ベランダにしか洗濯機を設置できない!どんな点に注意する?

お洗濯やお掃除などいろんな家事がありますが、その中でもお洗濯は、頻度こそ、ご家庭によって異なりますが、どうしてもしなければならない必須のお仕事です。

一軒家で洗濯機が室内にある方は、気兼ねすることなくお洗濯できますが、「ベランダにしか設置できない!」という場合、トラブルにお困りの方も多くいらっしゃると思います。

今回は、そんな、ベランダにしか洗濯機を設置できない場合の、注意点などをご紹介していきます。

ベランダに設置するには、どんな洗濯機がおすすめ?

そもそも洗濯機というのは、「室内で使う」という前提のもとに作られています。

しかし、洗濯機を設置する場所がベランダしかない、という賃貸物件などは、まだまだたくさんあるのが現状です。

では、どんな洗濯機がベランダ置きには適しているのでしょうか?

まずは、洗濯機について見ていきましょう。

《歴史》

日本における電気洗濯機の歴史は、1928年にまで遡ります。
この年に、アメリカで製造された電気洗濯機が初めて輸入されました。

そして、わずか2年後の1930年には日本製の電気洗濯機が販売されます。
一般的に普及し始めたのは、戦後に入ってからで、「三種の神器」の1つとして人気を得ていきました。

昭和60年代に全自動洗濯機、平成12年頃に乾燥機付洗濯機が登場します。

《種類》

現在の洗濯機は、縦型洗濯機とドラム式洗濯機があります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。

【縦型洗濯機】
①ドラム式より価格が安い
②多くの水を使ってお洗濯するので、洗剤の泡立ちがよく、汚れ落ちがよい
③衣類をもみ洗いするため、汚れが落ちやすい
④衣類が傷みやすかったり絡みやすかったりする
⑤乾燥機能が付いた洗濯機の場合、ドラム式よりも乾燥しにくい

【ドラム式洗濯機】
①水を使う量が少なく、節水になる
②縦型に比べて衣類が絡みにくいので、衣類を傷めにくい
③少ない水しか使わないので、洗浄力が弱い
④音がうるさい
⑤大きいので、場所をとる

縦型もドラム式も、それぞれメリット・デメリットがあるので、ご自宅の状況に応じて選ばれるといいでしょう。

ただ、ベランダに設置する場合、室内置きに比べて、格段に汚れや故障などのトラブルが多くなります。

そのため、ベランダに置くしかない方は、あまり高価な洗濯機はおすすめしません。
安い値段の洗濯機を買って、通常よりは短いスパンで買い替える方がいいでしょう。

ベランダに設置した洗濯機のトラブルとは?

ベランダに設置した洗濯機はトラブルが多いため安いものを購入した方がよい、とご紹介しましたが、一体どんなトラブルが考えられるのでしょうか?

《汚れ》

①紫外線が洗濯機に当たると、外装のプラスチック部分が変色して、劣化しやすくなる
②操作パネル部分も、直射日光や雨風により劣化しやすくなる
③雨風により、入ってくる砂埃で汚くなる
④直射日光が当たる場所に置いておくと、洗濯槽の外側に苔が生えることもある
⑤外装の鉄板部分も、雨が当たることにより錆びてくる

《故障》

①電化製品のため、基盤部分に雨などが入り込むとショートする場合がある

②気温の変化をダイレクトに受けるため、季節によって、内部のプラスチック部分が膨張したり収縮したりすることで亀裂が入り、水漏れの原因となってしまうことがある

③氷点下になるような寒冷地では、凍結により故障する場合もある

《防犯》

衣類の盗難や、洗濯機本体の盗難なども考えられる

《騒音》

①ベランダに設置されているため、室内置きの場合より、なおさら騒音が気になる
②室内置きの場合よりも、振動や音が響くため、お洗濯できる時間が限られる

上記のように、洗濯機をベランダに置いた場合、いろいろなトラブルが考えられます。

ベランダに置いたことにより起こるトラブル、どう回避する?

洗濯機をベランダに置くと、いろいろなトラブルがあることをご紹介しましたが「どうしてもベランダに置くしかない!」という方も多いと思います。

では、どうやって回避すればよいのでしょうか?
トラブルの回避方法を見ていきましょう。

《汚れ》

①直射日光を避ける

直射日光により、プラスチック部分や電子パネルの劣化、洗濯槽に苔が生える、などのトラブルが起きてしまう場合があります。

これらを避けるには、洗濯機に直射日光が当たらないようにしなければなりません。
そのためには、ベランダに「よしず」などを立てかけて、日光を遮るなどの対策をとりましょう。

