ぜひ知っておこう!様々なトイレ表記の形状や使い方について

どこに行っても必ずご厄介になる、トイレ。

何気なく利用しているトイレですが、トイレの存在自体を教えてくれる看板を見て、「あ、トイレはこっちか!」とすぐわかりほっとしますよね。

しかし、場所によってはなんだか変わったトイレの表記の仕方だったり、聞き覚えのない名称が書いてあったりしませんか?

今回はそんなトイレにまつわる表記の仕方のあれこれについて、お話します。

トイレだと一発でわかる統一された表記とは

お出かけした際につい催して、トイレがどこにあるか探すことはしょっちゅうありますよね。

例えばショッピングモールなどで探そうとする時に、近くにフロアを紹介する案内板があったら、何を基準に「トイレだ」と認識して場所を確認するのでしょうか。

単純に言うと、赤系統と青系統に色分けされた男女のマークですね。
誰でもこのマークを見ると、「ここにトイレがあるんだ」と分かって向かいます。

しかし、これがいつの間にか、「トイレだ」とすぐにわかる表記となっているのは、良く考えたら不思議なことです。

大体が小さい頃からお母さんと一緒に利用する際に、自然に教えられて使っているのではないでしょうか。

そのトイレの表記が赤系統と青系統と色分けされているのは、なぜでしょう。

わが国、日本で色がついたきっかけは、1964年の東京オリンピックだといわれています。

日本人だけで使用するのであれば、「お手洗い」の表記で十分だったでしょうが、オリンピックともなると各国の外人さんが訪れるのですから、視覚的に訴えるのが一番だったというわけです。

また、ご存知の方もいると思いますが、海外の人でもわかるといったマークのことを「ピクトグラム」といいます。

次では、ピクトグラムについてご説明していきましょう。

トイレの表記のピクトグラムって、どういったもの?

ずばり、分かりやすい絵で描かれた表記の方法が、ピクトグラムです。
言葉や文字で表現しなくとも、見ただけで何を示しているかわかる図形なのです。

判断基準は基本的に色と、示す図形の形です。
日本でピクトグラムが大々的に使用されたのは、先ほどもお伝えしたとおり、東京オリンピックでした。

競技の種目についてもピクトグラム化をして、何の競技であるかをすぐ判断できるようにしています。

実はそれまで日本にあったトイレマークは、色分けはされていませんでした。
色がついていない女性のトイレマークだと、スカートのようになっているのが判断基準になります。

しかし、世界各国の中で男性でも民族衣装でスカートを履くところもあります。

このようにオリンピック以前の日本のトイレの表記の場合では、白黒だと男女の区別が付きにくいという問題があり、この時に初めて赤系統と青系統の色分けがされたのです。

しっかりと配慮されたピクトグラムのトイレ表記は、見た時に男性用と女性用の区別がつくようにしてあるので、今では当たり前に使われています。

そのため、小さなお子様やご老人、外人の方まで簡単に判断できるようになっています。

ところが、海外のトイレ表記は日本と若干異なるのです。

気になる海外のトイレ表記とは

日本でのピクトグラム化に伴って、トイレ表記は色分けされたことはすでに述べましたが、実は世界各国がすべて同じトイレ表記をしているわけではないのです。

なんと、色については日本が以前やっていたように白黒のところがあります。

しかし、「白黒表記で男女の区別がつきにくいから、日本の表記は色分けされたのに」と不思議になりますが、海外であえて白黒表記にしているのには訳があります。

世の中には、色弱者がいます。

海外では、色弱者は色を判断することが困難なのだということを踏まえ、白黒表記にしているところがあるのです。

そして、マークの付近に文字で男性用、女性用と文字で表記することで判別できるよう配慮しています。

色で判断している日本人にとっては、海外に行ったら悩んでしまうこともあるでしょう。

実際にトイレ表記の色を男女入れ替えて見せ、正確に判断できるか実験をしたところ、海外の方は間違えませんでしたが、日本人はかなり間違えたという結果が出ています。

このことから日本人は、意外にも色で判断していることがわかりますね。

色だけで表記を判断しないようにしましょう

先ほどのことからも色だけでトイレの男女の区別を判断するのは、間違う可能性が大いにあります。

実際に海外では白黒表記のところがありますし、日本国内でも赤系統や青系統ではない、全く違った色を用いているトイレも存在します。

もちろん色で判断していれば間違って入ってしまうこともあるので、色の表記が違うトイレはごく少数です。

中にはあまりに間違って入ってしまいやすく、利用者から苦情が多く出て、トイレ表記の色を従来の赤や青などに戻した、といった例もあります。

また、色の濃さでもとても間違いやすくなります。

はっきりと濃く色分けされている場合のものより、薄いブルーやピンクといった色分けは、特にご老人が間違いやすくなっています。

遠くから見てもトイレだと認識できる状態でなければ、せっかくの表記も無駄になってしまいます。

色で安易に判断せず、表記されているマークの形や、もし文字表記があったらそれらを読み取ることが一番間違えない方法だといえます。

表記の仕方も様々です

日本でよく使われているトイレの表記は、男性は直立不動で立っているもの、女性も同じ直立不動で立っていますが、スカートを履いたものになっています。

海外でも同じ形の表記なのでしょうか。
意外にも、全く同じというわけではないのが実情なのです。

ある国では、男性は両足を大きく広げて仁王立ちで立っています。
日本の「気を付け」をしているマークより、ちょっとだけ尊大なイメージさえ感じさせるものです。

また、デザイン性を大きく出したトイレ表記もあります。

一番目立つ例では、男女とも一筆書きのようなイラストで、何と顔に表情まで書き入れています。
しかし、面白いのは、女性はちゃんとスカートを履いていて、男性は直立でいるということです。

デザインそのものが男性らしさ、女性らしさを如実に表していながら、ちゃんとユニバーサルデザインの基本を踏襲しています。

しかし、良くできていますが、そのイラストだけでは本当にトイレかどうかは判断が出来ないという方もいるでしょう。

そこで女性用、男性用との表記が英語で追加されているのです。
極端な話ですが、これならデザインがユニバーサルでなくても、トイレであると認識できます。

文字に見るトイレの表現の違い

今まではデザインや色などで、トイレの表記の仕方を見てまいりました。
しかし、トイレを表すのは、何もデザインや色だけといったものではありません。

場所によってはトイレのマークの下に、「化粧室」とか、「REST ROOM」、「TOILET」など書かれているものがあります。

昔はWCと書かれていましたが、最近はほとんど見かけなくなりましたね。

WC表記が少なくなったのは、トイレが不浄であるというイメージから、身だしなみを整えるといったものに変化したからだといわれています。

確かに昔のトイレは化粧するスペースなど設けておらず、用を足す目的でのみ存在していました。

最近はグローバル化に伴って海外の方がトイレだと判断しやすいように英語表記にしたりしています。

また、トイレと直接的に書くのではなく、「お化粧直しができますよ」といった、身だしなみを直す目的でも利用可能という意味を込めた表記が多くなっています。

時代の流れによってトイレの存在自体も、表記の仕方も大きく変化しているのがわかりますね。

意外に多くあったトイレのマークについてのお話

今回はトイレの表記について触れましたが、いかがだったでしょうか?

マーク1つとってもその形や色の違い、海外や日本の違いなどが浮き彫りになったのではないでしょうか。

また、マークがあるにも関わらず、あえて文字の表記を付け足すことで間違えることがないようにしている点も、普段は意識していないことですね。

当たり前のように表示されているトイレのマークには、それなりに深い意味合いが込められていたのです。

トイレのマークを探した時に、思い出して見直すと面白いでしょう。