皆さんはエアコンの設置をなさったことがありますでしょうか?
エアコンと天井にはどのくらい隙間を空ければいいか、実はきちんと決まっているってご存知でしょうか?
今回はエアコン設置の際に意外と見落としがちな天井との隙間について、また、エアコンの性能を下げる困った隙間について、などなど書いていきたいと思います。
エアコンと天井の間には、どうして隙間が必要なのか?
室内にあるエアコンをじっと見ることは、あまりないと思いますが、エアコンの周りには、なぜか「隙間」がありませんか?
天井とエアコンの間、左右の壁とエアコンの間、エアコンの吹き出し口とカーテンレールの間、あなたとエアコンの間、エアコンの周りには必ずと言っていいほど、隙間が存在すると思います。
この隙間、実はちゃんと意味があって、わざわざスペースを確保しているのです。
それでは、エアコンの周りに隙間が必要な理由を見てみましょう。
●第一の理由:メンテナンスや修理のとき隙間が必須
エアコンをメンテナンスや修理したりする際には、エアコンの周りに一定以上の隙間が必要になります。
その理由は、エアコンのカバーを開いて、メンテナンスや修理などの作業を行うからです。
その際に、エアコンと周囲との隙間がないと、カバーを開けることのできない状態になってしまいます。
カバーを開けることができないと、大抵の場合は、メンテナンスや修理をするのをあきらめるしかありません。
●第二の理由:空気を吸い込むためのスペースが必須
ほとんどのエアコンは、室内の空気を吸い込んで、冷やしたり、温めたりして吸い込んだ空気を吐き出しています。
したがって、この空気の吸い込み口がふさがれてしまうと、機能できなくなってしまうのです。
最近のエアコンは、上から空気を吸い込む方式のものが主流になってきています。
そのため、天井との間に隙間が必要になるのです。
●天井との隙間はどのくらい必要?
エアコンの設置には、隙間が必要ということが、明らかになりました。
では、どのくらいの隙間があればいいのでしょうか?
空気の吸い込み口が上に、つまり天井側にあるタイプのエアコンでは、最低でも50mm、通常は60mm以上の隙間が、天井との間に必要とされます。
とはいえ、メーカーや機種によって、必要とされる隙間は異なりますので、気になる方は設置の前に、どのくらいの隙間が必要なのか調べておきましょう。
●見落としがちな、カーテンレール
また、天井との隙間以外にも見落としがちなのが、エアコンとカーテンレールとの距離です。
エアコンは、屋外に配管を通しやすいので、屋外に面している壁に設置することが多いです。
このとき、窓の上にエアコンを設置すると、吹き出し口の可動部がカーテンレールと接触してしまうため、エアコンが正常に作動しなくなってしまいます。
また、エアコンを窓の上ではなく、窓と直角に設置した場合にも正常に作動しないことがあります。
その理由は、カーテンレールが窓枠から突き出した部分と、エアコンの吹き出し口が当たることが原因です。
以上のような理由から、エアコンの設置予定位置の近くにカーテンレールがある場合には、注意が必要です。
カーテンレールは窓枠からどれだけ出っ張っているか、その出っ張りはエアコンの可動部に干渉しないか、エアコン設置の前にはチェックしておきましょう。
●隙間が作れないときはどうするの?
それでも、スペースの都合上、どうしても隙間が作れないという場合は、どうしたら良いのでしょうか?
