天気のいい日は、お布団を外に干したいものです。
太陽の光を十分に浴びたお布団は太陽の匂いがしますよね。
しかし、この幸せな匂いの原因は何なのでしょうか?
今回は、太陽の匂いと言われることもある、いい匂いの原因についてご紹介します。
お布団を干した後のニオイは太陽の匂い!?
「お布団を干した後になんだかいい匂いがする」という経験、みなさんもありませんか?
あの独特のニオイは、太陽の匂い、お日様の香り、などと言われていますよね。
決して嫌なニオイではなく、ほんわかするような優しいニオイです。
たまに、お布団だけではなく、厚手の洋服やタオルケットなどを干した時もこの太陽の匂いがすることがありますね。
しかし、皆さんはこの太陽の匂いの原因は何なのか考えたことはありますか?
実は、この太陽の匂いには昔から様々な噂があり、一説にはダニの死骸のニオイなど言われていた時代もありました。
お布団を干すと、太陽の熱でお布団にいたダニが駆除され、その死骸のニオイがお布団から臭うという、嫌な説が流布されてしまっていたんですね。
しかし、本当にダニの死骸からあのようなほんわかした匂いが生まれるのでしょうか?
ダニの死骸が太陽の匂い説はデマ!?
ダニの死骸から太陽の匂いといわれる、優しい匂いが生まれることはあり得るのでしょうか?
このダニの死骸のニオイであることを信じてしまった方は、
「顔にお布団を押し付けたくなるような自然ないい香りはダニの匂いだったのか・・・」
「ダニの死骸の上で寝ていることになるのか・・・」
などと思うことでしょう。
しかし、実はお布団を干した後の匂いは、ダニの死骸のニオイではないのです。
昔、このニオイの原因が突き止められない頃に広まった単なる噂ですので、安心してください。
まず、ダニの死骸が原因なら、ダニやハウスダストが多い押し入れなどからも、あの太陽の匂いがすることになりますよね。
では、お布団を干した後の匂いは、何が発生させているのでしょうか?
お布団を干した後の太陽の匂いの真実
お布団を干した後の匂いの原因として、現在、最有力とされているものがあります。
2000年代初期、ある化粧品メーカーの研究所の分析が発表されました。
その発表によると、
「お布団に残る汗や脂肪などが、太陽の光や熱で分解されてできるアルデヒドやアルコール、脂肪酸などの揮発性物質が太陽の匂いの主成分である。」
とのことなのです。
少し難しいですよね。
それでは、もう少し詳しくご説明していきます。
まず、お布団を太陽のもとで、十分に干したとしても、微量の汗や皮脂はお布団の中に残ってしまうものなのです。
そして、お布団を干すと太陽の光に含まれる紫外線を多く浴びせることになります。
お布団の素材は綿であることが多いですが、この綿をつくっているのがセルロースというものです。
実は、このセルロース、紫外線や残った汗などとともに分解されてしまうのです。
そして、分解されたセルロースや汗は、アルデヒドやアルコール、脂肪酸と呼ばれる物質に変化します。
なかでも、アルデヒドという物質は人間が認知できるほどニオイが強いものとして有名です。
そして、このアルデヒドと洗剤の匂いなどが相まって、独特のほんわかした優しい匂いが生み出されているのです。
これが長年ダニの死骸のニオイなどと言われてきた匂いの真実だとされています。
化学的に分析されたことで、安心した方もいるのではないでしょうか。
なにより、ダニの死骸のニオイでなかったことへの安堵は大きいですね。
お布団を干した後の太陽の匂いは人工的に作り出せる?
「お布団を干した後の太陽の匂いでリラックスできた!」などの経験がある方は多いと思います。
実は、このリラックスの原因も研究されていて、最新の研究結果が出ているのです。
皆さんはα波というものを聞いたことがありますか?
