ベランダの洗濯機に凍結問題発生!賢く上手に付き合おう。

冬の寒いある日、「ベランダにある洗濯機で洗濯をしようとしたら動かない!」という経験されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

自宅の洗濯機が動かないのは、本当に困りものです。

では、どうすればよいのでしょうか?

そこで、今回は「凍結してしまった際にどうすればよいのか」「どういう風にうまく使っていけばよいのか」ということをご紹介していきます。

ベランダなど外に置ける洗濯機、どんな種類のものがある?

洗濯機は、どのメーカーのものでも、基本的に室内で使うことを前提に造られています。

では、ベランダなど外に置いてはいけないのでしょうか?

しかし、賃貸アパートなどで、ベランダにしか置けない物件もあるなど、どうしても外にしか置けないところもあります。

そういう場合は外に置いてかまいませんが、雨風や直射日光による劣化、そして真冬の寒い日には凍結という不測の事態を招くこともある、ということを前提に置かなければなりません。

では、どのような洗濯機がおすすめなのでしょうか?

まずは、洗濯機の種類を見てみましょう。

①縦型洗濯機

昔からある洗濯機で、見慣れている方も多いと思います。

現在では、安い価格のものからいろんな機能が付いた高価格のものまで、幅広いラインナップが取り揃えられています。

パルセーターという羽根を回転することにより起こる水流で「もみ洗い」をするのが基本で、「押し洗い」をする機種もあります。

乾かし方は、水冷・除湿タイプと排気タイプに分けられます。

②ドラム式洗濯機

2000年代の頃より、急激に普及してきたのがドラム式洗濯機です。
そのお洒落な外観と、乾燥機能付きの性能が魅力的な洗濯機です。

ドラムを回転させることにより、衣類を上から下に落とす「叩き洗い」や、急速にドラムを回転させ衣類を小刻みに動かす「もみ洗い」が基本で、「押し洗い」も組み合わせたものもあります。

乾かし方は、ヒートポンプ乾燥と低温風パワフル乾燥、ヒーター乾燥の3種類に分けられます。

ドラム式の方が、使う水の量が少なく節水能力は上ですが、電気代は縦型の方が若干安くなります。
しかし、乾燥機能では、圧倒的にドラム式の方が水道代や電気代は安くなっています。

ただ、最近では、縦型の泥汚れなどに強く値段が安いというメリットが見直されつつあり、人気が復活しつつあります。

では、ベランダに置くにはどのような洗濯機がおすすめなのでしょうか?

上記でも書いています通り、外に洗濯機を置くと、室内に置いた場合よりも劣化が早かったり、凍結を起こしたりということがあります。

そのため、あまり高価な洗濯機は置かない方がよいでしょう。

値段の安い洗濯機を買って、通常よりも短いスパンで買い替える方が、劣化による事故などを防ぐという点でもおすすめです。

ベランダに洗濯機を置く際の注意点とは?

どうしてもベランダなどの外に洗濯機を置かなくてはならない時、劣化や凍結などを防止するには、どういう点に注意すればよいのでしょうか?

まず、外に置くことによってどういうデメリットがあるのか見ていきましょう。

①紫外線を直接受けるため、プラスチックの部分の劣化が早い

②洗濯槽の外側に苔が生える場合もある

③紫外線や雨風の影響で操作パネルの部分が痛みやすい

④洗濯機の扉を閉めていても砂埃などが隙間から入りやすい

⑤冬場は凍結の可能性がある

⑥雨がひどい時に、何の対策もせぬままベランダに置いた状態だと、内部基盤にまで雨が侵入しショートを起こす可能性がある

⑦地震が起こった際にベランダは耐震構造が弱いため、洗濯機が倒れる可能性がある

⑧外にあるため、洗濯時の音がうるさい

やはり、室内に置くことを前提に造られているため、外に置く際はいろんなデメリットがあります。

では、どのような対策を取ればよいのでしょうか?

