夏も冬もエアコン使いが快眠のカギ!おすすめの設定方法は?

身体の内部の体温を低下させることで、脳自体の温度を下げて休ませることが、睡眠の本来の目的だといわれています。

この就寝中の体温変化を把握して、寝室の温度管理をすることが快眠につながっています。

快眠のための、エアコンを使用する最適なタイミング、設定温度、タイマーの時間設定などを考えてみました。

夏と冬、それぞれのおすすめのエアコン設定方法について、就寝時の体温変化に基づいてまとめます。

快眠を追求するなら就寝時の体温変化を知っておこう!

夏場は夜になっても暑く、ベッドの中でエアコンの設定温度を下げ、そのうち少し肌寒くなってエアコンを切ったりと、何度もリモコンを手に取り、寝苦しい夜を過ごした経験がある方も少なくはないでしょう。

また、冬場もせっかくお風呂に入って温まっていたのに、冷たいお布団に入ったら目が覚めてしまった、なんてこともありますよね。

快眠できるエアコンの温度設定や使い方を考えるなら、まず就寝時の人の体温変化を知っておく必要があります。

人は眠る前から手足の甲の部分の皮膚血管が開き、身体に対する手足の相対温度を上げることで放熱し、身体の内部の体温を下げていきます。

これにより脳の温度も下げ、1日中使っていた脳の疲労回復を行なっているのですが、眠りに入ってからおおよそ4時間は、身体の内部の体温は下がり続けています。

その後、今度は起床に向けて活動準備に入るため、徐々に体温は上がっていきます。

この体温のメカニズムをしっかり踏まえて、季節ごとの就寝時のエアコンのおすすめ活用方法をお伝えします。

夏と冬それぞれの心地よく眠れる温度は?

快眠のために、寝室内の温度をコントロールすることはとても重要です。

特に冷房や暖房、除湿などの機能を兼ね備えているエアコンは、寝室の室温管理をする際にも活躍するといえますね。

これらの機能を上手く使うためにも、季節ごとの最適温度を知っておくことをおすすめします。

就寝時に、寝室でエアコンを使う際の室内の最適温度は、夏場で26度前後、冬場で約16~19度といわれています。

もちろん個人差はありますが、この温度が心地よい眠りを導き、エアコンを使う際の目安になります。

また、冷たい空気は重く下に溜まり、暖かい空気は上昇しやすいこともしっかり念頭に入れておきましょう。

このことから、夏場のクーラーの冷風は上向き設定でお部屋全体をしっかり冷やし、冬場の暖房の風向きは下向き設定で足元やお布団をしっかり温めるのが、上手なエアコンの使い方といえます。

さらに予備知識として、お布団の中の最適温度は33度前後、寝室の湿度は50%前後が心地よく感じる環境であることも把握しておきましょう。

快眠のためのエアコン設定!眠る前の準備が大切!

実際に、就寝時に寝室のエアコンを設定する際に、気を付けることは何でしょうか。

いくら最適温度であっても、眠る直前にエアコンのスイッチを入れたところで夏場はすぐに冷えませんし、冬場はすぐに温まらず、設定された温度になるまで、ある程度の時間がかかります。

ここで、前章で述べた「就寝時の人の体温変化」が密接に関係してきます。

特に、眠る前から身体の内部の体温が下がり続けるということが重要なポイントです。

夏場は寝室の温度が高く、身体の内部の体温の低下を妨げる要因となってしまいます。

また、冬場は寝室が冷え切っているために、手足などの身体の表面の体温が上がりきらず放熱がうまくできない結果、身体の内部の体温をしっかり下げることができません。

これに加えて、冷たい空気が交感神経が刺激することで眠気から覚醒してしまうこともあります。

このように、夏場、冬場とも快眠できない原因には、眠る前から寝室が最適温度になっていないことも挙げられます。

ここで、快眠のためにおすすめするのが、眠る約1時間前からエアコンを使って温度をコントロールする方法です。

次章から、季節ごとの就寝時のエアコン設定方法について詳しくまとめてみましょう。

暑い夏!おすすめのエアコン設定方法は?

