夜眠る時に使う枕、みなさんどうやって洗濯していますか?
毎日使っていると、寝汗や頭から出る皮脂などでだんだんと汚れたり、臭いが気になったりしてしまうものです。
でも、枕って洗濯機で洗えるのでしょうか?
「洗濯機で洗う時、水に浮くのでは?」、「洗濯機で洗ったら、枕を使えなくなるんじゃない?」と疑問に思われる方もいらっしゃることと思います。
そこで、今回は枕の洗濯方法や注意点について見ていきましょう。
そもそも枕にはどんな種類がある?
枕を洗いたいけれど、「洗濯機の中で浮くから洗えないかも!」、「枕が駄目になるかも!」と迷ってる方もいらっしゃるかと思います。
そもそも枕には、どのような種類があるのでしょうか?
まずは素材別に、枕の種類を見ていきましょう。
《穀物素材の枕》
古くから、日本で使われてきた枕です。
そばの実を取った後の殻であるそば殻や、高級枕として人気のある小豆枕などがあります。
これら天然穀物素材の枕は、頭から出る汗や熱気などの湿気を吸収してくれたり、吸収した湿気を放出してくれたりと、優れた効能を持っています。
《羽毛やフェザー素材の枕》
日本では、1970年代頃から使われてきた枕です。
鳥の羽を枕の素材として使うので、寝た時にふんわりと柔らかな感触がとても気持ちのよい枕です。
鳥の羽は通気性や吸湿性、放湿性や保温性にも優れており、夏は蒸れにくく冬は温かいので、1年中快適に眠ることができます。
《低反発ウレタンフォームの枕》
人気枕の1つとして挙げられるのが、低反発ウレタンフォームでできた枕です。
圧力に対する反発が少ない素材で作られているため、頭の形や重さに対応した動きをしてくれ、抜群のフィット感を体感できます。
そのため、首への負担が少なくなるという効果もあります。
《パイプ素材の枕》
昔から、多く流通している枕が、このパイプ枕です。
枕の中に、ストローを短くしたようなパイプがたくさん入っており、通気性の良さは抜群です。
また、中に入っているパイプは、枕によって大きさや硬さなどが違うため、自分好みの枕を選べることもおすすめポイントです。
《ポリエステル綿素材の枕》
合成繊維である、ポリエステル繊維綿からできた枕です。
本物の綿のようなふんわり感があり、柔らかめの枕が好き方におすすめです。
枕を洗濯機で洗う時、水に浮く素材とは?
上記でご紹介したように、いろんな素材で作られた枕がたくさん売られています。
では、この中で洗濯機で洗える枕はあるのでしょうか?
素材別に見ていきましょう。
《穀物素材の枕》
穀物素材の枕は、水洗いした場合、水分を吸収し、とても膨張します。
その膨張した枕の中身を、完全に乾かすのはとても難しいのです。
また、完全に乾かさないと中で虫が湧く恐れがあります。
そのため、水洗いはしない方が無難です。
《羽毛やフェザー素材の枕》
水洗いできないこともありませんが、あまり推奨はされていないようです。
水洗いをした場合、羽毛やフェザー素材の枕特有の、ふわふわとした弾力性が失われてしまう恐れがあるからです。
さらに、完全に乾燥させないと、カビやダニが発生したり、臭いの原因ともなってしまいます。
そのため、水洗いはしない方がベターです。
《低反発ウレタンフォームの枕》
これも、基本的に水洗いはNGです。
ウレタンフォームが水に濡れてしまうと、破れやすくなってしまうからです。
また、水に濡れた場合に完全に乾かすとなると、1週間ほど陰干しで乾かさなければなりません。
これは、天日干しした場合、紫外線によりウレタンが劣化してしまい、硬くなったり破れたりする場合があるからです。
このようなリスクを考えると、水洗いは控えたほうがよいでしょう。
《パイプ素材の枕》
これは、合成樹脂であるプラスチックでできているので、水に濡れても性質は変わりません。
そのため、水洗いが可能です。
手洗いだけでなく、洗濯機でも洗濯できるので便利ですね。
《ポリエステル綿素材の枕》
ポリエステル綿素材の枕には、水洗いできるものとできないものがあります。
水洗いができる枕の方が多いですが、中にはできないものもあるので、ご自宅にポリエステル綿素材の枕がある方は、きちんと表示を確認して下さい。
水洗いできるものの場合に気を付けたいのが、水洗いしようとするときに水に浮くということです。
ポリエステル綿というのはとても軽いので、水に浸けた場合どうしても浮いてしまいます。
そのため、浸け置きする場合などは、そのことを念頭に置いてから洗濯をして下さい。
水洗いOK!水に浮く枕でも洗濯機使って洗濯できる
上記で、水洗いできるものとできないものを見てきましたが、清潔に保つにはどのようなケアをすればよいのでしょうか?
