質の良い睡眠のために!摂取する食べ物や飲み物を工夫しよう

みなさんは、毎日しっかり睡眠を取れていますか?

ベッドに入っている時間は長いはずなのに、「いつも寝た気がしない」「朝起きるとまだ疲れが残っている」などと感じている人は、質の良い睡眠が取れていない可能性があります

睡眠は、運動習慣やストレスなどの影響も受けますが、日々摂取している「食べ物」や「飲み物」からも大きな影響を受けます。

こちらでは、どんな「食べ物」や「飲み物」が質の良い睡眠に効果的か、また睡眠改善へ繋がる食べ物の摂取方法などをご紹介します。

食べ物や飲み物が睡眠に及ぼす影響とは?

まず「睡眠」は、人間にとってどのように重要なのでしょうか。

現代の日本人は、1日の睡眠時間が「6時間未満」という人が年々増えており、睡眠を短時間で済ませていることが多くなっています。

体質など人によって、適切な睡眠時間は変わってきますが、多くの人は1日6時間未満の睡眠では足りません。

睡眠時間が短いと

・昼間眠気に襲われ思考力や活動が低下する

・疲れが取れない

・肌が荒れる

・食欲の低下や異常な増加

・風邪を引きやすくなる

・糖尿病・心筋梗塞・認知症のリスク

など、体に悪影響を及ぼします。

また、6時間以上睡眠を取っていても、睡眠の質が悪いと体に良くありません。

睡眠には、眠りの浅い時間(レム睡眠)と眠りの深い時間(ノンレム睡眠)があります。

眠りの深いノンレム睡眠が大脳を休め、成長ホルモンの分泌や、免疫機能の増加など疲労回復に有効なので、深い眠りが体には重要です。

このように「睡眠」は人間にとって、とても重要なことが分かりますが、日常生活の様々な要因から影響を受けます。

生きていくために必要不可欠な「食べ物」や「飲み物」も睡眠に大きな影響を及ぼします。

食べ物や飲み物の成分の中には、「睡眠をコントロールして寝つきを良くするもの」から、「寝つきを悪くしなかなか眠れなくするもの」、「夜中に何度も起きてしまう原因になるもの」があります。

また「摂取の仕方」も睡眠に影響を及ぼし、「寝る何時間前に食事を取るか」、「温かいものか、冷たいものか」などによっても左右されます。

次の項では、具体的にどんな食べ物や飲み物が「睡眠」にどのような影響を及ぼすかを見ていきます。

睡眠に良い食材は何?

良い眠りには、どのような食材が効果的なのでしょうか?

食べ物や飲み物にはいろいろな栄養素や成分が含まれていますが、良い眠りのためにおすすめしたいのが、「トリプトファン」を含む食材です。

「トリプトファン」は脳の神経伝達物質であるセロトニンを生成する材料で、このセロトニンは寝つきを良くしたり精神を安定させる作用があります。

セロトニンを生成する材料の「トリプトファン」は体内で合成できないアミノ酸なので、食べ物や飲み物で摂取する必要があります。

この「トリプトファン」を多く含む食材には、次のようなものがあります。

●バナナ
●キウイ
●魚、肉
●ごま
●ハチミツ
●乳製品
(牛乳やチーズなど)
●大豆製品
(納豆や豆乳など)

セロトニンの合成を促進させる「ビタミンB6」も合わせて摂ることが効果的で、ビタミンB6が含まれる食材は以下になります。

●レバー
●鶏肉
●マグロ
●カツオ
●米
●パスタ
●ジャガイモ

また、長寿ホルモンとも呼ばれる「DHEA」や、睡眠ホルモンとも呼ばれる「メラトニン」を含む食材も良い睡眠に効果的です。

「DHEA」は山芋やとうもろこし、カイワ大根含まれに、「メラトニン」はオーツ麦に含まれています。

良い睡眠を取りたい人は、これらの食品をバランスよく積極的に摂ることをおすすめします。

次の項では、これらの食材を使った簡単レシピをご紹介します。

睡眠に良い食べ物・飲み物レシピ

「トリプトファン」など、睡眠に良い成分をより多く摂取するためのおすすめレシピをご紹介します。

●カルフォルニアロール

【材料】

・米 1合
・海苔 1枚
・サーモン 20g
・クリームチーズ 10g
・アボガド 1/4個
・レモン汁 小さじ1
・鮭フレーク 適量
・スーパースプラウト 適量
・米酢 大さじ3
・てんさい糖 小さじ1
・塩 小さじ1/4

カルフォルニアロールは簡単なのに、見た目もお洒落で、食卓を華やかにする料理として重宝します。

サーモンとクリームチーズ、アボガドから「トリプトファン」が得られます。

海苔やレモン汁、スーパースプラウトなどからは、鉄分やビタミン群、葉酸など様々な栄養素が得られるので、睡眠にも健康にも効果的な料理です。

また、睡眠の導入に効果的な飲み物「ホットきなこドリンク」をご紹介します。

●ホットきなこドリンク

【材料】

・牛乳 カップ1杯分
・きなこ(適量)
・ハチミツ(適量)

「牛乳」の代わりに「豆乳」も効果的です。

どちらも「温めたもの」を使用しましょう。

冷たい飲み物より、温かい飲み物の方が入眠に効果的です。

人間は、体の中心部の温度「深部体温」を下げると、うまく眠りにつくことが出来ます。

「深部体温」を下げるきっかけとして、体を一旦温めると、人間の体は体温を正常に保つため、温度を下げようとします。

このメカニズムをうまく働かせるためにも、牛乳や豆乳は温かいものを使い、安眠に効果のある「トリプトファン」を多く含む大豆やハチミツを混ぜる、簡単な「ホットきなこドリンク」を寝る前に取り入れて見ましょう。

睡眠を妨げてしまう食べ物、飲み物とは?