①洗濯機カバーをかける

砂埃から守るには、カバーをかけ侵入を防ぐしかありません。

また、洗濯機カバーの中には防水加工が施されているものもあるので、ベランダなどの外に置く場合はカバーをかけた方がよいでしょう。

ドラム式のカバーもありますが、ほとんど種類はありません。

その点からも、縦型の方が外に置く場合は適していると言えるでしょう。

②ゴムマットを敷いておく

地震時の転倒や騒音を防ぐためにも、ぜひとも購入していただきたいのがゴムマットです。
洗濯時の振動を吸収してくれるため、騒音対策や地震対策としても有効です。

安いものであれば、1000円ちょっとで購入できるので、おすすめです。

③柵やすだれで囲う

極力、直射日光や雨風の影響を受けないために、ホームセンターなどで売っている木製のラックで囲ったり、すだれを立てかけるのもいいでしょう。

このように、いろんな対策をすることも重要です。

できるだけ、自然環境の影響で故障や凍結などを起こさせず、洗濯機の寿命を少しでも伸ばすことも必要です。

なぜ、ベランダなど外に置いてある洗濯機で凍結が起こるのか?

ベランダなどに置いた洗濯機の注意点などを見てきましたが、1年間の中でもっとも気を付けるべき季節が冬です。

12〜2月、寒さが厳しくなり氷点下を記録するようになってくると、寒冷地では水道管などの凍結が起こったりします。

その結果、洗濯機が動かなくなったり、洗濯機のホースが破裂したりすることもあります。

では、なぜ凍結してしまうのでしょうか?

最近の住宅は、昔と比べると断熱性に優れているため、昔ほど凍結することは少なくなってきました。

しかし、それでもマイナス4℃になると、水道管などに残っている水分が凍結し、水が流れなくなってしまう場合もあるのです。

洗濯機ではどうなっているのでしょうか?

真冬の寒い日に、「洗濯機の水が流れない!」という時には4ヶ所のポイントで凍結が疑われます。

水道管・蛇口と洗濯機が繋がっている給水ホース・洗濯機と排水溝が繋がっている排水ホース・洗濯機本体の中です。

洗濯機の場合、水道管の凍結というよりも、ホース内や本体内の凍結が多くなっています。

これは、寒冷地の場合、水道管や蛇口の凍結対策は特に万全にされていますが、ホース内や本体内のことまでは気がまわらない方も多いからです。

また、ホース内などは水分が完全に流れていなかったりということもあるため、ホースや洗濯機本体の凍結が多いと思われます。

洗濯機が凍結した際の対応は?

上記で、なぜ凍結が起こるのかということを見てきましたが、実際に、ベランダなどに置いてある洗濯機が凍結した場合はどうすればよいのでしょうか?

「蛇口を無理矢理ひねって水を出す?」、「お湯をかければいいのかな?」と安易に考えて行動を起こすと、かえって状況は悪くなるばかりです。

では、どのような対処法があるのか見ていきましょう。

①水道管の凍結

もし、水道管が凍結していて水が出ない場合は、凍結している水道管の場所にタオルを巻き、上からゆっくりとお湯をかけるようにしましょう。

100℃近い熱湯をかけてしまうと、水道管の破裂の原因になってしまいますのでご注意下さい。

もしお湯がなければ、ドライヤーの熱風で解凍するという手段もあります。

②給水ホースの凍結

もし、給水ホースが凍結した際は、給水ホースをゆっくりと外して下さい。
この時に、破損の恐れがあるため、無理に曲げないように気を付けて下さい。

外した給水ホースを、40℃以下のお湯に浸けて、解凍するのを待って下さい。

③排水ホースの凍結

排水ホースが弛んでいたりすると、きちんと排水がされておらず凍結の原因になってしまうことがあります。

その際にも使うのが、ドライヤーです。
ホースが痛まない程度に温風を当てて、解凍して下さい。

④洗濯機本体の凍結

もし、洗濯機本体が凍結している場合は、洗濯槽に40℃以下のお湯を2〜3ℓほど入れて、30分ほど放置して下さい。

凍結させないための予防法は?

