ベランダで洗濯機を使うのは、決して珍しいことではありません。
ワンルームの狭いスペースを有効に使うためには、仕方がないことです。
とはいえ、屋外に洗濯機を置く場合、注意しなければならない点が幾つかあります。
特に、洗濯時の排水には、気を使ってください。
ここでは、洗濯機をベランダで使う際に注意したい点についてご紹介します。
アパートの下見の時は水回りをチェック!洗濯機は置ける?
アパートで一人暮らしを始めるなら、駅からの距離や部屋の間取りの他に、ぜひ水回りにも気を使ってください。
ご家族と一緒に住んでいる一軒家やマンションでは、水回りの設備はあって当たり前。
そのため、気にかける方も少ないかもしれません。
しかし、1人暮らしをする場合、水回りの設備は毎日使うものです。
納得したうえで、部屋を選びたいものですね。
ですが、まれに見落としてしまうのが、洗濯機置き場です。
一軒家やマンションなら、お風呂場や台所のそばに洗濯機置き場があるのが当然ですが、ワンルームのアパートでは無いことが多いのです。
後で気が付いて、後悔しないように、下見した際に洗濯機置き場も必ずチェックしましょう。
ワンルームのアパートでは、狭い空間を有効活用することで、便利な場所でも比較的安価な家賃を実現しています。
そのため、大抵の物件では、最低限の水回り設備しかありません。
特に、場所を取る洗濯機置き場は、室内に用意されていないのも普通です。
室内に洗濯機置き場が無い場合は、玄関前の通路か、ベランダに洗濯機を置きます。
どちらかに、水道と排水、そして電気の準備があるはずです。
ぜひ、下見した際に確認してみてください。
ベランダに洗濯機を置く物件のメリット
洗濯機を外に置くのは変だと思う方がいるかもしれません。
しかし、昔の人は家の外にあった水場で洗濯していました。
その名残で、昭和の時代は洗濯機を家の外に置くのが普通でした。
今でも洗濯機が外にあるからといって、使えない訳ではありません。
そして、なんと言っても外に洗濯機を置くお部屋の一番のメリットは、家賃が安いことです。
なお、新築のアパートや改装したばかりのアパートでは、お部屋の中に洗濯機置き場を用意している物件もあります。
しかし、そのようなお部屋は、家賃が高いものばかりです。
駅から近くて家賃が安いお部屋を探しているのなら、割り切って洗濯機を外に置く物件から選ぶのも良いでしょう。
洗濯機を外に置くお部屋には、玄関の前に置く場合と、ベランダに置く場合とがあります。
この2つを比較するなら、ベランダに洗濯機を置くお部屋をおすすめします。
その理由は、知らない人が通り過ぎる玄関の前に、お洗濯したばかりの衣類を置きっぱなしにするのはだらしがなく見えてしまうからです。
しかし、その点ベランダならお洗濯が終わったら、すぐに干すこともできます。
とはいえ、外に洗濯機を置くと、深夜や早朝のお洗濯ができなかったり、寒い日には水道が凍ったりします。
さらに、排水口がつまりやすいといったデメリットもあります。
引っ越してから後悔しないように、メリットとデメリット、そして、予算やこれからの生活スタイルなどを、よく考えておきましょう。
ベランダに洗濯機を置く時注意すること
いざ、ベランダに洗濯機を置く部屋を選んだら、注意してほしい点が幾つかあります。
まず、コンセントに注目してください。
洗濯機を使う場合に最も注意しなければならないのは、感電です。
洗濯機には、感電を防止するために必ずアースが付いています。
これを、コンセントに付いているアース端子に接続してください。
洗濯機のアースは、屋内で使う場合も必要ですが、雨が当たる屋外では、事故防止のため必須です。
また、ベランダに洗濯機を置く場合には、洗濯機カバーを付けましょう。
プラスチックは長く日光に当たっていると変質して固くなります。
それが、故障の原因になります。
また、雨水がしみ込んでスイッチ類が、錆びて動かなくなることもあります。
洗濯機用のカバーは、ホームセンターでも購入できますので、ぜひカバーを付けましょう。
なお、風が強いと、カバーが飛ぶことがあります。
風が強くなりそうなら、飛ばないような工夫が必要です。
そして、もっとも気を使うのがお洗濯時の排水です。
これについては、次項から詳しくご紹介します。
ベランダでの排水の仕組み
