石膏ボードに誰でも綺麗に壁紙を張り替えるやり方とは?

部屋の壁紙も古くなり、そろそろ新しい壁紙に張り替えたい!

しかし、自分で壁紙なんて張り替えられるのでしょうか?

もし、自分で上手く壁紙を張り替えることができるなら、それに越したことはありませんよね。

一般住宅の壁の基盤は、大半が「石膏ボード」です。
古くなった石膏ボードの古い壁紙を張り替えたい人、失敗しない方法を教えます!

石膏ボードの古い壁紙を上手に剥がす方法

壁紙を張り替えると言っても、まずは、今張ってある古い壁紙を剥がさなくては、新しい壁紙に上手く張り替えられません。

古い壁紙の上手な剥がし方を知っていますか?
ただ、ビリビリ剥がせばいいと思っている人、そんなに甘くはありません。

プロの張り替え業者でさえも、この壁紙を剥がす作業に時間がかかるため、費用がかかってしまうこともあるようです。

例えば、お子さんがいたずらをして、家のどこかにシールを貼ってしまったとします。
貼ってすぐなら、まだ剥がしやすいかもしれません。

しかし、貼ってから何年も経ってしまっているシールは、剥がそうとするとビリビリと破けて、とても剥がしにくいです。

これは、壁紙にも同じことが言えます。

では、なるべく効率良く壁紙を剥がすには、どうしたら良いのでしょうか?

壁紙は、石膏ボードにはりついている「裏紙の層」と、その上の「ビニールクロスの層」の2層に分かれています。

実は、この裏紙の部分は、剥がさず残して良いのです。
上のビニールクロスの層だけを、ゆっくりと剥がしていくのがコツです。

まず、剥がしたい壁紙の端や、つなぎ目部分を、カッターで薄く切ります。

そこから、ビニールクロスの部分だけを、桃の皮を剥くように、慎重にゆっくりと剥がしていきます。
スクレイパーがあると便利です。

しかし、裏紙の部分や、その下の石膏ボードの化粧膜が一緒に剥がれて、デコボコしてしまうこともあるでしょう。

その場合でも、パテを使って下地処理できますので、心配はありません。

石膏ボードに壁紙のつきを良くするには

壁紙を張り替える前の下地処理は、大変ですし、何より、初心者が上手にできるのか不安もありますよね。

女性のメイクでも、ファンデーションを塗る前に下地を塗ることで、仕上がりに差が出てきます。
壁紙も同じで、下地をきちんとすることで、仕上がりが見違えるように綺麗になります。

プロの職人さんの間では、「下地10年、貼り5年」という言葉もあるそうです。
それくらい、下地処理は大事なことなのです。

それでは、石膏ボードから古い壁紙を剥がすときを想定してご説明しましょう。

まず、裏紙を残しておくが大事です。
裏紙を残すことで、新しい壁紙が貼りつきやすくなります。

このとき、裏紙が所々めくれてしまったり、石膏ボードの化粧膜まで剥けてしまうと、新しく張り替えた壁紙のつきも悪く、剥がれやすくなります。

また、めくれた部分の段差が、貼った後の壁紙の表面にまで響いて、綺麗に仕上がりません。

このように裏紙の状態によって、新しい壁紙の貼りつき具合が左右されます。
そのため、剥がす時はできるだけ裏紙を綺麗に残すようにしましょう。

そして、下地処理には、「下塗り」「仕上げ」の2種類があります。

下地基材が、光沢のある合板や、プラスティックなどの非吸水性の場合には、シーラーでの下塗りが必要になります。

ですが、石膏ボードの場合、よほど汚れが目立たない限り、パテ塗りの仕上げのみで大丈夫でしょう。

壁紙を張り替えるために、まずはパテ準備

石膏ボードに壁紙を張り替える前に、パテ塗りをして下地処理をします。
パテ塗りを成功させるためには、事前に道具などの準備が必要です。

●パテ塗りに必要な道具

・市販のパテまたは塗り壁用下地処理材
・バケツ
・コテ、ヘラ
・コテ板
・ひしゃく等
・ファイバーテープ
・サンダー・紙やすり(100番~200番くらいの粗めのもの)
・マスキングテープ

●下地処理

①石膏ボード同士のV字のつなぎ目に、ファイバーテープを貼っておく。

②飛び出ているビスがあれば、ビス頭が埋まるくらい打ち込んでおく。

③ビス穴や、へこんだ穴などがないか確認する。

④壁紙の裏紙の剥がれや、石膏ボードがむき出しになっているところがないか確認する。

⑤コンセントカバーを外し、床(巾木)や、天井などの境目に、マスキングテープを貼っておく。

また、カビなどが生えているところがないかもチェックしておきましょう。
軽いカビでも、そのまま壁紙を上から貼ってしまうと、拡散して取り返しのつかないことになってしまいます

軽いカビなら、カビキラーで拭き取った後、カビ防止剤を塗っておけば大丈夫です。
ひどいカビの場合は、専用業者に委託して、石膏ボードごと取り替えてもらうのがおすすめです。

壁紙が上手くつくパテの作り方

石膏ボードの壁紙の張り替え、下地処理のために、まずは、パテを作ります。

そのまま練るだけで、すぐ塗れる便利なものもありますし、下塗り用・上塗り用・兼用のものもあります。

また、硬化剤を入れると、パテが乾くまでの時間が早くなり効率的です。

パテの硬さは、すくってポタポタ垂れるほどでは柔らかく、反対にまったく垂れないのは硬すぎです。
歯磨き粉くらいの硬さで、ヘラ(またはコテ)で、スムーズに塗れるくらいがちょうど良いでしょう。