新築一戸建てならば、エアコンの設置を考えた設計になっているか、事前に確認することが大切です。
建築業者によっては、家を建てる段階で配管用の穴も空けてくれるので、事前のチェックすることは本当に大切です。
しかし、全ての家が新築とは限りません。
今現在住んでいるご自宅にエアコンを設置するという方もいらっしゃると思います。
この場合に、天井や壁との隙間をどうしてもつくれないときは、以下のような方法があります。
・第一の手段:エアコンのサイズを変える
エアコンと天井などの間が、どうしても狭くなってしまう場合には、エアコン自体を別のものにするという、荒業が存在します。
エアコンのサイズは、メーカーや機種により様々です。
そのため、設置しているエアコンよりも、小さいサイズのエアコンに交換することで、隙間を作ることができます。
この方法の難点は、ほとんどの場合、小さいエアコンの値段が高いということです。
大抵の電化製品で、同じことが言えますが、性能が同じくらいであれば、小型のものの方が高価になってしまう傾向があります。
これは、残念ながら、エアコンにもばっちり当てはまってしまうことなのです。
したがって、これは、予算に余裕があれば有効な手段と言えます。
・第二の手段:エアコンの設置場所を変える
配管や電源の位置など、いろいろ考えた結果の設置場所ですので、変更は難しいかもしれません。
しかし、意外なところに希望はあるものです。
先程もお伝えしましたが、配管の関係上、エアコンは屋外に面している壁に設置されることが多いです。
しかし、配管を屋外に面している壁に取り付け、エアコンを別の壁に設置することも可能です。
取り付け用の金具を使えば、通常では設置できない場所にも、エアコンを設置することができます。
しかし、この時に配管の長さやエアコンと配管の位置関係も重要になるため、どこにでも設置できる訳ではないので、その点はお気つけください。
天井から床までエアコンの性能を下げる様々な隙間
●隙間は必要だけど隙間風は困る!
ここまでは、エアコンを使うために必要な隙間について書かせていただきました。
ここからは、エアコンの効き目を弱めてしまう、困った隙間について見ていきたいと思います。
現代の日本においては、お部屋に隙間風が吹き込んでくるほどの、大きな隙間はなかなかないと思います。
しかし、お部屋の天井から床まで、探してみると、意外に目立たない隙間は多いものです。
そういった隙間から外気が侵入してしまうと、エアコンは、その性能を十分には発揮できません。
また、お部屋の隙間は、屋外から様々な招かれざるお客様たちを招き入れてしまったりします。
蚊、ゴキブリ、ムカデをはじめとする害虫などは、その代表と言えるでしょう。
さらに、花粉症の方にとっては、花粉の季節に、いかに外気を侵入させないかは、大切な問題です。
すべての窓や扉を締め切って、外気を遮断したつもりでも、お部屋に隙間があったのでは、花粉を防ぎきれません。
また、せっかく花粉症対策に空気清浄器などを使っていても、お部屋の隙間から外気が入ってきたのでは、あまり意味がありません。
●隙間風が吹き込む場所はどこ?
それでは、意外と見落としがちな、室内の隙間について見ていきたいと思います。
そもそも室内の隙間をじっくりと探すことなんて、なかなかしないと思います。
それでも、大きな、目立つ隙間であれば、すぐに何らかの対処をしなければいけません。
しかし、問題は気づかない隙間です。
こういった隙間は見つからずに、そのまま放置されることが多いのですが、湿気やゴミなどが入り込むと、壁や床などを傷める原因にもなるので、注意が必要です。
また、小さな隙間であっても、知らない間にお部屋に外気を侵入させて、エアコンの効果を下げてしまうこともあります。
このように隙間の問題を知ってしまうと、隙間が気になって仕方がなくなってきたのではないでしょうか。
それでは、早速ご紹介させていただきます!!
