布団カバーやシーツって、ご自宅の洗濯機でも洗えるので、天気の良い日などに洗う人は多いと思います。
しかし、悪天候などで外に干せない時などに衣類乾燥機を使用して、「生地が縮んでしまった」という経験をしたことのある人も多いのではないでしょうか。
今回は、「布団カバーやシーツが乾燥機で縮む理由とは?」、「対策方法って?」などの疑問についてお答えします。
布団カバーやシーツは乾燥機の使用中に縮む?
大きな布団カバーやシーツは、梅雨時期や真冬だと外に干せないので、ご自宅の乾燥機を使用する人は多いと思いますが、取り出した時に「予想外に縮んでいて驚いた」という人も多いのではないでしょうか。
カバーやシーツは、なぜ乾燥させると縮んでしまうのでしょうか。
実は、布団カバーやシーツ素材によく使われる素材である綿などの天然素材は吸水性や吸湿性が高いため、乾燥機にかけると縮みやすい性質があります。
しかし、いつ縮むのかといえば、それは乾燥中ではありません。
縮むような素材は、実は乾燥機で熱せられた高温の熱が冷めていくときに縮みます。
さらに、それを放置することで、ますます生地の縮み具合は進んでいきます。
水分が抜けていく乾燥段階で生地が縮んでしまうように思われますが、実際にはそうではなく、乾燥が終了した後に問題がある、ということになります。
乾燥機だけじゃない?布団カバーやシーツが縮むタイミング
さて、上記では、生地の縮みは乾燥後に始まる、とご紹介しましたが、縮み具合が最も大きいタイミングは、実は乾燥後ではありません。
布団カバーやシーツなどのように、吸水性の高い素材の場合、最もよく縮むのは脱水のタイミングです。
脱水によって水分が抜ける度に、繊維の撚り(より)が狭まっていき、生地はどんどん縮み小さくなっていくのです。
綿などの天然素材は、肌触りの良さと、吸水性、吸湿性に優れているといった理由から使用されている素材です。
吸水性、吸湿性に優れていることは、寝具には大変適した素材ではありますが、吸水性、吸湿性に優れている分、洗濯の工程では縮みやすくなってしまいます。
また、その後の乾燥機の使用では、撚りが小さくなったまま乾燥がおこなわれ、さらに乾燥機の使用後の放置で、生地から熱が徐々に奪われ、冷めていくことによって縮んでしまうのです。
綿などの天然素材などの縮みは、通常の洗濯や乾燥では仕方ないのですが、工夫次第で縮みを防ぐことができます。
次項では、綿などの天然素材でも、洗濯や乾燥機で縮ませない対策方法について見ていきましょう。
布団カバーやシーツを洗濯や乾燥機で縮ませない対策
布団カバーやシーツによく使用されている綿を含めた天然素材が、たった1回の洗濯や乾燥機の使用で縮んでしまうのは、本当に困り物ですよね。
では、日常の洗濯や乾燥機の使用では、どのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。
まずは、先ほどお話した脱水について見ていきましょう。
洗濯機は、年々性能の良い物へと変わっていますが、実はそれは、脱水の威力も強くなっていたり、汚れをしっかり取るための洗濯機自体のパワーが強くなっていることでもあります。
洗濯機のパワーが強いと、確かに汚れも取れます。
脱水の威力が強ければ、水分を限りなく飛ばしてくれるので、早く洗濯物が乾きます。
しかし、洗濯物は全て同じ素材ではないため、天然素材のように縮んでしまう物もあります。
では、一番の縮みの原因である脱水は、どのようにすれば良いのでしょうか。
それは、「脱水は弱くおこなう」という事です。
激しく水分を飛ばしてしまう事が縮みの原因ですので、できるだけ脱水は弱くおこなうようにしましょう。
では、もう1つの縮みの原因である乾燥機の使用について見ていきましょう。
乾燥による縮みは、乾燥自体に原因があるのではなく、その後の放置による冷えが問題ですので、乾燥が終了したら放置はせずに、すぐに取り出すようにしましょう。
すぐに取り出して、なるべく早く生地から熱を抜く作業をすることで、縮みを抑えることができますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。
洗濯の工程で縮みやすい素材って?
先ほどご説明したとおり、布団カバーやシーツなどによく使用される綿は、もともとが縮みやすい素材です。
また、布団カバーやシーツに綿などの天然素材がよく使われる理由は、肌触りが良く、吸水性や吸湿性に優れているためだということは、既にご紹介しましたので、お分かりかと思います。
そして、綿の他、天然素材である麻、リネン、ニットなどの素材も同様に、汗などを含んだ水分の吸水性、吸湿性に優れているため、洗濯の際にたっぷりと水分を含んでしまいます。
そのため、脱水で勢いよく水分を飛ばしてしまうと、生地の撚りがきつくなって縮んでしまうので、洗濯をする際は気を付けて洗わなければなりません。
特にニット素材は、目が粗く柔らかい素材なため、洗濯機での脱水や通常の乾燥機使用は避けるようにしましょう。
縮みやすい生地は、1度縮んでしまうと元に戻すのに時間と手間がかかってしまいます。
また、よほど形が変形してしまった物は、元には戻せない場合もありますので、洗濯する場合はできるだけ、気を付けて洗うようにしましょう。
そして、洗濯の前に布団カバーやシーツに付いている表示を確認することも大切です。
表示をしっかり確認して、洗濯や乾燥機の使用を工夫するようにしましょう。
縮みに強い布団カバーやシーツの生地ってある?
寝具などに使用される素材は、綿などを含めた天然素材であることが多いのですが、洗濯によって縮んでしまうことが多く、悩みのたねでもあります。
では、洗濯や乾燥機の使用でも縮まない、布団カバーやシーツの生地にはどんなものがあるのでしょう。
それは、化学繊維から作られた素材になります。
ポリエステルを代表としてよく使用される化学繊維の布団カバーやシーツは、吸水性、吸湿性に劣っています。
本来、汗などの湿気を吸湿しないので、寝具には向いていない素材と言えます。
しかし、吸水性に劣っている分、縮む事がありませんので、脱水や乾燥機の使用については、気を使うことなく洗濯することができます。
脱水の際も気を使わず、乾燥後に放置しても縮まず、手の空いた時間に取り出すことができるので、洗濯工程や家事がラクになるといった面では、メリットといえるでしょう。
布団カバーやシーツを縮ませないコツ
上記では、布団カバーやシーツを洗濯や乾燥機で縮ませない対策方法をご紹介しましたが、その他にも気を付けると良いコツがありますのでご説明します。
【洗濯や乾燥機の使用で縮ませないコツ】
〇分けて洗う
布団カバーやシーツは綿などの天然素材である事が多いため、脱水時間や脱水の強度に違いがでてきます。
そのため、他の洗濯物と一緒に洗ってしまうと、2度手間の作業になってしまう可能性がありますので、布団カバーやシーツを洗う時は、他の物と分けて洗うようにしましょう。
〇乾燥時間
布団カバーやシーツが縮む理由の1つに、乾燥後の放置がありましたが、実は乾燥時間によっても縮みは左右されます。
乾燥は、短めにかけたほうが縮みには影響がでないので、長くかけるのは避けるようにしましょう。
布団カバーやシーツの縮みを防ぐポイント
1 布団カバーやシーツを脱水する時は、弱めにおこないましょう。
2 乾燥機は短めにかけましょう。
3 乾燥後は、なるべく早く取り出しましょう。
綿などの天然素材の場合は、以上のポイントを踏まえると、縮みを防ぐことができますので、ぜひ試してみて下さいね。