お布団で見つけちゃった虫!小さな黒いヤツの正体は!?

毎日、使っているお布団に小さな黒い点のような虫が、付着しているのを見たことはありませんか?

もしかしたら、それは「ヒメカツオブシムシ」かもしれません。

あまり耳にしたことはない名前ですが、私たちの大事なお布団や衣類を食べてしまう虫なのです。

大変な事態にならない前に、この「ヒメカツオブシムシ」の生態や駆除方法を勉強してみましょう。

お布団にいた黒い虫「ヒメカツオブシムシ」とは?

私たちの生活の中では、さまざまな生物と共存しなければなりません。

その中には目に見えない微生物から、わずかに目に見える小さな虫もいます。

わかっていても突然、その姿を見てしまったら誰でも驚いてしまいますね。

まして、1日の約1/3を占める、睡眠を取るためのアイテムであるお布団に、小さな黒い虫がいたら驚くのは当たり前です。

そのお布団にいた黒い小さな虫は、「ヒメカツオブシムシ」かもしれません。

「ヒメカツオブシムシ」は、名前のとおり「カツオブシムシ科」に属する昆虫です。

この、「カツオブシムシ科」の昆虫は、お布団や衣類を食べる害虫として多くあげられています。

日本各地にいる害虫で、日本国内だけでも20種近く存在するのです。

「ヒメカツオブシムシ」の成虫の体長は、2.8ミリから5ミリくらいで、体の色は黒、触角や脚は赤褐色をしていて、人を刺したり噛んだりすることはありません。

幼虫は8ミリから9ミリくらいの体長で、成虫よりも大きく、赤く長い毛に覆われています。

名前の由来は、実際にかつお節を食べるからだそうですが、幼虫は主に、お布団や衣類の繊維を食べます。

お布団にいた黒い虫「ヒメカツオブシムシ」の生態

この見た目が毛虫のようなヒメカツオブシムシの幼虫は、動物性繊維のウール・カシミヤ・シルクを食べます。

幼虫の期間の約300日間、7回から9回脱皮を繰り返しながら、大好物であるお布団や衣類に使われている繭や絹、生糸を食べて成長します。

また、お布団や衣類などだけではなく、かつお節やその他の乾物も幼虫たちは、食べてしまいます。

ヒメカツオブシムシは、年1回発生して幼虫の姿で越冬します。

そして、脱皮を繰り返し、3月頃に黒いつぶ状の成虫に羽化します。

羽化したヒメカツオブシムシは、卵を産んだ後、お布団や衣類の繊維は食べることはなく、マーガレットなどの花蜜や花粉を求めて屋外に飛んでいきます。

その後、また屋内に帰ってきて、家の中の薄暗い場所で卵を産みます。

1ミリよりも小さく丸いつぶ状の卵は、10日から1ヶ月の間に孵化すると言われています。

実際に肉眼で、卵を発見することはあまりないかもしれませんが、成長しても小さな体をしているので、簡単に家の中に侵入することができる虫です。

家の中のお布団やクローゼットなどはもちろん、どこでも生息しているのです。

まだいた!お布団に潜む黒い虫たち

家の中のどこでも生息している「ヒメカツオブシムシ」の他にも、私たちの大事なお布団や衣類を食べる、小さな黒い虫がいます。

それは、日本に生息するカツオブシムシの仲間で「ヒメマルカツオブシムシ」です。

この「ヒメマルカツオブシムシ」は、「ヒメカツオブシムシ」より厄介と言われています。

体長は、2.5ミリから3ミリ程度で、黒い地肌の上に褐色と黄色の毛が生えています。

「ヒメカツオブシムシ」に比べると、やや丸みをおびていて、色は黒をベースにした黄色っぽいカラフルな見た目です。

そして、幼虫が食する繊維は、「ヒメカツオブシムシ」が好む動物性繊維だけではなく、綿などの植物性繊維も食べます。

つまり、繊維ならなんでもOKというわけです。

その上、この幼虫は穿孔能力が高いので、ビニールなら簡単に食い破って侵入することができます。

また、その食いしん坊な「ヒメマルカツオブシムシ」の幼虫は、6ヶ月以上の絶食にも耐えられる厄介者です。

さらに厄介なのは、殺虫剤が効きにくい虫なのです。

日本に生息するカツオブシムシ科の中で、私たちのお布団や衣類を食い荒らすのは、この2種類と言われています。

では、この2種類のカツオブシムシから、大事なお布団や衣類を守るにはどのような方法があるのでしょうか。

家の中の黒い虫を追い出そう!

