「どうしても仕事が間に合わない」
「明日テストだから」
様々な理由で徹夜を考える方はいるでしょうが、長時間睡眠をとらずにいると、思考能力が低下することをご存知でしょうか?
徹夜をする時こそ、短時間でも睡眠をとった方が効率的に作業を進められます。
今回は徹夜をする時に睡眠をとった方が良い理由と、その方法についてまとめてみました。
睡眠をとらずに徹夜をすると?
「一度眠ったら起きられないかも」
そう考えてしまい、徹夜を覚悟すると一度でも睡眠をとることをあまり考えない方はたくさんいらっしゃいます。
しかし、睡眠をとらずに徹夜をすることは、あまりお勧めできません。
人間は、朝起きてから半日以上経つと、作業効率が徐々に下がっていきます。
17時間後には、血中アルコール濃度が0.05%の時と同じくらいに低下するのです。
また、眠い目をこすりながら仕事や勉強をしていても、集中力は低下しているので内容が中々頭の中に入らないなんてこともありますよね。
特に、テスト勉強の場合には、一夜漬けをして頑張る方も多いのでしょうが、睡眠が不足していると記憶は定着しづらくなりますので、「徹夜してひとつでも多く覚えよう」というのは、あまり意味が無いことなのです。
それならば、しっかりと眠ってから短時間で暗記をする方がとても効率的です。
また、睡眠不足は体調不良や免疫力低下も招くため、徹夜明けに気分が悪くなる方もいます。
翌日の血圧が大きく上がってしまうこともあります。
翌日も仕事や学校がある時には、ますます避けた方が良いということになりますね。
さらに、頻繁に徹夜を繰り返していると、身体のリズムが不規則になってしまい、睡眠障害を引き起こす可能性もあります。
徹夜をするのは、その一日だけの問題ではなく、後々まで問題を引きずってしまう可能性さえあるのです。
徹夜の前に短時間の睡眠をとるメリット
それでは、短時間の睡眠にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
徹夜の弊害を考えると、睡眠をしっかりととった方が良いことはわかります。
短時間ならあまり意味が無いように感じてしまう方もいるかもしれませんが、僅かな時間でも多くの効果を認めることが出来ます。
・作業の効率アップ
・ストレスの軽減
・睡眠負債を減らす
・体力アップ
・気力の充実
起きている時間が長引くほど、作業の効率が低下すると述べましたが、短時間の睡眠により頭がすっきりと冴えて、作業の効率アップが図れます。
睡眠は人間の最大の欲求ですので、眠りたいのに眠れないことは大きなストレスともなります。
わずかでも睡眠がとれれば、ストレスの軽減にも繋がるのです。
また、日々の睡眠不足が積み重なる「睡眠負債」も、先に短時間の睡眠をとることで軽減することが出来ます。
それでは、効果的な短時間の睡眠方法について見ていきましょう。
効果的な短時間睡眠のとり方
短時間の睡眠と言っても、短ければどれくらいでも良いというわけではありません。
効果的に睡眠をとることが出来ないと、せっかく時間をとって眠りに就いたのに、頭がぼんやりとして眠る前よりも作業が進まないことさえあります。
それでは、効果的な短時間の睡眠とはどれくらいの時間を指すのでしょうか?
もし、徹夜とは言っても少し時間の余裕があるのならば、90分間の睡眠をとると良いでしょう。
睡眠の周期は90分の倍数と言われていますので、90分間ぐっすり眠ると起きた瞬間から頭がすっきりとします。
しかし、少しでも時間が惜しいという方は、15~20分の睡眠でも十分に効果が発揮されます。
20分程度の睡眠の場合、身体が本格的な睡眠に入る前に起きることになります。
長く眠り過ぎると、睡眠慣性が働くことにより、起きても眠気が覚めなくなる一番つらい状態が続くことになるので、作業の効率どころではなくなります。
そのため、「やっぱり眠らなければよかった」なんてことにもなりかねませんね。
しかし、疲れていると設定している時間よりも長く眠ってしまいそうで心配になりますよね。
そこで、少し長めに設定をしたアラームを掛けておいた方が安心です。
ただし、90分の睡眠ならば95分、20分ならば25分というように、僅かな間を取り入れると良いのですが、あまり多く設定しすぎると眠り過ぎてしまいますので、注意しましょう。
短時間の睡眠でもお布団には入る?
