キッチンの吊り戸棚は「あり派」ですか?
それとも「なし派」ですか?
近年の住宅では、空間を広く感じたいがために吊り戸棚を付けない、という選択をする方も増えています。
その場合、問題となるのが収納力です。
吊り戸棚がない場合の収納力はどのようにカバーしたら良いのでしょうか。
まずは、吊り戸棚の必要性から考えていきましょう。
キッチンの吊り戸棚とは?
キッチンにある吊り戸棚とはどんなものかイメージできますか?
一般的に多いのは横長の箱状のもので、キッチンの天井や壁に取り付けられている棚のことを指します。
上部の空間を無駄なく利用し、収納目的として取り付けられているものなので、キッチンに立ったときに頭の上あたりに位置していることが多いでしょう。
近年では、吊り戸棚の種類が豊富になり、自動的に上から目線あたりまで降りてくる電動昇降タイプもあります。
吊り戸棚があることで収納量が増えるのですが、実際は高い位置にあるために活用しきれていないというケースも少なくありません。
そのため、ひと昔前までは当たり前のように取り付けられていた吊り戸棚ですが、近年では新築やリフォームする際に「吊り戸棚のあり・なし」に悩む方が多くいらっしゃいます。
次項では、吊り戸棚がある場合とない場合、それぞれのメリット・デメリットについて考えてみましょう。
キッチンの吊り戸棚「あり派」メリットとデメリット
●吊り戸棚「あり」のメリット
キッチンの吊り戸棚は限られた中での貴重な収納スペースです。
吊り戸棚あり派の方の意見では、やはり抜群の収納力が大きな魅力となっています。
高い位置にあるために、毎日使うものよりも年に数回しか使わないようなグッズの収納に適しています。
ガスコンロや重箱、季節のイベント用品などをしまっておいたり、ラップやペーパーなど消耗品をストックする場所としても最適ですね。
▲吊り戸棚「あり」のデメリット
たくさん収納できるからと、なんでも詰め込んでしまうと、ただの物置き化してしまいます。
そうなると、ストックしたはずのものを忘れてしまい、また買い足してしまうなんてこともあるかもしれません。
吊り戸棚は、上手に活用すればとても便利なものですが、やみくもに使うとデメリットが上回ってしまうので注意が必要です。
次項では、吊り戸棚「なし」のメリット・デメリットをご紹介します。
キッチンの吊り戸棚「なし派」メリットとデメリット
キッチンの吊り戸棚「なし派」の方の意見では、その必要性に疑問を感じている方が多いようです。
高い位置にある吊り戸棚は、物の出し入れに踏台などを必要とするケースが多く、使い勝手の悪さを指摘する声もあります。
●吊り戸棚「なし」のメリット
まずは、なんといっても見た目の問題が大きいですね。
吊り戸棚がないことで、開放感ある広々とした印象になるでしょう。
また、「入れておいて忘れてしまった」という状況を防げます。
▲吊り戸棚「なし」のデメリット
収納量は、かなり減ります。
物を増やさないよう意識をしたり、工夫をした収納をする必要があります。
しかし、このデメリットは、余分なものを買わなくなったり、片付けの習慣がつくなどのメリットにも繋がるかもしれません。
次項からは、吊り戸棚がなくても収納面のデメリットをカバーする方法をご紹介します。
吊り戸棚なし!デメリットの収納力をカバーするには?
キッチンの吊り戸棚「なし」では、収納量が減るというデメリットがありました。
そんなデメリットも、いくつかの方法でカバーすることができますよ。
①背面収納を活用
背面収納を有効に活用しましょう。
新築やリフォームでは、背面の壁一面に造り付けの収納を完備すると、十分なスペースを確保できるでしょう。
その際は、オーブンや炊飯器の収納場所も考えておくことをおすすめします。
また、腰丈の高さの収納棚がある場合は、その上部にディスプレイ棚などを取り付けると、お気に入りの食器など見せる収納として活用できますよ。
②パントリーをつくる
収納だけを目的としたスペースであるパントリーがあると、食材のストックや調理グッズなどの保管に重宝します。
地震や災害の備えとしても、非常食や備蓄スペースとしても使えるので心強いですね。
新築やリフォームをする場合は、パントリーをつくることもおすすめです。
③システムキッチンの収納力
システムキッチンを選ぶ際は収納力に注目しましょう。
キャビネットの引き出しは、奥に入っているものまでしっかりと見えるので、収納されているものも一目瞭然です。
次項では、収納力に注目したおすすめのシステムキッチンをご紹介します。
吊り戸棚「なし」の収納力をカバーしてくれるシステムキッチン
近年のシステムキッチンは、収納面のことまでよく考えられている製品が多くあります。
【タカラスタンダード:レミュー】
タカラスタンダードのシステムキッチンは、いろいろとバリエーションがありますが、多くは引出しの奥も裏も最大限に使える多層設計がされています。
お箸などの小物から、鍋やフライパンまで収まるその収納力は見事なものです。
また、ホーローならではのマグネット力で、調味料ボックスやラックなどの収納グッズをどこでも貼り付けられるキッチンになっています。
汚れが落ちやすく、掃除が簡単なのもメリットの一つです。
【クリナップ:ステディア】
システムキッチン上で使う場所と頻度によって分類収納ができるように工夫されています。
スペースを無駄にすることなく、便利に使いやすい収納が実現できるでしょう。
L型のキッチンでは、コーナー部分はサッと引き出せるワゴンタイプの収納になっています。
このようなシステムキッチンを取り入れれば、吊り戸棚が「なし」というケースでも、その分の収納力をカバーすることができるでしょう。
新築や、リフォームで新たにシステムキッチンを購入する際は、ぜひ、このような収納面に注目してみてください。
キッチンの吊り戸棚を撤去するには?
現在お住まいの住宅で、吊り戸棚の必要性に悩んでいる方はいらっしゃいますか。
吊り戸棚は、重量に耐えるほどの強度のある壁面や天井に固定ネジで設置されているはずです。
DIY上級者にもなると、ご自身で吊り戸棚の撤去をこなしてしまう方もいらっしゃいますが、見た目によらず空っぽになった状態の棚でも重たいものです。
また、クロスの張り替えが必要になったり、配線が出てきたりすることもあるので、できるだけ業者の方に依頼することをおすすめします。
費用は、戸棚の大きさや形状、壁や天井の処理方法によって変わるので一概には言えませんが、吊り戸棚を撤去する費用と、撤去後の処理として内装工事費、そして廃材の処理費が掛かってくるでしょう。
また、撤去部分の仕上げをイメージしておくことも大切です。
クロス仕上げにするのか、タイル仕上げにするのかでも、キッチンの雰囲気は大きく変わってきます。
信頼のおける業者さんへ見積りを依頼して、仕上げなどについても相談してみることをおすすめします。
吊り戸棚「なし」のデメリットよりもメリットが上回る!?
吊り戸棚がないことで、お部屋を広く感じることができ、家族のコミュニケーションも取りやすくなるでしょう。
問題となるのは収納力ですが、キッチンの限られたスペースの中でも収納面に着目することで、十分な収納スペースを確保することは可能です。
高い位置にあって活用が難しい吊り戸棚より、手の届く範囲での分かりやすい収納の方が使いやすいかもしれませんね。
吊り戸棚の必要性に悩んだら、なくしてみるのもアリかもしれません。
今後の使い勝手の良さと住み心地を考え、ぜひ検討してみてください。