花王から販売されている漂白剤、ワイドハイターをご存知ですか?
「衣料の漂白剤と言えばコレ!」と思い浮かぶ方も多いかと思います。
液体タイプ、粉末タイプと種類も豊富に売られ、詰め替え用もあります。
そんなワイドハイターですが、単純に詰め替えるだけでいいのでしょうか?
また、元々入っていた容器でなくても詰め替えていいのでしょうか?
そんな数々の疑問にお答えしましょう。
ワイドハイターとはなにか?
ワイドハイターとは、花王から発売されている衣料用の漂白剤の名称です。
その成分はすべて酸素系です。
粉末タイプ、液体タイプとその種類は様々です。
まずは種類について簡単にご説明していきましょう。
・ワイドハイター
液体タイプの漂白剤です。
水洗いできるものならシルク・ウールなどすべての繊維の衣類に使用することができます。
・ワイドハイターEX
ワイドハイターと同じく液体タイプの漂白剤です。
色柄物の衣類にも安心して使えます。
洗剤だけでは落としにくいニオイの元まで、ディープクレンジングすることで、ニオイ戻りを防ぎます。
・ワイドハイターEX ガンコなシミ用
シミ汚れに直接狙うことができる泡で出るスプレータイプの漂白剤です。
洗濯前に気になる部分にスプレーするだけで、泡になった漂白成分が浸透し、ガンコなシミ汚れがスピード分解されます。
・ワイドハイターEX パワー
粉末タイプのワイドハイターで、染み付いてしまった黄ばみや黒ずみ汚れも強力に分解してくれます。
漂白成分に加え、除菌、消臭効果もあります。
いずれの商品も詰め替え用の商品が販売されています。
それらの詰め替え用は必ずその商品用の容器に詰め替えて使用するのが一般的ですが、他の容器に詰め替えて使用することはできるのでしょうか。
身近に手に入るおしゃれな容器
洗濯洗剤、と一言で言ってもその種類は様々です。
もちろん、その容器も多種多様、大きさも色もバラバラです。
統一感のない、ごちゃごちゃした洗剤置き場を同じ容器の物に統一したい、と考える人もいるでしょう。
洗剤入れは、身近にあるお店でも販売されており、手軽に手に入れることができます。
例えば、雑貨屋や100円ショップなど、売り場によって値段も形も様々ですが、そんな統一されたデザインの物に詰め替え用の洗剤を入れて使用している人も増えてきています。
インターネットで検索をかけるとそんな容器を利用しておしゃれなランドリー空間を作り上げている人もいるみたいですね。
しかし、洗濯用と言えども「漂白剤」に分類されるワイドハイターは、必ずその商品用の容器に詰め替えることが推奨されています。
では、一般に売られている容器にワイドハイターを詰め替えて使用する場合、なにか危険性はあるのでしょうか。
次の項目で詳しくお話ししましょう。
ワイドハイターを別の容器に詰め替えることについて
ワイドハイターは液体タイプ、粉末タイプ共にパッケージの裏に注意書きが記されています。
そこには「必ず」から始まる注意文が書かれています。
例えば「ワイドハイターEXパワー 粉末タイプ」には【必ず[ワイドハイターEXパワー 粉末タイプ]のボトルに詰め替える】と書いてあります。
なぜこのように「必ず」と書かれているのか分かりますか?
それには、ワイドハイターの性質が関係しています。
衣類用漂白剤には主に「酸素系」と「塩素系」と呼ばれる成分でできています。
ワイドハイターの主な成分として挙げられているのが「酸素系」というものです。
この二つは混ぜると大変危険なガスを発生させます。
これを防ぐためには、元々の容器と同じ詰め替え容器に入れることが重要となるのです。
粉末タイプのワイドハイターを既存の容器以外に詰め替える危険性
このようにワイドハイターには「必ずその容器に詰め替える」と表示されています。
そのため、ワイドハイターを別の容器に詰め替えは基本的に行ってはなりません。
仮に、粉末タイプのワイドハイターを別の容器に詰め替えた場合、ガラスでできた容器を使用すると破裂の恐れがあります。
これには理由があります。
粉末タイプのワイドハイターは一度空気に触れると少しずつですが分解していきます。
このとき、分解しながら微量の酸素ガスが発生します。
プラスチック製やビニール製の容器であれば伸縮性があるのでガスが発生しても大丈夫なのですが、ガラス製の容器だとガスの逃げ場がなく、突然容器が破裂してしまう危険があります。
また、水分や金属片などが混入した場合も、ワイドハイターの成分と反応し、同じように酸素ガスを発生させ容器が破裂する原因になるので注意が必要です。
既存の容器の際も詰め替える前に水で洗ったりする場合もありますが、必ずよく乾かし、水分が残らないようにしましょう。
液体タイプのワイドハイターを他の容器に詰め替える危険性
液体タイプのワイドハイターを他の容器に詰め替える場合も、粉末タイプと同じような危険性があります。
誤飲やこぼしてしまうのを防ぐため、一度開封した詰め替え用は、全て容器に移し替える必要があります。
そして、液体タイプだからといってスプレー容器に詰め変えることはしてはいけません。
これは、スプレーすることによって薬剤を吸い込んでしまう危険があるためです。
液体タイプの中には「ワイドハイターEX ガンコなシミ用」という名称のスプレータイプのものも販売されていますが、こちらも既存の容器に詰め替えることが注意書きに記されています。
また、子供の誤飲や塩素系漂白剤との混入を避けるため、子供の手の届かないところに保管することが大切です。
ワイドハイターが入っていた容器以外のものに詰め替えるのはメーカーである花王が推奨していない通り、危険な行為でもあります。
絶対に、他の容器に詰め替えを行わないようにしてください。
ワイドハイターの「混ぜるな危険」とは?
ワイドハイターの容器のパッケージには大きな文字で「混ぜるな危険」と記してあります。
もちろん詰め替え用にも記されています。
よく聞く言葉ではあるのですが、実際に混ざってしまうとどんな危険があるのでしょうか。
「塩素系」や「酸性」という言葉、漂白剤や洗剤などで聞いたことがあると思います。
これはその漂白剤や洗剤の成分なのですが、その「塩素系の液体」に「酸性の液体」が混ざると人体に有害な塩素ガスが発生してしまいます。
このガスは非常に有毒なガスで、死亡例も何例も存在しています。
塩素系や酸性と聞くと、洗濯用の洗剤だけかと思いますが、実はトイレ用洗剤にも同じように「塩素系」「酸性」と分かれています。
そして、花王から発売されている漂白剤でも「ハイター」は塩素系の漂白剤です。
これは白い服専用の漂白剤です。
対してワイドハイターは全般が「酸性」の漂白剤です。
この二つが混ざると危険そうなイメージがありますが、実際は酸素が発生するのみで、危険ではありません。
しかし、漂白する効果は低くなってしまいます。
違う性質のものが混ざっても、塩素ガスが発生しないのは花王から発売されている「ハイター」と「ワイドハイター」シリーズのみで、そのほかのメーカーから発売されている異なる性質の漂白剤同士を混ぜるとガスが発生する可能性もあります。
決して混ぜないよう注意してください。
正しく使って安全な毎日を送りましょう
いかがでしたか?
ランドリー周り、少しくらいは他とは違うおしゃれさを追求したくなりますよね。
しかし、衣類用とは言え、ワイドハイターなどの漂白剤は必ずしも安全なものとは言い切れません。
保存の容器一つで、危険なことになってしまう可能性もあります。
詰め替え用を活用する際にも、十分注意して、快適な生活を送りましょう。