賃貸の壁紙の傷や汚れ、6年住んでいるなら補修費用は1円!?

賃貸住宅にお住まいの方、壁紙に傷や汚れはありませんか?

退去する際に、補修費用が請求されるかと思いますが、一体どのくらいかかるのか気になりますよね。

「6年以上住めば、請求される金額が安くなる」なんて話を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

賃貸には耐用年数というものがあり、年数が経過していくと価値が下がっていくものがあります。

今回は壁紙に絞って、補修費用の負担割合についてご説明します!

賃貸の壁紙の補修費用は、6年経つと1円になる!?

賃貸物件では、引っ越しをするとき、入居したときと同じ状態に戻す原状回復の義務があります。
汚れたり破れてしまった壁紙も修理しなければなりません。

しかし。自分がつけてしまった汚れや傷は別として、自然発生的に生じた日焼けや黄ばみなどもあります。
そういった場合は、賃貸物件を退去するとき、壁紙の修理は全額を負担しなければならないのでしょうか。

国土交通省の「原状回復をめぐるドラブルとガイドライン」では、経過年数をもとに壁紙などの負担費用を計算しています。

壁紙の場合、新品の状態から6年経過するとその価値は1円とみなされます。

新品の状態が100%とすると、100%÷6年=16.6%で、壁紙の価値は1年毎に約17%ずつ低下するという計算です。

1年未満の新品であれば100%負担することになりますが、1年目であれば83%、2年目であれば66%、3年目は50%というように、経過年数に応じて徐々に低下していき、6年経つと壁紙の修理に対する負担額は1円になるということです。

問題!「新築時100%で6年経つと1円」を基に負担金額を求めよう

下記の状況の場合は、退去時に負担する壁紙の修理費用はいくらになるでしょうか。

問題:
新築の物件を賃貸し、入居中に誤って壁紙にシミをつけてしまいました。
入居してから3年後に引っ越す状態です。
シミをつけてしまった壁紙の張り替えに全額で10万円かかります。
それでは、退去する際に負担する修理費用は、いくらになりますでしょうか。

答えは50,000円です。
新築時の壁紙は新品ですが、退去の時点で3年経過しています。

新築から3年経過した壁紙の修理費用の負担割合は50%ですから、10万円X0.5=5万円ということになります。
このとき注意したいのが、経過年数は”新築から”3年であって、”入居から”3年ではない点です。

それでは、入居した賃貸物件が築3年の物件だったとします。
その賃貸物件には新築時から3年間に誰も住んでいませんでした。
自分が初めての入居者です。

そこに住んで1年後に引っ越すことになり、入居中に破いてしまった壁紙の修理をすることになりました。
壁紙の修理費用は10万円です。
負担すべき修理費用はいくらになるでしょうか。

答えは35,000円程度です。

この場合、賃貸物件に入居した時点で新築から3年経過しています。
すなわち、入居時点で壁紙の価値はすでに50%になっていたということです。

その1年後はさらに壁紙の価値は35%程度にまで下がっています。
壁紙の修理の負担割合は、入居時からの1年ではなく、新築時、つまり新品から4年で計算するのです。

賃貸期間が1年でも新品から6年経過していれば1円になります。

賃貸の壁紙にタバコのヤニ汚れ!「耐用年数6年」は通用しない!?

賃貸物件の壁紙の価値は新品から1年毎に約17%ずつ低下して、6年目には1円になります。

しかし、喫煙によってついた壁紙のヤニ汚れやニオイが原因で壁紙の張り替えが必要な場合には、経過年数による負担割合の計算が適用されない場合があるので注意が必要です。

喫煙による汚れは、「通常の使用による汚れを超えるもの」とみなされ、入居者が壁紙の張り替え費用を負担する必要があります。
このことは「原状回復をめぐるドラブルとガイドライン」にも記載があります。

壁紙の張り替え費用は1㎡あたり900~1,500円が相場です。
例えば、6帖のワンルームで壁紙と天井のクロスを全て張り替えるとすると、約80,000円程度の張り替え費用がかかります。

他にもハウスクリーニングやエアコンの内部クリーニングなどをしなければなりません。
原状回復費用は最低でも130,000~150,000円程度は見積もっておく必要があるようです。
ただし、この場合にも明確に負担額が決められているわけではなく、賃貸物件の管理会社や大家さんによって対応は様々です。
全額負担しなければならないこともありますが、負担額を低くしてもらえる場合もあるようです。

