睡眠に関しては、まだまだ知られていないことが多いとされています。
睡眠の時間に関しては、何時間が良いとは決められていません。
人それぞれのタイプがありますし、短時間でも十分に元気な人もいますよね。
要は質の良い睡眠を手に入れることが大切です。
そこで、今回の記事では質の良い睡眠を取るための方法を取り上げます。
睡眠時間に適しているのは8時間が良いってほんと?
現在、就業している日本人の平均的な睡眠時間は約7時間半と言われています。
よく「睡眠時間に適しているのは8時間」と言われます。
では、この平均睡眠時間と比較して考えると、日本人のほとんどが寝不足だと思う方もいるかと思いますが、実のところどうなのでしょうか。
実は、そうとも言い切れません。
8時間という睡眠時間はあくまでも一般論であり、「睡眠不足」とは、起きた時にすっきりとした気分で起きられたかどうかで決まるものです。
8時間以上寝ていても、体がだるかったり、疲れが残っていたらそれは間違いなく睡眠不足なのです。
逆に、5時間でもすっきりと目覚めることができれば、十分な睡眠が取れていると考えられるでしょう。
睡眠は、時間ではなく、質の良い睡眠かどうかが問題です。
逆に質の良い睡眠を取れば、5時間でも十分に体の疲れも取れ、頭もすっきりする、と言われています。
では、質の良い睡眠を取るには、どんなことに心がけたら良いのでしょうか?
ここでは、睡眠の質にこだわって考えていきます。
睡眠のサイクルを知ろう
誰でも睡眠中には、「レム睡眠」と呼ばれる時間と「ノンレム睡眠」と呼ばれる時間があります。
この2つの時間を4、5回繰り返して、人間は良い睡眠を取っているのです。
「レム睡眠」は、体は眠っているものの、大脳は起きたままの状態にある状態で、夢を見ているのはこの「レム睡眠」の時です。
一方「ノンレム睡眠」は大脳もすべて休養に入り、いわゆる熟睡している良い睡眠時間です。
この浅い眠りと深い眠りを繰り返し睡眠時間ができあがるわけですが、この「ノンレム睡眠」の時間が長くなれば、熟睡時間が長いため、大脳もしっかりと休むことができます。
それが何らかの原因で「レム睡眠」の時間が圧倒的に長い場合は、長く睡眠を取っていても、大脳が休まることができません。
つまり、起きてもぼーっとした状態になってしまうわけです。
一番理想となるのは、「レム睡眠」が短く繰り返し、「ノンレム睡眠」が長く保たれることですが、眠りに入る時に早く眠りにつけると「ノンレム睡眠」に早く移行できると言われています。
十分な睡眠時間で良い睡眠を!ホルモンのコントロール
仕事をしている人のほとんどが目覚まし時計をかけて起きていると思いますが、理想は、体が睡眠のリズムをつかんで、レム睡眠中に自然と心地良く目覚めるのが良いとされています。
そのためには、ホルモンのバランスを整える必要があります。
このホルモンのバランスは、毎日の生活習慣で整えることができます。
まず、早朝の時間帯に、お日様の光を浴びることが重要です。
そうすることで、脳内に「セロトニン」というホルモンが十分に分泌されることになります。
「セロトニン」は精神状態に少なからず影響を及ぼし、心身の安定や安らぎに関与すると言われています。
そして、「セロトニン」が分泌されると、夜の睡眠の質の向上に役立つ睡眠ホルモン「メラトニン」が分泌されやすくなり、体内時計をリセットする役割を果たします。
セロトニンの分泌で、睡眠ホルモン『メラトニン』が正常に分泌されることで、体内時計がリセットされるのに役立つ、というわけです。
規則正しい生活ができなくてもなるべく良い睡眠を
朝、太陽の光を浴びて、夜はいつも定刻に眠りにつくような規則正しい生活ができれば、良い睡眠も手に入れることができそうですね。
しかし、仕事の関係や様々な事情で、夜遅くまで仕事していたり、朝になってから眠る、という人も少なくありません。