・第一の隙間:天井の隙間
寝室の天井は別として、天井には普段なかなか目がいかないものです。
しかし、良く見ると、隙間がある場合があります。
最近のお家は気密性が高いのですが、それでも建築方法によっては、壁と天井の間に隙間ができてしまうことがあります。
また、特に木造の古い日本家屋の場合には、かなりの確率で天井に隙間が見つかります。
天井板の間、壁と天井板の間、電気配線の穴などは特に注意が必要です。
とは言え、日本家屋は、もともと風の通りをよくする作りになっています。
多少の隙間風には目をつぶったほうがいいのかもしれません。
しかし、寒いものは寒いですし、部屋で突然ムカデに会うのは、楽しい経験とは言えません。
・第二の隙間:扉の隙間
お部屋の出入り口や、窓にも意外と隙間はあります。
代表的なものは、ドアの下の隙間でしょう。
この隙間は、ドアが動くために必要なものなのです。
これがないと、ドアが非常に開けづらいか、もしくは開かなくなってしまうのです。
とはいえ、隙間が大きければ大きい程良い、というわけではありません。
明らかに幅がありすぎる場合もあるので、一度チェックしてみる価値はあります。
次は、襖や障子に代表される引き戸です。
窓枠と障子の間や、襖同士の合わさり目などに隙間ができてしまうことがあります。
これは、経年劣化によって、枠に歪みが出たり、扉自体が歪んだりするために隙間ができてしまうのです。
●隙間からの侵入者たち
最後は、場合によってはエアコンの性能よりも重要な話題です。
隙間があると、お部屋の中に入ってくるのは、隙間風だけではありません。
安心して寝ていると、天井から何かがポトリと落ちてきて、お布団の上をカサコソと動き回るなんてことも実際におこります。
天井の隙間は光が漏れるため、虫を引き付けやすいのです。
または、書斎で読書に集中していたら天井や押し入れの中で、パタパタッと音が響く、チューチューという鳴き声が聞こえる、石鹸を食われるなんてことも実際におこります。
ネズミは、数センチの小さな隙間も通り抜けて、いろんな物をかじってしまいます。
他にも蚊やゴキブリ、ヤモリ、ときにはヘビなど隙間からの侵入者は意外と多いものです。
隙間ができたらどう対処する?
隙間風が吹き込んできて、エアコンの効率を下げたり、いろいろな生き物が侵入したりと、家の隙間からは、あまり良いものは入ってこないようです。
その隙間を塞いでしまいたい!!という方のために、以下では、天井や扉など、様々な場所の隙間を塞ぐ方法を、ご紹介させていただきます。
●自分で応急処置
例え小さな隙間とは言え、修理はなるべくプロの方にお任せすることが一番です。
しかし、エアコンの効きが悪いので、どうしても今すぐ隙間風を止めたいとか、プロに依頼するほどお財布に余裕がないとか、そんなときはどうしたらよいのでしょうか?
そんなときは自分で応急処置を行うしかありません。
それでは、役立ちそうな、いくつかの修理方法をご紹介させていただきます。
・第一の応急処置:壁の隙間
壁の隙間を塞ぐ場合、必要なのは、シリコンシーリング材、コーキングガン、コーキングヘラの3つです。
シーリング材に関しては、変成シリコン系シーリング材の方が埃がつきにくく、綺麗に仕上がりますが、お値段は高くなってしまいます。
3つとも、ホームセンターへ行けば、だいたいどこでも手に入ります。
気になるのは、コーキングガンの使い方だと思うのですが、これは、以下の5ステップで意外と簡単に使えてしまいます。
(1)シリコンシーリング材は、円筒形の筒のてっぺんに円錐形の尖った蓋が付いた容器に入っています。まずはこの円錐形のふたをとります。蓋はこのあと使いますので捨てないで大切に扱って下さい。
(2)先程とった尖った蓋で本体の防湿膜を破ります。尖った蓋は、まだノズルとして使用しますので、捨てないでください。
(3)再び尖った蓋を本体につけます。
(4)尖った蓋の先端をカッターナイフなどで切り取ります。
(5)コーキングガンのロッド棒を引きながら(4)で完成したものをセットします。