②雨風を凌ぐ

操作パネル部分の劣化や、鉄板部分の錆などを防止するには、雨風が直接当たらないようにしなければなりません。

そのためには、洗濯機にカバーを付けたり、こまめに汚れを掃除したりするのがよいでしょう。

《故障》

①ショート防止

洗濯機内部に水が入らないようにしなければなりません。
やはり、洗濯機カバーをすることが1番の対策です。

②凍結防止

洗濯機が凍結するのを防ぐには、洗濯機の中から水を抜くことが第一です。
氷点下になるような日は、洗濯機を使い終わった後に必ず水抜きを行って下さい。

基本的な水抜きの方法をご紹介しましょう。

【1】洗濯機の水道の蛇口、洗濯機のドアを閉め、スタートボタンを押す
【2】洗濯機内部の水が洗濯槽に流れ出たところで、電源を切り、再度電源を入れて脱水ボタンを押す
【3】上記で洗濯機内部の水は排水されたため、後は洗濯槽内部を雑巾などで拭いて水気をとる
【4】給水・排水ホースに水が残っていないか確認し、残っていれば排水する

《防犯》

盗難を防ぐ方法としては、2つ考えられます。

【1】ロック機能の付いた洗濯機を購入する
【2】カバーを洗濯機に付けて、簡単に取り外せないようにする

【1】は、盗難防止というよりも子どものいたずら防止のためのチャイルドロックですが、この機能が付いた洗濯機の場合、お洗濯が終わらないと蓋を開けることができません。

そのため、 洗濯中は目を離せるという利点があります。

【2】の場合は、洗濯物泥棒は簡単に開けられる洗濯機を狙うことが多く、カバーなどでしっかりと覆われていると時間がかかってしまうため、避ける傾向があるためです。

《騒音》

ベランダに設置されている場合、気になるのが騒音ですが、騒音対策としておすすめなのは、防振ゴムです。
洗濯機の振動を吸収し、騒音を減らしてくれます。

ただ、洗濯機がきちんと設置されていないと、どんなに対策を万全にしても意味がありません。
洗濯機を設置する際は、音がうるさくならないよう、きちんと設置するようにして下さい。

ベランダに設置した洗濯機のトラブル回避グッズ

上記で、ベランダに設置した際に起きる洗濯機のトラブルを見てきましたが、トラブル回避のためにはいろんなものを利用する必要があります。

では、どんなグッズがあるのでしょうか?

《日光除け》

①サンシェードを付ける

最近人気があるのがサンシェードです。

サンシェードは、とてもお洒落な柄のものもホームセンターなどで売っているので、女性にもおすすめです。
これは、組み立てて窓のベランダに立てかけるだけなので、固定をしなければなりません。

固定方法はいくつかありますが、賃貸の方であれば、窓枠やサッシの部分にマグネットを取り付ける方法がいいと思います。

他にも、サッシ部分にねじを取り付けて固定する方法や、コンクリート製の外壁にジェルで密着させる方法、軒下とベランダの床の間に突っ張り棒を立てる方法などがあります。

ご自宅の状況に応じて、固定方法を選んで下さい。

②よしずを立てかける

直射日光を避けるために昔から使われているものが、よしずです。

窓の高さよりも2〜3割ほど長いものであれば、簡単に取り付けられます。

よしずは葦を原料として作られているため、夏の暑い時に打ち水をするとよしずが水分を吸収し、その時発生する気化熱が周りの熱を奪うため、涼しい風が室内に入ってきて、暑さ対策にも一役買ってくれます。

また、よしずもサンシェードと同じく固定されていないため、ベランダに設置すると、風で飛ばされたりする危険性があります。

そのため、固定して使われることをおすすめします。

《雨風除け》

①洗濯機カバーを付ける

ホームセンターやネットで手軽に手に入るのが洗濯機カバーです。
防水性のものもあるので、雨や埃から洗濯機を守ってくれます。

また、いろんな柄のものがネットで売られているので、女性にもおすすめです。

②ラックを取り付ける

少し手間がかかりますが、木製や金属製のラックを取り付けるのもおすすめです。

雨風除けだけでなく、目隠しにもなります。
ホームセンターなどで売られているので、簡単に手に入る点もおすすめです。

《騒音対策》

騒音対策としては、上記で紹介した、防振ゴムや防振マットが役に立ちます。

ネットやホームセンターなどで、いろんな種類のものが売られていますので、ご自宅の洗濯機に合わせたものを選ばれるといいでしょう。

特に、ドラム式洗濯機は縦型に比べて騒音がうるさいので、ベランダに設置される場合は、防振ゴムを付けておくことをおすすめします。

トラブル回避グッズ、ベランダにどう設置する?

ベランダにある洗濯機のトラブルを回避するためには、様々なグッズをご紹介してきましたが、どのように設置すればよいのでしょうか?