家にいる状況で短時間の睡眠をとる場合には、お布団に入るべきか迷う方もいらっしゃいますよね。
「徹夜に備えて早めにお布団に入ったのに、朝まで寝てしまったら」というような心配がありますので、本来ならお布団には入らない方が安心です。
、
しかし、90分の睡眠をとる場合は、無理な姿勢だと身体の筋や関節を傷めてしまう恐れがあります。
15分ならば椅子にもたれるような姿勢でも良いのですが、90分ならばお布団に入った方が良いと言えます。
しかし、あまりに快適な状況だと寝過ごしてしまう可能性がありますので、電気は点けたままにするなどの工夫をすると良いでしょう。
また、アラームを数分おきにかけておくと、二度寝を避けることが出来ます。
その際、音楽などをタイマーで設定しておいて起きる時間に流れるようにしておくと、目が覚めやすいかもしれませんね。
その場合、間違ってもオルゴールや自然の音のような子守歌代わりになる音楽をかけないように注意しましょう。
ただし、快適にしないためという理由で、掛け布団を掛けない、というようなことは避けてください。
寒くて目が覚めるかもしれませんが、体調を崩す恐れがあります。
そのため、暑さや寒さに対する対策はしっかりと立てておきましょう。
睡眠に入りやすくするグッズ
先ほど、寝過ごさないために電気を点けたままにするということを述べましたが、明るすぎて今度は眠れなくなるということもありますよね。
そんな時には、アイマスクを使用して目から入る情報を遮断すると良いでしょう。
アイマスクならば、アラームと同時にずらして光を入れれば、暗い部屋で起きるよりも素早く目を覚ますことが出来ます。
パソコンで疲れた目のために、ホットアイマスクという商品もあります。
ホットアイマスクは癒しの効果が高いので、気持ち良く眠りに誘ってくれるでしょう。
また、自宅だけではなく、オフィスで徹夜をするという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな方は、デスクで使用するノート型のまくらや、ネックピローを使用すると快適な睡眠を得ることが出来ます。
靴を履いたままで眠りにくいと感じる方には、足元に使用するフットレスハンモックなどを使用すると開放感があって眠りやすくなります。
今では、仮眠をとるために快適なグッズがたくさん販売されています。
こうしたグッズを上手く活用して、短時間でも質の良い睡眠をとるようにしましょう。
徹夜前の短時間睡眠の注意点
ここまで、徹夜の前に短時間の睡眠をとる方法についてご紹介してきました。
しかし、徹夜をする時に睡眠をとること以外にも注意することがあります。
まずは、睡眠をとる前の食事です。
食後は眠くなることが多いので、睡眠をとるタイミングとして丁度良いように思えますが、消化不良で眠りが浅くなるために90分など長時間の睡眠前には向いていません。
20分以上の睡眠を予定している場合には、食事時間に注意が必要です。
また、眠れない時は無理に眠ることを考えないようにしましょう。
「早く眠って仕事を再開しなければ」と焦って睡眠をとろうとすると、かえって眠れなくなるものです。
眠ること自体が目的なのではなく、徹夜をする前に身体の負担を減らすことが目的ですので、眠れないことをストレスに感じては意味がありません。
そんな時は、アイマスクや耳栓などで外界からの情報を遮断して、リラックスするだけでも良いのです。
休憩をはさんで、また作業を再開するようにしてみてください。
また、最後に、連日の徹夜は避けるようにしましょう。
短時間の睡眠というのはあくまでも非常手段ですので、毎日短い時間の睡眠で過ごそうというのは身体に負担が掛かりすぎます。
一度徹夜をしたら、翌日は無理をせずにいつも以上にゆっくりと休むことを心掛けましょう。
まずは身体を第一に
仕事に勉強にと、徹夜をしても作業を進めたいことはたくさんあると思います。
また、必要に迫られて起きていなければならないこともあるでしょう。
しかし、そのために体調を崩してしまっては何もなりませんし、翌日以降にも差支えが出てきます。
年齢を重ねるとともに、身体も無理が利かなくなってきます。
体調をしっかりと見ながら、まず少しでも身体を休めることを考えて、徹夜に臨むようにしてみてくださいね。