以上の手順を行えば、コーキングガンのレバーを握るだけで、シーリング材がノズルから出てきます。
このシーリング材を天井や壁などの隙間に流し込んで、コーキングヘラで均せば、あとは乾くのを待つだけです。
ちなみに(1)~(4)の手順を行うだけで、コーキングガンなしでもシーリング材の容器だけで作業ができそうに感じる方もいると思います。
実際に使うこともできるのですが、あまりおすすめはしません。
コーキングガンを使うと使わないとでは、微妙な量の調整など、作業のしやすさが格段に違います。
また、コーキングヘラも重要です。
コーキングヘラを使わないと、シーリング材は隙間から不格好にはみ出たままになってしまいます。
もしくは隙間を埋めきれません。
きれいに仕上げたければ、コーキングヘラは必須アイテムです。
・第二の応急処置:窓や引き戸の隙間
建物が古くなって、歪みがでれば、窓や引き戸にも隙間ができやすくなります。
そうでなくても、閉め切ったはずの窓や引き戸から、隙間風が吹き込んでいたら、どこかに隙間がある可能性があります。
そんなときは、いわゆる「隙間テープ」が役に立ちます。
100均ではそのまま「隙間テープ」の名前で売っていることが多いのですが、ホームセンターでは「モヘアシール」という名前の物もあります。
どちらも、ほぼ同じものです。
これは、両面テープにブラシのような起毛素材がついていて、窓や引き戸に、この両面テープを貼ることで、起毛素材が隙間を塞いでくれる優れものです。
細い起毛素材なので、窓や引き戸の隙間に、多少のでこぼこがあっても柔軟に塞ぎ、エアコンの風が外に漏れたり、屋外から害虫などが侵入するのを防いでくれます。
・第三の応急処置:配線の隙間
お部屋の壁や天井には、電気配線のために空けられた穴があります。
穴がない部屋もあるかもしれませんが、コンセントの差込口や天井の照明があるかぎり、ほぼ、配線のための穴は空けられています。
この配線の穴が大きすぎる場合には、隙間から風や害虫が入ってきてしまうことがあります。
この隙間は、先程のシーリング材を使って塞ぐこともできますが、将来的な配線のメンテナンスのことを考えると、配管用パテがおすすめです。
なぜなら配管用パテは簡単に取り外すことができるのです。
●最後はやっぱり頼れるプロ
応急処置の方法はご紹介させていただきましたが、これらは、読んで字のごとく、間に合わせの方法でしかありません。
本当のおすすめは、信頼のおけるプロにお任せすることです。
というのも、お部屋に、どんな形であれ、隙間ができてしまっているときには、建物自体に問題がある場合があるからです。
例えば、天井と壁の間に隙間ができてしまっている場合には、床が下がってしまっていることが原因かもしれません。
実際に、お部屋にピアノなどの重いものをおくと、わずかですが、床は下がります。
もしも、何らかの原因で床が下がり続けている場合には、いくらシーリング材を自分で詰めても、また隙間が空いてしまうことになります。
これは、早く床の沈下自体を止める必要があります。
エアコンの温度設定:お部屋の快適温度は?
●お部屋によって違う快適温度
ここまで、エアコンの設置位置や、お部屋の隙間の塞ぎ方について考えてきました。
エアコンを設置して、壁の穴を塞いだら、次はいよいよエアコンを使いましょう。
皆さん、エアコンの温度設定はどのようにして決めていますか?
暑かったら下げて、寒かったら上げるという、臨機応変タイプの方もいらっしゃると思います。
また、夏は25℃で冬は20℃などという、決め打ちタイプの方もいらっしゃると思います。
しかし、実はお部屋には適温というものがあります。
日本政府の提唱している、快適な温度は、夏は28度、冬は20度です。
これは政府主導のクールビズ、ウォームビズと呼ばれている運動なので、ご存知の方は多いと思います。
しかし、この「適温」は、どちらかというと、省エネのための温度設定なので、人間の快適さは、ぎりぎり我慢できるレベルなのです。
では、もっと頼れる情報はないのでしょうか?
あるんです!!
