夏の暑い日、冬の寒い日、このようなときはエアコンをお使いになっている方も多いと思います。
最近では、高機能のエアコンが色々と売り出されています。
しかし、狭い部屋にはどんなエアコンがいいのだろうか、と悩むこともあるでしょう。
多くのエアコンは6畳用〜のものが多いので、特に4畳ぐらいの部屋の場合、悩んでしまいます。
今回は、そんなお悩みを解決すべく、狭い部屋に最適なエアコンをご紹介していきます。
エアコンの性能の違いはどんなものがある?
エアコンと一口で言っても、いろんな性能のものがあります。
4畳など狭い部屋にも適応するもの、18畳など広い部屋に適応するものなど、いろんなエアコンが販売されています。
そのため、選ぶ際に迷ってしまいますよね。
では、性能の違いというものはどんなものがあるのでしょうか?
ここでは、項目別にエアコンの性能について見ていきましょう。
《対応畳数の違い》
エアコンのカタログや電気屋さんの広告などで必ず書いてあるのが、対応畳数です。
「冷房時:8〜12畳」、「暖房時:8〜10畳」などと書いてあります。
では、対応畳数はどのように見ればよいのでしょうか?
「冷房時:8〜12畳」、「暖房時:8〜10畳」であれば、木造住宅の場合は冷房・暖房ともに8畳が最適です。
また、鉄筋住宅の場合は、「冷房12畳」、「暖房10畳」が最適という見方をします。
鉄筋住宅の方が密閉率が高いため、対応畳数が広くなります。
《省エネ性能の違い》
最近のエアコンは、省エネ機能も高いものが多く販売されています。
その違いを見ていきましょう。
①Aランク(超省エネ機種)
省エネ性能がとても高く、省エネ基準達成率114%以上のものです。
最先端の技術を搭載しているため、自動で最適な省エネをしてくれます。
②Bランク(準省エネ機種)
省エネ基準達成率が107%以上のものです。
超省エネ機種のものより、少しランクが下になります。
③Cランク
省エネ基準達成率が100%以上のものです。
①、②に比べて省エネ性能や暖房機能が低い、シンプルなタイプのものです。
《能力(kW)の違い》
これは、エアコンのパワーを表したものです。
例えば、「冷房:2.2kW(0.4〜3.4kW)」、「暖房:2.5kW(0.3〜5.9kW)」と書いてあるとします。
この場合、冷房2.2kW、暖房2.5kWが、標準の出力を表す定格出力になります。
なお、()書きの数値は能力の範囲を示しており、左側の数値が小さいほど温度管理がきめ細やかにできます。
そして、右側の数値が大きいほどパワーが大きく、素早く快適温度にしてくれます。
《消費電力(W)の違い》
例えば、「冷房:380W(110〜780W)」、「暖房:420W(105〜1480W)」と書いてあるとします。
この場合、上記の定格出力を出す時、冷房では380W、暖房では420W、電力が消費されるということです。
()書きの数値は、左側が最小出力運転の場合にかかる電力量、右側が最大出力運転の場合にかかる電力量になります。
《期間消費電力量(kWh)》
電気代の目安になる数値が、この期間消費電力量です。
これは、冷凍空調工業会規格で定められた条件のもとで出された年間消費電力量です。
例えば、期間消費電力量が586kWhと書いてあるとします。
この場合、1kWhの電気代を22円と仮定すると、年間電気代は586kWh×22円=12892円ということになります。
《暖房能力(kW)》
例えば、「低温暖房能力 外気温2℃時4.5kW」と書いてあるとします。
この場合、外気温が2℃の時に暖房の最大能力が4.5kWになるということです。
暖房をよく使う方には、この数値も重要になります。
エアコンを選ぶ際のポイント
エアコンの性能の違いを見てきましたが、エアコンを選ぶ際にはどのような点に気を付ければよいのでしょうか。
項目別に見ていきましょう。
《対応畳数》
対応畳数は、エアコンの効き目に直結するものです。
例えば、冷房時:8〜12畳、暖房時:8〜10畳と書いてあるエアコンを、木造建築の4畳の部屋に付けると、エアコンに対して部屋が狭いので、冷暖房の効き目が強すぎて、寒すぎたり暑すぎたりしてしまいます。
そのため、かえって電気代がかかってしまうというデメリットがあります。
反対に、対応畳数より広い部屋に付けてしまうと、冷暖房の効き目が弱く、フルパワーで運転してしまうことになり、これも電気代が余分にかかってしまいます。
