質の良い、深い睡眠とはどのようなものでしょうか。
「毎日十分な睡眠をとっているのにも関わらず、朝起きたときに疲れが残っている」「熟睡できずに夜中に目覚めてしまう」ということはありませんか?
このように、睡眠に何かしらの問題を抱えている状態は要注意です。
この記事では、睡眠不足による影響や質の良い睡眠についてお話しします。
また、睡眠の質を上げるコツもご紹介します。
生活に取り入れやすいものが多いので、ぜひ参考にしてみてください。
睡眠不足による悪影響とは?
睡眠の最も大きな役割は、脳と体を休ませることです。
「寝つきが悪い」「夜中に目覚めてしまう」「朝になっても疲労感が残る」といった睡眠不足が続くと、一体どんな悪影響があるのでしょうか。
・ストレスの増加
・生活習慣病にかかりやすくなる
・疲労感や倦怠感
・免疫力の低下
・イライラ
・記憶力、判断力、問題解決力などの低下
・頭痛
・太りやすくなる
・肌荒れ
・老化の促進
寝不足による影響は恐ろしく、想像していた以上のものかもしれませんね。
人が健康な状態を保つためには、1日6~8時間の睡眠が推奨されています。
しかし、日本人の5人に1人は、睡眠に何かしらの不安を抱えているとも言われています。
睡眠不足が長期化するほどその影響は大きく、肉体的にも精神的にもリスクが高くなります。
では、質の良い睡眠とは一体どのようなものでしょうか。
深い眠りにつけるタイミングを知り、質の良い睡眠をとるコツをつかみましょう。
睡眠は質が重要!深い眠りにつける「ノンレム睡眠」はどのタイミング?
前項でのお話の中で、1日6~8時間の睡眠が推奨されていると触れました。
しかし、単に1日6~8時間の睡眠がとれていれば良いかというと、そうではありません。
睡眠中は、浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」を繰り返しています。
レム睡眠とノンレム睡眠を1サイクルとすると、一晩に4~5回このサイクルが繰り返されます。
そして、最初の1~2回のノンレム睡眠時に最も深い眠りを得られると言われています。
つまり、寝入ってから約3時間後の間に深い眠りのノンレム睡眠に達すれば、脳も体も休ませることができるのです。
また、眠りの深さなどに関係して分泌されるのが成長ホルモンです。
もし「私は成長期ではないから関係ない」と思ってしまったら、大間違いです。
成長ホルモンは、「細胞の回復」や「疲労の回復」に関係しています。
次項からは、質の良い睡眠をとるコツについてお話しします。
深い眠りで質の良い睡眠をとるコツ!①食事編
それでは、ここからは質の良い睡眠をとるコツをご紹介していきます。
まずは、食事の面からです。
毎日の生活の中に取り入れられるコツがたくさんありますので、ぜひ実践してみてください。
〇トリプトファンを多く摂取する
「トリプトファン」は、体の修復材料や質の良い睡眠に不可欠な「セロトニン」という神経伝達物質をつくります。
そして、セロトニンは、睡眠を誘う「メラトニン」というホルモンに変化します。
トリプトファンを多く含む食品が、大豆・バナナ・はちみつ・牛乳・マグロ・サンマ・ナッツなどです。
〇ビタミンB1の摂取を心掛ける
疲労を回復させたり、精神を安定させる効果があります。
玉ねぎや長ねぎ、ニラなどは、ビタミンB1の吸収を高めるので一緒に摂ると効果が高いです。
ビタミンB1を多く含む食品は、豚肉・大豆・玄米・ごま・ナッツなどです。
〇就寝の3時間前に夜ごはんを済ませる
食後すぐ寝ると、消化活動が優先され睡眠の質が落ちます。
就寝時には消化活動がひと段落しているように、食後3時間ほどあけることで深い眠りにつきやすくなるでしょう。
もし、食事から就寝までの時間が短くなってしまうときは、できるだけ消化の良いものを少量摂るようにしましょう。
〇温かい飲料をのむ
内臓から体温の上昇を促します。
体温が下がり始めると自然な眠気がおきるので睡眠リズムがつくりやすくなります。
おすすめの飲料は、胃腸に負担をかけない白湯です。
