枕とクッションの違いとはなんでしょうか?
ベッドで眠るときには枕が使われ、ソファにはクッションが置かれることが一般的です。
しかし、枕とクッションのそれぞれの役割を交代させても問題はないように感じますよね。
今回は、枕とクッションの違いはどこにあるのか、同じような使い方をしたり兼用したりしても良いものなのかをご紹介します。
枕とクッションの大きな違いは用途にあり
枕とクッションの大きな違いといえば、やはり用途が一番に挙げられます。
枕の用途は、誰もがご存知の通りベッドやお布団で心地良い睡眠を取るためのものですよね。
インテリアとしての役割よりも寝心地を重視するものですから、必然的にクッションと比べるとおしゃれなものは少ないといえます。
一方でクッションは、ソファでもたれるのに使用したり座布団がわりに使用したりと使われる場所も用途も多く、種類も豊富です。
用途が多いというよりも、むしろ決まった用途はないという方が正解かもしれません。
例えばビーズクッションのようにソファの代わりとして使用するような大きなものがあれば、触り心地よりもインテリア性の高い観賞用のクッションもありますよね。
使い方もお尻の下や背中に当てる方がいれば、ソファなどの上にアクセントとして置く方、ベッドの枕元でフレームに頭をぶつけないように緩衝材としている方など、様々でしょう。
さらに、クッションはソファで使用するときに皮脂やお化粧、整髪料などの付着からソファを守ってくれるという役割もあります。
これだけ多様性のあるクッションですから、枕をやめて自分好みのクッションを枕と兼用しようかと考える方もいらっしゃるかもしれませんよね。
枕とクッションは作り自体にも違いがある?
枕とクッションは用途の違いだけではなく、その素材や作り自体も全く異なります。
前述した通り、枕は睡眠に必要なものですので、同じ用途でありながら素材や作りは幾通りにも分かれていて、形やサイズも選べることが多くなっています。
枕は人の頭部を乗せるのに適した形をしていて、長時間の睡眠に耐えられるように身体への負担が掛かりにくい構造となっていますよね。
特に近年では、枕が睡眠に与える影響が多いと広く認識されているので、枕の形や作りも大きくこだわっているものが増えています。
そのため、見た目自体もクッションと枕とはどんどん違う形状になっているのですね。
クッションは多様性があるからこそ、特化しているポイントはないといえます。
中の素材は綿やビーズ、スポンジやウレタンでできていて、形状は枕と違い丸形や正方形、ハート型など様々な形があります。
中身も、綿がぎっしりと詰まって真ん中が盛り上がった形状のものや、ビーズクッションのようにやわらかく決まった形にならないものなどがありますね。
このように、クッションは人が寝ることを想定して作っているわけではないため、頭を長時間同じ形で支えることは難しいと考えます。
また、通気性も枕と比べると良くはありません。
そうなると、枕とクッションを兼用するのはやはり難しいということになるのでしょうか?
クッションを枕の代わりにしてはいけない理由とは
枕とクッションの用途や作りの違いが大きいことが分かりましたが、クッションを枕の代わりにできない理由はそれだけではありません。
ひとつめの理由は、クッションは枕と比べてやわらかすぎるということです。
やわらかい枕が好きな方ももちろんいらっしゃるとは思いますが、クッションは長時間頭部の重さを支え続けるような作りになっていないため、一度沈み込むと中々形や弾力が戻ることはありません。
もしかしたら、最初だけは枕の代わりになる心地良さがあるかもしれませんが、すぐにへたってしまって睡眠の質を下げる可能性は非常に高くなります。
もうひとつの理由は、サイズ感です。
前述したようにクッションは様々な形がありますが、枕の代わりにするのならば四角のものを選ぶのが一般的だと考えます。
しかし、四角いクッションは正方形のものが多く、左右に頭を動かすだけの幅や余裕がないために、寝返りをしづらい場合や頭が落ちてしまう場合があります。
気持ち良く眠っているときに頭が落ちてしまったり寝返りの制限ができてしまっては、質の良い睡眠を取るのは難しいですよね。
ただでさえ枕の選び方は難しいものですから、クッションで代用することはせずに自分に合った枕を選ぶようにしましょう。
枕をクッションの代わりにするのもNG?