●季節ごとの温度設定のポイント
人間が大気の状態によって感じる不快感を、温度と湿度によって数値化したものが不快指数というものです。
この不快指数と、他のいくつかのデータをもとに割り出されたお部屋の適温と湿度が以下の通りです。
夏:気温25℃~28℃、湿度55%~65%
冬:気温18℃~22℃、湿度45%~60%
厳密にいえば、お部屋の空気は、エアコンなどをつけても、天井から床まで全く同じ状態になることはありません。
隙間風なども吹き込む場合がありますし、お部屋の空気は、壁や床からも熱を奪われるからです。
したがって、温度や湿度を測るときには、エアコンのすぐ前で測るのではなく、実際にそのお部屋で人が座る場所や寝る場所で測るほうがおすすめです。
●寝室は特に温度が大切
人が快適に眠るためには、いくつかの条件があります。
そのため、寝室の環境を整える際には、お家の他の部屋よりも、デリケートな環境の調整が必要です。
具体的には、適度な明るさ、静寂さ、温度と湿度が必要なのです。
では、それぞれが必要とする条件を見ていきましょう。
・適度な明るさ
快眠のために必要な明るさとは0.3ルクス程度の明かりと言われています。
これは、天井の電気の明るさよりは遥かに暗く、窓の隙間から差し込む月明かりくらいの、どうにか周りが見える程度の明るさです。
・静寂さ
一般的には、静かな図書館の中くらいの音量が睡眠には適しているとされています。
静かな図書館ということは、誰も一言もしゃべらず、物音をたてれば、室内に音が響くような環境ということです。
したがって、寝室にいて、外を走っている車の音が聞こえる場合や天井から上の階の物音が聞こえる場合は、防音対策をすることで静寂さを保つことができます。
・適度な温度と湿度
冬:16℃~19℃、湿度50%前後
夏:26℃以下、湿度50%前後
まず、ホームセンターなどで温度計と湿度計が一緒になった温湿度計が1,000円前後で手に入りますので、ぜひ手に入れましょう。
温湿度計を手に入れたら、エアコンや加湿器などを利用して、室温と湿度が上記の範囲内に収まるように調整してみましょう。
寝室のエアコンは天井のどこにある!?特に気を付けたい隙間
●エアコンと体の距離はどのくらい?
ここまで、エアコンと天井をめぐる、数々の隙間を取り上げてきました。
ですが、実は一番大切な隙間がまだ残っていました。
体とエアコンの間にある隙間・・・そう!体とエアコンとの距離です!
エアコンは、長時間使い続けると、体に様々な影響を与えると言われています。
ましてや、直風を浴び続けたら、その影響は無視できないものになります。
したがって、長時間エアコンの効いたお部屋にい続ける場合には、なるべく、エアコンの風を直接体に受けない工夫をすることが、望ましいと言えます。
以下では、エアコンによって体が受ける影響について、またエアコンとの上手な距離の取り方について、考えてみたいと思います。
●エアコンが体に与える影響とは?
・自律神経への影響
まず、冷房や暖房について言えることですが、エアコンが効いた室内に居続けると、人間はその環境に適応しようとします。
これには、自律神経という器官が関係しています。
自律神経は、発汗量などを調整して、人間がうまく環境に適応できるように働きます。
例えば、25℃の室内にいれば、25℃で快適に過ごせるように体を調整するのです。
ところが、真夏などは、この25℃の室内から一気に40℃近い屋外に出て、歩き回ったりしてしまいます。
こうなると、自律神経は、大急ぎで体を再調整しなければいけません。
そして、やっと再調整が終わるか終わらないかのうちに、また25℃の室内に戻ったりしてしまいます。
こんなことを繰り返していれば、自律神経が疲れてしまいます。
この自律神経の疲れが、いわゆるエアコン病や夏バテの原因だと言われているのです。
・皮膚や粘膜への影響
エアコンを使用する際に、気を付けたいもう一つのポイントは乾燥です。
ほとんどのエアコンから出る風は、外気よりも湿度が低くなっています。
このため、エアコンの風を浴び続けると、皮膚や粘膜が乾燥しやすくなってしまうのです。
皮膚や粘膜が乾燥すると、そのバリア機能が低下して、風邪をひきやすくなります。
皆さんは、冬にエアコンをつけたまま寝て、風邪を引いてしまったことはないでしょうか?