基本的な取り付け方を見ていきましょう。

《サンシェード》

サンシェードはたくさんの商品が売られていますが、組み立てが必要なものと、不必要なものがあります。
購入されたサンシェードに応じて、組み立てて下さい。

ここでは、サンシェードの固定方法について見ていきましょう。

【突っ張り棒で固定】

突っ張り棒で軒下との空間に固定する方法ですが、組み立てもベランダで行うことになるので、ベランダが広くないとなかなか難しいです。

また、一人では組み立てが難しいので、一人暮らしの方にはあまりおすすめしません。

【フックで固定】

賃貸のアパートやマンションにお住まいの方におすすめなのが、フックで固定する方法です。

特に、マグネット式のフックであれば、サッシにマグネットを取り付けるだけなので、傷を付ける心配もありません。

サンシェードの上部はフックに取り付けて固定し、下部はサンシェードに付いている紐をベランダの柵などに結びつけて固定すれば、OKです。

マグネット式以外にも、コンクリートの壁にジェルで接着させるフックや、サッシ部分にねじで固定するフックもあります。

これらは、持ち家の方にはおすすめです。

《よしず》

よしずの固定の仕方を見ていきましょう。

①立てかけたよしずの高さがちょうど半分辺りのところに紐を下に向けて通し、ブロックやレンガに結びつけて固定します。

もし、ブロックやレンガがなければ、空いたペットボトルに水を入れて、重しとして使う方法でも大丈夫です。
②よしずの上部部分にも紐を通し、サッシなどに結んで固定すればOKです。

この時、サッシなどに結べるところがなければ、マグネット式のフックなどをサッシに取り付けて、そこに結びつければ大丈夫です。

《ラック》

DIYが得意な方におすすめなのが、ラックをベランダに取り付ける方法です。
ホームセンターなどにはたくさんの種類のラックが売られているので、比較的簡単にできると思います。

用意するものは、ベランダの大きさに応じたラックと、結束バンドもしくは針金です。

洗濯機が設置されているところの周りを囲むようにラックを置き、あとは結束バンドなどでベランダの手すりなどに結びつけて固定すればOKです。

また、ラック以外にも、すのこを使われる方もいらっしゃるようです。
余裕があれば、ラックなどをご自宅の色に合わせて色付けをすれば、お洒落になりますよ。

《防振ゴム》

防振ゴムは、洗濯機の足4ヶ所に敷いておくだけです。

ただ、この時に、ベランダに直接洗濯機を置くのではなく、防水パンを敷いた上に洗濯機を置いておく方が、騒音は少なくなります。

洗濯機トラブル回避グッズ、人気の商品は?

ベランダに設置した洗濯機のトラブルを防ぐためのグッズをご紹介しましたが、では、どの商品が人気なのでしょうか?

それぞれ、評価の高いおすすめ商品を見ていきましょう。

《サンシェード》

①タカショー 「クールシェード」

紫外線・UVカット率が約85%、遮光率が約85~90%という商品で、直射日光をしっかりと遮ります。
生地は丈夫ですが風通しもよく、形状記憶加工のため、使わない時に折り畳んでいてもシワがとれます。
また、夜でも外から家の中が見えることもないので、一人暮らしの女性などには防犯という点でもおすすめです。

②Insun「日除け シェード」

高密度ポリエチレン(HDPE)素材で作られているため、軽くて耐久性・通気性もよい商品です。
遮光率は80〜90%のため、きちんと直射日光を遮ってくれます。
カジュアルな柄のため、ベランダをお洒落にしたいという方にもおすすめです。

《フック》

①「マグネットと吸着シートで張り付く! すだれ用 マグネットフック(2本入)」

マグネシウムマグネットと滑り止めシートのダブルの効果で、強力にマグネットを取り付けます。
このフックの部分は自由に動くようになっているので、ある程度の風にも対応します。

②山善(YAMAZEN)「涼風シェード用 マグネットフック (4個セット) 」

ネオジム磁石を使ったマグネットと滑り止めシートで、サッシなどステンレス製のものにしっかりとくっつけることができます。
耐荷重は3kgなので、多少大きめのシェードでも大丈夫です。

《洗濯機カバー》

①Mr. You「洗濯機カバー 厚い シルバー 防水 防日焼け」

生地に厚手のポリエステルを使用し、特別な防水工法で作られているため、防水だけでなく紫外線にも強いカバーです。
紐でぴったりと結ぶことができるので、風が吹いても安心です。

②アイメディア「洗濯機すっぽりカバー」

縦型洗濯機用のカバーで、約4、2~8kgの洗濯機に使用可能です。
お洗濯をする際は、上部のカバーをめくるだけなので、使い勝手がよいです。
また、前面にポケットも付いているため、お洗濯バサミなどを入れておくこともできます。

③Dewel「洗濯機カバー ドラム式洗濯機用」

全面がファスナー式のため、お洗濯をする際はファスナーを開けるだけ、という点が便利です。
防水加工なので、雨除けという点でもおすすめです。

《防振ゴム》

・東京防音「洗濯機用防振ゴム TW-660 ニューしずか」

ピアノ用の防音ゴムで人気の、東京防音の商品です。
通常のゴムよりも、衝撃・振動吸収性が高いハネナイトというゴムを使っているため、防振効果は抜群です。

トラブルを回避して、悩みから解放されよう!

洗濯機をベランダに設置する際のトラブルやその回避策を見てきましたが、いかがでしたか?

洗濯機の外置きは、故障などのトラブルがどうしても多くなりがちです。
そうなると、一段とお洗濯が面倒くさくなってしまいますよね。

上記でご紹介したような対策をいろいろ試してみて、洗濯機のお悩みを解決しましょう。

お洒落アイテムを使えば、ベランダがもっと素敵な空間に変身できるチャンスかもしれませんよ!