子供が後頭部を強打して眠気が起きている!命にかかわるの?

  • 2016年12月22日
  • 2019年5月28日
  • 睡眠

子供が後頭部を強打した際に、一番心配なのは「重大な怪我になってしまったのではないか?」、「命に別状はないか?」ということではないでしょうか。

後頭部を強打後に眠気や吐き気を訴えるようなら、尚更不安になります。

また、後頭部を強打していなくても、頭痛とともに眠気が起きることがあります。
その理由と対処法についてもお話します。

子供が後頭部を強打した時のチェックポイントと対処法

子供が後頭部を強打してしまった時にどのようにしたら良いか悩みますよね。
ここでは、その時のチェックポイントと対処方法についてご紹介していきます。

(1)頭からの出血がありますか?
頭は想像以上に出血しますが、慌ててはいけません。

水で濡れたガーゼ等で汚れを拭き取り、後頭部等の出血部位を清潔なハンカチやガーゼで抑えれば、数分程度で出血は止まるはずです。
出血が続いたり、出血量が多いようだと急いで病院へ行く必要があります。

(2)意識があるか確かめましょう。
頭を打って泣いている場合は意識があります。

強打したのに泣かない、呼びかけても反応がなかったり鈍かったりする、視線が合わない等の意識レベル低下があれば急いで病院へ行きましょう。

(3)打った場所にへこみがあるか確認をしましょう。
子供の頭蓋骨は、まだ十分に固まっておらず、外からの衝撃に脆弱が部分もあります。
へこみがある場合は、骨折している場合もあるのですぐに病院へ駆けつけましょう。

(4)体に麻痺は出ていませんか?
手足等の身体の動きはいつも通りか確認しましょう。

片側の手足が動かない、痺れている等の症状はないですか。
完全な麻痺でなくても、歩行時に片側に傾く、一方の手だけ握力が弱まっているなどの場合は、脳内の損傷の疑いがあります。
急いで救急車を呼びましょう。

(5)嘔吐を繰り返していませんか?
次のような状態の時は注意です。

・眠気があったり反応が徐々に鈍ってきている。
・頭を打ってから数時間後にもなるのに嘔吐を繰り返している。
・頭を打った1~2日後に嘔吐し始める

という症状が出て、反応が鈍く、顔色も悪いようであれば、すぐに病院を受診するべきです。

子供が後頭部を強打した!軽症の状態は?

後頭部を強打しても軽症であった場合についてはどうすればいいのでしょう。

まず、軽症とはどのくらいのことを言うのでしょうか。

基本的には、後頭部など、頭部を強打した時、脳にダメージを受けたかどうかが、その後の重篤度に影響を大きく及ぼします。
脳にダメージがないならそれは軽症であると言えます。

(1)タンコブ(頭部の皮下血腫)
皮膚と頭蓋骨の間の血管や軟部組織が損傷し、血液が溜まり、ブヨブヨと柔らかいコブになったもので、何も処置をしなくてもなくなります。

(2)頭部切創
頭を打った時、皮膚が破れて出血したものです。
頭蓋骨と頭皮の間には血管がくまなく通り、血液量も多いため、他の身体部位の創傷以上に出血するので、驚いてしまう場合があります。
傷が小さければ数分軽く押さえるだけで止血できます。

5分以上血が止まらない時は病院へ行って治療を受けるべきです。
消毒やテープ、縫合等の手当を受けられます。

(3)脳しんとう
頭を強打した場合、一時的に意識レベルの変化や放心状態を引き起こします。
眠気がないのに意識を失ってしまうこともありますが、15分程度で意識は戻るはずです。
脳内のダメージがなく、6時間以内に治まりますが、病院で受診をした方が良いでしょう。

子供が後頭部を強打した!重症の状態は?

後頭部を強打して軽症の時はどうすれば良いのかが分かったかと思います。
それでは、重症となる時はどうすれば良いのでしょうか。

眠気が起きなくても重症となる場合があります。
重症とは、脳や頭蓋骨で重大な損傷を生じることで、生命が危うくなります。
下記の症状が見られる場合は、すぐに救急車を呼びましょう。

(1)頭蓋骨骨折
子供の場合、頭蓋骨にも弾力性があるので割れることは少ないですが、後頭部等強打した部分が陥没する陥没骨折等になりやすいものです。
また、頭蓋骨にひびが入る線状骨折もあります。
それと共に、頭蓋内出血や脳損傷があると、かなり重篤であると言えましょう。

(2)頭蓋内出血
頭蓋骨の内部での出血で、死亡する事や後遺症が重度になる恐れがあります。
どの部位での出血かにより種類が分かれます。

・硬膜外血腫
頭皮のすぐ下にある硬膜に血液が貯留している状態です。
・硬膜下血腫
硬膜とそのすぐ内側のくも膜との間にある血腫です。
・脳内血腫
脳内出血のことです。

頭を強打した数時間から数日後にかけて、意識レベルの変化、頭痛や嘔吐、麻痺などの症状が出ることがあります。
これは頭蓋内血管の損傷により、少しずつ血が溜まりその脳の部位を圧迫したためです。
(3)脳挫傷
特に交通事故などで頭を強打した場合に生じ、その脳の部位が崩れることです。
強打した脳の部位の反対側に脳挫傷が起こることもあり、脳内出血や脳の腫脹が現れることもあります。

