女性ホルモンとはよく聞きますが、皆さんは、女性ホルモンがどんな働きをするかご存知でしょうか。
「月経と関わっている?年齢と共に失われていく?」
など、詳しくはわからなくても、このようなイメージで理解している人は多いのではないかと思います。
今回は、女性ホルモンがどのような働きをするのか、また、睡眠にはどのような関係があるのかをご紹介します。
女性ホルモンってなに?睡眠とは関わりがあるの?
女性ホルモンとはよく耳にしますが、体の中でどんな働きをするのしょうか。
女性は、女性ホルモンにより、女性らしい体をつくる事ができています。
うるおいのある髪や肌、また爪は女性ホルモンがコラーゲンの生成を助ける働きをしているおかげでもあります。
その他、あまり知られていないかもしれませんが、骨密度を保ったり、コレステロールの調整もしています。
また、女性ホルモンは、精神の安定に深く関わっており、記憶力に関しても不可欠なホルモンなのです。
実は女性ホルモンは、2つに分類されます。
エストロゲン(卵巣ホルモン)とプロゲステロン(応対ホルモン)です。
まず、エストロゲンについてご説明します。
エストロゲンは主に、女性らしい体格をつくったり、髪や肌のうるおい維持に関わっています。
また、骨密度を高めたり、コレステロールに関わり、動脈硬化を防止する働きもあります。
では、次にプロゲステロンについてご説明します。
プロゲステロンは、卵巣から卵が排卵された事によって分泌されてホルモンです。
妊娠、出産に必要な子宮の準備や、乳腺の発達、基礎体温の上昇に深く関わっています。
この2つのホルモンは、周期的に分泌される事で月経が起こります。
ですが、ストレスなどでホルモンのバランスが崩れてしまうと、体にいろいろな不調をきたしてしまいます。
自律神経とも関わりを持っているので、睡眠不足などが続いた場合にも、ホルモンバランスが崩れる可能性が十分にあります。
若い人は、寝不足が続いても、しっかり睡眠を取るだけで回復も早いのですが、年齢を重ねている場合は、1回の睡眠で回復できるとも限りません。
普段から規則正しい生活をして、睡眠も十分に取るようにしましょう。
女性ホルモンと睡眠の関係
女性ホルモンの影響で寝付きが悪くなったり、逆によく眠れたりする事はあります。
では、そのような場合、体の中ではどのような事が起きているのでしょうか。
生理前にイライラしたり、ソワソワして寝付きが悪くなったりする事ってありませんか?
逆に、生理が終わったあとは、気分もすっきりして穏やかになり、ぐっすり眠れるようになったという人は多いと思います。
このように、規則正しい生活をしていても、女性ホルモンの影響により寝不足になってしまう事はあります。
しかし、寝付けが悪い場合でも、できる限りいつもと同じ時間に就寝するように心がけましょう。
例えば、照明をダウンライトにして、音楽を聴くなどリラックスできる環境にすることで寝付けが良くなったりします。
必ずしも、睡眠できるというわけではありませんが、多少の効果は期待できるでしょう。
実際に規則正しい生活をしないでいると、生理が終わったあとも、眠れなくなってしまう可能性が高くなります。
生理中の寝付きの悪さは「仕方のないもの」と理解して、よく眠れる工夫を、自分なりに見つけていくのがよい方法と言えるでしょう。
女性ホルモンが多いと質のよい睡眠は得られるの?
先程からご紹介している女性ホルモンの分泌は、精神の安定にも深く関わっているとされています。
では、女性ホルモンが多いほど、質のよい睡眠は得られるのでしょうか。
実は、女性ホルモンが過剰に分泌されてしまうと、さまざまな体調不良や重大な疾患にかかってしまう可能性があるともされているのです。
エストロゲンが過剰に分泌されてしまうと、返って生理痛がひどくなってしまったり、子宮内膜症、乳がんに発展してしまうケースもあります。
また、プロゲステロンが過剰に分泌されてしまうと、ニキビなどの肌トラブルが発生したり、胆石の原因になったりする場合もあります。
何気ない私生活にも、女性ホルモンであるエストロゲンを過剰に増やしてしまっている可能性は十分にあるのです。
例えば、アルコールを日常的に摂取している人は、そうでない人に比べ、エストロゲンが過剰に分泌されやすいと言われています。
その他、肉や乳製品の取り過ぎ、お菓子の食べ過ぎ、食生活の乱れ、睡眠不足が続いている状態でもエストロゲンは過剰に分泌します。
プロゲステロンについても、ストレスの影響により増加してしまう傾向にあります。
このように女性ホルモンは、多いからいいというわけではありません。
正常な分泌により質のよい睡眠を得られるという事になります。
規則正しい生活サイクルにより、女性ホルモンは正常に分泌されます。
食生活の乱れや睡眠不足を、「ちょっとした事」と考えていると、さまざまな体調不良を起こす原因になるかもしれません。
女性ホルモンと基礎体温の関係から見る睡眠効果
基礎体温と聞くと、女性なら関心のある人は多いのではないでしょうか。