洗濯機が凍結した際の対応を見てきましたが、手間がかかったり破損の恐れもあったりと、何かと大変です。

そのため、ベランダなどにある洗濯機を凍結させないことが大変重要になってきます。

では、どうしたらいいのでしょうか?

①水道管

水道管の場合、寒冷地であれば、徹底的に水道管から水を抜くことが大事です。
寒冷地の水道管には「水抜き栓」が付いているため、これを使って水を抜いていきます。

まずは、蛇口を開けて、水を出して下さい。

その後、水道管の水抜き栓を閉めることにより、自宅へ繋がっている水道管への水の流れを止めます。
蛇口を開けることにより、水道管の中へ空気が入り込み、水道管に溜まっていた水を流してくれます。

もし、水抜き栓がないような地域では、昔ながらの「水を出しっぱなしにする」という方法も有効です。
水が動いていることによって、凍結の予防になります。

②給水ホース・排水ホース・洗濯機

ホースや洗濯機本体の場合も、徹底的に水を抜くことが大事です。
では、水抜きの方法を見ていきましょう。

【1】洗濯機のドアを閉め、水道の蛇口を閉めて下さい。

【2】電源を入れて、スタートボタンを押します。
   これにより、洗濯機の中の水が洗濯槽に流れ出ます。

【3】いったん電源を切り、再度電源を入れて、脱水ボタンを押します。
   これにより、洗濯機の中の水は排水されます。

【4】洗濯槽内をタオルなどで拭き、さらに給水・排水ホースに残っている水も出します。

この方法で水を抜けば、凍結を予防することができます。

凍結防止の商品はどんなものがある?

ベランダなど外にある洗濯機の凍結予防策を見てきましたが、冬場にこれを毎回行うとなると面倒くさいですよね?

では、もっと簡単に凍結を防止する商品などはあるのでしょうか?

①水道凍結防止ヒーター

水道管の凍結防止によく使われているのが、この「水道凍結防止ヒーター」です。
特に、寒冷地の屋外に洗濯機が置いてあれば、多くのご家庭で使われているものです。

このヒーターは1mあたり約13Wの電力を使いますが、取り付ける際は、水道管の長さの1.5倍は巻き付けなければならず、電気代がかかってしまいます。

そのため、最近では、水温と電力量をコントロールし、無駄な電気を使わせない「節電タップ」も販売されています。

電気代を節約したい方は、ぜひ節電タップも取り付けられてはいかがでしょうか?

②凍結防止部つき水栓

外にある水道の凍結防止にとても便利な商品が「凍結防止部つき水栓」です。

これは、水栓の内部にサーモエレメントが内蔵されており、水栓内部が一定温度以下になると少量の水を流して凍結を防ぎ、一定温度以上になると自動で水が止まるというものです。

これであれば、水抜き栓の閉め忘れや、「電源が足りなくてヒーター式が使えない!」という時に便利です。

ただし、水栓に洗濯機のホースが付いたままだと、ホース内に水が流れ凍結してしまう恐れがあるので、必ず給水ホースは取り外しておく必要があります。

ベランダなど外に置いた洗濯機は、賢く上手に使おう!

外に置いてある洗濯機の凍結防止策や、凍結した際の対処法を見てきましたが、いかがでしたか?
汚れや劣化、凍結など、いろんな問題があるので頭が痛いですよね。

しかし、どうしても置かなければならない状況の方もいらっしゃいます。
そういう場合は、いろんな対処法を試してみて、賢く付き合って行くことが大事です。

特に、人数が多いご家族の場合は、洗濯は毎日するもの。
洗濯機のトラブルを上手に避け、少しでも家事の負担を少なくしませんか?