また、余計な負荷がエアコンにかかってしまうため、寿命が短くなるというデメリットもあります。
では、対応畳数に合わせるだけでよいのかというと、そういう訳でもありません。
この対応畳数は東京の気温に合わせた数値になります。
東京よりも暑い地域は、冷房の対応畳数数値が1ランク広いものを、東京よりも寒い地域は、暖房の対応畳数数値が1ランク広いものを選んだ方がよいでしょう。
《省エネ性能》
上記で見てきたように、エアコンによって省エネ性能はピンキリです。
また、省エネ性能が高ければ価格も高くなってしまいます。
では、どのようなポイントで選べばよいのでしょうか。
やはり、使う部屋の用途によって選ぶのがおすすめです。
◯リビング
みんなが集まりやすいリビングなどは、エアコンを付ける時間も長いことでしょう。
そのため、電気代が安く、性能のよいものを選ぶほうがいいです。
お値段は張ってしまいますが、Aランクのものがおすすめです。
◯寝室
寝室は、寝る時だけ使う場合が多いと思います。
寝るだけだから安い方がいいなという方は、Cランクでもいいでしょう。
寝るだけと言っても快適な方がいいという方は、Aランク・Bランクを選ぶといいでしょう。
◯狭い部屋
4畳などの狭い部屋であれば、価格を重視してCランクのエアコンでもよいと思います。
アレルギーがあるから空気清浄機能が付いている方がいいなという方は、Bランクのものなどがおすすめです。
《能力・消費電力・期間消費電力量》
これは、上記で見てきたように、電気代に直結します。
そのため、長い時間使うリビングなどでは、能力は高く電力量は少ない高ランクのエアコンがおすすめです。
高ランクのものでも、各社いろんな特徴あるエアコンがたくさんあります。
短時間で一気に部屋を快適温度にするもの、複雑な気流によって、人それぞれの快適温度にしてくれるものなど、それぞれ違いがあります。
ぜひ、各ご家庭の状況に応じて選んで下さい。
《暖房能力》
寒い時期にエアコンをメインに使うという方に気を付けてほしいのが、暖房能力です。
この数値は、大きいほど暖房能力が優れているということです。
「冬場もエアコンをメインに乗り切る!」という方は、できるだけ数値が大きいものを選びましょう。
4畳の部屋にはどんなエアコンがいい?
エアコンの性能の違いや、エアコンを選ぶ際のポイントを見てきましたが、4畳の部屋にはどんなエアコンがいいのでしょうか。
これも、項目別に見ていきましょう。
《対応畳数》
1番小さいサイズのものは6畳用のものになります。
そのため、4畳の部屋に付けるとすれば6畳用のエアコンになりますが、部屋が狭いため、エアコンの大きさが目立ってしまいます。
気になる方は、コンパクトタイプの6畳用エアコンを付けるといいでしょう。
《省エネ性能》
省エネ性能が高いエアコンの方が、電気代の点ではおすすめですが、そのぶん価格が高くなるので、4畳という小さい部屋の場合は、価格の点からよく検討した方がいいと思います。
小さい部屋なので、広い部屋に比べると、比較的快適温度になるのに時間はかかりません。
そのため、価格を重視して、Cランクのものでもいいと思います。
《消費電力・期間消費電力量》
これも電気代に直結する性能のため、高ランクのエアコンがおすすめですが、予算が限られている場合はランクを落としたエアコンもおすすめです。
4畳の部屋は狭いので、広い部屋よりは、早く涼しくなったり、暖かくなったりするものです。
そのため、多少ランクを落としたエアコンでも、そこまで電気代を気にすることなく、快適に過ごせます。
《暖房能力》
冬場にも暖房としてエアコンを使う方の場合、暖房能力が高いエアコンの方が早く暖まるのでおすすめですが、上記で書いた通り、4畳の部屋は比較的早く暖まりやすいものです。
そのため、多少暖房能力が低いエアコンでも快適に過ごせるので、予算と相談しながら選んで下さい。
4畳の部屋におすすめなエアコンをご紹介
では、実際どのメーカーのエアコンがおすすめでしょうか。
いくつかおすすめのエアコンをご紹介していきましょう。
①パナソニック「エオリア CS-227CF」
【冷房時】6〜9畳、能力:2.2kW(0.5〜2.8)、消費電力:635W(135〜720)
【暖房時】5〜6畳、能力:2.2kW(0.4〜4.0)、消費電力:470W(125〜1220)
*期間消費電力量:717kWh
*外気温2℃時:2.9kW
