ジメジメとした梅雨時や結露が付く寒い冬の窓ガラスの近くの壁って、なんだか湿っぽくないですか?
「ん?何これ?」って気づいた時には、部屋の天井や壁にカビが発生していることがあります。
カビのある部屋で過ごすと、アレルギーや喘息、水虫になる可能性があるようです。
今回は、天井にカビが生えてしまった場合の、掃除・除去方法をご説明していきます。
部屋の天井のカビはどうやって掃除する?用意するもの
部屋の天井にカビが生えたらどうやって掃除すれば良いのでしょうか。
カビだから、カビに効きそうなカビ取り用の市販のカビキラーなどを使ってみるとか、台所用のキッチンハイターなどを使ってみるという方もいらっしゃるかもしれません。
カビキラーは本来、お風呂場のカビ取り用に作られ、ゴムパッキンなどのカビに効く様に作られていますので、室内の天井に使用することは想定されていません。
それでも同じカビなんだからと考えて使用し、カビが壁に広まってしまったという経験を持つ方もいます。
同様に、キッチンハイターも一見キレイに取れたように見えても、後々、使用した部分が変色してしまうということあります。
これらのものが同じカビに対して、キレイに落とせない原因は何なのでしょうか。
両方共カビに対して有効な成分である「次亜塩素酸ナトリウム」が含まれるのですが、カビキラーやキッチンハイターには、それ以外に界面活性剤や水酸化ナトリウムという成分が使われています。
次亜塩素酸ナトリウムは不安定な成分であるため、それを安定させて長期間使えるようにするために配合されているのですが、これらの成分が壁の色を変化させる原因になっているのです。
そして肝心な次亜塩素酸ナトリウムは少量しか含まれていない為、本来、天井のカビ取りが目的であるならば、余計な成分を含ます。
この次亜塩素酸ナトリウムを用いて掃除するほうが良いのです。
部屋の天井のカビ取り方法
部屋の天井のカビ取り方法についてご紹介します。
まず掃除に用いる次亜塩素酸ナトリウム1:水3の割合で作った液体を作成し、スプレーボトルに入れて用意します。
作った液体を天井に向けて斜めから拭き付け、30分~1時間程度放置し、時間が経ったら、水分が残らないように雑巾で拭き取りましょう。
注意するポイントは、吹き付ける際に自分にかからないように気をつけること、場合によっては脚立や、垂れてきた水気を拭き取るための雑巾、目や口に入ったり吸い込むことを防ぐ為にマスクやメガネなど必要に応じて準備します。
又、部屋の壁にカビが生えた場合はエタノールを使用すると良いでしょう。
カビ取りの手順は、まずカビにエタノールをスプレーし、カビの生えているスプレーした部分を硬く絞った雑巾でそっと拭きます。
上手くカビが取れたら、防カビ対策として再びエタノールをスプレーします。
カビが上手く取れていない部分があったらメラミンスポンジを水につけて固く絞ったものでカビの部分を拭いてみましょう。
この際、メラミンスポンジのカスがボロボロと落ちるので下に何か敷いておいたり、掃除機で吸い取るなどすると良いでしょう。
このようにカビ取りをしても、又すぐにカビが生えてしまったという場合には、壁紙の下でカビが広範囲に広がってしまっている可能性があります。
壁紙を一旦はがして壁を綺麗にする必要があるかもしれませんので、塗装業者などに相談してみましょう。
部屋の天井にカビが生えてしまった場合の掃除ポイント
カビが天井や壁に発生した時の掃除の際のポイントと、カビが生えないようにする為の対策についてご紹介します。
カビの掃除の際はにビニール手袋をしたり、薬剤が目に入ったりしない様にゴーグルやメガネ、マスクなどをするなど、掃除の前に準備しましょう。
液剤を壁に直接吹き付けず、布やタオルにつけて使います。
取りにくい場合は歯ブラシにつけると取れやすくなります。
白い壁で黒いカビが取れにくいような場合は、アクリルの絵の具でカビの上から塗ってしまうのも一つの方法です。
しかし、広範囲な天井などのカビの掃除には手間がかかりますので、出来ればカビを発生させない様な状態を保つことが大切です。
カビは25度~30度の温度で発生しやすく、湿度が60%程度で活動をはじめるカビが現れ始め、湿度80%を超えるとほとんどすべてのカビが繁殖すると言われています。
湿度や温度をコントロールする際に上手に除湿機やエアコンを利用すると良いでしょう。
扇風機などを併用するとより効果的です。
また、カビが生える前に、エタノール ・オスバンS ・お酢などを予め壁に吹き付けておくと予防になります。
手軽に多用途に使える物として、ミョウバンで作るミョウバン水もお薦めです。
ミョウバンはスーパーなどでも手に入れやすい上、殺菌作用もある為、スキンケアやデオドラント剤としても使用出来ますし、ニオイもないのでおすすめです。
部屋の中にカビがあると、病気を引き起こす原因に!?
