湿度が高いことで有名な日本。湿度が高い原因ってなんだかお分かりですか??
湿度が高いことで起こる健康被害や住宅被害。
湿度が高いことはいいことがありません。
そんな湿度の高い日本で、上手に湿度と向き合っていく方法をご紹介していきます。
日本はなぜ湿度が高いのか!その原因とは?①
日本はどうして湿度が高いのか、その原因についてご紹介します。
太平洋側と日本海側で、降水量が違うのは、季節風のためです。
季節風は、季節によって吹く向きが変わる風のことです。
夏は南東の風、冬は北西の風が日本で吹きます。
南東の風は、そのままで南東方向からの風です。
季節風は海から吹きますので、湿気が季節風に乗って日本へ運ばれて雨が降ります。
夏は太平洋から、冬は日本海から湿気が運ばれます。
北海道から九州は、太平洋側と日本海側を隔てて山が連なります。
東北地方の奥羽山脈、長野県辺りの日本アルプス、中国山地、四国山地などです。
これらの山は、標高が高いので風に運ばれた湿気は山脈の反対側に行きにくくなります。
湿気を含む風が山を越えるためには、標高が高い場所を通る必要があります。
標高が高いと低気温になり、湿気は空気中に存在できません。
飽和水蒸気量に達してしまうということです。
そのため、山を越える前に湿気が雨になり、湿気がなくなった風だけが山を越えます。
このことが原因で湿度が高くなるのです。
日本はなぜ湿度が高いのか!その原因とは?②
日本はどうして湿度が高いのか、その原因についての続きです。
日本の周辺には、4つの海流があります。
海流は、年中同じ方向に進む海の流れのことです。
海流には暖流と寒流があり、暖流は赤道付近で暖められた海水が流れ込むもので、寒流は北極付近で冷やされた海水が流れ込むものです。
日本近海では黒潮と対馬海流が暖流、親潮とリマン海流が寒流です。
暖流は暖かい海水のため、水分が蒸発しやすいです。
ホットコーヒーでは湯気が出るけど、アイスコーヒーでは湯気は出ないですよね。
暖流から水分が蒸発し、その湿気が季節風に乗って夏は太平洋側に、冬は日本海側に行きます。
太平洋側と日本海側で降水量に違いがあるのは、季節風、山脈、海流の影響からです。
太平洋側では夏に降水量が増えて、冬は乾燥します。
日本海側では冬に降水量が増えて、夏は乾燥します。
しかし、実は日本海側の夏も降水量が多いのです。
実際には、日本海側でも夏の降水量はある程度あるんですね。
それは6月の梅雨で降水量が増えるからで、さらに夏から秋は日本付近を通る台風の影響でたくさんの雨が降ります。
これらが原因で日本海側であっても湿度が高いと言えます。
高い湿度は健康被害の原因に!!
日本で人が快適に感じる湿度は50%程度です。
また、湿度が高いとカビが発生して、ダニが繁殖しやすくなります。
ダニの死骸はアレル物質になって部屋の空気の中に浮遊して、人体に侵入するので、アレルギーの原因になります。
湿度が低いとインフルエンザウィルスが活発になるので、感染しやすくなります。
それから、乾燥からくる目、鼻、肌への問題も多いです。
また、結露は、【住まいの病気】とも言われています。
結露は、窓ガラスなどに発生する室内結露と、見えない所に発生する壁内結露があります。
押入れの奥など、部屋の冷えた所に結露は溜まりやすいです。
そして、それがカビやダニを発生させる原因になり、人の健康を脅かします。
壁内結露は、結露の水分が構造部材を腐らせるので、住まいの強度や耐久性に悪影響を与えます。
先程も書きましたが、カビの発生とダニの繁殖は、アレルギーの原因になります。
ダニは、温度25〜28度、湿度65〜85%を好み、カビは、温度20〜30度、湿度60%以上を好みます。
梅雨時や夏以外に、最近は住宅の気密性や暖房の普及で冬場の結露によるカビ・ダニの発生が問題になっています。
空気中のカビの胞子やダニの死骸・糞などのアレルゲンを吸うと、アレルギー性皮膚炎、小児喘息、アトピーなどになることがありますので、しっかりとした湿度対策が必要ですね。
