杉の無垢フローリングには、塗装・無塗装どちらを選ぶ?

今回は杉の素晴らしい効果と共に、寝室に杉のフローリングをおすすめする理由をお話します。

また、杉などの無垢フローリングには、塗装・無塗装どちらを選びますか?

木本来を味わいたいのであれば、無塗装が一番自然といえますが、やはり無塗装だと、汚れが気になりますよね。

そこで塗装をしたほうがいいのか、塗装の種類も一緒にご紹介していきすので、ぜひ参考にしてみてください。

杉フローリングの効果!寝室におすすめする理由とは①

花の香り、木の香りというのは、人をリラックスさせる効果があります。

特に杉には「セドロール」という高いリラックス効果をもたらす香り成分が含まれています。
自律神経に作用することで、呼吸や心拍のテンポを落とし、心身をリラックスさせる効果がありますが、これは人間の睡眠において大変重要な役割をしています。

人には「交感神経」というものがあり、これが働くことによって日中を活発に過ごすことができます。
逆に「副交感神経」というものもあり、これが働かない限り、いつまでも「交感神経」が働いたまま、スムーズに寝付くことができません。

セドロールが含まれる木の香りには、「副交感神経」を活発化させ、寝つき良くぐっすり眠れるようにするなどの不眠症改善効果が期待されています。

睡眠時ではなく就寝前の心理状態というのは、質の高い眠りを手に入れるためにとても重要なポイントとなります。

このことから杉を使用したフローリングの寝室だと快眠に繋がることでしょう。
さらに無塗装であれば、見た目にも温かさを感じることができます。

就寝前からセドロールの香りに包まれ、円滑な入眠と良い睡眠を得ることができ、リラックスした静かな気持ちで朝を迎えることができるでしょう。

杉フローリングの効果!寝室におすすめする理由とは②

杉には空気清浄材としての効果もあるとも言われています。

NO2(二酸化窒素)という急性呼吸器疾患の増加などが指摘されている有害物質があります。
水に溶けにくく吸引時には苦痛も伴う大変危険な物質なのですが、これを外気よりも70~90%減少させる効果があると言われているのです。

森林を大切にしようと様々な取り組みが行われていますが、そういった空気清浄機能も背景として存在しているのです。
それほどまでに日本固有種の杉は、浄化作用が高いということです。

正倉院の宝物は、1300年の歴史を誇り、今もなお貴重な文化財として世界的な知名度を持っております。
しかし、この宝物の保存について有名なのは、桧の「校倉造り」あってのものと言われています。

しかし、それだけではなく「杉の高い調湿作用」があったために、良好な保存状態を作り出すことができていたということがわかってきました。

「正倉の温湿度環境調査」が行われましたが、宝物が入っている杉製のからびつ内部の温湿度が、杉の持つ調湿作用によって緩やかな変動であったことが報告されています。

急激な湿度変化では耐えることのできない木工品・漆工品の保存において非常に有利な働きをしたとも記されています。

無塗装杉木材の70%は空洞であり、そこが湿度を蓄えるタンクの役割を担い、加湿と除湿の程よい加減をしてくれています。
歴史ある大事なものを保管する際は杉材をフローリングや壁に使用されてはいかがでしょうか。

杉のフローリングは塗装・無塗装どちらを選ぶ?

数々の素晴らしい効果を誇る杉ですが、フローリングに活用する場合は、塗装・無塗装のどちらを利用するのがよいのでしょうか。

無垢材の塗装と無塗装の特徴についてご説明していきます。

無塗装である場合は、杉本来のぬくもりを強く感じることができます。
そのため、自然の状態をそのまま楽しむことができます。

しかし、日常生活を送るうえで、「汚れ」は切っても切り離すことができません。
コーヒーをこぼしたり、人が素足で歩いたりすることで皮脂がつきます。

塗装しないままのフローリングを「白木」といいますが、無塗装では汚れを目立たせてしまいます。

それでは、塗装した状態ではどうでしょうか。

木の自然な見た目やぬくもりは、無塗装に比べたら感じにくいかもしれません。
しかし、汚れや傷に強くなります。

せっかくの無垢素材を無塗装で使用したいという考えももちろんありますが、簡単に張り替えのできない素材ですから、ワックスなどを使用した保護を行うことで長期的な利用が可能となることでしょう。