そういう場合でも、それなりの睡眠の取り方があるのです。
規則正しい時間を決めて生活をすることは大前提で、同じ時間になるべく食事をし、就寝することを心がけましょう。
睡眠時間も同じくらいにして、体を慣らしていきます。
そうすることで、良い睡眠を手に入れることができるケースが多いです。
自分の寝室を、起きる時間には明るく、就寝前には静かに暗くする努力をしてみましょう。
アイマスクなどの快眠グッズを使うのもお勧めです。
生活リズムを睡眠に合わせ、自分なりの睡眠環境を整えることで、不規則な仕事の人でも良い睡眠を得ることができます。
まずは、自分の生活スタイル、睡眠環境を見直してみましょう。
良い食生活にも注意しよう
良質の睡眠時間をしっかりと取ることで、ほとんどの人が健康な体を作ることはできますが、それに加えて、食生活も見直しましょう。
夜勤勤務などの人が陥りやすい体調不良の原因として、食生活の乱れがかなり顕著にあると言われています。
交代勤務などの関係で、食事の時間がばらばらになってしまうことはある程度仕方がないとしても、就寝前には消化の良いものを少量だけ食べるなどの配慮は必要です。
就寝時に胃や腸がまだ消化が終わっていない状態だと、体が完全に休めているわけではありません。
大脳も指示を出さなければならず、休養時間にはなりません。
そのため、起きた時に胃がもたれたり、吐き気をもよおすなどの胃腸障害が起きやすくなります。
また、体が完全に休めていないため、極度の睡眠不足となるでしょう。
睡眠不足の状態が続けば、うつなどの精神的な疾患も現れることがあり、全身的に体調不良となります。
とくに昼夜が真逆の生活であれば、それなりに食事内容を見直すなどの努力が必要です。
睡眠を妨げるようなことをせず、起きてこれから体を動かす時に、しっかりと食事をバランス良く摂るなどの配慮が必要となるのです。
人によってちょうど良い睡眠時間の長さは違う
冒頭でも触れましたが、人によって適切な睡眠時間は違ってきます。
子供の頃から良く寝るタイプの人と、あまり寝ないタイプの人がいますよね。
睡眠時間の長さはその人によってまちまちですから、ご安心ください。
どれくらいの時間が良いのかは人によって違うので、人と比べて自分が少ない、多いと気にすることはないでしょう。
それよりは、いかに質の良い睡眠で元気にいられるかを、考えるべきなのです。
目覚めた時にどれくらいすっきりと頭が冴えているかどうか、体に疲れが残っていないかどうかで、睡眠の質を考えてみましょう。
何となく体のだるさが抜けない、精神的に不安定になるなどの症状があれば「寝不足」が考えられるので、原因を突き止めましょう。
寝室の雰囲気を変えたり、生活リズムを意識してみたり、ちょっとしたことで睡眠は大きく変わります。
大切なことは自分の中で睡眠がしっかりとれる環境を作り、それを習慣化してみることです。
年齢と共に体が変わる時期もありますので、常に自分の体と向き合って、睡眠が正しく取れているかチェックすることは必要ですね。
難しいことですが、健康管理をしっかりして、仕事に支障が出ないようにしていきたいものです。
人に惑わされない!自分で良い睡眠時間を守る!
性格もそうですが、人には様々なタイプがあります。
体質や体力もバラバラです。
もちろん、仕事や子育て、学業などで生活リズムも違います。
そんな中、「睡眠時間が足りないと悪影響!」という周囲の声に惑わされてしまうことも多いかもしれません。
間違いではないのですが、神経質にはなりすぎないようにしましょう。
夜勤で、昼間に寝ることが多い場合でも、続けていける人も多いです。
他人には他人、自分には自分の体調管理方法があるはずです。
自分の体の変化に敏感になって、いたわってあげてください。