オフィスなどの椅子には、レバーを引くことで、座面が上がったり下がったりするガス圧式椅子があります。
しかし、長く使っていたりすると、いつの間にか勝手に座面が下がることがあります。
その場合、その椅子は故障しているかもしれません。
今回は、ガス圧式椅子の故障の原因と、修理方法などを詳しくご紹介していきます。
また、緊急の場合の応急処置の仕方についても触れていきます。
今まさに困っている方も確認してみましょう。
ガス圧式の椅子の仕組みを知ろう!
まずは、ガス圧式椅子が下がる、故障の原因を知るために、ガス圧式椅子の仕組みについてご紹介していきます。
仕組みを理解していれば、修理の仕方や原因も、よりわかりやすくなります。
最近の学習デスクやPCデスクの椅子、オフィスの椅子には、ガスの圧力を利用したガス圧式の椅子が多く流通しています。
その仕組みは、椅子の座面の下にガスを充填した金属製のシリンダーが取り付けられており、椅子の外側に付いているレバーを引くことで、金属製シリンダーの中の弁が開いて、ガスが移動し、同時にピストンも移動するというものです。
このときに発生した圧力で、座面が上がり、椅子の高さを調節することができるようになっています。
このシリンダー内のガスは年数を重ねていくにつれ、少しずつ抜けていきます。
椅子には、油圧式の椅子もありますが、こちらはほとんど修理は不可能とされています。
しかし、ガス圧式の椅子の場合は、ガスシリンダーを交換することができるそうです。
椅子が下がるのは故障!原因は?
上記でも触れましたが、ガス圧式椅子が上がったり下がったりと座面の高さ調節ができるのは、金属製シリンダーの中のガスの圧力があるからです。
しかし、経年劣化で、このシリンダー内のガスが少しずつ抜けていくことによって、圧力が弱まり椅子の座面を持ち上げる力がなくなり故障してしまいます。
椅子の高さを調節していても、いつの間にか勝手に下がるということは、このような原因によるものです。
また、椅子の高さを調節して使っていると、座ったとたんに座面が下がるということも、このようなことが原因と考えられます。
つまり、ガス圧式の椅子は、経年劣化による故障ということになります。
しかし、修理することは可能とされています。
ガスが抜けてしまった場合の椅子の修理方法について詳しくご紹介していきます。
また、緊急時の応急処置もお伝えしていきますので、今現在、まさに「椅子が下がってきて困っている」という方も、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
故障してしまった「下がる椅子」の修理方法とは?
「椅子が勝手に下がる」
そんな故障した椅子も一応自分で修理することは可能です。
その修理方法についてご紹介していきますが、もし自信がないという方は、修理に出すか買い替えも検討した方が良いでしょう。
では、修理方法についてみていきましょう。
座面が下がる椅子の修理方法としては、ガスシリンダーの交換が挙げられます。
ガスシリンダーの交換方法は、意外とシンプルなものです。
椅子の組み立てをしたことのある方には、とても簡単なことですが、椅子の座面を支えている支柱のカバーの中にガスシリンダーが入っています。
この支柱は座面を支えている部分に押し込まれているだけなので、ハンマーなどを使い丁寧に叩くことで、簡単に外れます。
支柱を外したら、カバーの中に入っているガスシリンダーを取り出します。
このガスシリンダーを新しいものに交換するだけで、椅子の修理はできます。
ガスシリンダーは、ネットなどでも購入できるようです。
しかし、椅子の種類によってはガスシリンダーを固定しているクリップなどが取り付けてある場合があるので、椅子の作りによっては他の工具が必要になります。
そのような場合もあるので、状態を確認した上で作業するようにしましょう。
そして、自分では無理そうだった場合は、無理はしないようにしましょう。
思わぬ怪我に繋がる可能性があります。
故障してしまった「下がる椅子」の応急処置をご紹介
上記でご紹介した、ガスシリンダーの交換作業をしている時間がない方や、ガスシリンダーが到着するまで待てない方に、応急処置の方法についてお伝えします。
勝手に下がる故障した椅子を、今すぐに何とかしたい場合の応急処置の方法としては、割り箸を利用した方法があります。