(4)びまん性軸索(じくさく)損傷
6時間以上意識が戻らない場合は、脳の神経細胞の一部がダメージを受けている重篤な状態です。
自動車事故や転倒で生じますが、揺さぶられっこ症候群といって、乳児を強く揺さぶると発生することがあります。

後頭部を強打していなくても頭痛と眠気がくる理由

後頭部を強打すると様々な症状が出る可能性があることが分かったかと思います。

しかし、眠気が起きるのは必ずしも後頭部を強打したからとは限りません。
ここでは、後頭部を強打していないくても起きる頭痛と眠気の理由をお伝え致します。

同時期に頭痛と眠気が生じる原因は、「重篤な疾患」「睡眠不足」「血管拡張・酸素減少」「ホルモンバランスの乱れ」の4つがあります。

(1)重篤な疾患
脳内血管で血栓が詰まり血流が途絶える脳梗塞により眠気が生じる場合があり、血流不足のため眠気やあくびをすることがあります。

(2)睡眠不足
日頃のストレスや過労、夜更かし等で睡眠不足になると、偏頭痛を誘発します。
緊張型頭痛で睡眠障害を合併し、睡眠時に群発性頭痛を生じ、睡眠障害のリスクを高めます。
頭痛と睡眠不足の関連性は高く、悪循環になりやすいものです。

(3)血管拡張・酸素減少
主に脳内で起こり、季節の変わり目の気圧の変化で生じます。
気圧の低下で脳内血管が拡張し、頭痛が起こります。
さらに気圧が下がり酸素濃度が減ると低酸素状態による眠気を生じます。

(4)ホルモンバランスの乱れ
女性の月経によりエストロゲンの分泌量が変化した時の偏頭痛がこれです。
月経時の偏頭痛持ちの女性でも妊娠時には和らぎます。

更に生理前に増加するプロゲステロンは眠気を催します。
これが生理の2~7日頃前に発症する月経前症候群(PMS)と言われるものです。

後頭部を強打していなくても頭痛と眠気がくる時の対処法

後頭部を強打しなくても起きる頭痛と眠気の理由をお伝え致しました。
ここでは対処方法についてご紹介していきます。

(1) 脳梗塞及び重篤な疾患への対応
激しい頭痛や眩暈、嘔吐、言語障害や神経機能の麻痺が出たら、すぐに医療機関で調べてもらいましょう。
早ければ早いほどその後の回復も良好となります。

(2) 頭痛の症状への対処
慢性頭痛は医療機関で薬物治療が基本ですが、ストレスが原因の場合は心理療法を併用することもあります。

(3) 「睡眠不足」の改善
運動不足、寝る前ギリギリまでのスマホ・PC等の電子機器を使うと脳が覚醒します。
また、遅い時間の食事も睡眠の質を低下させます。
夕方以降のカフェインも控えましょう。

人間関係や仕事量など個人の努力外のストレスの多い人ほど睡眠の質は悪くなります。
そのための睡眠前のリラックスが大事で、生活の中に「禅」「瞑想」などを取り入れるという方法もあります。

(4) 「気圧変動」への対処
気圧変動による血管拡張と酸素減少には「定期的な有酸素運動」が効果を発揮します。
運動による血管拡張に慣れておくと、気圧変動の影響を受けにくくなります。
運動により毛細血管が鍛えられ、全身の酸素供給量が増え、酸素減少にも耐えられる体になります。

(5) 「ホルモンバランス」への対処
月経前症候群(PMS)の症状には「冷え」と「生活習慣」を改善することで対処できます。
お風呂などで体を芯から温めると「下半身冷え」を防げます。
定期的な運動をすることでホルモンのバランスを取ることも可能です。

頭痛と眠気がこない様にする為には

先程も理由をお伝え致しました通り、後頭部を強打することだけが頭痛と眠気を引き起こすわけではありません。
それでは、頭痛と眠気がこない様にする為の睡眠環境を整える3つのコツについてご紹介していきます。

(1) 堅い布団で寝る
子供は寝ている時でも激しく寝返りをうち布団から出てしまうほどですが、これが正常な姿です。
子供達は日中の活動の疲れにより生じた体の歪みを寝返りにより修正しているのです。
柔らかいマットレス等では体が沈んで寝返りが難しくなります。

(2) 枕を選ぶ3つのルール
・枕に頭を乗せた時に後頭部が低くなっていること
・顎は上がっていること
・寝返りが楽な枕であること
これらが枕を選ぶ上で大切なルールです。

頸椎は、S字状のカーブを描いていますが、高い枕ではS字カーブが崩れてしまいます。
また、柔らかい低反発枕だと寝返りが難しくなります。

(3) 寝室は暗く、朝はお日様の光を浴びる
人間の瞼や皮膚には光を感じるセンサーがあります。
暗いと脳が休息モードとなり、光があると覚醒モードに移行します。
寝室を真っ暗にしないと質の高い睡眠が得られません。

1日の24時間と体内時計はズレがあり、それを調整するのが「光」です。
朝起床後は日光を浴びることで体内時計をリセットでき、夜はちゃんと眠くなるという体内リズムが確立するのです。
それによりセロトニンも分泌促進され、プラス思考にもなりやすくなります。

後頭部を強打したら早急かつ適切な判断が必要!

子供の場合は、自分で症状を表現できない場合も多い為に慎重に観察し判断する事が重要です。
少しでもおかしいと思った場合は、早急に医療機関で精査してもらうようにしましょう。
また、頭痛とともに眠気が起きるような場合は、睡眠に最適な環境を作り、質の良い睡眠時間をとるようにしましょう!