気が付いたら天井を向いて、口を開けたまま眠っていて、喉が痛くなっている、というパターンです。
心の隙間と乾燥が招いてしまう悲劇です。
●エアコンとの距離の取り方
エアコンの風を浴び続けると、あまり良いことはなさそうです。
特に寝室では、一度寝てしまえば、寝返りをうつ時くらいしか、体の位置が変わりません。
天井や壁のどこにエアコンがあるかによって、一番大切な隙間、つまり、エアコンと自分との距離が決まってしまいます。
そこでまず、ベッドやお布団の位置は、エアコンの風が直接当たる位置に置くことは避けましょう。
次に、ベッドやお布団の位置は、エアコンの真下にすることは避けましょう。
効率良くお部屋を暖めるためには、暖かい空気を下に送ったほうが効率が良いです。
そのため、暖房を使用すると大抵の場合、下に吹き出ます。
この時に、真下に寝具を置くと乾燥してしまうため、できるだけ避けたほうが良いのです。
また、冷房の場合も、エアコンの真下に寝具を置くと身体が冷えてしまうため、おすすめしません。
エアコンとあわせて使いたい眠りを快適にするアイテム
●アロマ
ここまでは、エアコンと、天井と、隙間について、ひたすらに書かせていただきました。ここからは、エアコンと一緒に使うことで、より快適に過ごせるおすすめアイテムを見ていきたいと思います。
最初にご紹介するのは、アロマです。
嗅覚は五感のうちで、最もダイレクトに脳に伝わると言われています。
したがって、寝室の匂いも、安眠のためには重要な要素となってきます。
そこで、リラックス効果が期待できる、アロマで寝室をより快適な空間にしてみましょう。
快眠に最適な香りをいくつかご紹介します。
・ラベンダー
ラベンダーは、アロマテラピーでも良く使われる香りで、安眠効果があることでも良く知られています。
深いリラックス効果が得られるので、寝室には最適の香りです。
・オレンジ・スイート
名前のままで、オレンジの甘い香りです。
大抵の方にとっては、非常になじみのある香りなので、アロマに不慣れな方にとっても、導入しやすい香りだと言えます。
オレンジスイートには、リフレッシュ効果や、リラックス効果が期待でき、気分を前向きにしてくれる効果があると言われています。
安眠のためにも効果的で、こちらも寝室にはおすすめの香りです。
・カモミール・ローマン
青りんごのような甘い香りが特徴で、作用が穏やかなので、老若男女とわずに使っていただける香りです。
強めの鎮静作用があるので、気持ちが動揺しているときや、興奮してしまっているときなど、リラックスしたいときに有効だとされています。
もちろん、寝室にもピッタリの香りです。
●音楽
音楽は、安眠に効果があると言われています。
それでは、エアコンのかかった部屋に、更に音楽をかければ、とても良く眠れるのでしょうか?
最初の方でもお伝えしましたが、快適な睡眠を取るためには、静寂さが大切です。
しかし、音楽をかけるとなるとまったく正反対のことなので、矛盾のように感じる方もいると思います。
たしかに音楽をかけてしまっては、図書館の静かさには到底及びません。
これは一見、正反対の説に思えます。
両方の説の隙間に挟まれて身動きがとれなくなってしまいそうです。
しかし、音楽は安眠に効果がないのか、というと、そうでもありません。
「眠る前」に音楽を聴くのであれば、リラックス効果が期待できます。
音楽を聴くことで眠る前にリラックス状態になれるので、結果として、音楽は睡眠の質を高めてくれるのです。
それでは、リラックス効果が期待できる音楽の、具体的な条件をご紹介しましょう。
(1)単調
(2)人が歌ってない
(3)極端な高音や低音がない
以上のような条件を満たす音楽がリラックス効果が高いと言われています。
眠る前に音楽にタイマーをかけておき、リラックスしてから静寂な空間になるようにセッティングしておくことで、より快眠を得ることができるでしょう。
●こだわりの寝具
エアコンの温度を調整し、天井や壁の隙間をチェックし、アロマを焚いて、音楽をかけたらもう、後はお布団に入るだけですね!
