新築作りが進んでいくと、電気の配線計画も打合せしますよね。
家が完成して生活していく中で特に重要なのが、スイッチとコンセントの高さなどの設置位置ではないでしょうか?
スイッチやコンセントの設置位置は、図面ではなかなか家具や家電の位置などをイメージ出来なくて、住み始めてから困ったことになることも・・・。
今回は、スイッチとコンセントの設置高さの標準的な目安と、失敗しない為のポイントをお伝えします!
スイッチとコンセントを設置する高さの目安は?
スイッチとコンセントを取り付けるには、どれくらいの高さにすれば良いのでしょうか。
基本的には、コンセントは普段の抜き差しの頻度や、どのような器具を使っているのかという点を参考にして決めます。
スイッチは、床上110~120cmが標準となっていますが、お年寄りや身体の不自由な人が使うなら、100cmくらいにすると使いやすくなるでしょう。
最適な高さは目的や使い勝手によって異なりますが、一応の目安としては2つのタイプがあります。
ひとつはコンセントがFL+400mm、スイッチがFL+1000mmの「ユニバーサルタイプ」であり、もうひとつのコンセントがFL+250mm、スイッチがFL+1200mmの「旧来タイプ」です。
どちらかと言えばおすすめは前者です。
こちらは子供やお年寄り、車椅子の人でも問題なく使用することが出来ます。
身長に余裕のある人でも、ユニバーサルタイプに慣れてしまうと後者では高すぎると感じてしまうかもしれません。
住人全員が使いやすい家造りを心掛けるのはもちろんですが、見た目の美しさから低い位置にするという人も存在します。
使いやすさと美観の両方に満足のいく位置を選んで下さい。
スイッチの高さや位置で失敗しない為には?
コンセントもそうですが、スイッチも出来るだけ目立つ位置に取り付けましょう。
ドアを開けたらすぐ手が届く高さが理想的です。
スイッチは部屋の出入りの際に押すものなので、ドアなどの建具と深い関わりを持っています。
生活感を重視するのも大切ですが、間取りを決める時はスイッチの配線についても詳しく話し合っておきましょう。
中途半端な位置に付けてしまうと不便でしかありません。
例えばダイニングの照明を点灯させるために、わざわざリビングまで行くのは地味に手間が掛かります。
キッチンとダイニングのスイッチは、なるべく近くに設置しましょう。
配線図を見てみると、たまにおかしな位置に取り付けられたスイッチを発見することがあります。
これを些細なことだからと放置せず、きちんと申告して位置の変更を行うことをおすすめします。
スイッチはバラバラに設置するよりも、ひとつにまとめた方が使いやすいかと思われます。
ただし、どんなスイッチにしろ、背の高い家具を置くと、スイッチが隠れてしまうので、家具を置く予定の場所には取り付けない方が良いでしょう。
コンセントの位置や高さで失敗しない為のポイント!
スイッチはもちろん、コンセントの位置や高さも重要なポイントです。
通常は設計士に一任されることが多いようですが、自分しか気付くことの出来ない新たな使い方を発見することがあるかもしれません。
例えば充電式の掃除機に対して、収納の中にコンセントを取り付けてみたり、アロマやスタンドライトなど、置きたいものがあるのなら先に置く場所を考えてからコンセントの高さを決めると良いでしょう。
イベント用のイルミネーションを点灯させたいのなら植え込み付近が最適です。
掃除機のコードの長さによっては、廊下や階段にも設置すると使い勝手が良くなります。
台所にも余分なコンセントをひとつくらい設置しておくと、家事をしながら音楽を聴くことが出来ます。
このように家で暮らしている人の目線というものは、その家の住人にしか分かりません。
快適な環境を作るために、身近な視点や意見も取り入れてみましょう。
また、将来に備えて、防犯用ライトや段差を解消するための機械用の電源を、玄関に設置しておくというのも悪くありません。
設計士はあくまでも助言を与えているだけなので、最終的な決定権は家主にあります。
実際の現場で、自分の目で図面を確認しながら、納得のいくレイアウトを決めましょう。
リビング・寝室に使用するコンセントの数の目安は?
