「15分程度の仮眠をとると頭がすっきりして目覚められる」ということを聞いたことはありませんか。
どのようにしたら、15分という短時間で効果的な睡眠がとれるのでしょうか。
忙しくて十分な睡眠時間が確保できなかった翌日や、日中に眠気が襲ってくるという方は、必読です。
日本人の約4割が睡眠負債を抱えている!?
「睡眠負債」という言葉を聞いたことはありますか。
睡眠負債とは、日頃の睡眠不足が少しずつ、まるで借金のようにジワジワと積み重なったものです。
睡眠不足の自覚はあるものの、睡眠が足りていないという自覚がない方は要注意です。
自覚がないために、睡眠不足を解消しようという考えにも及ばないところが厄介でもあります。
そんな睡眠負債による最も多い悪影響は、脳の働きが悪くなることで起こる判断ミスです。
そのほか、忘れ物が増えたり、怒りっぽくなるという症状、さらには重い病気にかかるリスクも増えます。
しかも、日本人の4割の人が睡眠負債を抱えていると言われているのです。
また、下記のような症状は睡眠負債の兆候です。
●昼食後にボーっとして眠気を感じてうとうとする
●たばこやコーヒーがないと頭がシャキッとしない
●運転中の赤信号などでふと眠気に襲われる
これらのことに心当たりのある方は、溜まってしまった負債を減らしていけるよう、睡眠について見直してみましょう。
不足した睡眠は、睡眠の質を改善したり、日中に仮眠をしたりすることで補えます。
次項では、15分の短時間睡眠についてお話しします。
短時間睡眠とは?たった15分の仮眠で頭がすっきり!
前項でも触れたように、毎日の睡眠が足りないとその不足分が蓄積されていき、脳の活動が低下して判断ミスをしたり、効率が悪くなるなどの悪影響が出てきます。
そんなとき、有効なのが短時間睡眠です。
短時間睡眠とは、その名の通り、短い時間で仮眠をして眠気を解消することです。
ここでいう短時間とは15分程度のことであり、30分以上長く眠ることはおすすめできません。
15分程度の睡眠では、眠気がなくなり頭がすっきりする効果が期待できますが、30分以上の睡眠をとると、脳が熟睡の準備を始めてしまうために、目覚めるまでに時間がかかってしまうからです。
仕事や勉強で十分睡眠がとれなかった日は、できるだけ翌日の空いた時間に短時間睡眠をとって不足分を補うようにしてみてください。
15分程度の短時間であれば、仕事や勉強に大きな影響を与えずに済むでしょう。
日中の仮眠は、仕事や勉強のパフォーマンスを上げる最大のカギとも言えます。
効果的な短時間睡眠のコツ!たった15分でも質の良い睡眠を!
この項では、効果的に短時間睡眠をとるコツをお伝えします。
たった15分の睡眠はどのようにとったら良いのか気になる方も多いはずです。
ポイントは横にならないことです。
横になるとラクですが、そのまま熟睡してしまう可能性があるので避けましょう。
起きれたとしても、深い睡眠に入りやすく、なかなか目覚められなくなってしまいますよ。
理想的な寝姿勢は、座ったままです。
机にうつ伏せになるか、椅子の背もたれに寄りかかるように眠るのがおすすめです。
そのような寝姿勢であれば、15分後すぐに起きやすい傾向にあります。
また、良質な睡眠がとれるように、外からの刺激を抑える耳栓やアイマスクを使うと効果的です。
そのほか、エア枕やクッションなど自分に合ったものを取り入れ、短時間で快適な睡眠がとれるように工夫してみましょう。
15分の短時間睡眠によるリスクと対策!
この項では、短時間睡眠によるリスクと対策をお伝えします。
▲30分以上眠ると……
15分程度の短時間ではなく、30分以上の長い睡眠をとってしまうと、脳がしっかり休む状態に入ってしまい、さらに強い眠気に襲われます。
起きても怠さや眠気が取れず、二度寝してしまうリスクがあります。
▲夜眠れなくなるかも……
17時以降のタイミングで短時間睡眠をとってしまうと、夜眠れなくなってしまうかもしれません。
たった15分の短時間でも、日中の12時~15時頃が適しています。
上記のようなリスクを避けるための対策法をご紹介します。
■コーヒーを飲む
短時間ですっきり目覚めるにはカフェインの入ったコーヒーがおすすめです。
カフェインは飲んでから30分後に効果が期待できるので、仮眠の15分前を目安にすると良いでしょう。
■起きたらガムを噛む
ガムを噛むことは覚醒を助けてくれます。
あごの筋肉を一定のリズムで動かすことで、脳や体がより目覚めやすくなります。
■光を浴びる
太陽の光は睡眠ホルモンであるメラトニンを抑制するので、眠気覚ましに効果があります。
外を眺めて光を感じるだけでも効果が期待できますよ。
短時間睡眠は15分~30分程度がおすすめ!?その目安は?
これまで仮眠を15分の程度の短時間でとることを前提とし、30分以上の睡眠はおすすめしませんでした。
実は、厚生労働省でも仮眠について「30分以内の昼寝が作業能率の改善に効果がある」と触れているとおり、30分以内が理想的なのです。
では、30分以内であれば何分が良いのかということですが、ご自身の年齢や習慣に合わせて仮眠時間を30分以内で調整してみてください。
その目安となる時間を参考までにお伝えします。
《10分~15分》
年齢が若く、入眠が早いという方におすすめです。
10分以上の睡眠で、蓄積された睡眠物質が分解され作業効率が上がると言われています。
《15分~30分》
入眠に時間が掛かりがちな50才以上の方におすすめです。
また、どうしても仮眠する時間がないという忙しいときには、「1分仮眠」をお試しください。
脳内の睡眠物質が減ることはありませんが、脳波にα波が現れすっきりすることができますよ。
目を閉じることにより、脳にはいってくる情報を遮断し、脳を休ませることができます。
このように、たった1分間の短時間でも脳の情報が整理でき、集中力を高めることに繋がります。
日頃の睡眠の質を上げるには!?
15分程度の短時間睡眠では、睡眠不足を補うことが期待できますが、できるだけ日頃の睡眠をしっかりとることが大前提です。
質の良い睡眠をとり、できるだけ睡眠不足にならないような生活を送るようにしましょう。
次のようなことを心がけると質の良い睡眠をとるのに効果的だとされています。
■適度な運動
日中に運動をすると、生活のリズムにメリハリができて自然な眠気を誘発します。
そのため、夜中に目覚めてしまうことも少なくなり、熟睡できるでしょう。
■適度な温度のお湯で入浴
熱すぎない適度な温度のお湯でじっくり体を温めると、緊張がとれリラックス効果が期待できます。
できれば就寝の2~3時間前に入浴しましょう。
■就寝前の照明
就寝前は照明を暗くし目に入る光の量を抑えることで、スムーズに入眠しやすくなります。
就寝1時間前には、パソコンやスマートフォンの使用をやめましょう。
■太陽の光で起きる
朝になったらカーテンを開けて、太陽の光を浴びる習慣をつけましょう。
太陽の光には体内時計を整える働きと、睡眠を促すホルモンを分泌する働きがあります。
短時間睡眠で集中力と作業効率アップにつなげよう!
不足した睡眠は、溜め込まずにできるだけ翌日に補うようにしてみてください。
また、睡眠不足の自覚がなくても日中眠気が襲ってくるという方は、睡眠が不足していることが考えられます。
たった15分の睡眠でも、脳や体の疲労回復が期待できます。
短時間睡眠を積極的にとり、仕事や勉強の集中力を高め作業効率を上げていきましょう。