あなたはいつも、口呼吸をしていますか?
それとも鼻呼吸をしていますか?
このように聞かれたら、わからない人が多いでしょう。
実は、約半数以上の人が口呼吸をしていると言われています。
この口呼吸を鼻呼吸に変えることで、睡眠や美容、健康の悩みを抱えている人にとって、優れた効果を発揮してくれるのです。
では、口呼吸から鼻呼吸へ変えることでどのような効果があるのでしょうか。
睡眠中の鼻呼吸の効果
口呼吸と鼻呼吸の違いは簡単で、空気の通り道が口からか、鼻からなのかという違いだけなのです。
しかし、鼻呼吸をすることによって、質の良い睡眠を取ることができたり、脳の活性化をすることができるのです。
なぜなら、鼻呼吸は丁度良い程度に湿気を持った呼吸ができるからです。
また、鼻呼吸は、口呼吸よりも体への酸素供給が多いと言われています。
睡眠中に血中酸素濃度が低下すると、覚醒反応を起こしてしまい夜中に目が覚めてしまったりすることが多くなり、深い良質な睡眠を取ることができません。
なので、鼻呼吸をすると体に酸素が多く供給されて、より良い睡眠を得るには効果があります。
特に睡眠中にいびきをかいている人は、鼻呼吸に変えることをおすすめします。
なぜなら、いびきは口呼吸が原因とされており、睡眠呼吸障害、いわゆる無呼吸症候群の原因になるとも言われているのです。
この無呼吸症候群は、空気の通り道の上気道が狭くなって、一時的に呼吸が止まってしまいます。
そして、さらに気道が乾燥してしまうと、睡眠中にのどが渇いて起きてしまったり、呼吸が苦しくなり無呼吸になります。
このようなことから、体内に湿気をおびた良質な空気を取り入れることができる鼻呼吸は、睡眠中の体にとって大事なことなのです。
外見も変わる鼻呼吸の効果
この鼻呼吸にはその他にも、免疫力が高くなったり、老化やアンチェイジング効果なども期待できます。
特に、女性が気になる小顔効果や顔のたるみ、ゆがみ、しわや二重あごが改善されて、口元がスッキリした感じになるとも言われています。
この理由は、鼻呼吸をすることで、顔の筋肉が引き締まるからとされています。
反対に、口を開きっぱなしにしている口呼吸は、顎関節症になりやすくなります。
口呼吸をしている間は、口を半開きにしている状態で、表情筋や舌をのどの奥に引き込む力がなくなります。
さらに、舌で押さえつけられた歯が、前に出てしまい歯並びも悪くなり、顎の筋肉も衰えて、口角と顎の肉がたるみ二重あごにもなりかねません。
そして、口が半開きのままの顔になってしまい、常にだらしない清潔感のないイメージの表情になってしまう恐れもあるのです。
これは医学的にも、アデノイドと呼ばれる喉の奥にある部分が肥大する病気とされ、顔の表情だけではなく、鼻や耳などにも影響を与える病気の1つとされています。
このようなことから、日中や睡眠中で鼻呼吸をすることによって、最悪な事態も避けられ、自然に半開きだった口が閉じられて、見た目にも好印象な顔になることができるそうです。
健康上での鼻呼吸の効果
そして鼻呼吸は、女性だけでなく男性も気になっている人が多い、「口臭や歯周病の改善」、「歯の強化」にも効果があるとも言われているのです。
口呼吸だと口が乾きやすくなり、睡眠をとっている時でも唾液の量が少なくなります。
そして、唾液が少なくなると、口の中のミネラル補給ができなくなり、その結果、虫歯になりやくなってしまいます。
さらに、虫歯だけではなく、ドライマウスや歯周病の元にもなります。
また、唾液の殺菌効果も薄れてしまい、口の中で殺菌がたくさん繁殖して、口臭がひどくなってしまうのです。
口呼吸によって、口から入った乾いた空気が喉へ通過する時にも、喉の粘膜を刺激して喉を痛めます。
さらには、口の中からウイルスが侵入し、風邪をひきやすくなったりと、体調が悪くなりがちです。
つまり、免疫力が低下してしまうのです。
それが悪化すると、アレルギー、アトピー、花粉症、ぜんそく、鼻炎などに悩まされることになりかねません。
一方、鼻呼吸は鼻から気管に空気を送り込む前に、鼻の中の鼻毛や上咽頭がフィルターの役割をしているので、異物の侵入を防ぎ、ウイルスなどの細菌の感染をできるだけ少なくしてくれるとされています。
これは、睡眠を取っている時でも、活動をしている時でも効果を発揮してくれるのです。
睡眠している時でも鼻呼吸ができるのは人間だけ?