リビングや寝室には照明のスイッチが必要ですが、コンセントも取り付けなければなりません。
しかし、スイッチと違い、コンセントはいくつ設置すれば良いのかすぐには判断出来ません。
使い道が増えれば、それだけコンセントも必要になります。
最低限の目安としては、テレビの裏側やエアコンは1箇所だけ4ケ口を、パソコンや電話、掃除機などには2箇所に2ケ口を設置しましょう。
全てをひとまとめにして、置きたいなら4ケ口を使って下さい。
多めに取り付ければ、模様替えを行っても不便に感じることはないでしょう。
家具は正式に家に住むと契約した後で配置することが多いので、何処に家具を置いても不自由なくコンセントが使えるような位置と高さにして下さい。
基本は2畳につき1箇所です。
6畳なら3箇所に取り付けます。
おすすめは部屋の出入口付近にあるスイッチの下と、ベッドや机を置く予定の場所とその対面に1箇所ずつが良いでしょう。
これならベッドに横になったまま、携帯電話の充電が出来たり、机があるならスタンドライトやパソコンの電源を差し込めます。
スイッチの種類
どんな家にも欠かせないものはスイッチとコンセントですが、今回はスイッチの種類についてお教えしたいと思います。
ただ単に「スイッチ」と言えばコスモシリーズの名前が挙げられます。
子供でもお年寄りでも使いやすく、恐らく日本で最も使用されているスイッチかと思われます。
明かりが点いている時は赤色に、消すと緑色に色が変わるスイッチは「パイロットスイッチ」と呼ばれています。
点灯しているかどうかが一目で分かるため、消し忘れやすい屋外に使うと役立ちます。
暗闇でも淡い光を放っているものは「ほたるスイッチ」です。
玄関ホールなどに用いれば、帰宅時に家の中が暗くても、この光を頼りにすればすぐに照明のスイッチを見つけられるでしょう。
調光器が付属しているタイプは、明るさを好きなように調節することが出来ます。
ですが、全ての照明に対応しているわけではないので、照明器具によっては調光機能が上手く働いてくれません。
その点は注意して下さい。
どのスイッチも、取り付ける位置や高さを誤ると使い勝手が悪くなります。
便利なものを便利なままで使えるように、配置もきちんと考えましょう。
寝室におすすめなスイッチとは?
寝室にもコンセントやスイッチは必要です。
特に「3路スイッチ」と呼ばれるタイプは寝室にも向いているスイッチです。
通常は1箇所のみに設置したスイッチで全ての照明のオン・オフを切り替えますが、3路スイッチを使えば2箇所で切り替えることが出来るようになります。
例えば、玄関のドアとホールの壁、各部屋の出入口、寝室の扉の横とベッドサイド、リビングの出入口とダイニングテーブルの脇などに取り付ければ、点灯や消灯のたびにスイッチのところまで向かう手間が省けます。
また、位置は低すぎても高すぎても使いにくくなるので、最適な高さを見つけて下さい。
3路スイッチの設置には、スイッチそのものの値段と、回路を組むための配線の値段、そして工事費の3つが掛かります。
普通のスイッチなら3,000円くらいになりますが、3路スイッチの場合は8,000円ほどと少々割高です。
さらに設置箇所もこちらの方が多いため、最終的な差額は10,000円を軽く超えてしまいます。
ですが、寝室にあると廊下や他の部屋の電気も点灯させられる上に、夜中にトイレに行きたくなっても暗闇を歩くことはなくなります。
不便さをなくすということは、快眠にも繋がるので、是非検討してみて下さい。
スイッチとコンセントの設置位置をよく考慮しよう!
誰しも家の中は快適で住みやすいほうがいいですよね。
スイッチとコンセントの設置位置は重要です。
一番避けたいのは「家の使い勝手が悪くて新築が完成してから後悔する」ことです!
これから新居を作る予定があるようでしたら、想像力を働かせて、どうしたら快適に生活できるか、スイッチとコンセントの設置位置をよく考えておきましょう!