*省エネ基準達成率:100% Cランク
*約38000円〜
スタンダードな6畳用エアコンになります。
特徴としては、パワフルモード時には、冷房のスイッチを入れると、すぐに冷風が吹き出す「すぐでる冷房」や、冷風を直接体に当たらせない「天井シャワー気流」、TV鑑賞時や睡眠時など、エアコン音が気になる時に静かにさせる「しずかモード」などの機能が付いています。
また、暖房時の最大能力が4.0と高いので、暖房としてもエアコンを使う方におすすめです。
②ダイキン「Eシリーズ S22UTES-W」
【冷房時】6~9畳、能力:2.2kW(0.6~2.8)、消費電力:570W(125~820)
【暖房時】5~6畳、能力:2.2kW(0.7~3.9)、消費電力:470W(130~1210)
*期間消費電力量:717kWh
*低温暖房能力 外気温2℃時:2.8kW
*省エネ基準達成率:100% Cランク
*価格:約40000円〜
Eシリーズの6畳用のベーシックなエアコンになります。
特徴としては、暖房の設定温度に素早く到達する「ヒートダッシュ暖房」や、気温の高い夏や凍えるほどの寒さの冬などにも快適に運転できる「タフネス」、冷房時は風が上向きに、暖房時は足元に風が流れ出る「風ないス運転」など、機能も多彩です。
また、ダイキンのエアコンは耐久性・耐震性にも優れているという特徴もあります。
③日立「RAS-AJ22G」
【冷房時】6〜9畳、能力:2.2kW(0.3〜2.8)、消費電力:580W(190〜820)
【暖房時】5〜6畳、能力:2.2kW(0.2〜3.9)、消費電力:470W(160〜1175)
*期間消費電力量:717kWh
*低温暖房能力 外気温2℃時:2.8kW
*省エネ基準達成率:100% Cランク
*約38000円〜
白くまくんシリーズのスタンダードモデルのエアコンになります。
特徴としては、室内温度16℃から除湿機能が使える「ソフト除湿」や、セットをしておけば、冷房や除湿機能を使った後に、自動的にエアコンの内部を乾燥してくれる「エアコン内部クリーン」、4畳など狭い部屋でもすっきりと設置できる「コンパクト設計」などがあります。
また、①と②に比べ、能力の最小値が低いので、低消費電力で温度管理ができるのもおすすめポイントです。
④富士通ゼネラル「AS-C22G」
【冷房時】6~9畳、能力:2.2kW(0.8~3.0)、消費電力:610W(140~870)
【暖房時】6~7畳、能力:2.5kW(0.8~4.1)、消費電力:555W(120~1345)
*期間消費電力量:717kWh
*低温暖房能力 外気温2℃時:3.0kW
*省エネ基準達成率:100% Cランク
*価格:約40000円〜
ノクリアのCシリーズになります。
特徴としては、涼風や暖かい風を広く遠くまで届ける「ロング気流」や、室温が高温・低温になりすぎると自動的に冷暖房の運転を始める「みまもり機能」、急激に電流が上昇するのを防止し、他の電力器具を使っている時にもブレーカーを落ちにくくする「最大電流カット」などの機能があります。
①、②、③に比べ能力の数値が高くパワフルなので、より短時間に室内を快適にしてくれます。
また、冷房・除湿運転後にエアコン内部を乾燥させる「内部クリーン運転」や、熱交換器の自動洗浄や熱交換器に除菌素材処理を施すなど、清潔感にも気を配ったエアコンです。
⑤パナソニック「CS-EX227C」
【冷房時】6〜9畳、能力:2.2kW(0.5〜3.1)、消費電力:520W(135〜820)
【暖房時】5〜6畳、能力:2.2kW(0.4〜4.8)、消費電力:450W(125〜1410)
*期間消費電力量:682kWh
*低温暖房能力 外気温2℃時:3.5kW
*省エネ基準達成率:108% Bランク
*価格:約72000円〜
エオリアシリーズのエアコンになります。
特徴としては、空気中に漂う菌を除菌してくれる「ナノイーX」や、日射しが変化するごとに運転パワーを自動的に調整する「日射センサー」、そして人の在・不在によって、省エネ運転や運転をオフにするなどの「ひと・ものセンサー」といった、多くの機能があります。
①〜④に比べるとお値段が高いですが、そのぶん、省エネ基準も能力も高くなっています。
特に暖房の能力が大きいので、「冬もエアコンを使う!」という方におすすめのエアコンです。
真夏の暑い4畳の部屋、エアコン以外でおすすめは?
