睡眠中に体温が上昇していると、眠りが浅いと言われています。
実は、睡眠と体温には深い関係があります。
「知らなかった」という方も、多いのではないでしょうか。
眠りが浅いと、朝起きた時もぐったりしてしまいます。
そんな悩みを抱えている方も、現代では多いとされています。
睡眠と体温の関係を理解し、深い眠りにつき、爽やかな朝を迎えましょう。
【睡眠中の体温】睡眠と体温の深い関係
睡眠は、様々な要因によって左右され、なかなか眠れなくなったり、浅い眠りが続いてしまったりします。
睡眠と体温には深い関係があります。
睡眠と体温の直接的な関係としては、睡眠中に体温が上昇することにより、身体は覚醒状態に向かうことが、様々な研究によって証明されています。
通常は、眠りに向かう際、眠る少し前から徐々に体温は下がり始めます。
この時に、身体の表面の血管を拡張させて熱を逃がし、体温を下げます。
そして、眠りに向かうのです。
風邪などの発熱で、夜なかなか眠れなかったりした経験がある方も多いのではないでしょうか。
これは、体温の上昇により、身体が覚醒状態にあることを証明しています。
また、冷え性でなかなか寝つけないという方が多いのも、体温が関係しています。
冷え性の方の場合は、身体の表面の血行が悪いため、手足が冷たく血管が拡張できないことで、うまく熱を外に逃がすことができず、結果体温が下がらないことになってしまっています。
このように、睡眠と体温には深い関係があるのです。
睡眠中に体温が上昇していると眠りが浅くなる!
前述したように、睡眠中に体温を下げることができず上昇してしまうと、身体は覚醒状態となってしまうので、深い眠りにつくことはできません。
眠りが浅くなってしまい、翌日に疲れが残ってしまったり、朝起きた時にぐったりしてしまうことに繋がります。
夜中、寝ている途中で何度も目が覚めてしまうといった方は、睡眠中の体温が上昇気味であり、覚醒状態にあるということになります。
そのために、前項でお伝えしたような状態に陥ってしまいます。
また、不眠症の方にも、この睡眠と体温の関係は当てはまります。
もちろん、体温の他にも要因はありますが、その要因の1つとも言えるのが、今回ご紹介している「睡眠と体温の関係」なのです。
より深い睡眠を得るためには、睡眠と体温の関係性について、しっかり理解しておくことが重要になります。
では、深い眠りに入る時に、身体はどのような状態になるのか見ていきましょう。
深い眠りに入る時に身体は自分で体温を下降させる!
基本的に、夜は多くの方が体温が低下していきます。
その理由は、夜は昼間ほど活動していないということが挙げられます。
また、睡眠すること自体に、睡眠中は体温を下降させるという働きが身体にはあるからです。
全く眠らなかった時でも、夜には体温は下降しますが、睡眠時にはさらに体温は下降します。
睡眠時に体温が下降することにより、代謝が低下し、体内で発生する熱も少なくなるため、体温が自然に下降していくと考えられているようです。
深い眠りをノンレム睡眠と言い、さらに深い眠りを余波睡眠と言いますが、これらの睡眠状態では、体温の下降はさらに大きくなります。
つまり、体温が大きく下降している状態だと、深い眠りにつくことができていると言えます。
逆に、睡眠中に体温が上昇していると、眠りが浅くなってしまいます。
朝にだるさがある方や、すっきりした目覚めができない方は、睡眠中に体温が下降できていないためです。
睡眠中の体温を下降させ深い眠りで身体を休める
睡眠中に体温をうまくコントロールすることができれば、必然的に深い眠りにつくことができ、身体を休めることができます。
では、睡眠中の体温コントロールは、どのようにしたらいいのでしょうか。
睡眠中に体温を上昇させないようにするには、まずは、就寝時の部屋の温度を気にしてみましょう。
特に冬の時期などは、部屋で暖房を使い、暖かい温度のまま寝る方が多くいるのはないでしょうか。
様々な実験結果から、室温が高いと眠りが浅くなるということがわかっています。
部屋の暖房が強すぎたりする場合、身体の内部の温度が低くなりにくく、そのために眠りが浅くなるとされています。
冬の時期などに暖房を使う場合は、タイマーを設定するなどして寝ることが、睡眠中の体温のコントロールになります。
その他、電気毛布にも同じことが言えます。
電気毛布も、寝る前までつけてお布団を暖めておき、寝る時には切るかタイマーを設定しましょう。
寝る前までお布団を暖めておくことで、睡眠に入りやすくして、その後、タイマー設定でより深い眠りにつきやすくなります。
睡眠中の体温上昇を抑える!寝る前におすすめの方法
寝る前にすると、睡眠中の体温の上昇を抑える効果のある方法をいくつかご紹介します。
寝る1~2時間前には、38~40度程度のぬるめのお湯にゆっくりと入ることで、体温が上昇し、眠りに入りやすくなります。
ぬるめのお湯に入ることで、自律神経のうちの副交感神経を優勢にして、心身ともにリラックスした状態になります。
そして、体温が上昇するとともに、末梢血管が広がり、手足からの熱放出もスムーズになります。
身体の内部の温度も下がりやすくなり、深い眠り、質のいい睡眠をとりやすくなります。
一方で、42度以上の熱いお湯に入ると、交感神経が優勢となってしまい、緊張した状態になってしまいます。
その状態では、すっきりとした気分にはなりますが、深い眠りにつくのは難しい状態と言えます。
お風呂の他には、夕方ごろに、軽く汗を流す程度の運動をすることも、睡眠中の体温上昇を抑え、深い眠りにつくことに繋がります。
運動することにより、身体を温め、皮膚からの熱放出をスムーズにする効果があります。
簡単なものとしては、足湯もおすすめです。
容器などに、39~42度のお湯を入れて、ふくらはぎの下あたりまで浸かることで、末梢血管を拡張させ、熱放出をスムーズにします。
夏バテも睡眠中の体温上昇が原因?
実は、夏バテも睡眠中の体温上昇が原因であることがあります。
夏バテは、毎年多くの方が悩まされていることの1つなのではないでしょうか。
夏の暑い時期になると、夜になっても気温が高い、熱帯夜となることが最近では多いです。
そんな熱い夜には、当然寝苦しくなってしまいます。
気温が高いということもありますが、体温も関係しています。
睡眠中の体温がなかなか下降することのできない状況に陥ってしまっているのが、熱帯夜ということになります。
このような日が続いたりすると、多くの人が、夜深い眠りにつくことができず、浅い眠りとなってしまいます。
その結果、朝起きた時にだるかったり、すっきりしない目覚めとなって、夏バテに繋がってしまいます。
夏の暑い時期には、寝具も冷感のものを取り入れたり、冷房のタイマー機能を上手く活用することが、深い眠りにつくためには重要なことになっています。
体温調節に注意して、質のいい睡眠を!
睡眠には、体温が深い関係性にあることがわかりました。
夕方に軽い運動などの習慣をつけることも重要ですが、寝る前には、足湯やぬるめのお湯に入ることなどが、比較的簡単で実践しやすいのではないでしょうか。
朝にだるさを感じたり、深い眠りにつけてないと感じる方は、今回ご紹介した方法で、睡眠中の体温調節を気にしてみてはいかがでしょうか。
深い眠りで質のいい睡眠をとりましょう。