では、家の中で「ヒメカツオブシムシ」や「ヒメマルカツオブシムシ」を見つけてしまったら、早めに駆除をしておいたほうがいいでしょう。

黒い小さな虫ですが、目に見えている1匹だけでも殺虫スプレーを使ったり、ティッシュを使って指でつぶして駆除しておきましょう。

幼虫は薄暗いところに生息しますが、成虫は昼行性で、日中の間に発見できる可能性は高くなっています。

そのため、卵を産ませないためにもその場で駆除することは大事です。

この成虫が生む、20から100個の卵のうち、10個くらいがお布団や衣類に産み付けられます。

慌てて、一気に燻煙剤を使ってしまうのも楽なのですが、段階を踏んでから駆除していきましょう。

なぜなら、小さな黒い虫が、燻製剤が行き届かないお布団や衣類の繊維の中に入ってしまっては、あまり効果が期待できないからです。

そこでまず、お布団や衣類の虫干しをして、「ヒメカツオブシムシ」や「ヒメマルカツオブシムシ」の好む湿気を追い出します。

特に「ヒメマルカツオブシムシ」は、衣類の中でも食べこぼしなどが付着した部分を好んで食べる習性があるので、クローゼットや収納ケースにしまう前に、食べこぼしの汚れは落としておきましょう。

そして、クローゼットや収納ケースと併せて、家の中もきれいに掃除をしましょう。

また、彼らの潜んでいるのは、クローゼットや収納ケースの中だけではありません。

部屋の中に落ちた糸くずもエサになるので、ほこりなども除去しておくといいでしょう。

それがすべて終わってから、最後に部屋全体に燻煙剤を使って駆除するようにすると、大きな効果が期待できます。

簡単にできるお布団や衣類を黒い虫から守る方法①

燻煙剤を使用した後は、家の隅々まで掃除機で入念に吸い取ります。

これで、家の中にいたヒメカツオブシムシたちは駆除できるでしょう。

しかし、油断をしてはいけません。

彼らの侵入ルートのほとんどが、外に干したお布団や洗濯物からなのです。

発見しにくい黒い小さな虫ですが、たとえ見えなくても、室外でお布団や洗濯物を叩くだけで、ヒメカツオブシムシたちは落ちて、家の中には侵入してきません。

ぱたぱた叩くだけなので、1番簡単な防御対策です。

そして、私たちが外出している間にも、衣服に付着する可能性もあるので、帰宅の際には、家の外で着ていた衣服を掃ってから室内に入りましょう。

特に、ヒメカツオブシムシの発生する3月から6月くらいまでは、徹底した方がいいかもしれません。

またさらに、窓からの侵入もブロックしましょう。

ヒメカツオブシムシが発生する、3月から6月中にドアや窓は、開けっ放しにしないようにし、窓を開ける時には必ず、網戸にするなどの対策もするといいでしょう。

そして、ヒメカツオブシムシたちが好むマーガレットなどの白いキク科の花が家の近くにある場合には、注意をしておきましょう。

最後は、防虫剤を配置し、寄せ付けないようにしておきます。

簡単にできるお布団や衣類を黒い虫から守る方法②

防虫剤を配置したら、黒い虫たちへの効き目の効果がなくなる前に、忘れずに新しいものに取り換えるようにしておきましょう。

しかし、防虫剤や殺虫剤だけでは「ヒメマルカツオブシムシ」や「ヒメカツオブシムシ」の幼虫と卵には、効果が弱いようです。

そこで、1番効果がある高熱で、死滅させましょう。

天日干しをしても、彼らが死滅する65度の高温に達しないことが多いので、お布団やカーペットなどには、スチームクリーナーを使うと効果的です。

スチームクリーナーを使うことで、駆除と予防ができます。

そして、「ヒメカツオブシムシ」の幼虫は、風通しの悪い暗い場所に好んでいるので、クローゼットや収納ケースに長い間しまってある衣類は、定期的に風通しをしましょう。

また、衣類を収納する時には、ぎゅうぎゅうに押し詰めないで、通気をよくするためにもゆとりのある、収納を心がけましょう。

このように、日頃のちょっとした心がけや、習慣で予防ができるのです。

黒い虫と共存共栄したくないのなら

この、お布団や衣類を食い荒らす黒い小さな虫は、人が暮らしやすい環境であれば、どこでも出没します。

ヒメカツオブシムシたちの動作は機敏ではありません。

そのため、見つけたらすぐにその場で駆除し、他にもいないかチェックをしましょう。

そして、定期的にお布団や衣類のお手入れをすれば、この虫だけではなく、カビの発生なども防ぐことができます。

あまり深刻にならずに一石二鳥で、気楽に対策していきましょう。