質の良い睡眠を得るために枕をクッションで代用できないのは分かりますが、それならばクッションの代わりに枕を使うのはどうなのでしょうか。
眠るために使うわけではないので、寝心地の違いなどを考える必要はありませんし、ソファでゴロゴロとするときに枕を使っても良いのではと考えたくなることもありますよね。
しかし、残念なことに枕もクッションの代わりにしてはいけない理由というのがあります。
枕は頭を長時間支える強度がありますが、全体重を掛けても良いようには作られていません。
例えば、枕を折り曲げて背中に当てたり、クッションのようにお尻の下に敷いてしまっては、形が崩れてしまう可能性があります。
そうなっては本来の用途で使おうとしたときに、やはり寝心地が悪くなってしまい質の良い睡眠を得ることは難しいでしょう。
そしてもうひとつ、「枕を踏んだりお尻の下に敷くのはいかがなものなのか」という考え方もあります。
幼い頃に「枕を踏まないように」という注意を受けた方も多いのではないかと思いますが、枕は頭をのせるものとして作られた神聖なものだと考えられています。
そのため、クッション代わりにするには、気持ちの上でも避けた方が良いものだと考えます。
短時間の仮眠なら枕とクッションに違いはない?
枕には枕の、クッションにはクッションの役割があるので、それぞれの適した場所で使用した方が良いということは述べました。
しかし、例えばソファにあるクッションを枕代わりに短時間の仮眠をとるのはどうなのでしょうか。
短時間でクッションがへたることは考えにくいので問題はないように感じますが、やはり仮眠としてもクッションを枕代わりに使うことはおすすめしません。
そもそも、睡眠というのは身体を休めて疲れをしっかりと癒してくれるものです。
そのため、短時間であってもソファで休むよりはベッドやお布団で休む方がぐっすりと眠ることができます。
また、クッションを枕代わりにした場合、自分で気付くことはなくても身体は枕とクッションの違いをしっかりと把握します。
寝姿勢や頭の傾きなどが良くないことから、せっかく仮眠を取ってもかえって疲れてしまうことになるのです。
ただし、仕事の合間やその後の予定により、数十分の仮眠で起きなくてはいけないような場合はまた別です。
身体のためにはあまりおすすめできませんが、枕で眠ると心地良すぎて寝過ごしてしまう可能性もありますから、クッションの方が良いと考える方もいらっしゃるのかもしれませんね。
枕とクッションのお手入れ方法は?
枕とクッションは、基本的にはそれぞれに適した場所で使用することが分かりましたが、お手入れ方法はどうなのでしょうか?
枕やクッションは、お布団やシーツなどの寝具と比べると、頻繁にお手入れをする方は少ないかもしれません。
しかし、どちらも頭や身体の下に敷くことで湿気を溜め込みやすくなっているので、菌やカビを繁殖させないためにも、できるだけこまめにお手入れをする必要があります。
枕とクッションは、お手入れ方法に関しては大きな違いはありません。
ただ、どちらも厚みのあるものですから、洗濯をしようと考える方は少ないかもしれませんね。
しかし、素材によっては丸ごと洗濯できるものもありますので、表示を確認してから手洗いや洗濯機の手洗いモードでしっかりと洗うようにしましょう。
本体を洗濯できないものはカバーのみ外して洗い、中身を天日干しすることで湿気を飛ばすことができます。
ただし、羽毛やウレタンに関しては陰干しが基本となりますので注意が必要です。
自宅の枕やクッションに適したお手入れで、長く使えるようにしたいですね。
枕とクッションの用途は違っても目的は同じ
枕もクッションも、使い方は違ってもどちらも自分の身体を預ける大切なものですよね。
選び方ひとつでよく眠れるようになったり、身体が疲れにくくなることもあります。
それぞれの場所で快適に過ごせるように、自分に合った素材や形のものを選んで、清潔を保って大切に使いたいものですね。