湿度が高い日本の家はトラブルがたくさん
日本の冬の結露は、カビの好物です。
カビは水分が好きなので窓ガラスの結露などにカビが発生します。
カビを放っておいたら、気温が上がるとカビが大繁殖する原因になります。
結露は拭き取りましょう。
それから、換気をするのも良いのですが、温まった空気を冷やしたくないですよね。
後付けの2重サッシなども寒さ対策や結露対策に利用されています。
手軽な対策は、窓ガラスに結露防止シートを貼ったり、結露吸いシートなどを活用することです。
カビに掃除機をかけたいなら、掃除機を持ち上げてカビが舞い上がらないようにして、かけましょう。
雨の日は洗濯物が乾かないので、困りますよね。
晴れるまで洗濯物を置いておけないので、部屋干しをすることも良くあります。
湿気が多いのに部屋干しをすると、更に湿度が上がります。
するとカビの大好きな湿度の高い状態を作ることになります。
5kgの洗濯物は、だいたい3Lの水を含んでいますので、これを部屋に干すことを考えれば、湿度が上がることも納得できますよね。
更に雨で湿気の高い部屋で部屋干しをすると、更にカビが喜ぶ環境を作ることになります。
対処法は、浴室に洗濯物を干せるなら換気扇をつけたり、浴室乾燥機能で干すのが良いでしょう。
浴室に干せないなら、除湿機を使ってください。
除湿機は湿気を吸うので、部屋干しより早く乾かすことができます。
部屋干しすると、5時間以内に洗濯物を乾かさないとカビが発生します。
嫌な臭いもカビが原因のことが多いですので、できるだけ湿度が高くならないように工夫しましょう。
湿度が高いとカビの原因に!お布団の湿気対策
日本では、湿度が高いとお布団が湿気てしまいます。
お布団を湿気させないためには、水分を飛ばして湿気を溜めないことです。
水分を飛ばす方法についてです。
天気の良い日にはお布団を干してください。
黒い布などをかけると太陽の熱を集中的に取り込めるので効果が上がります。
お布団の温度が高くなるため、ダニも退治できます。
雨上がりの晴天では、お布団が干せると思いがちですが、湿った地面から出てくる水蒸気をお布団で吸い込むことになるので、NGです。
また、布団乾燥機を使っても、湿気が取れないことがありますが、その原因は空気の循環です。
閉め切った部屋で布団乾燥機を使ったら、蒸発した湿気は空気にまとわりつきます。
その空気の行き場がなければ、湿度のある空気は下に下がって、またお布団に戻ってしまいます。
戸を開けたり扇風機を使って空気の流れを作ると、うまく湿気が飛ばせます。
お布団が湿ってしまう原因!天日干しができないときは?
湿度が高い日本では、人は寝ているときにコップ1杯の汗をかきます。
そして、その汗は、お布団の上に30%くらい、床に70%くらいが湿気として溜まります。
この湿気が敷布団を通して発散されるのですが、フローリングだとそこで発散が止まるので、湿気が水滴となってお布団が吸い込み、お布団が濡れてしまいます。
それが続くと湿気が原因でカビが発生します。
フローリングにカビが発生することもあります。
天日干しができない場合、お布団をすぐにはたたまずに広げておくことです。。
その際にフローリングについている面を上にして水分を蒸発させてます。
湿気を溜めないようにするには、敷布団とフローリングの間にバスタオルや新聞紙を敷きましょう。
湿気を吸ってくれます。
バスタオルは折りたたんだものをお布団の上下に敷くと効果が上がります。
新聞紙は、良く湿気を吸うので毎日交換してくださいね。
湿度を管理して快適な家作り
湿度は様々な健康被害や、家の住宅被害を引き起こすなど良いことがありません。
冬の結露は放っておくとカビの原因になります。
また壁の中の結露は、グラスウールなど繊維系の断熱材を濡らすことになります。
これが長年にわたって続くと、土台や柱を腐らせることになるのです。
家の寿命までも縮めてしまうのです。
そのため、住宅の結露は要注意ということですね。