①割り箸を10~20本程度(シリンダーを巻ききる本数)とガムテープを用意します。
②高さ調節した椅子のシリンダーの部分に当てて、割り箸の長さを揃えます。
揃え方は、割り箸の上部をシリンダーの上部に当てて、割り箸の先側のあまる部分に合わせてマジックペンなどで印をつけ、切り落とします。
割り箸1本に印をつけ、その一本に合わせて長さを調節するとばらつきが出づらいです。
③長さを揃えた割り箸の先端にガムテープを1本1本巻き付けていきます。
これは、割り箸の先端が割れづらくするために強度を高めるためのものです。
④シリンダーを巻ける長さのガムテープを用意し、その上に割り箸を粘着面の上に並べます。
このとき、ガッチリと粘着する必要はありません。
仮止めの状態で大丈夫です。
⑤その割り箸を、椅子のシリンダー部分に当てて、くるっと巻きつけます。
そして、結束バンドなどで、割り箸の巻きついたシリンダーをぐるっと結びます。
これで、椅子の高さを固定することができます。
注意点としては、あくまで応急処置になりますので、強い衝撃を加えたりすると、場合によっては割り箸が折れてしまったりするので、一時的なものと考えてください。
割り箸は折れたり外れたりして急に座面が下がることもありますので、十分に注意してください。
応急処置をした後は、修理か再購入などの対応が必要になります。
故障した椅子の廃棄方法について
基本的にはガス圧式の椅子が下がることになって、故障しても修理することはできますが、状態や修理費などによっては、廃棄も検討しなくてはなりません。
椅子を廃棄する場合は通常の場合、粗大ゴミとして各地域で決められたルールに従い、処分するのが一般的です。
また、回収業者などに依頼して、処分することもできます。
その他には、リサイクル品として売却することもできます。
一般的には、故障したものはリサイクル業者では買い取ってくれませんが、ブランド品であったり、状態が良いと判断された場合には買取してくれることもあるので、一度確認してみましょう。
粗大ゴミとして処分する場合には料金がかかりますが、リサイクル業者などに売却してお金が手に入るのであれば、リサイクル業者に買取を依頼してみることを検討してみてもいいでしょう。
再購入する場合などの資金の足しにもなるので、そちらを選択したほうがお得ですね。
椅子が爆発!?購入する際は品質をチェックしよう
ここまでご紹介してきたガス圧式の椅子ですが、座面が下がる故障よりも、もっとショッキングなトラブルが、報じられていました。
それは、椅子が爆発するというニュースでした。
2007年から公表されているだけでも4件ほど、このようなことが起こっていたそうです。
報じられていたのは中国で、この事故によって死傷者も出てしまいました。
中国の場合は、流通している椅子の種類は、主に油圧式椅子、機械圧式椅子、気圧式椅子の3つだそうです。
そのうち、最も安価なものは気圧式椅子とのことで、事故が起きたのは、報じられている4件ともこの気圧式の椅子でした。
この気圧式椅子の製造工程で、一部の製造業者がコストを抑えるために高圧の空気を充填していたため、このような事故が起きたということです。
日本国内のメーカーでは、国内で流通している椅子のほとんどには、窒素ガスを使っています。
窒素ガスには、爆発の恐れはないようです。
しかし、シリンダーが何らかの原因で熱を持った場合には、窒素ガスが膨張する可能性があります。
そのときに圧力に耐え切れなくなった場合には、ガスが抜けてしまうことがあります。
しかし基本的には、「国内のメーカーで作られた椅子では爆発する可能性は低い」とのことです。
安価な海外製品を購入したりしなければ、このような事故は回避できるかもしれません。
椅子の購入の際には、このようなことにも注意を払った方が良いですね。
修理もできるが場合によっては業者に依頼!廃棄も検討
ご紹介してきたように、ガス圧式の椅子の場合は、ガスシリンダーを交換することで修理することは可能です。
しかし、修理に自信がない方や、ガスシリンダーの代金が気になる方は、業者に依頼して修理してもらったり、廃棄したりする必要があります。
無理に修理しようとして思わぬ怪我に繋がることもあるので、修理の際には十分に気をつけて行なうようにしましょう。