ベランダに洗濯機が置けるアパートの場合、その場所には、水道と電気が引かれています。
さらに、近くには排水設備があります。
大抵のアパートのベランダでの排水設備は、雨水を下水に流す仕組みを使います。
アパートの2階では、ベランダの隅に穴が開いていて、ベランダに溜まった雨水を流す構造になっています。
また、1階のベランダの隅には、2階からの雨水を流す下水に流すパイプの根本に、排水する構造になっています。
そして、1階と2階の排水口の中には、砂が流れるのを防ぐ仕組みも組み込まれており、ここは詰まりやすいので、例え洗濯機を使わなくても定期的にお掃除が必要です。
ちなみに、屋内に設置されている洗濯機の排水口は、排水ホースが固定できる構造になっています。
しかし、ベランダの排水口は、排水ホースが固定される構造になっていないケースが普通です。
そのような場合は、洗濯機の振動や、排水の圧力で排水ホースが外れないように、しっかり固定する必要があります。
また、年数の経っているアパートなどでは、ベランダの排水口の金具が錆びてボロボロになっていることもあります。
この状態では、中でゴミが詰まりやすくなるため、気が付いた時点で不動産屋に相談し、早めに交換してもらってください。
ベランダでの洗濯・排水のやり方
ベランダに洗濯機を設置する場合、気を使ってほしいのが排水です。
屋内に洗濯機置き場がある場合は、必ず、排水口が作られています。
そのため、洗濯機の底に付いているジャバラ排水ホースの先端を、その排水口に固定すれば、後は心配する必要はありません。
1年に1回程度、排水ホースをお掃除してあげれば、トラブルが起こることは可能性は低いでしょう。
しかし、ベランダに洗濯機を設置する場合、屋内のような排水口が準備されていません。
先にご説明したように雨水を下水に流す仕組みを利用します。
お部屋を下見した際、ベランダの洗濯機を置く予定の場所で、その排水口に流せるかどうか確認しましょう。
なお、見ただけは解らない場合もあります。
そんな時は、不動産業者の担当者に説明してもらうのがおすすめです。
また、ベランダには風がゴミを運んできます。
そのため、ベランダの排水口はゴミが詰まりやすいのが普通です。
そして、洗濯機は、洗ったりすすいだりした後に大量の水を排出します。
排水口が詰まった状態で洗濯機を使うと、排水が溢れて隣りの部屋のベランダまで濡らしてしまうこともあるため、トラブルにならないように、排水口が詰まっていないか、こまめに確認しましょう。
洗濯機の排水口が詰まる前にお掃除を
洗濯機で洗った後の排水には、意外とゴミが含まれています。
糸くずとか、ポケットに入れっぱなしにしてしまった紙切れなどがゴミになって流れていきます。
お家の洗濯機で、糸くずフィルターやゴミ取りを使っているのを見た方も多いのではないでしょうか。
洗濯機の排水口にも、こういったゴミが流れていきます。
そして、それらが溜まって排水口が詰まることが、よくあります。
特に、洗濯機の排水ホースは、曲がりやすいジャバラ構造になっています。
そのため、ジャバラにゴミが付いて詰まることもあります。
こうした点から、洗濯機の故障の原因にもなるので、お掃除が必要です。
また、洗濯機の排水ホースは、消耗品です。
特に、ベランダに洗濯機を設置した場合は、通常より痛みが早いので、早めに交換することが必要になります。
さらに、排水ホースが繋がった排水口も詰まりやすい場所です。
洗濯機の使用頻度にもよりますが、屋内の排水口でも、せめて年に1回は詰まりが無いか確認しなければなりません。
先ほどご説明したとおり、屋外のベランダにある排水口はとりわけ、ゴミなどで詰まりやすいのが特徴です。
隣りや階下に住む方とトラブルになる前に、排水口をお掃除して、きれいに使いましょう。
ベランダで洗濯機を使うのなら排水に配慮を
ベランダで洗濯機を使うお部屋のメリットと、使う際に注意したい点、特に、排水についてのご紹介でした。
いかがだったでしょうか。
お洗濯は、洗濯機に入れてスイッチを入れれば、自動でやってくれます。
いつのまにか終わっているので、洗っている最中に排水が溢れていても気が付かないかもしれません。
天気がいいのに洗濯の後、もし、ベランダが濡れていたら注意が必要です。
トラブルになる前に、ぜひ、排水口を点検してください。