では、私たち人間以外の動物は、鼻呼吸をしているのでしょうか。
実は、ほとんどの動物は鼻呼吸をしています。
犬が走り終わった後、鼻息が荒くなった時に同時に口を開けています。
しかし、これは口呼吸ではなく、犬は汗腺が少ないために、口を開けることによって、口の中の熱を蒸発させて体温を下げているからです。
犬の気道は、食べ物と空気の気道との2つあり、鼻から入った空気が肺には送り込まれずにそのまま、口から吐き出ているのです。
それとは別に、人間には気道は1つしかありません。
二足歩行の人間には、喉の構造が違うために、口呼吸や「話す」ことができるからなのです。
この「話す」動作は、気管から口へ空気を吐き出す必要があり、人間の進化と共に、口からも呼吸が可能になっていったのです。
それは、「話す」動作がない睡眠中でも、口呼吸ができてしまうということです。
しかし、だからと言って口呼吸から鼻呼吸へ変えないで、そのままにしておけば、体に様々な悪影響を及ぼす恐れもあります。
また、鼻呼吸は様々な良い効果が期待できることもあるので、口呼吸をしているのであれば鼻呼吸に変えた方が良いでしょう。
あなたは口呼吸?鼻呼吸?
人は、無意識の中で呼吸をしています。
そこで、自分は口呼吸をしているのか、鼻呼吸をしているのかどうか、チェックをしてみると良いでしょう。
・睡眠時にいびきや歯ぎしりをしているかどうか
・起きた時に喉が渇くか
・唇が乾燥していないか
・横向きやうつ伏せで寝ていないか
・歯のかみ合わせが悪いかどうか
などをチェックしてみましょう。
他にも
・日常、気が付くと口が開いている
・口内炎ができやすい
・口臭が気になる
・よだれが垂れやすい
・顎が鳴る
・前歯が出ていて口が閉じにくい
などと感じるのであれば、口呼吸をしている可能性があります。
これらの原因は、舌の位置が下がっていることが多くあるそうです。
また、アレルギー性鼻炎などの鼻づまりが慢性化し、呼吸が楽な口呼吸の癖がついてしまいます。
それと同時に、日常的なマスクの使用に伴って、口呼吸が慢性化してしまうのです。
このように、思い当たることが1つでもあれば、口を閉じることから始めることでも効果は出てくるはずです。
それでは、鼻呼吸の癖を付ける効果的な方法を実行してみましょう。
睡眠時でもできる鼻呼吸へスイッチ!
意識のある日中では、鼻呼吸へ変えることができそうですが、無意識の中の睡眠中に鼻呼吸の癖をつけることは、できるのでしょうか?
睡眠中は、サージカルテープなどを口を閉じた状態にして、口の縦に貼ると良いでしょう。
この時に、テープなんて貼って寝たら、苦しくて夜中に何回も起きてしまうのではないかと心配になりますが、心配と感じるのは口呼吸をしているからなのです。
その他にもマウスピースを装着して、開口を制限できるものなども試してみても良いでしょう。
そして、日中起きている時には、やはり口を閉じることを意識しましょう。
さらに、硬口蓋と呼ばれる指で触ると硬い口の中の前方に、舌を付けるように癖をつけると良いでしょう。
この動作をすることで、唾液が口の中に流れ込んで、口の渇きを防ぐことができます。
また、舌を鍛えることによって口を引き締めることができるので、口の運動をしてあげましょう。
口を大きく縦に開き「あー」、同じく横に開き「いー」そして、口を前に突き出して「うー」、最後に舌を思い切り出して「べー」という舌の運動を繰り返します。
これは、舌の筋肉を活性化する効果が期待できるそうです。
鼻呼吸でぐっすりすっきり健康へ!
このように、無意識に口を開けた口呼吸は、鼻呼吸に比べて健康によくありません。
日中や睡眠中でのちょっとした改善方法で、大きな病気にならずにすむのなら、難しいことではないのです。
そして、体の中だけではなく、外見もすっきり引き締まるなら、一石二鳥ですね。
今日から鼻呼吸へチェンジして、すっきりした毎日を送りましょう。