みなさんは、夜ぐっすり眠れていますか?
ぐっすり眠れるという方もいれば、疲れているのになかなか寝付けないという方や夜中に何度も起きてしまうという方もいるでしょう。
今回は、リラックス効果があるという副交感神経の睡眠のツボはどこなのか、どのような効果があるのか調べてみました。
副交感神経とは?
副交感神経を優位に立たせるためにツボ、などとしてよく聞くこともあるかと思いますが、そもそも副交感神経とは何なのかご存じでしょうか。
副交感神経とは、つまり、自律神経の一つです。
自律神経とは、血のめぐりと大きな関わりがあり、自律神経の血のめぐりが悪くなる事で、体調不良を感じたり、痛みを感じる事があります。
神経系は、大きく分類して、中枢神経と末梢神経の2つがあります。
前者の中枢神経とは、脳と脊髄の神経の事です。
後者の抹消神経とは、神経繊維の集まりの事で、抹消神経も体性神経と自律神経の2つに分類されます。
自律神経は、意識的に動かす事は出来ず、反射的や自動的に動くので、自律神経と言われています。
生きていく上で、重要な心臓や胃腸なども自律神経が働きを調節してくれているのです。
更に、自律神経も交感神経と副交感神経の2つに分類されます。
交感神経とは、緊張したときやストレスを感じたときに働きます。
反対に、副交感神経とは、睡眠のときやリラックスしているときに優位に働く神経なのです。
ぐっすり睡眠をとるには、この副交感神経はとても重要になると言えます。
では、この副交感神経が低下するとどうなるのか、次項でご説明します。
副交感神経が低下するとどうなる?
現代人は、過労やストレスなどにより、副交感神経の働きが低下しやすくなっていると言われています。
では、副交感神経が低下してしまうとどのような症状や病気を引き起こす事が考えられるのでしょうか。
まず、交感神経によりストレスや緊張状態が続くと「自律神経失調症」になってしまう可能性があります。
自律神経失調症とは、慢性的な疲労やめまいや耳鳴り、立ちくらみ、手足のしびれなどの症状を引き起こします。
自律神経失調症は、男性より女性が、かかる方が多いのです。
なぜ、女性の方が自律神経失調症にかかりやすいかと言うと、女性ホルモンは、脳の視床下部という箇所がコントロールしており、この視床下部は、自律神経を司っています。
そして、毎月の生理や年齢に伴う変化により、自律神経が乱れやすいのです。
また、疲れや首のこりなどで、血流が悪くなり、自律神経の機能を低下させ、立ちくらみや冷え、目が疲れやすくなる、などの症状を引き起こします。
さらに、自律神経が乱れると睡眠にも障害を起こし、不眠症になってなかなか睡眠出来なかったり、夜中に何回も起きたりと、負のスパイラルに陥ってしまいます。
それでは、毎日疲れを溜めないためにも副交感神経に効くツボを指圧して、リラックスする方法をご紹介します。
睡眠に効果がある副交感神経に効くツボとは?
では、交感神経より副交感神経を優位にして、リラックスするには、どのような方法があるのでしょうか?
一番簡単に出来る方法は、自分で副交感神経に効くツボを刺激してみる方法です。
東洋医学では、人間の体には365個のツボがあると言われています。
365個もツボがあれば、体のどこか触ればツボにあたるような感じがしますよね。
この中でも睡眠に効果のあるツボはどこなのでしょうか?
そのツボは、いくつかあり、代表的なものは、首にある「安眠」というツボです。
名前を聞いただけでも熟睡出来そうですね。
「安眠」のツボは、耳の後ろの下の方にある尖っている骨の出っ張りの部分から、指の一本分下にある部分にあります。
睡眠がしっかりととれていない方は、この安眠のツボを押すと痛みを感じる事があります。
安眠のツボの押し方は、人差し指、中指、薬指の3本の指を使って、ゆっくり骨をなでるように指圧してみましょう。
指圧するときは、強めに10〜20秒くらい押し、それを5〜10回ほど繰り返してください。
完骨は睡眠障害に効くツボ!
つづいて、不眠症やめまいに効く「完骨」(かんこつ)というツボをご紹介します。
完骨は、耳の後ろにある骨のふくらみの下から指一本分上にあるツボです。
完骨は、副交感神経を活性化させるツボと言われ、血液循環や首や肩周辺の血行不良を改善し、睡眠を促してくれます。
指圧の方法は、親指を完骨にあて、ゆっくりと上に押し上げるように指圧しましょう。
1回に5秒間押し上げ、これを5〜10回繰り返すと効果的です。
また、完骨のツボは、顔の周りの血行を良くしてくれるので、むくみが取れ、小顔効果や吹き出物などのトラブルにも効果があると言われています。
偏頭痛持ちで、「頭が痛くなる事が多いけど、薬を飲みたくない」という方は、完骨のツボを押すと頭痛が少し治まる事もあるので、試してみると良いかもしれません。
万能なツボ!合谷とは?
睡眠に効くツボで、他にも頭痛・花粉症・肩こりにも効く「合谷」(ごうこく)というツボがあります。
合谷は、押すだけで、副交感神経に働きかけるだけでなく、様々な効能があると言われており、万能なツボなので、是非覚えておきましょう。
合谷は、人差し指と親指の骨が交わるところから、やや人差し指よりの所にあるツボです。
押したときにジーンと痛みを感じたりすれば、ツボが刺激出来ています。
指圧の方法は、指圧したい手と逆の手の親指で押すか小さな円を描くように押しましょう。
3秒押し、また3秒離すというように繰り返し指圧すると効果的です。
合谷は、睡眠不足だけでなく、下痢、便秘、ニキビなどにも効果があると言われています。
合谷を指圧した方は、「便秘気味だったけど、毎日お通じがくるようになった」とか、1時間くらいで、頭痛が治まったという方もいます。
合谷は手の甲にあるツボで、簡単に出来るマッサージなので、仕事の合間など疲れたときに押してみると良いかもしれませんね。
足の裏にあるツボとは?
最後に副交感神経に効果的でリラックス出来ると言われている「失眠」(しつみん)というツボについてご紹介します。
失眠は、足の裏のかかと中央のツボの事です。
かかとの真ん中が分かりにくい方は、親指と人差し指で輪っかを作り、かかとを丸く囲んでみると、「かかとの中央」が分かりやすいです。
指圧の方法は、親指で、かかと中央を垂直に押しましょう。
足の裏は、皮が硬く、指圧しても刺激が届きにくいので、ゴルフボールなどの硬いもので指圧すると良いでしょう。
これを約20秒間指圧し、それを3回ほど繰り返すと効果的です。
また、指圧に加え、お灸も効果的です。
お灸をするときは、オイルや油を塗って、モグサを少しのせると良いでしょう。
失眠のツボは、癒しを与えてくれ、リラックス効果があるツボなので、睡眠や冷え性の方にも効果があると言われています。
また、不眠症だけでなく、神経症やうつ症状などを改善するという効果もあるようです。
ただ、失眠のツボは、妊娠中の方にはおすすめ出来ないツボなので、ご注意ください。
ツボをおさえて良質な睡眠を
ツボは、場所さえ覚えておけば、道具は何も必要ないので、どこでも指圧する事が出来ます。
睡眠に効果があるツボは、血行不良や疲れ、冷え性などにも効果があるツボなので、冬場、寒くて眠れないという方は、寝る前の習慣にしてみても良いかもしれませんね。
副交感神経を優位にして、より質の高い睡眠を取りましょう。