管理会社や大家さんに交渉してみるとよいでしょう。

壁紙についたタバコのヤニ汚れを落とす方法

賃貸物件の壁紙の価値は新品から6年経つと1円になりますが、先程もお伝えしました通り、部屋で喫煙していた場合、この計算式が適用されなくなってしまいます。

タバコを吸うときは壁紙を汚さないように換気扇をつけたりと気をつけていたのに、部屋中の壁紙がヤニで汚れてしまっていたなどということもあります。

ただでさえ、お金のかかる引っ越しです。
原状回復にはできるだけお金をかけたくないと思う方もいることでしょう。

そこで、壁紙のタバコのヤニ汚れをきれいに落とす方法があります。
ヤニ汚れの落とし方をご説明します。

エコなお掃除として人気のある「重曹」ですが、壁紙のヤニ汚れにも効果的です。
重曹と水を1対2の割合で混ぜたらスポンジに含ませて、ヤニで汚れた壁紙を円を描くように拭くだけです。

壁紙のヤニ汚れをとるには、何度か繰り返し拭く必要がある場合もあります。
壁紙のヤニ汚れがきれいになったら、乾いた布で拭いて仕上げます。

ただし、重曹は木材や畳など使用できない素材があります。
壁紙の目立たないところで試して問題がないことを確認してから拭くようにしましょう。

木の床や畳の部屋の壁紙を拭く場合には、重曹が床や畳につかないよう注意が必要です。
壁紙を拭くときにタオルなどで液だれをおさえるように注意しながら行いましょう。

安眠できる寝室を作ろう!賃貸の壁紙にも使えるアクセントクロスって?

新品から6年経過した賃貸物件の壁紙は1円の価値になりますが、それが必ずしも適用にならない場合もあるので注意が必要です。

「アクセントクロス」というのを聞いたことがあるでしょうか。
部屋の1面だけ壁紙を張り替えて、壁にアクセントをつけるものです。

賃貸でも、貼ってもまた剥がすことができる壁紙専用ののりで貼ることができます。
ローラーなどで、のりをつけるとやりやすいでしょう。

剥がすことができるマスキングテープを貼ってから、その上に両面テープで壁紙を貼る方法もありますが、よれやたるみができてしまうことがあります。

のりで貼るほうが仕上がりはきれいです。

寝室の壁紙にはリラックスできる色のアクセントクロスにするのがよいでしょう。
刺激が強い色は安眠の妨げになってしまいます。

青、緑、茶などのアースカラーがおすすめです。
青には鎮静効果があり眠りにつきやすくしてくれます。

緑には興奮を鎮める作用があり、茶色もリラックス効果が期待できる色です。

賃貸の壁紙にも貼れる!ウォールステッカーでロマンチックな寝室に♪

賃貸物件の壁紙にも使える「ウォールステッカー」という壁の装飾アイテムもあります。

壁紙を傷つけることなく貼ったりはがしたりできる特殊なビニールで出来たステッカーです。
ただし、ウォールステッカーを使用する前には壁紙との相性を確認する必要があります。

確認方法は、壁紙の目立たないところ、例えば壁の隅や床に近いところなどにセロテープかマスキングテープを数センチ貼ってみます。
1~2日経つまでに剥がれてしまったり、逆に壁紙に密着して剥がれなくなってしまった場合にはウォールステッカーの使用は難しいでしょう。

壁紙に貼ったセロテープなどが剥がしにくい場合には、ドライヤーの熱をあてながら壁紙を傷つけないように剥がしましょう。

壁紙に貼ったセロテープなどが1~2日しても剥がれることがなく、その後きれいに剥がすことができた場合にはウォールステッカーを使うことができます。

寝室には星形のものがおすすめです。
また、暗くすると光る蓄光タイプのものもあります。
寝室の壁紙や天井に貼ると、ベッドから星空を見上げているようでロマンチックです。

暗い部屋で寝るのが苦手な子には蓄光タイプのステッカーが不安を和らげてくれるかもしれません。

新品から6年経過した賃貸物件の壁紙は1円の価値になる計算式がありますが、必ずしも適用にならない場合もあります。
賃貸物件はできるだけ傷や汚れをつけないようにしながらも、自分らしい生活空間を作りたいですね。

耐用年数6年だけどタバコはNG!

賃貸の壁紙に、タバコのヤニ汚れを作ってしまうと、たとえ6年暮らしていたとしても、補修費用は高額になります!
禁煙するか、お部屋の中ではタバコは吸わないようにしましょう。

賃貸だからといって、お部屋のアレンジをあきらめていた方は、アクセントクロスやウォールステッカーで、壁紙を飾ってみましょう。
かなり雰囲気が変わりますよ!

まずは寝室から試してみてくださいね。