人間の睡眠時間は、赤ちゃんと成人で大きく異なりますが、動物は1日にどれくらい寝ているのでしょうか。
今回は、平均睡眠時間が長い動物ランキングをご紹介します。
睡眠時間が短いイメージのあるネズミや反対に、長いイメージの猫の睡眠時間も合わせてお伝えします。
平均睡眠時間が長い動物ランキング!1位はコアラ
平均睡眠時間が長い動物ランキング、早速1位の動物をご紹介します。
数いる動物の中で、最も平均睡眠時間が長い動物は「コアラ」です。
気になるその平均睡眠時間は、なんと22時間です。
草食動物は、敵から身を守らなければいけないため、睡眠時間が短いと言われていますが、コアラは例外です。
1日のほとんどを寝て過ごすコアラですが、なぜこんなに眠るのでしょうか。
その理由には、餌のユーカリが関係していました。
ユーカリには、毒性のある青酸が含まれています。
この「青酸の解毒に、大きなエネルギーを使っていること」と、「ユーカリの栄養価が低いために無駄なエネルギーを消費しないようしている」という2点の理由から、こんなにも睡眠時間が長いのです。
ユーカリはとても消化が悪く、コアラは胃や腸で消化をしきれなかった分を、盲腸で時間をかけて消化しています。
コアラは、盲腸にある毒を分解する酵素で、解毒しています。
それでは、なぜそんな効率の悪いユーカリの葉を食べているのでしょうか。
これには、夜行性であるコアラにとって、それが唯一、他の動物に邪魔されず食べることができる葉っぱだったからと言われています。
コアラの睡眠時間が長い理由には、厳しい野生の世界を生き抜くための切実な事情が隠されていました。
平均睡眠時間が長い動物ランキング!2位は納得のナマケモノ
平均睡眠時間が長い動物ランキング、続いて第2位は「ナマケモノ」です。
名前の通り、とてものんびりしていて、長い爪を使い、常に木にぶらさがって寝ています。
その、気になる1日の平均睡眠時間は21時間で、コアラに次いでほとんどの時間を睡眠に費やしています。
なぜこんなに眠るのか、その理由はと言うと、コアラと同じでエネルギーの消費を抑えているからです。
ナマケモノは、胃や腸の微生物の数が極端に少なく、食物を消化することにおよそ1ヵ月もの時間を要します。
ですので、1日に食物を摂取する量はわずか8gと、他の動物とは比にならないくらい少ないです。
そして、悲しいことにその8gほどの食物もうまく消化できない場合があり、そうすると食べながら餓死してしまうこともあるとも言われています。
排せつの時間以外は、敵がいない安全な木の上で過ごし、ほとんど動かず寝ている理由には、悲しい事実がありました。
平均睡眠時間が長い動物ランキング!3位から4位をご紹介
この章では、平均睡眠時間が長い動物ランキングの3位から4位をまとめてご紹介します。
まず、3位は「コウモリ」です。
洞窟などの暗い湿った場所で、器用にさかさまになって寝ているコウモリは、夜行性です。
1日の平均睡眠時間は、20時間ほどで、食事と交尾、排せつ以外の時間は睡眠に費やしています。
なぜかというと、コウモリは基礎代謝量が少ないために、たくさん餌を食べ、活動に大きなエネルギーを使います。
そのため回復に時間がかかり、1日の大半を寝て過ごしているのです。
続いて、平均睡眠時間が長い動物ランキング4位は、「オオアルマジロ」「オポッサム」「ニシキヘビ」で、それぞれの1日の平均睡眠時間は、約18時間でした。
基本的に肉食動物は、狩りをするために体力を蓄える意味で睡眠時間が長いです。
その中でも、この動物達は、より平均睡眠時間が長いです。
また、オオアルマジロに関しては、睡眠ではないですが、衝撃な事実がありました。
