赤ちゃんの睡眠を妨げているのは常夜灯かも!その理由とは?

部屋の常夜灯をつけずに赤ちゃんを寝かしつけていると、暗闇によって「赤ちゃんが怖いようで泣いてしまう」という育児の悩みを持つ人もいるでしょう。

そこで、「少し灯りがあれば」と常夜灯をつけることもあるかと思います。

しかし、寝かしつけをした際に、赤ちゃんへの健康に影響はないのでしょうか。

そこで今回は、常夜灯を使うメリットとデメリットから、睡眠時に常夜灯をつけることで及ぼす影響や常夜灯を使用する上での注意点をお伝えします。

常夜灯って何?赤ちゃんの睡眠時に点灯するメリット・デメリットは?

最初に、常夜灯とはどのようなものを指すのかご説明します。

常夜灯は、漢字の通り「一晩中点灯しておく明かりのこと」を言います。

部屋の明かりの常夜灯は、メインの照明に付属していることの多い小さな電球のことです。

また、室内だけでなく、屋外でも一晩中ついている明かりのことを常夜灯と呼んでいます。

この記事では、「一晩中つけておく室内の明かり」を常夜灯として話を進めさせて頂きます。

赤ちゃんを寝かしつける時に、常夜灯をつけている人もいらっしゃると思いますが、睡眠に常夜灯を使うと、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