自然なぬくもりを重視するのか、長くフローリングの状態を維持して使い続けることを目的とするのか、それぞれの用途にあわせた選択が必要となります。

無塗装の無垢フローリングのお手入れ方法

無塗装フローリングを使用される場合は、日ごろからお手入れを行って、できるだけきれいな状態を長持ちさせましょう。

ポイント1)掃除機で大まかな埃を除き、乾いた雑巾で拭いてください。

ポイント2)杉の白木に水は大敵です。
水をこぼした場合はこまめに拭き取ってください。

ポイント3)頑固な汚れは固く絞った雑巾でよく拭いてください。

掃除のポイントは以上の3点です。

フローリングの隙間に入った埃は、掃除機を使えば取り除くことができます。
どうしても取れない場合は、爪楊枝などを使用して優しく取り除いてください。

尚、中性洗剤や薬品のついた化学モップなどは絶対に使用しないでください。
変色の原因となる場合があります。

また、夏場は汗をかくので、素足で歩くと通常より汗や油が多く浸透してしまいますし、スリッパを使用した場合も、裏についた汚れが付着しやすいなど両方にデメリットがあります。

やはり、日常からまめに掃除を行うことが無塗装フローリングを使用する上での大きなポイントとなります。

毎日のように掃除ができない場合や、汚れが気になる場合は、やはりワックスなどで塗装することをおすすめします。

無垢のフローリングは無塗装よりも塗装したほうがメリットが多い

無塗装の杉材は、水を吸収しやすいため、水拭き掃除ができないことから、まめな掃除・手入れが必要であるという弱点があります。
そのため、簡単なお手入れで長く使用したい場合は塗装することをおすすめします。

塗装には2種類あります。

オイル塗装は、経年劣化による表情の変化を楽しみたい方におすすめです。

良い点)無垢材に浸透し、内側から保護します。
みずみずしい質感となるため、素材感や無垢材の良さ、本来の香りを残すことができます。

悪い点)傷はつきやすいです。
浸透型であるため、表面が守られていません。
年に1回程度の塗り直しが必要です。

樹脂塗装は、こまめなメンテナンスが苦手な方におすすめです。

良い点)コーティング型であるため、保護性があります。
汚れや傷に強いため手入れが楽です。
光沢があるため見た目がきれいです。
着色して好みの色に変えることができます。

悪い点)木のぬくもりや心地よさはなくなります。
20年前後でフローリング材の張り替えが必要となります。

杉などの、無垢フローリングの塗装は自然素材がおすすめ

杉などの無垢・無塗装のフローリングは、やはり調湿機能や、木本来のぬくもりと香りを楽しめることが醍醐味ではないでしょうか。

コーティング型の塗装は、表面を覆ってしまうことから、オイル塗装等自然素材のワックスで塗装することをおすすめします。

定期的な維持管理には「蜜ろう」などを使用するもの良いでしょう。
尚、内部に浸透してくれるオイル塗装であれば、天然木の優しい質感を犠牲にすることなくお楽しみいただけます。

ただし、表面に塗膜を形成することができないため、防汚効果がありませんから、汚れや傷には弱いといえます。

1~2年での塗り直しは、頻度が多いように感じるかもしれませんが、材料をそろえればプロの業者を通さずご自身で行うことができます。

ここではオイル塗装をおすすめしておりますが、表面を覆うコーティング型の樹脂塗装が悪いということはありません。

日ごろの手入れを考えた場合は、汚れや傷に強い樹脂塗装は、強くフローリングを保護してくれるため、例えばキッチンなどの水回りで使用すれば、非常に優れた防汚効果を見せてくれることでしょう。

杉の驚くべき効果!塗装するなら、自然なものを

杉フローリングを寝室におすすめする理由がお分かりいただけたでしょうか?

杉から出る香りはリラックス効果があり、入眠をスムーズにしてくれます。

また人生の中で多くの時間をベッドの上で過ごすのですから、空気を浄化してくれ、湿度を調節してくれるといったうれしい効果もあります。

そんな素晴らしい杉に使う塗装はぜひ自然素材のものを選ぶことをおすすめします。