エアコンの性能やおすすめ商品などをご紹介してきましたが、「どうしても予算が合わない!」、「エアコンを取り付ける場所がない!」という方もいらっしゃるかもしれません。
では、上記で見てきたエアコン以外に、4畳の狭い部屋を快適空間に変身させるものは何があるのでしょうか。
①スポットエアコン
その名の通り、今までご紹介してきたエアコンと仕組みは同じです。
室外の熱い空気を取り込んで、熱風と冷風に分けます。
熱風は外へ排出、冷風を室内に排出して、部屋を涼しくさせるという仕組みです。
熱風を屋外へ出すため、配管をつなぐことが必要となります。
では、スポットエアコンのメリット・デメリットはどういうものがあるのでしょうか。
【メリット】
*壁掛けタイプのエアコンを取り付けることができない部屋でも使る
*スポットエアコンを移動させることもできる
「エアコン用のコンセントがない」、「エアコンを取り付けようと思えばできるけれど、工事費がとても高くてできない」という方に、おすすめです。
【デメリット】
*冷房効果はエアコンより劣るのに、本体価格は安価なエアコンと同程度
*電気代はエアコンの方が安い
*動いている時の音をうるさく感じることもある
*本体内にたまったドレン水(除湿水)がタンク内にたまる仕組みになっているタイプのスポットエアコンでは、自分でドレン水を捨てないと、タンクが満杯になり、運転できなくなってしまう
エアコンに比べて、お金の面や性能の面でも劣ってしまうので、スポットエアコンの購入を希望される場合は、しっかりとメリット・デメリットを考慮してから検討して下さい。
②冷風除湿器
除湿器だけれども、冷風機能も付いているのが冷風除湿器です。
エアコンと同じように、コンプレッサーを使用しているので、きちんと冷風が出ます。
では、メリット・デメリットを見ていきましょう。
【メリット】
*エアコンに比べて本体価格が安い
*風が向いている方向は十分涼しい
*元来は除湿器なので、湿気対策としても利用できる
*エアコンに比べて、電気代が安い
【デメリット】
*運転時、冷風と同時に熱風も部屋の中に排出してしまうため、部屋全体の温度が上がってしまう場合もある
*部屋の空気を吸い込んで冷風と熱風を作るため、熱風を外に排出しても部屋の気圧が下がってしまい、外から暖かい空気が入り込みやすくなる
エアコンに比べて、4畳という狭い部屋で使っても部屋全体を涼しくはできないので、エアコンの代わりとして購入しようと考えている方には、おすすめできません。
狭い部屋の中で、自分だけが涼しく感じられればいいかな、という方であれば、購入を検討されてもいいと思います。
真冬の寒い4畳の部屋、エアコン以外でおすすめは?
4畳の狭い部屋といえども、真冬は寒いものですよね。
でも、条件が合わず、どうしてもエアコンを取り付けられない場合は、何がいいのでしょうか。
①オイルヒーター
ヒーター内にあるオイルを電気で暖め、そのオイルの熱を循環させることにより部屋を暖かくするものです。
では、メリット・デメリットについて見ていきましょう。
【メリット】
*空気を汚さず、乾燥させず、安全性が高い
*部屋全体をじんわりと暖めてくれる
*スタイリッシュなデザインのものもあり、部屋の調和を乱さない
*移動が可能なので、使い勝手がよい
【デメリット】
*部屋全体を暖めるまでに、時間がかかってしまう
*エアコンよりも、電気代が高くなる
*本体価格も、安価なエアコンと同程度
安全性や健康面を気にする方には、オイルヒーターがおすすめです。
ただ、電気代がエアコンよりは高いですが、「ECO運転モードにして使う」、「部屋の窓際に置いて、部屋全体をムラなく暖め、暖房効果を上げる」などの工夫をしながら使えば節電もできるので、エアコン以外の暖房器具をお探しの方にはおすすめです。
②ハイブリッドヒーター
これは、英国Dimplex(ディンプレックス)社が製造しているヒーターですが、上記でご紹介した「オイルヒーター」と、「パネルヒーター」を合わせたものになります。
Dimplex(ディンプレックス)社は世界的にも有名な電気暖房器メーカーであり、多くの人から支持されている会社でもあります。
そんなDimplex(ディンプレックス)社が造ったハイブリッドヒーターのメリット・デメリットを見ていきましょう。
【メリット】
*オイルヒーターよりも、早く部屋全体を暖める
*オイルヒーターと同じく、空気を汚さず、乾燥させず、安全性が高い
*音も静かで、風も出ない
*パネルヒーターとオイルヒーターの電源が別々なので、気温に応じて、使い分けができる
【デメリット】
*オイルヒーターやエアコンよりも、電気代が高くなってしまう
*パワーが小さいので、広い部屋には適さない
オイルヒーターの速暖性がないというデメリットを克服した商品であり、狭い部屋にはおすすめの暖房器具です。
4畳の部屋で快適に過ごそう!
4畳の部屋におすすめのエアコンや冷暖房器具などをご紹介してきましたが、いかがでしたか?
4畳という狭い部屋ゆえ、「どのエアコンを付ければいいのか」、「エアコン以外には何かないのか」など悩んでしまいます。
さらには、予算など各ご自宅の事情もあるので、なかなかすぐには選ぶことが難しいものです。
でも、部屋ではできるだけ快適に過ごしたいですよね。
ぜひ、ご自宅に合うものを選んで、快適な空間に変えてみませんか?