皆さんは、睡眠時にどんな夢を見たことがありますか。
物語の中に入ったようなメルヘンな夢や、ホラー映画のような恐ろしい夢など、さまざまだと思います。
実は、見る夢によってそのときの実生活の状況や精神状態がわかることがあります。
今回は、睡眠時に見る夢の意味について解説します。
悪い夢はストレスが原因?トラウマの影響も
悪い夢ばかり見ていると、きちんと睡眠時間を取っても身体が休まっていないような感覚があったり、かえって疲れてしまうと感じる方はいませんか?
実は、悪い夢には意味があり、そのときの精神状態やトラウマが影響している可能性があります。
実際、睡眠障害の中に「悪夢障害」と呼ばれるものがあります。
これは、小学校低学年の時期に多く見られる症状です。
その夢の内容は、大人が聞いても心配になるほど衝撃が強いものが多く、子供に大きな精神的負担を与えます。
通常は、大人になるに従って徐々に治っていくものですが、大人でもこの症状に悩んでいる方が多くいます。
悪夢障害の診断基準になる項目は以下の5つです。
1、悪夢で何度も目を覚ます。
2、悪夢で起きたあと、再び寝付くのに時間を要する。
3、悪夢の内容が恐怖や悲しみなど、精神的にダメージを伴うものである。
4、悪夢を見るタイミングが明け方である。
5、悪夢の内容を鮮明に思い出すことができる。
これらに当てはまる場合は、悪夢障害の可能性が高いです。
睡眠時の悪夢の意味や原因は?PTSDが関係
1章では、悪夢障害の診断基準についてお伝えしました。
この章では、悪夢障害の原因についてお伝えします。
先ほど、お伝えしたように悪夢には意味があり、精神的なストレスを抱えていたり過去のトラウマが関わっていることがあります。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状に悪夢障害が見られることがわかっています。
PTSDとは、過去に家庭内暴力や学校でのいじめ、災害などの経験が心の大きな傷となり、さまざまな症状が出る病気です。
東日本大震災がきっかけで、この病気を発症する方が増加しました。
PTSDの症状で現れる悪夢障害は、悪夢の内容がトラウマに関連しています。
これには、悪夢を見ることがトラウマの記憶をなくすことに繋がっているという説や、自己防衛の一種であるなどのさまざまな説があります。
このように、トラウマが関連している夢を頻繁に見ると、睡眠を取ること自体が恐怖になってしまうこともあります。
深刻な症状になる前に一度、医療機関を受診することをおすすめします。
悪夢を見ないようにする方法は?家で出来る改善法
PTSDの症状で悪夢障害が出ている場合は、医療機関の受診が先決です。
原因が過去のトラウマだとはっきりわかっていれば、それに対する治療を行い改善を図ります。
しかし、はっきりとした原因がわからず、悪夢を見続けている方もいます。
その場合は、日常生活での慢性的なストレスや不安などが関係している場合があり、自律神経が乱れている可能性もあります。
人は、ストレスがかかると自律神経が乱れてしまいます。
自律神経が乱れると、うまくリラックスすることができず緊張した状態が続き、良い睡眠を得ることができません。
そこで、日常のストレスが原因で悪夢を見る方におすすめの対処法が「自律訓練法」です。
これは仰向けの状態、あるいは椅子に座った状態で行うもので、ご自宅でも行うことができます。
瞑想に近いもので、身体を最大限にリラックスさせる訓練です。
youtubeで「自立訓練法」と検索するとヒットするので、その動画を再生し音声に従って行うだけの簡単なものです。
一見、不思議な内容に感じるかもしれませんが、自律神経を整える意味があるれっきとした方法なので試してみてください。
夢にはそれぞれに意味がある?
これまでは、悪夢について解説してきましたが、ここからは、それ以外の夢にどんな意味が隠されているのかをお伝えしていきます。
睡眠時によく見る夢の代表的な例に、落ちる夢が挙げられます。
高い建物から下へ落ちる夢や、階段から落ちる夢にはどんな意味があるのでしょうか。
「落ちる」という言葉にはあまり良いイメージがありませんが、落ちるスピードによりそのときの精神状態が現れる、と言われています。
ゆっくりと浮遊しながら徐々に地上に落ちている夢は、現実世界で受けていた重圧や背負っていた重荷から解き放たれたときに見ることが多いです。
反対に、速いスピードで落ちていく夢は私生活でなんらかの負担があり、それが手に負えなくなっている場合に見ることがあります。
そして、落ちる夢と少し似ていますが、空を飛んでいる夢は見たことがあるでしょうか?
空を飛ぶ夢は、飛んでいる高さによってそれぞれ、意味が大きく変わっていきます。
空高く気持ちよく飛んでいる夢は、充実した私生活だったり、人生が上手くいっているときなどに見る、と言われています。
一方で、低い位置で飛んでいたり、障害物が多く気持ちよく飛べない夢は、逆に私生活、仕事が行き詰っているときに見やすい夢です。
睡眠時に見る「死」が関係する夢はどんな意味?
睡眠時に死が関係する夢を見ると、ブルーな気持ちになることがありますが、必ずしも悪い意味があるわけではありません。
死が関係する夢は、変化を意味します。
転職をするために、現職を退職するなど何かを始めるにあたって、何かを終わらせるときなどに見る場合が多いです。
自分が死ぬ夢は、生まれ変わりを意味し、良い変化が訪れる前兆だと言われています。
また、恋人が死んでしまう夢はかなりショッキングだと思いますが、これにも良い意味が隠されています。
恋人との関係が良好になったり、プロポーズされる前触れだったりすることがあります。
恋人だけでなく、好きな人が死ぬ夢も良いことが起きるサインだったりするので、不吉な予感を感じる必要はありません。
死が関係する夢を見てもナーバスにならず、むしろ、「何か良いことが起きるかもしれない」と前向きに捉えてみてください。
睡眠時に意味不明な夢を見る!単なる記憶の張り合わせ?
これまでお伝えしていた夢には、さまざまな意味が隠されていました。
しかし、睡眠時に見る夢の中には意味不明なものもあります。
強引な展開だったり、会ったこともない人が出てきたりと、起きたときに何の夢だったのだろうと首をかしげてしまうような夢を見る方も多いと思います。
このような類の夢は、単なる記憶の張り合わせであることが多いです。
人は、物事を秩序立てて理解する性質を持っています。
なんの関係もない記憶も無理やり辻褄を合わせるようにして張り合わせたものが、意味不明な夢として出現します。
また、会ったことがない人が夢に出てきた場合は、今までに会った人の顔や身体の特徴を適当に組み合わせて出来上がった人物である可能性が高いです。
このように、夢は、さまざまな意味があったり、単なる記憶の張り合わせから成っているとも言われているのです。
睡眠時に見る夢の意味に翻弄されないようにしよう
これまで、睡眠時に見る夢の意味についてお伝えしてきましたが、見たことがある夢はありましたか。
悪夢障害は治療の必要がありますが、それ以外の夢に関してはあまり重く受け止めないようにしましょう。
単なる記憶の張り合わせである可能性もあるので、不吉な夢を見たからといってナーバスにならず、気にしすぎないことが大切です。