それでは、最後に、安眠のために最適な寝具の条件を考えてみましょう。
・お布団
これは、掛け布団についても、敷布団についても言えることなのですが、まず、しっかりとした素材を使っているか、ということが大切です。
保温性や軽さなどは、もちろん大切ですが、その前に、素材自体が安心して使えるものか、ということは、非常に大切なことです。
国産であれ外国産であれ、こだわりの素材を使用しているか、ということは最初に確認したいところです。
すでに少し書いてしまいましたが、次に挙げるのは、お布団を選ぶ上で大切なポイントです。
(1)保温力はあるか
これは、言うまでもなく大切なポイントです。
お布団の存在理由といっても、過言ではないでしょう。
人間は、寝ている間は、体温が下がりますので、しっかりと保温することは、健康のためにも、安眠のためにも重要なことです。
また、保温というと、掛け布団の方にばかり注目してしまいますが、敷布団の保温力も、同等以上に大切です。
人間は、床からの冷気にも、体温を奪われてしまうからです。
(2)軽いか(掛け布団)
意外と見落としがちなのが、この、お布団の軽さです。
軽さが必要とされるのは、主に掛け布団についてですが、それはなぜでしょうか?
答えは寝返りです。
人間は、寝ている間に、寝返りをうちますが、この寝返りは、血液の流れを良くしたり、体の歪みを治したりすると言われており、安眠のためには大事な体の動きです。
天井を向いて、直立不動の、真っすぐな姿勢で寝ているよりも、寝返りをうった方が体には良いのです。
お布団が重いと、この寝返りが、しにくくなってしまうため、疲れが抜けきらなくなってしまうのです。
(3)体をしっかり支えてくれるか(敷布団)
敷布団にとって大切なのは、保温力だけではありません。
敷布団は、しっかりと体を支えてくれることが、非常に大切です。
寝ている間の、不自然な姿勢は、肩こりや腰痛の原因になってしまいます。
敷布団が、経年劣化によって沈み込んでしまうと、寝ている間に、正しい姿勢をとれなくなるので、中綿のしっかりとした敷布団を選ぶことが大切です。
・ベッド
ベッドを選ぶ際に、注意したいのは、通気性とマットレスです。
寝ている間の発汗によって寝具が吸い込んだ水分を、効率よく蒸発させて、衛生的でふかふかの寝心地を保つには、通気性の良いベッドであることが大切です。
通気性を確保するためには、下に収納などがあるベッドよりは、何もない、風通りの良いものがおすすめです。
とはいえ、寝心地に大きく差が出るのは、ベッドフレームよりも、マットレスです。
安眠のためには、まずは、マットレスをしっかりと選びましょう。
マットレスの選び方は、上記のお布団の選び方の(3)が参考になるかと思います。
また、マットレスは、厚みがあるものの方が効率良く湿気を蒸発させてくれます。
汗の量が多いという方には厚みのあるマットレスがおすすめです。
エアコンだけじゃ快適なお部屋は難しい!?
お部屋を快適な空間にするには、エアコンは心強い味方ですね。
それでも、エアコンを上手に使うためには、様々な工夫が必要です。
ときには、天井の隙間をふさいだり、適切な温度を測ってみたり、ベッドの位置を変えてみたり、アロマを使ってみたりと、思った以上にできることは多いです。
皆さんの快適なお部屋作りのために、どれか一つでもお役に立てたら幸いです。
それでは、夢の中で!!