まずは、水洗いできる枕のお手入れ方法から見ていきましょう。
《パイプ素材の枕》
パイプ素材の場合、耐久性も高いので、手洗いだけでなく洗濯機でも洗濯できます。
では、その方法を見ていきましょう。
①洗濯中に中身が飛び出してしまうと厄介なので、洗濯する前に、必ずファスナーがきちんとしまっているか、破れやほつれがないか、ということを確認して下さい。
②目の細かい洗濯ネットに枕を入れて、洗濯機で洗って下さい。
この時、できるだけドライコースなど水流が弱いコースがいいでしょう。
耐久性は強いですが、洗濯する時に極力傷めないようにした方が長く使えるので、おすすめです。
③脱水が終わったら、中身のパイプ素材が均一になるよう手で整えて下さい。
④その後、天日干しをしたら終了です。
この時、臭いやカビの原因にならないよう、完全に乾かすように注意して下さい。
《ポリエステル綿素材の枕》
きちんと表示を確認し、水洗いできる商品であれば水洗いをしましょう。
ポリエステル綿素材の枕は、どうしても水に浮くということが考えられますが、洗濯機でも洗うことも可能です。
①枕のファスナーがしまっているか、破れやほつれがないかを確認して下さい。
②枕を目の細かい洗濯ネットに入れましょう。
③洗濯機の場合、できるだけ枕を傷めないようにドライコースで洗いましょう。
④脱水が終われば、手で優しく叩きながら、綿の片寄りを直して下さい。
⑤その後、天日干しして終了です。
この枕の場合も、完全に乾ききるまでしっかりと乾かしましょう。
カビや臭いの原因にならないよう、気を付けて下さい。
枕が水に浮く場合!正しい洗濯方法は?
上記で水洗いできる枕の洗濯方法を見てきましたが、ポリエステル綿素材の場合、水に浮いてしまいます。
そういう時は、きちんと洗えているのか不安ですよね。
ポリエステル綿素材の枕の対処法を見ていきましょう。
【洗濯機で洗う場合】
洗濯機で洗う際は、洗濯機の中に水が溜まっても枕は浮いてしまっている状態です。
そのため、水が溜まった時に一旦洗濯機を止め、枕を水の中に沈めて水を吸わせてから、洗濯を再開して下さい。
【手で洗う場合】
ポリエステル綿の枕の場合、どうしても水に浮くことが考えられるので、洗濯機で洗うよりは手洗いの方がおすすめです。
では、その方法を見ていきましょう。
①大きめのタライや風呂桶、もしくは洗面所の手洗い場などに水を溜めて、洗剤を溶かします。
もし、ひどい汚れや臭いがあれば、漂白剤を適量一緒に入れて下さい。
②枕をその中に入れて、丁寧に押し洗いをします。
途中で、枕をひっくり返して反対側の面も押し洗いします。
③汚れや臭いがひどい場合は、そのまま1時間ほど放置しておいて下さい。
④新しい水に換えたら、再度押し洗いをして下さい。
この時、洗剤の泡が出なくなるまで、水を換えながら行って下さい。
⑤洗い終えたら、枕をぎゅーと押さえつけながら水分を取り除いて下さい。
もし、十分に取り除けないのなら、洗濯機で脱水だけしてもOKです。
その際は、目の細かい洗濯ネットに入れてから行って下さい。
⑥脱水が終われば、綿の片寄りを無くすため、手で優しく叩いて整えて下さい、
⑦風通しのよいところで、十分に乾くまで天日干しをして下さい。
水洗いできない枕のお手入れ方法は?
水洗いできる枕の、洗濯機での洗濯方法や手洗い方法、水に浮く場合の対処法などをご紹介してきましたが、水洗いできないものの場合はどうすればよいのでしょうか?