さらに、体の末端まで温めてくれるショウガを入れると効果が高くなります。
また、心身がリラックスできる香りのカモミールティーもおすすめです。
深い眠りで質の良い睡眠をとるコツ!②環境編
この項では、質の良い睡眠をとるコツとして、環境面についてご紹介します。
深い眠りにつくには、準備も大切です。
心も体もリラックスできる環境を整えましょう。
〇光・室温
質の良い睡眠に関係する「メラトニン」は暗くなると分泌されると言われています。
就寝時のお部屋の明るさは、不安にならない程度に暗くしましょう。
また、季節に応じた温度・湿度に調整することも大切です。
暑すぎたり寒すぎたりすると、体温調節が上手にできなく、寝つきが悪くなってしまいます。
〇リラックスできる音楽を聴く
基本的には静かな環境での睡眠が良いですが、副交感神経が優位になる音楽は心身ともにリラックスでき、寝つきを良くしてくれます。
川や海などの水のせせらぎといった、自然の音に癒される音楽や、クラシック音楽も効果が高いです。
音量はあまり大きくしすぎず、耳を澄ませて聴こえるくらいが丁度良いでしょう。
深い眠り・質の良い睡眠を妨げる!注意する点
これまで、質の良い睡眠をとるためのコツについてお話ししてきました。
ここでは、ついついやってしまいがちな間違えた行動についてお話しします。
「疲れがとれていない」「眠気が残っている」と感じているときには注意してください。
●スマートフォン
スマートフォンは、最も身近な娯楽ツールともなっています。
就寝前にお布団の中で、ネットショッピングやSNS、ゲームなどを楽しんでいる方も多いことでしょう。
しかし、スマートフォンから発するブルーライトは、睡眠を誘発する「メラトニン」の分泌を阻害すると言われています。
つまり、寝つきが悪くなり、眠りが浅くなるリスクがあるのです。
深い眠りにつけるように、就寝の1時間前にはスマートフォンの使用をやめるようにしましょう。
●夕方以降のうたた寝
帰宅時の電車の中や夕食後のうたた寝は、寝つきが悪くなる原因のひとつです。
夕方にうたた寝をすると、疲労が少し解消されますが、再び疲れが溜まるまで眠りづらくなってしまいます。
いつも夕方以降に眠気が襲う場合は、ランチ後のうたた寝がおすすめです。
日中のうたた寝でいったん疲労を解消させ、眠気のピークを就寝前のタイミングに合わせると良いでしょう。
寝具選びで変わる睡眠の質!深い眠りを誘う寝具選びのコツ
最後に、睡眠の質を上げるために、寝具選びのコツをお伝えします。
あなたに最適な寝具は、深い眠りへと導いてくれる手段にもなるでしょう。
□素材
肌に直接触れる布団カバーや枕カバーは、肌にやさしい素材を選びましょう。
吸湿性に優れ、優しい肌触りのものが良いでしょう。
おすすめは綿素材です。
通気性・吸水性が良く、睡眠中の汗を吸収し、こもった体温をお布団の外へ逃がしてくれます。
□枕の高さ
枕の高さが合わないと、一晩中不自然に肩と首の筋肉が張り続けてしまいます。
その結果、肩や首に凝りを感じたり、血行不良から頭痛も引き起こす可能性があります。
理想的な枕の高さは、理想的な寝姿勢とも言われています。
枕の適切な高さは、仰向けに寝転んだときに目線が真上よりやや下に向かっている状態です。
もし、目線が足の方に向かっていると高すぎていて、反対に頭より後ろに向かっている場合は低すぎる状態です。
□敷布団で体圧分散
クッション性が低かったり、ぺたんこになっている敷布団は、腰や背中などの一部が沈んでしまい体圧が分散されません。
体の表面にかかる圧力を減少できるようなものを選びましょう。
睡眠の質を上げるコツは取り入れやすい!
忙しい日々を送っていると、ついつい睡眠時間を削ってしまいがちです。
睡眠不足が慢性化すると状況は悪化し、肉体的にも精神的にも大きな悪影響を及ぼします。
今回ご紹介した、質の良い睡眠を得るコツは、日々の生活に取り入れやすいものばかりです。
できることから取り入れ、睡眠の質を上げていきましょう。
そして、すっきりとした目覚めの良い朝を迎えましょう。