睡眠を阻害してしまう食べ物や飲み物には、どのようなものがあるのでしょうか。

摂取に注意をした方が良い食材の1つは、「カフェイン」を含むものです。

カフェインには興奮作用があるので、眠りを妨げる可能性があります。

また利尿作用もあり、夜中のトイレの原因にもなるので、安眠に影響を及ぼすことがあります。

カフェインを含む食べ物にはチョコレートがあり、飲み物には、コーヒーや紅茶、ウーロン茶、緑茶、ココア、コーラ、栄養ドリンクなどがあります。

安眠したい人は、このようなカフェインを含む食べ物や飲み物の摂取は、夕方以降、特に注意しましょう。

カフェインの他に注意したいのが、「アルコール」の摂取です。

アルコールは寝つきを良くするように思いますが、作用としては逆に眠りを浅くし、覚醒する原因となるので、寝る前のアルコール摂取は注意しましょう。

これらの他に注意したい食品に、インスタント食品やレトルト食品、スナック菓子などがあります。

夕食を取った後でも、遅くまで起きているとお腹がすいて眠れないことがあると思います。

そんな時、ちょっとお腹に入れてから寝ようと、お菓子やインスタントものを食べてしまいがちでしょう。

しかし、これらの食品には変質を抑えるために「リン酸塩」が多く含まれています。

リン酸塩は、体の亜鉛の吸収を妨げ、カルシウムの排泄を促してしまうので、カルシウム不足を起こし、精神が不安定な状態になります。

精神が安定せずイライラなどを引き起こすと、寝つきも悪く浅くなってしまいます。

夜遅い時間の空腹を満たしたいときには、前述したような、温かい飲み物をおすすめします。

睡眠の「質」を食べ物や飲み物に注目して向上させよう!

ここからは、睡眠の「質」を上げる方法をご紹介していきます。

体は、食事後に消化活動を行うため、食後すぐ寝てしまうと寝ている間も内臓は活発に動き、体が休まらず、眠りが浅くなったり、消化にエネルギーが使われ、体の機能回復が十分に行われず、疲れが取れない原因となります。

良い睡眠のためには、夕食は就寝の「3時間前」までに済ませるのが理想的です。

安眠したい人は、夕食の時間を意識し、胃に食べ物が出来るだけ残らないように、焼肉やステーキ、揚げ物など、消化に時間のかかるタンパク質と脂質の多い食べ物の摂取は控えましょう。

どうしても夕食から就寝までの時間が短くなってしまう場合は、消化の良いものを少量だけとるようにして、睡眠に備えましょう。

就寝前に安眠に効果的な飲み物を、ここでも、もう少しご紹介します。

「眠りを促す効果」のある飲み物として、前にレシピでもご紹介した「ホットきなこドリンク」の他に、「カモミール」や「ラベンダー」などのハーブティーも効果的です。

カモミールやラベンダーにはリラックス効果があるので、温かいホットハーブティにしてとると、良い眠りに促す作用があります。

カモミールティーから立つ湯気は、鼻づまりの改善にも効果があり、睡眠時の口呼吸も防ぐことができます。

また「ミント」は、就寝前の睡眠導入にも、朝のスッキリした目覚めにも効果的といわれているので、おすすめです。

ただ、ハーブティーを摂る際、妊娠中、授乳中の人やアレルギーを持っている人には注意が必要なので、事前に調べてから試しましょう、

良い睡眠のために、気を付けたいこと

これまで、食べ物や飲み物が、睡眠にもたらす影響や効果をお伝えしてきましたが、飲食以外にも、良い睡眠のために必要なこととして、次のようなことが挙げられます。

●生活リズム

睡眠には、生活のリズムが大きく関係します。

3食きちんと同じ時間に食事を摂って、適度な運動を行い、規則正しいリズムで生活することが、安眠に繋がります。

起床時間を休日だけ長くしたり、次の日の早起きに備えて早く寝るなど、日によって起床時間や就寝時間を変えてしまうと、リズムを乱し良質な睡眠の妨げになります。

起床と就寝の時間を固定して、生活サイクルを整えましょう。

●適度な運動

適度な運動も、自然な心地よい眠気を誘い熟睡をもたらすので、自分の生活リズムに合わせた運動を取り入れてみると効果的です。

●入浴

就寝前は睡眠導入に効果をもたらすように、38度程度のぬるめのお湯で、5~30分程度湯船につかり、じっくり体を温め、体も気分もリラックスさせましょう。

●寝室の環境

寝室の環境も、睡眠に密接しているものです。

室温や湿度調節に気をつけ、就寝中は体内の体温調節がうまく出来るように適温を保ち、部屋は出来るだけ暗くしましょう。

寝具は体型に合ったものを選び、体のS字カーブがバランスよく支えられるものを使用することが効果的です。

就寝前、寝室で過ごす時間に、川のせせらぎなどリラックスできるヒーリング音楽を聴くと、副交感神経が優位に働きリラックス効果で安眠が期待できます。

食べ物や飲み物に注意する以外にも、生活リズムや環境を整え、質の良い睡眠を目指しましょう。

質の良い睡眠で疲れない健康な体に!

睡眠は、人間の体に大きな影響を与え、健康的にも不調をもたらす原因にもなります。

一概に「質の良い睡眠」を心がけるといっても、生活リズムだけでなく、毎日欠かせない食べ物や飲み物など、様々な要因が睡眠に影響を及ぼします。

そのため、生活全般を改めて一度見直すことが、質の良い睡眠に近づく第一歩です。

ぐっすり眠り、すっきりした朝を迎えて、健康的な毎日を過ごしましょう!