暑い夏の日の寝室のエアコンは、「26度で2時間のタイマー設定」をおすすめします。

ここでも、眠りに入ってから4時間は身体の内部の体温が下がり続けるということが重要で、眠る前にエアコンのスイッチを切ることは快眠を妨げる原因になります。

せっかく眠りについても、最初の4時間の間に室温が高くなると、下がりはじめた身体の内部の体温が途中で停滞し、睡眠の質に影響が出てしまいます。

とても寝苦しく感じ、ときには起きてしまうこともあるでしょう。

快眠を得るためには、寝室の温度を快適な26度のままに保つことが重要になってきます。

しかし、朝まで26度に設定したエアコンを使い続ければ、身体の内部の体温を下げすぎてしまうことになります。

長時間エアコンの効いた涼しいお部屋で過ごすと、昼間でも喉が痛くなったり、身体がだるくなったりすることがありますよね。

長い時間冷やしすぎることで、手足などを含む身体全体がどんどん冷えてしまうことから、体調不良につながってしまいます。

心地よく寝入ることができ、身体の内部の体温低下がスムーズに行われ、体調にも影響を与えない上手なエアコンの使い方をしたいですね。

2時間のタイマー設定にしても寝苦しくて途中で起きてしまうなら、1時間ほど時間を増やしてみるなど、自分に合った設定を見つけるようにしてください。

暑がりさんにはエアコンの除湿モードがおすすめ!

近年は夏場の連日猛暑が続き、寝苦しい夜を過ごした方も多いでしょう。

また、暑いのが特に苦手な方もいらっしゃると思います。

夏場のエアコン設定としておすすめした「26度で2時間のタイマー設定」では物足りず、途中で起きてしまう方は、「28度の除湿モード」を取り入れてみましょう。

湿度が低めの環境は、睡眠中にかいた寝汗が蒸発するときに肌から適度に熱を奪うことができ、自然に涼しく過ごせるといわれています。

しかし、最初から「28度の除湿モード」設定では上手く眠りにつくことができません。

前章で示した、基本的な夏場の寝室におけるエアコン設定を併用して、眠る1時間前に26度で寝室全体を冷やしておき、お布団に入ってから眠る直前に「28度の除湿モード」に切り替えましょう。

ここでもやはり、長時間のエアコン使用は体調不良を引き起こす原因になることを考慮して、タイマー設定が重要になってきます。

除湿モードに切り替えてからは、起床時間の2時間前までを目安にタイマーを使いましょう。

起床に向けて徐々に体温を上げやすくすることで、快眠を維持しつつ、目覚めやすい環境をつくることができます。

寒い冬でもエアコンで快眠!おすすめの設定方法は?

冬場の寝室のエアコン設定には、どのような工夫が必要でしょうか。

夏場と同様に、眠る前から身体の内部の体温が、約4時間低下し続けることをしっかりと把握したうえで、眠る1時間前から冬場の最適温度とされる16~19度で、寝室をしっかりと温めておきましょう。

もちろん、快眠を維持するためにタイマー設定も忘れてはいけません。

多少の個人差はありますが、深い睡眠が訪れる「寝入ってから3~4時間後」を目安に、エアコンが切れるようにタイマーを設定しましょう。

ここでも、一晩中エアコンを付けっ放しにすることはおすすめできません。

特に、冬場は空気が乾燥しています。

さらに、エアコンを長時間使用することで、寝室内の湿度は一気に低下し、喉や鼻などに不快な症状を与えるともいわれています。

湿度を快適な50%前後に保てるように、冬場はエアコンと一緒に加湿器の併用をおすすめします。

また、前章で少し触れましたが、お布団自体も温めておくことで、冷気による刺激を抑え、心地よい眠りへと導きやすくなります。

布団乾燥機や電気毛布、湯たんぽなども上手に使ってみましょう。

就寝時の体温変化に合わせてエアコンを使おう!

質のよい眠りを得るためには、就寝時の体温変化のメカニズムをしっかり把握しておくことがとても大切です。

人の身体の内部の体温は眠る前から下がりはじめ、約4時間低下し続けていきます。

深い睡眠の訪れるタイミングでもあるこの4時間に、快適な環境をつくることが快眠への近道です。

眠る1時間前から季節ごとの室内の最適温度を保ち、タイマー機能をしっかり活用して、上手にエアコンを活用しましょう。