って、手の甲を内側(自分の方)に向ける。

②肩甲骨を伸ばすようにしながら、相手の背中に腕を伸ばす。

③伸ばしきったら、手のひらを返す。

少し背中を丸めながら、肩甲骨の間を広げるのがコツです。

不思議なことに、こうやって身体に手を当てて支えると、力が効率良く伝わり、少ない力で済むようになるのです。

上手く使いこなせるようになれば、相手側の負担も少なくなり、自分の腰痛対策にもなります。

せっかくですので、お布団からの起き上がり介助と一緒に、「手のひら返し」も練習してみてはいかがでしょうか。

ゆっくり3段階介助で少し楽になろう!

単純にコツを積み上げていくよりは、ストーリーを理解してから細かいコツを学んだ方が、物事を早くマスターできるものです。

お布団からの起き上がり介助なら、「前準備」をしっかりして「肘立ち」の状態にし、さらに「床押し」ができる状態に持っていく、という流れがストーリーです。

そのストーリーに、コツを付け足していけば良いのです。

もし介助に行き詰まっているなら、まず寝転んで、シミュレーションから始めてみましょう。

きっと、気持ちも視点も変えてくれますよ。