部屋の壁や天井など室内の中のカビは見た目だけの問題ではなく、呼吸器や皮膚をはじめ、内臓など様々な病気を引き起こす原因にもなる為、注意が必要です。
カビの中でもアスカビと呼ばれるアルテナリアというカビは胞子が大きいです。
これを吸い込んで鼻の中に入ると、アレルギー性鼻炎を起こしたり、熱はないが風邪のような症状が出たり、もしくは微熱程度なのに咳が止まらないという症状が出ます。
咳だけが長く続くような場合、気管支炎喘息などカビが原因の可能性があります。
また、水虫やたむしなどの感染症もカビが私達の身体の組織に取り付いて引き起こされるものです。
輸入品のピーナッツやピスタチオなどの食品から見つかる事があるアフラトキシンと言うカビは、急性毒性がサリンの約80分の1と言われております。
天然物の中で最強の発がん性を有するカビ毒の一つです。
細菌によるカビとは異なり、食べた後、吐き気や激しい痛みに襲われるということが少ないです。
慢性疾患からのガンや肝臓や腎臓の障害となって現れる場合があるとも言いますので、たかがカビと侮ってはいけません。
生活をしていく上で注意したいのはカビが好む高温多湿な環境にならないように工夫する事です。
そして、エアコンや除湿機、加湿器などの生活を助けるアイテム内部に潜むカビにも注意が必要です。
晴れた日には窓をあけて空気を循環させたり、エアコンをつけた最初の10分ぐらいはしっかり換気をしてカビが発生しにくい環境を作りましょう。
寝室の天井にカビが!カビが生える原因は?
寝室の天井にカビが生える部屋が寝室であれば、もっとも考えられる原因はお布団です。
寝て起きた後のお布団はかなりの水分を含んでおり、そのまま放置すれば壁が水分を吸い込んでしまい、常に湿度のある状態が続きますので、カビにとって育ちやすい環境になります。
また、一晩の間に吐き出された呼吸にも大量の水分が放出されており、お布団と呼吸の水分という両方の水分が部屋の壁や天井に吸い込まれます。
除湿機などで対応出来る限界を超えることになりますので、湿気を逃すための対策が必要です。
カビの発生を防止するためには、水分が発生する元を絶つこと、空気中に残っている水分を排出させる事が大切なので、換気を良くしましょう。
換気によって壁に吸い込まれている水分も排出されます。
朝起きたら部屋の空気を入れ替えて換気をしたり、起床後は出来ればお布団を部屋に残さないようにしたり、布団乾燥機を使用して水分を放出させると良いでしょう。
換気扇を取り付けることでも部屋の湿気を逃せます。出来れば顕熱交換器付きを取り付けると有効です。
カビの除去剤は身体にとっても毒ですので、換気を上手に行い、カビの発生自体を防止するように心がけましょう。
寝室にカビを生やさない対処法
部屋の天井や床にカビを生やさない為の防カビ対策としては、カビが好む高温多湿な環境にならないように工夫することも大切ですが、カビの栄養源となる人間の垢や堆積したホコリを増やさないことも有効です。
壁や床、天井などを週に1~2回程度、クイックルワイパーやタオルなどを使って掃除をしましょう。
出来ればアルコールで拭くと効果的です。壁の素材によっては、静電気でホコリを取るモップなどで拭くだけでも良いと思いますので、ホコリなどを溜めないようにすることが大切です。
また、寝具の内部に潜むダニもカビの餌となります。
ダニそのものはアレルゲン物質でもありますので、健康の面からも除去したほうが望ましいと言えます。
お布団の天日干しや布団クリーナーなどを用いても、中々難しいダニの駆除です。
ダニは50度以上で死滅するとも言われていますので、布団乾燥機の中に入れて、熱した後のお布団に掃除機を当てて満遍なく吸い取ることが効果的です。
ダニが死滅すると言われる温度や条件などを考えて上手に対策すると良いでしょう。
カビを生やさないために、こまめに掃除
こまめな掃除を、普段から心掛けて、常に空気清浄機を稼働させましょう。
梅雨時期には、除湿機と扇風機をセットで使用することで、カビ防止に繋がります。
空気を停滞させないように、満遍なく風を送ることが効果的です。
こまめに窓を開けて、換気をするのが一番ですが、どうしても窓が開けられない時は、除湿機と扇風機を使用し、カビの繁殖を阻止しましょう。