順番にお伝えしていきます。

【常夜灯をつけるメリット】

1つ目のメリットは、赤ちゃんの様子が見れることです。

例えば「寝返りして呼吸を塞いでいないか」「おもらししていないか」などです。

常夜灯をつけていると、赤ちゃんのちょっとした変化を確認することができます。

2つ目のメリットは、赤ちゃん自身が安心するという点です。

真っ暗だと、赤ちゃんが怖がって泣いてしまうことも多いかと思います。

しかし、常夜灯をつけていれば、ほんのりと暗闇を照らしてくれるので、赤ちゃんも安心して眠ることができます。

一方、デメリットは何でしょうか。

【常夜灯をつけるデメリット】

それは、赤ちゃんの身体に悪影響を及ぼす可能性があるということです。

その影響は大きく分けて2つあり、「体内時計が狂う」という点と、「近視になる恐れがある」という点です。

この2つの影響については後ほど詳しくお伝えします。

常夜灯を使うときの注意点

常夜灯をつけることによるメリットとして、「赤ちゃんの様子が見れる」「赤ちゃん自身が安心する」ということがわかりましたね。

このような点で考えますと、常夜灯をつけることは便利なこと言えます。

そこで、常夜灯を使っても、赤ちゃんへの影響を最低限にする方法をお伝えします。

まず、赤ちゃんの特性から考えていきましょう。

寝返りのできない赤ちゃんは、仰向けの体制で寝ています。

つまり、眠っている間も上を見ている時間が殆どです。

そのため、足元で光るタイプの常夜灯であれば、強制注視による直接的な光の照射を減らすことができます。

更にもう1つ、天井にある照明の常夜灯を使う場合は、赤ちゃんが眠った後に必ず消してください。

理由は、瞼が非常に薄く閉じていても光が入ってくるためです。

赤ちゃんへの影響を最低限にするために、寝つかせるときには常夜灯を使い、睡眠に入った後は必ず消すようにしましょう。

睡眠時の赤ちゃんへの影響①体内時計が狂う

それでは、ここではデメリットになりうる常夜灯の影響についてお伝えします。

まず、先程お伝えしたとおり、睡眠に入った後は常夜灯を消すようにしましょう。

そうすることで、こちらの影響を受けづらくできるでしょう。

それでは、睡眠時に常夜灯を使うことで受ける影響の一つ目の、体内時計が狂うという点からご説明します。

まずは、睡眠の仕組みから知っていきましょう。

体内時計とは、自律神経の調整やホルモン分泌などの活動を、1日周期のリズムで作り出すシステムのことです。

体内時計が狂うと、メラトニンが抑制されます。

メラトニンとは、脳の松果体から分泌されるホルモンで、睡眠ホルモンとも呼ばれています。

メラトニンは、夜中に大量分泌されて、朝方抑制される性質があります。

そして、目覚めてから14時間程度で、体内時計からの指令が出て再び分泌されます。

この分泌が高まることにより体温が低下して、眠気を感じるようになっています。

そのため、何らかの影響により、メラトニンの分泌が抑制されると眠れなくなるとされています。

そのため、このようにメラトニンの分泌が抑制されると、赤ちゃんの寝ぐずり(寝る前に泣き、機嫌を損なうこと)の原因になるとも言われているのです。

寝ぐずりは、赤ちゃんが寝たいのに眠くないという状況でも起きるので、赤ちゃんにとってもつらいことでしょう。

では、常夜灯と寝ぐずりは、どのような関係があるのでしょうか。

メラトニンは、光に当たると抑制される性質があり、赤ちゃんが常夜灯の光を浴びるとメラトニンが抑制されてしまいます。

つまり、常夜灯を使うと体内時計が狂ってしまい、それが赤ちゃんの体調不良にも繋がりますし、寝ぐずりの原因にもなるため、睡眠時は、真っ暗が望ましいです。

睡眠時の赤ちゃんへの影響②近視になる恐れ

睡眠時に常夜灯を使わない方がよい2つ目の理由として、近視になる恐れがあります。

近視の原因は、遺伝が一番強いと言われていますが、後天的な要素も関連しています。

近視とは、眼に入った光が網膜よりも手前で焦点を結んでしまい、網膜にピントが合わない状態を言います。

近視になりやすい眼には、黒目から網膜の長さが長いという特性があります。

そして、生まれてから2歳になるまで「どの程度の明るさの部屋で眠っていたか」によって近視になる確率は、次のように変わるとされています。

真っ暗な部屋で寝た場合は10%、暗い照明のもとで寝た子どもは34%、明かりをつけたままの部屋で寝た場合は55%の確率で近視になると言われています。

そのため、人間には生まれつき眼軸長を伸ばす仕組みが備わっており、常夜灯の光に眼軸長を伸ばす可能性があると指摘されています。

さらに、赤ちゃんには「強制注視」という特性があります。

強制注視とは、気になって見つめてしまった対象から、目を離せなくなってしまう状態を指します。

だいたい生後半年くらいまでは、この傾向があると言われています。

つまり、赤ちゃんは、眼軸長が伸びる可能性のある常夜灯を見つめ続けてしまうということになり、近視になる恐れがあるとされているのです。

睡眠に影響を与えづらい常夜灯のタイプ

先程の常夜灯をつけたまま睡眠してしまうことによるデメリットの影響を与えづらい、おすすめの常夜灯のタイプをご紹介します。

注意点のところで軽く触れましたが、足元で光るタイプの常夜灯(フットライト)が影響を与えづらくするため、おすすめです。

また、フットライトの中でも、特に使い勝手がよいものは、コンセントに差し込んでおき、暗くなると点灯するタイプです。

豆電球と比べると少々お高いですが、LEDタイプであれば電気代の節約にもなります

何よりも、一般的な家庭ではコンセントは低い位置にあるため、強制注視による眼への影響も少なくできるためおすすめです。

ちなみに、選ぶべき電球の色味は、黄色やオレンジの暖色系がよいと言えます。

暖色系の電球の色味は、人間の睡眠に最も影響が出にくいとされています。

一方で、最も睡眠の妨げになる色は、ブルーなどの寒色系です。

赤ちゃんの睡眠時に常夜灯を使う場合は、暖色系のコンセント式をおすすめします。

赤ちゃんが夜泣きする理由とは?

これまで、常夜灯についてお話しさせて頂きましたが、赤ちゃんの夜泣きがどうして起こるのかも、最後にお伝えしていきます。

夜泣きの原因は、お腹が空いていたり、オムツが汚れていたりと様々です。

その様々な夜泣きの理由の1つに「赤ちゃんが夜泣きを学習する」というのも挙げられます。

赤ちゃんが夜中に泣いていたら、「何かあったのではないか」と心配になるのは当然のことです。

しかし、夜泣きをする赤ちゃんを心配し、様子を何度も見ると「夜に目覚めたら、泣いて両親を呼べばいいんだ」と赤ちゃんが自然に学んでしまうことがあります。

ちなみに、欧米では「寝室を赤ちゃんの部屋と、両親の部屋をわけている家庭が多い」というのをご存知の人もいらっしゃるでしょう。

部屋を別々にし、もしも赤ちゃんが夜泣きをしても、そのまま放置しておく家庭もある程で、その場合の夜泣きのリスクは1/3程度減少するとも言われています。

赤ちゃんと別の部屋で睡眠を取り、常夜灯を使わずに真っ暗にし、夜泣きをしても放置することがよい方法と考えられています。

しかし育児は、赤ちゃんに合わせてあげることや、両親も安心して赤ちゃんを育てるのが大切なことと言えるでしょう。

赤ちゃんに寄り添い、睡眠時には常夜灯を消して快適な睡眠環境を作ってあげましょう。

常夜灯を上手く使えば赤ちゃんも安眠できるかも!

今回は、常夜灯のメリットやデメリットと共に、常夜灯が与える影響や注意点などをお伝えしました。

常夜灯は睡眠の妨げになりやすい一方で、ほんのり明かりがついているため育児をスムーズにさせてくれたり、赤ちゃんは恐怖を抱くことなく眠れます。

常夜灯は「体内時計が狂う」「近視になりやすい」とも言われていますが、足元で光るタイプのフットライトを使うなどし、工夫してみるとその影響を緩和できるでしょう。