オオアルマジロの主な餌は昆虫類や蛇などですが、南米地域では埋葬された人間の死体を掘り起こして食べていたということがあったそうです。
そのため、害獣に指定されています。
人間の赤ちゃんは6位!睡眠時間が長い動物ランキング
平均睡眠時間が長い動物ランキング、この章では5位と6位をご紹介します。
まず、5位の動物は「ヨザル」です。
ヨザルは、熱帯雨林に生息している夜行性の動物です。
気になる1日の平均睡眠時間は17時間で、活動的になる夜の時間帯以外は、木の上で眠っています。
続いて6位は、「人間の赤ちゃん」です。
ここにきて、やっと人間がランクインしました。
気になる平均睡眠時間ですが、生後0~3ヵ月未満の人間の赤ちゃんは、1日に14時間から17時間程度です。
大人よりも赤ちゃんが長く眠る理由には、成長ホルモンが関係しています。
人間は、1歳になるまで体長が約1.5倍ほど成長します。
また、体重はおよそ3倍にまでなります。
成長に不可欠な成長ホルモンをたくさん分泌させるために、赤ちゃんは長い時間を睡眠に費やしています。
睡眠時間が短い動物はキリン!超ショートスリーパー
これまで、平均睡眠時間が長い動物をランキング形式でご紹介してきましたが、この章では反対に、睡眠時間が短い動物をご紹介します。
平均睡眠時間が最も短い動物は、「キリン」です。
キリンの1日の平均睡眠時間は、なんと1.9時間です。
その中で、身体を丸くしてしっかりと睡眠を取っている時間はわずか20分と、心配になってしまうような事実がわかりました。
ほとんど立った状態で寝ていて、完全に脳と身体が休まっている時間は、わずか1分から2分程度です。
キリンは草食動物なので、ライオンや虎などの肉食動物に狙われるために、長く休んでいられないというのが、睡眠時間が極端に短い大きな理由です。
また、キリンは身体が大きい上に活動量が多いため、餌を大量に食べなければいけません。
草食であるためにエネルギー効率が悪く、1日の大半を食事に費やしています。
加えて代謝率が低いことで、細胞を回復させるための睡眠時間をあまり必要としないという理由もあります。
ネズミや猫の睡眠時間はどれくらい?意外な事実があった
睡眠時間が長い動物と短い動物がわかりましたが、睡眠時間が短いイメージがあるネズミや反対に長いイメージがある猫は、どれくらい寝ているのでしょうか。
まず、ネズミですが、意外なことに睡眠時間が長いです。
ネズミの中で、最も睡眠時間が長いのはトガリネズミで、1日に15.8時間も眠っています。
また、アレチネズミは13.1時間で、こちらも動物の中では比較的長いです。
ネズミは、コウモリと同じでエネルギー効率が悪いため、回復に時間がかかり睡眠時間が長くなります。
猫は、睡眠時間が長い動物ランキングの上位には入りませんでしたが、1日に14時間から16時間ほど眠っています。
人間と同じで、赤ちゃんの時期にたっぷりと睡眠を取ります。
猫の平均睡眠時間が長い理由は、睡眠の質にあります。
猫は長い時間眠っていますが、全体の睡眠時間の中で、深い睡眠モードのノンレム睡眠の時間が20%程度と、かなり低いです。
人間は、ノンレム睡眠の時間が80%と言われているので、真逆になります。
結果として、猫が1日のうちに、深い睡眠を取っている時間は、3時間程度となり、実質的には短いと言えます。
睡眠時間が長い動物ランキングからわかった動物の生態
これまで、動物の睡眠時間についてお伝えしてきましたが、参考になりましたか。
睡眠時間が長い動物ランキング1位はコアラで、そこには悲しい理由が隠されていました。
また、睡眠時間が短いイメージがあるネズミは、意外と長く眠っています。
動物の睡眠には、基礎代謝量や生育環境などの生態が大きく関わっていることがわかりました。