パテをコテ板に取り、石膏ボードのつなぎ目や、ビス穴、へこんでいる部分、壁紙の裏紙が剥がれている部分に、ヘラでパテを塗っていきます。

こんもりと多めに乗せて、ヘラで平らにそぎ落とすイメージです。
ヘラは、壁に対し斜めに当てると良いです。

へこむほど打ちつけておいたビスの上にも塗りましょう。
そのままにすると、後々壁紙に錆が浮いてくることもあります。

パテは乾くと痩せるので、乾くと、塗ったところがへこんでしまうことがあります。
へこみが無くなるまで、2~3回、上塗りしましょう。

反対に、塗りすぎて膨らんでしまったり、平らにならずデコボコになってしまったら、サンダーや、紙やすりをかけて平らにします。

100番~200番の粗めのものでかけると、壁紙がうまくつきます。
これで、パテ塗りは終了です。

張り替えする道具と新しい壁紙の準備

石膏ボードの壁紙の張り替えのための下地処理が終わったら、いよいよ石膏ボードの上に壁紙を貼っていきます。

●必要な壁紙の目安

・トイレ 約12m
・洗面所 約18m
・4.5畳 約25m
・6畳 約28m
・8畳 約33m
・10畳 約40m

壁紙の幅を90cmとして、部屋の窓やドアの分を抜き、切りしろを+5cm余裕を持たせたときの目安です。
柄やデザインのあるクロスの場合は、継ぎ目の柄を合わせる必要があるため、さらに、余裕が必要となります。

●壁紙を貼るのに必要な道具

・バケツ(生のりを塗る場合)
・ハケ(生のりを塗る場合)
・スポンジ
・脚立
・メジャー
・ステンレス地ベラ
・撫でバケ
・ジョイントローラー
・カッター
・ジョイントコーク
・竹ヘラ

まずは、壁紙を長さに合わせて、切っておくことが必要です。
床(巾木を含む)から、天井までの長さを測ります。

壁の真ん中で測ると、床に対して曲がってしまい、正しい長さが測れないことがあります。
部屋の角などで、床に対して直角に測りましょう。

測った長さ+切りしろ上下の10cmを加えた長さで、1枚目の壁紙を切ります。
バッグフィルムが、メモリになっているものもあります。

その場合、細い線は5cm、太い線は50cm刻みになっているので、わざわざメジャーで測らなくて大丈夫です。
のり無しタイプの壁紙の場合は、生のりを塗っておきます。

石膏ボードに綺麗に壁紙を張り替えよう

いよいよ、石膏ボードに新しい壁紙を張り替えていきましょう。

●壁紙の上手な貼り方

①壁紙を仮貼りする作業

壁紙は貼りたい壁の、右側から貼るのが基本です。
壁紙の右側、床側、天井にそれぞれ5cmの切りしろを残して貼っていきます。

そのとき、床に対し、壁紙が垂直になるように貼らなければなりません。
垂直を取るには、50円玉をくくりつけた長い糸を押しピンで壁につるせば、簡単に取ることができます。

糸に壁紙の端を合わせるように貼っていきます。
後から空気を抜くため、右端に少し余裕を持たせた位置で、軽めに貼りつけます。

②撫でバケを使い空気を抜く作業

初めに、天井付近を横方向に、その後、左端中央から扇状に、撫でバケを動かして空気を抜いていきます。
上手く抜けないときは、右端を少し剥がして、空気を入れないように貼り直します。

よれずにできたら、最後に上から下に撫でて、完全に空気を抜きます。

③壁紙の端をカットする作業

天井側から始めるとやりやすいです。

まず、壁紙のカット部分の端を竹ベラでなぞり筋目をつけ、カットするラインをはっきりさせます。
竹ベラは立てるよりも、壁側に寝かして、筋目をつけるのがコツです。

何回か繰り返して、しっかりつけましょう。
筋目をつけたら、筋目に沿って地ベラを当て、地ベラをガイドラインにカッターで切ります。

カッターの刃はすぐ切れにくくなるので、こまめに折って新しい刃にしましょう。
カットした壁紙の端をローラーで圧着します。

湿ったスポンジで、はみ出た生のりを拭き取ります。
下側、右側も同様の手順でカットします。

④2枚目以降の壁紙を貼る作業

1枚目の左端のテープを剥がしておき、それぞれの壁紙が3cmくらい重なるようにします。
柄がある場合は、柄を合わせます。

③と同じ手順で貼ります。
このとき、撫でバケで空気を抜く方向は、反対の右から左になります。

上下の端のカットまで終わったら、1枚目とのジョイント部分をカットします。
重なっている部分の端から1.5cmのところに地ベラを垂直に当て、地ベラに沿って、カッターでカットします。

重なっている上側の壁紙をめくり、下の壁紙の切れた部分を取り去ります。
上側の壁紙の切れた部分も取ります。

⑤最後の壁紙を貼る作業

最後は、左端を10cmくらい余らせた状態で、左端に地ベラを当て、カッターで切ります。
すべてのカット部分にコーキング材を乗せ、指でならします。

石膏ボードにきれいに壁紙を張り替えるには

いかがでしたか?

石膏ボードにきれいに壁紙を張り替えたいなら、まず、古い壁紙を剥がすところから丁寧にやりましょう。

裏紙を残すようにゆっくり剥がせば、その後の下地処理が楽になります。

そして、パテ塗りをして下地処理の仕上げをしましょう。

1つ1つ手間をかけることで、仕上がりに大きな差が出てくるはずです。

新しい壁紙を貼るときには、手順をしっかり押さえましょう。

空気の抜き方や、壁紙の端の切り方など、手順に添ってやることで、プロがやったような綺麗な仕上がりになりますよ!

1度やり方をマスターすれば、家中の壁紙を綺麗にできちゃいますね。