ストレスは、生活する上で切っても切り離せないもので、多くの人の悩みの種になっています。
また、ストレスは脳にダメージを与え、「精神疲労」を引き起こしてしまうことがあります。
精神疲労の回復には、睡眠が不可欠です。
今回は、精神疲労と睡眠の関係についてお伝えします。
精神疲労は睡眠に支障をきたす!早めの受診を
冒頭でもお伝えしたように、ストレスは脳に大きなダメージを与えてしまいます。
ストレスがかかり悩みすぎると、動きが鈍くなったり考えがまとまらなくなることがあります。
これは、うつ病や不安障害に見られる抑うつ状態のひとつです。
一時的な症状でも脳がかなりのダメージを受けていて、「休ませてほしい」というシグナルを出している状態です。
いつものことだから、と見過ごしていると深刻な病気になりかねないので、早めの対処が必要になります。
精神的な疲労が蓄積されていくと、眠りが浅くなったりうなされて何度も目が覚めるなど、睡眠にも支障が出てくることがあります。
睡眠に問題が出ると、更にストレスが蓄積されていき、負のスパイラルになってしまいます。
精神疲労の回復には睡眠が1番、と言っても良いほど重要なので、ストレスが蓄積され睡眠にも影響が出ている状況は、かなり深刻と言えます。
不眠の症状が出ている場合は、速やかに医療機関を受診した方が良いでしょう。
精神疲労が深刻になる前に睡眠環境を整えよう!
精神疲労により睡眠にも影響が出ている場合は医療機関の受診が先決ですが、深刻な状態になる前にできる対策はあります。
なぜ、ストレスが睡眠にも影響するのかを簡単にご説明します。
まず、ストレスが蓄積されると自律神経が乱れやすくなります。
自律神経が乱れると、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズにできなくなってしまいます。
すると、交感神経が優位な状態が長く続いてしまい、寝る時間になってもうまくリラックスすることができなくなってしまうのです。
交感神経が優位のままだと緊張した状態になり、入眠が困難になったり眠りが浅くなってしまうというわけです。
そこでできる対策としておすすめしたいのが、寝る2時間前までにお風呂に入り、テレビやスマホのご使用を控える、という方法です。
お風呂に入ると、脳が覚醒してしまうので早めに入った方が良いですね。
更に、テレビやスマホなどの強い光は脳に刺激を与えて興奮状態になってしまうので、これらの使用は控えます。
できれば、照明も落として薄暗くすると、より良い睡眠環境が整うので、試してみて下さい。
精神疲労度チェック!3つ以上当てはまる人は要注意
自分に厳しい方は無理をしやすく、少しの不調は我慢しがちです。
また、精神疲労が深刻な状態になっていても気づかない場合があります。
単純に「疲れているだけだろう」と軽く考えず、まずは、ご自分の状態を理解することが大切です。
そこで、「疲労度チェックリスト」というものがあるので、当てはまる項目がいくつあるか、チェックしてみて下さい。
1、風邪をひきやすいうえ、治りにくい。
2、普段のパフォーマンスの半分ほどしか発揮できなくなった。
3、今まで経験したことがないような疲労感や疲れやすさがある。
4、食欲がなく、食事を美味しいと感じない。
5、休んでも疲れが抜けない。
6、眠れない。睡眠に問題がある。
7、日中、生活に支障が出るほどの眠気がある。
これらのチェック項目に3つ以上当てはまる方はかなり疲労度が高く、病気の可能性があるので、医療機関の受診をおすすめします。
寝ても寝ても寝たりない人は精神疲労が原因!?
精神疲労により眠れなくなることは多いですが、反対に「寝すぎてしまう」という場合もあります。
寝ても寝ても疲れが取れない感覚があり、いつも以上に寝てしまった、というご経験はありませんか。
また、休日は1日中寝てしまう、という方もいるかと思いますが、これも精神疲労が原因の可能性があります。
実は、精神疲労は肉体疲労よりも取れにくいです。
慢性的なストレスがかかっている状態だと、脳から大量のストレスホルモンが分泌されます。
頭の中がストレスホルモンでいっぱいになると、同時に脳内に疲労物質が蓄積されていきます。
疲労物質が多いと、その回復に過分な時間を要するので、結果的に睡眠時間が長くなるというわけです。
まじめで責任感が強い方や、物事を悲観的に考えてしまう方、そして無趣味でストレス発散の機会が少ない方は、疲労物質が溜まりやすく回復しにくいです。
反対に、ストレスが蓄積されても趣味や楽しみがあると、幸福ホルモンが分泌されストレスホルモンを打ち消します。
ですので、ストレスを発散する機会がない方は、1日の中で何か楽しみを作ると精神疲労が回復しやすくなります。
精神的な不調の主な症状!あなたはいくつ当てはまる?
ストレスがかかると精神疲労を引き起こしますが、精神疲労が原因で現れる症状はさまざまです。
ここでは、その主な症状についてお伝えします。
まず、起きるのがつらいという症状があります。
多くの方がご経験したことがあると思いますが、うつ病になると、突然お布団から起き上がれなくなることがあります。
朝、起きるのがつらい症状が続いている場合は、精神疲労を疑い、早めの対処を心掛けましょう。
2つ目の症状は、決断力や判断力の低下です。
先ほどもお伝えしたように、ストレスがかかると行動が鈍くなったり、今までできていたことが滞りがちになります。
この場合も早めの対処が望まれます。
ほかには、何をするにも面倒に感じたり自分が無価値な人間だと思い込む、といった症状もあります。
うつ病の症状にも当てはまるので、これらの症状が現れている場合は、医療機関を受診した方が良いでしょう。
また、たっぷりと睡眠を取ることで回復する場合もあるので、症状が軽い場合は意識的に休むようにしましょう。
精神疲労で睡眠が足りないと感じたら仮眠を!
精神疲労が蓄積していても忙しいと、休む時間が限られていると思います。
寝ても寝足りないと感じたり、日中に耐えられないほどの眠気に襲われる方は、仮眠を取ることをおすすめします。
15分から20分程度の仮眠がベストです。
会社にお勤めの方は、お昼休みの時間を利用して仮眠を取ると良いでしょう。
完全に横にならなくても、机に伏せて仮眠を取るだけで、十分に疲労回復効果を得ることができます。
とはいっても、1度仮眠を取ると深い眠りに入ってしまい、キリの良い時間で起きるのが難しい、という意見もあるかと思います。
そんな方におすすめなのがコーヒーです。
コーヒーにはカフェインが入っているので、睡眠の妨げになってしまうイメージがありますが、カフェインの効果が出始めるのは、飲んでから約20分後なのです。
その作用時間を利用して、仮眠を取る直前にコーヒーを飲むことで、起きなければいけない時間にちょうどカフェインの覚醒効果を得られる、というわけです。
これにより、寝すぎの予防になり、すっきりと目覚めることが期待できます。
効果に個人差はありますが、試してみる価値はあるので、ぜひやってみてください。
精神疲労は睡眠で回復することも!深刻な場合は受診を
これまで、精神疲労と睡眠の関係についてお伝えしてきましたが、参考になりましたか?
うつの症状と重なるような深刻な場合は、速やかに医療機関を受診することが先決です。
比較的症状が軽く、お伝えしてきたチェックポイントに当てはまる項目が少なかった方は、睡眠環境を整えしっかりと脳と身体を休めることから始めましょう。