素材別に見ていきましょう。
《穀物素材の枕》
穀物素材の場合、水を吸収して膨張するので、水洗いはできません。
そのため、必ず枕カバーを付けて、枕本体があまり汚れないよう気を付けて下さい。
そんな穀物素材の枕の基本的なお手入れ方法は、天日干しです。
汚れは枕カバーで予防できますが、吸湿性の高いこの枕は、天日干しを定期的にしていないと湿気がこもったままになってしまい、カビやダニが発生してしまう恐れがあります。
そのため、できるだけ頻繁に天日干しをしておきましょう。
《羽毛やフェザー素材の枕》
基本的なお手入れ方法としては、週に1回程度、陰干しをすることです。
陰干し後は、ふわふわ感を出すため、中に入っている羽毛やフェザーを優しくもみほぐすようにして下さい。
「ダニなどが気になるから天日干しをしたい!」という方は、30分〜1時間程度で終了して下さい。
なぜなら日光に当てすぎると、ふわふわとした膨らみが弱くなってしまう可能性があるためです。
《低反発ウレタンフォームの枕》
この枕も、羽毛枕などと同様に、風通しのよい場所での陰干しが定期的なメンテナンス方法になります。
もし、汚れが気になるようであれば、ガーゼなどを濡らして、汚れた部分を叩くようにして落として下さい。
この際、こすったり強く叩いたりはしないように注意して下さい、
また、低反発ウレタンフォームは水に弱いので、濡らしたガーゼは固く絞ってからお使い下さい。
どうしても枕を水洗いしたい!その時の注意点は?
上記で、水洗いできない素材のメンテナンス方法をご紹介しましたが、「どうしても水洗いしたい!」、「中身の汚れがどうしても気になる!」という方もいらっしゃると思います。
では、そういう時の対処法を見ていきましょう。
《穀物素材の枕》
水洗いできないこともないですが、乾かすのが本当に面倒なのでおすすめできません。
どうしても中身をきれいにしたいという時は、中身を新聞紙の上などに出して、天日干しをして下さい。
この際、風などで中身が飛んでいってしまうと困るので、風のないところでして下さい。
また、中身が汚すぎるという時は、中身の入れ替えを行うのも1つの手です。
そば殻などは、滅菌済みの枕入れ替え用そば殻がネットなどでも売られているので、トライしてみるのもおすすめです。
《羽毛やフェザー素材の枕》
上記でもご紹介した通り、基本的に水洗いは駄目ですが、1年に1回程度であれば、洗濯機ではなく手洗いで行うこともできます。
そこで、手洗いをする場合の方法を見ていきましょう。
①風呂桶やタライ、洗面所の手洗い場などに水を溜め、中性洗剤を溶かしてから枕を水の中に入れ、優しくもみ洗いをして下さい。
②その後、新しい水で泡が浮くように押し洗いをしたら、水を換えて同じことを繰り返します。
泡が出なくなるまで、優しく押し洗いをして下さい。
③洗い終わったら、手で押しながら水分を取り除いて下さい。
④乾燥ですが、自宅の浴室に浴室乾燥があれば、それを利用して下さい。
羽毛やフェザーは、天日干しをするとふわふわ感が無くなる恐れがあるため、極力天日干しは避けたいものだからです。
どうしても外で干したい時は、できるだけ陰干しでお願いします。
ただ、乾くのに時間がかかってしまうことは念頭に置いてから行って下さい。
《低反発ウレタンフォームの枕》
ウレタンフォームは水に弱いので、水洗いはNGです。
もし、知らずに水洗いした場合は、しっかりと乾燥させることが大事です。
紫外線も劣化の一因なので、陰干しでしっかり乾燥させていきましょう。
5日〜1週間ほどじっくりと乾燥させて下さい。
この時、水分を取り除くために絞ったりすると破れてしまいますので、注意して下さい。
枕を清潔にして、快適な睡眠を!
枕を洗濯機で洗う方法やお手入れ方法、水に浮く場合の対処法などを見てきましたが、いかがでしたか?
水洗いできるものできないもの、天日干しできるものできないものなど、いろいろな枕がありましたね。
ご自宅の枕に合った洗濯方法やお手入れ方法を考え、清潔に安心して使えるようメンテナンスを怠らないようにしましょう。
睡眠は人間にとってとても大事なものです。
ぜひ、きちんとしたメンテナンス方法で整えられた枕で、心地よい睡眠を楽しみましょう!