α波とは動物の脳波の一種で、瞑想や集中した時に出るものですね。
このα波が生み出されると、集中力があがり、ひらめきやカンが鋭くなるなどの効果があります。
また、リラックス効果があるので、精神を落ち着かせたり、睡眠を促したりする効果もあるのです。
実は、最新の研究では、お布団を干した後の太陽の匂いはこのα波を生み出すことが出来ると言われています。
そこで、多くのメーカーが人工的にこの太陽の匂いを生み出せないかと試行錯誤していました。
その結果、現在では多くのメーカーが「太陽の匂い」「お日さまの匂い」と名付けて様々な洗剤や消臭剤を販売しています。
「お布団を干した後の太陽の匂いを嗅ぎたい!でも、お布団を干す時間がない!」
「ただただ、お布団を干した後の太陽の匂いが好き!」
という方は是非使ってみてくださいね!
干した後のお布団は清潔なのか?
さて、お布団を干した後、ほんわかした匂いがする原因はわかりましたよね。
では、この匂いがすればお布団は清潔ということなのでしょうか?
実は、意外にそうではないんです。
お布団を干すだけでは、お布団は清潔になりません。
もう少し詳しくご説明しますと、お布団を干すだけではダニは駆除されないのです。
それどころか、お布団の中にいたダニを表面に浮き出させてしまうことになってしまう可能性があります。
「子どもがそんなお布団に寝ている」と考えると恐ろしいですよね。
そこで、お布団を清潔に保つためにはお布団を干した後のケアが大切になってくるのです。
お布団を干した後の適切なケアとして、掃除機をかけるという方法があります。
お布団を干して表面に浮き出てきたダニは、掃除機で吸い取ってあげましょう。
もちろん、表裏かけてあげてくださいね。
頻度としては週に1度程度、お布団を干した後に行ってあげましょう。
最近では、お布団専用の掃除機など市販されているものが多いので、チェックしてみてもいいかもしれません。
また、「干した後のお布団からいい匂いがしているので、最後の仕上げにお布団たたき!」という方も多いかと思います。
しかし、これはできるだけ避けてください。
お布団たたきは、お布団の中のダニの死骸やフンを拡散させることになってしまうため、逆効果になってしまいます。
お布団を干したけれど、きれいになったか心配な場合
「お布団は十分に干したし、お布団専用掃除機もかけたけれど心配」という方はもちろんいらっしゃると思います。
特に、お子さんがいらっしゃるご家庭では、ダニなどが原因でアレルギーを引き起こす可能性も考えられます。
もし、干した後のお布団が心配という方は、取り込んだお布団をそのまま押入れに入れることは避けてください。
なぜなら、取り込んだお布団をすぐ押入れに入れてしまうと、お布団に熱がこもり、ダニの繁殖を促進してしまうので、ダニの温床を作ってしまうことになりかねません。
可能であれば、干した後のお布団は部屋の涼しいところに放置した後、押し入れにしまうようにしましょう。
「太陽の光のもとで十分に干し、お布団専用掃除機でケアをして、取り込んだ後も十分冷ます。」
ここまですると、ほとんどダニの心配はありません。
やはり、そのなかでもお布団専用掃除機でのケアは非常に強力なので、是非実施してあげてください。
お布団を干した後だけではなく部屋を掃除するのと同じタイミングで、お布団にも掃除機をかける習慣をつけると、いい匂いになり、楽かもしれませんね。
お布団を干した後の匂い=清潔ではない!
お布団を干した後の匂いがダニの死骸のニオイではなく、太陽の光や熱で汗やセルロースが分解されてできた物質のニオイであることがわかりましたね!
また、お布団を干した後の匂いにはリラックス効果があることも証明されているのです。
一方で、お布団を干した後の匂いはお布団が清潔になったサインではありません。
お布団を清潔に保つにはお布団を干した後のケアが非常に大切なのです。
毎日使うお布団だからこそ、定期的な手入れをしてあげてくださいね!