体調のバロメーターとして、毎日チェックしている人もいるはずです。
ではまず、基礎体温とはなんなのかご説明していきましょう。
基礎体温とは、人が生きていくために、最低限のエネルギーを燃焼させている体の温度の事を言います。
それでは、基礎体温を測ると、どんな事がわかるのでしょうか。
ご存じの方も多いとは思いますが、実は基礎体温を測る事で、ホルモンの変化や、排卵や生理の時期、体調やストレスのサインを読み取る事ができるのです。
体温というと、風邪をひいたときにしか測らない人も多いのではないかと思いますが、これだけ多くの情報がわかり、予測できるのであれば、毎日しっかりチェックしたいものですね。
さて、先ほど、基礎体温からホルモンの変化がわかると述べましたが、詳しくはどのような事なのでしょうか。
女性には生理がありますので、1ヶ月の中でも体温や体調には変化が見られます。
生理が始まる頃、卵胞ホルモンが大量に分泌されるため、基礎体温は、低温期と呼ばれる周期に入ります。
その後、黄体ホルモンの作用により高温期となります。
通常はその後、再び卵胞ホルモンが分泌されるようになり低温期になります。
また、他にも基礎体温をチェックするとわかる事はたくさんあります。
疲れによる体の炎症、風邪、ストレス、によっても体温は変化します。
自分の体調の変化を知る事は、とても大事な事です。
自覚症状がないと、なかなか病院にも行きにくいものですが、毎日基礎体温をチェックする事で自分の体調の変化を読み取る事ができ、早めに対処する事もできます。
特に女性は、基礎体温を付ける事を習慣にするといいでしょう。
では、睡眠との関係はどうでしょう。
特に寝不足が続く場合は、基礎体温は低下してしまいます。
体は十分に休まっていない状態と認識しますので、体温は低くなりがちです。
体温が低いと、ホルモンバランスは崩れがちになり、自律神経にも影響が出てしまい、質のよい睡眠を得る事はできません。
普段から夜更かしをしないなど、健康管理はしっかりおこないましょう。
女性ホルモンが減るとどうなるの?睡眠との関係は?
女性ホルモンが減る事で、体にはどのような影響が起こるのでしょうか。
女性ホルモンが何らかの原因で減ってしまう事で、多くのリスクが考えられます。
骨粗相症、高血圧、高脂血症、脳梗塞、心筋梗塞、アルツハイマー、皮膚炎、頭痛、動悸、息切れ、不眠、食欲の減退、肩こり、関節痛、腰痛、めまい、イライラ、ほてり、のぼせ、などが挙げられます。
特に、更年期障害や自律神経に関わった症状が多く見られるようです。
また、女性ホルモンはコラーゲンにも関わる働きをしています。
女性ホルモンが低下すると、肌の水分量は減ります。
そして、肌の水分量が減ると、たるみやシミ、シワ、乾燥などの肌トラブルにも繋がってしまいます。
また、髪のうるおいが減ったり、抜け毛も増えたりします。
女性ホルモンが減る事により起こる現象はたくさんありますが、不規則な生活や過度なダイエット、運動不足、体の冷えなどでも女性ホルモンは減ってしまう事もあります。
このようなさまざまな影響により、睡眠の質も下がる傾向にもあります。
また、年齢的な事も影響はしますが、女性ホルモン低下の1番の原因は、「ストレス」と言われています。
ストレスの全くない生活を送るのは難しいですが、健康はしっかり管理して、規則正しい生活サイクルで、心地よく眠れる工夫をしていきましょう。
女性ホルモンに分泌は年齢に関係するの?分泌量と睡眠の関係
女性ホルモンは、一般的に25歳から45歳までが安定して分泌されます。
その中でも、20代半ばから30代前半がピークで、40代後半から急速に低下していきます。
特に40代から60代は更年期と呼ばれ、エストロゲンが急激に低下する時期に入ります。
そのため、上記で述べたような更年期障害という体調不良が起こってしまう事も多いです。
ピークを終えた30代後半からは、卵巣内の卵子の数が急激に減少し、卵子自体も老化してしまいますので、妊娠も難しくなってくる年齢と言えます。
40代後半からは、女性ホルモンの減少により、更年期障害が起こりやすくなります。
そのため、睡眠にも影響する可能性は十分に考えれらます。
しかし、睡眠は、女性ホルモンの影響ばかりではなく、日中の行動や運動量とも深い関わりがあります。
普段の私生活を意識してみましょう。
女性ホルモンの減少は誰にでも起こります。
気になる事は、気軽に医師に相談してみましょう。
女性ホルモンの働きに関わる質のよい睡眠を得るための5つの方法
1 寝不足は、女性ホルモンのバランスを崩してしまうので気をつけましょう
2 女性ホルモンの影響で睡眠不足になった場合は、リラックスする事を意識しましょう
3 女性ホルモンは食べ物や飲み物によっても左右されるので、気をつけましょう
4 基礎体温をチェックして自分の体調を管理しましょう
5 更年期障害は、我慢しないで医師に相談しましょう。
以上が、女性ホルモンの働きと睡眠の関係です。
ぜひ参考にしてみてくださいね。