高さが上下する椅子には、油圧式の場合とガス圧式の場合があります。
その中で、油圧式の椅子が壊れた時、どうすれば良いのか悩むと思います。
油圧式の椅子は高価なため、直して使いたいという方がほとんどですよね?
そこで今回は、油圧式の椅子が壊れた時の対処法や直し方を始め、椅子を選ぶ時の注意点などをご紹介していきます。
油圧式の椅子が使われ始めた経緯と油圧の原理
直し方についてお話しする前に、まずは、油圧式の椅子を知っていきましょう。
油圧式の椅子が使われ始めた経緯や、油圧式の椅子がどのようなものなのか、をお伝えしていきます。
日本には現在、自由に高さを変えることが出来る椅子の中では、油圧式のタイプとガス圧式のタイプがあります。
その中で、油圧式のタイプの椅子は、今から100年以上前に開発されており、それ以降美容室や理容室をメインに使われるようになったようです。
そして、油圧式の椅子が作業に合った丁度良い高さに調整出来るということが注目され、オフィスや学校などでも使われるようになったとされています。
このような経緯で、多く方に油圧式の椅子が使われるようになったと言われています。
それでは、油圧がどのようなものなのか、を一般的な油圧の原理を例にご説明します。
油圧の原理は、パスカルの原理ということを応用しています。
例として、左右で大きさの違うU字型の容器があり、ピストンが可能な密閉のフタが付いているとします。
このとき、容器の左側の容量が右側の四倍の大きさだとしましょう。
そこに油を閉じ込め、左側のフタを下に押し出したときに、右側のフタには押し上ろうとする力が働きます。
そのとき、容器の大きさの差により、力のかかり具合が異なるとされています。
今回の例ですと、四倍の容量の差がありますので、押し出す力は四倍となる、ということです。
この技術が椅子のシリンダーにも応用されています。
物理的なお話で、少し難しいと感じるかもしれませんが、簡単に考えますと水圧や空気圧と同じような仕組みなので、そう考えると少しは理解しやすくなるでしょう。
油圧式とガス圧式の椅子の違いは?
高さを自由自在に変えることの出来るタイプの椅子には、油圧式とガス圧式がありますが、その違いとはどこにあるのでしょうか。
ガス圧式の椅子の仕組みは、椅子の座面の下にガスを充填したシリンダーが取り付けられています。
そして、その外側にあるレバーを動かすことによって、シリンダーの中の弁が動いてガスが移動し、それと同時にピストンも動きます。
この時に発生した圧力で、椅子の高さを動かすことが出来ます。
ガス圧式の椅子が壊れた時の直し方は、動力の元となるシリンダーを交換することが多くなっており、それほど重要な動力源になっています。
このガス圧式の椅子は、学校やオフィス、仕事場などでメインに使われており、油圧式に代わって使用されることが多くなっています。
そんな二つの椅子の違いは、その構造と価格にあります。
油圧式の椅子は安くても5,000円ほどで、高いと2万円以上になりますが、ガス圧式の椅子は2,000円代から5,000円代がメインとなっています。
こうして、油を使った油圧式の椅子が高額になってしまうのには、製造上でコストがかかってしまうということが原因になっています。
しかしその分、油圧式の椅子の方が高さを変える時にも重厚感があり、それを好んでいる人はたくさんいます。
油圧式の椅子が壊れた時の直し方は?
油圧式の椅子を使っていると、意図せずとも壊してしまうことがあると思います。
このような時は、どうすれば元に戻るのか、その直し方についてご紹介していきます。
油圧式の椅子が壊れた時は、座面の下のシリンダー部分から油漏れすることがほとんどです。
シリンダー部分のゴムを交換せずに長期間使用してしまったり、使い方によってその部分が劣化し、油漏れが起きます。
基本的には、そのシリンダー部分が故障した場合、取り替えれば再度使えることが出来そうに思えますが、交換は出来ません。
油圧式の椅子の油圧シリンダーは、製品になった組み立て後の分解はほとんど出来ないため、交換が不可能なのです。
また、シリンダー部分が割れているだけで、油漏れが起こっていない時はシリンダー部分をガムテープなどで保護することによって回復するケースもあります。
しかし、これは稀なパターンになるので、基本的に直すことは難しいと考えておいた方が良いでしょう。
ガス圧式の椅子の直し方は?
前章にて、油圧式の椅子についてお話ししました。
では、ガス圧式の椅子の場合は、どのような直し方をすれば良いのでしょうか?
ガス圧式の椅子が壊れた時は、椅子が勝手に下がったりしますが、このような場合であれば直すことが出来ます。
椅子のガスシリンダーが壊れている時には、ガスシリンダーの交換をしてください。
ガスシリンダーを交換する時は、メーカーや購入店に問い合わせることで、取り換える方法や部品の入手先を教えてもらうことが出来ます。
基本的には、ガスシリンダーを交換することによって直すことが出来ますが、稀にガスシリンダー以外の部分が壊れていることもあるので、そういった時には自力で直すことが難しくなります。
ガスシリンダーの交換費用については、メーカーごとに変わってきて、新規で買った方が安いこともあるので注意が必要です。
油圧式の椅子から油が漏れた!応急処置をする場合の直し方は?
次に、油圧式の椅子から油が漏れた時の応急処置(直し方)についてお話しします。
椅子が壊れてしまった際、すぐに買い替えることが難しいという場合もあると思います。
そのような時には、油漏れの部分に応急処置をすることで、それ以上の悪化を防ぐことが出来ます。
その応急処置の方法としては、油圧シリンダーの部分にコットンなどの油を吸うような素材を当てて、その上からテープで止めるという方法です。
そうすると、油圧シリンダーの部分からその外に油が漏れることがなくなります。
火災の危険性などが減り、そのまま使うことが出来るでしょう。
しかし、この時にしっかりと対処しておかないと、かなり油が漏れて来てしまうので注意が必要です。
油圧式の椅子が壊れてもすぐに買い替えることが難しい時は、このようにして応急処置をしましょう。
良い椅子を選ぶための基準とは?
油圧式の椅子が完全に壊れてしまうと、直し方がないので買い替えることになると思います。
この時、次にどのような椅子を買えば良いのか悩みますよね。
椅子はほぼ毎日使うものなので、自分の体に直接触れます。
そのため、椅子一つで自分の体調が良くなったり悪くなったりすることもあるので、しっかりとした椅子選びが大事になってきます。
その選び方の基準として、足が着くかどうかということと、クッション性が大事になります。
・足が着くかどうか
地面に足が着くということは、かなり重要になります。
椅子に座っている時、足が下に着かないと、血流が悪くなったり前傾姿勢になってしまうので、姿勢が悪くなってしまいます。
したがって、椅子を一番下まで下げても、しっかりと足が着くかどうかは、チェックしておいた方が良いでしょう。
・クッション性
椅子のクッション性は、腰痛持ちの方にとってはとても重要なポイントとなります。
クッション性が高すぎて、沈み過ぎてしまう椅子であると、お尻で体を支えにくくなり姿勢が悪くなってしまいます。
しかし、お尻が硬い人や、普段椅子に座っていてお尻が痛いと感じる人にはとても向いているので、そういう人は座面が柔らかい椅子を選ぶようにしましょう。
逆にクッション性が高くなく座面が硬いと、しっかりとお尻で体を支えることが出来ますが、その分お尻が痛くなってしまいます。
自分に合った丁度良いクッション性の椅子を選ぶことが、とても重要になってきます。
油圧式の椅子が壊れた時は修理が出来ない
今回は、油圧式の椅子が壊れた時の直し方について見てきました。
油圧式の椅子は、製作にとても手間がかかるということもあり、修理することは出来ません。
そのため、残念ですが、故障した際には買い換えるという選択をすることになります。
しかし、油圧式の椅子は丁寧に使うと30年も使うことが出来るような製品で、一生物とも言えます。
そんな油圧式の椅子はとても使い心地が良くて、修理が出来ないということを知っていながら使っている人もたくさんいます。
それほど、油圧式の椅子には魅力がたくさんあるということです。
油圧式の椅子を使う際には、気を付けて丁寧に扱ってあげてくださいね。