新築でキッチンを選ぶ時、またはリフォームでキッチンを新しくする時は、どのような基準で選んでいますか?
おしゃれな見ためや機能性、使い勝手の良さや価格帯ということもありますよね。
今回は、キッチンのシンクの中でも使いやすいと評判のステンレスシンクについてご紹介します。
広く普及しているステンレスシンクのメリットやデメリットを押さえて、使いやすいキッチンを選びましょう。
キッチンのシンクにはどんな種類がある?
ステンレスシンクについてご紹介する前に、キッチンのシンクにはどのような種類があるのかを見ていきましょう。
数十年前まではシンクといえばステンレスが基本でしたが、近年は人工大理石、人造大理石、ホーローなど選択肢がたくさんあります。
人工大理石は、アクリル樹脂やポリエステル樹脂を主要な成分とした、大理石風の素材です。
人造大理石は、粉砕した大理石をセメントや樹脂で固めたもので、成分に大理石は使われているものの天然ではなく人の手が入った素材です。
人工大理石や人造大理石のシンクは、見ための美しさやカラー展開が豊富なことから「様々な形のキッチンに合わせやすい」と、年々選ぶ方が増えています。
水の音が静かなのも良いですね。
ホーローは、金属素材の表面にガラスを高温で焼き付けた素材で、海外では一般的ですが日本ではほとんどが輸入品で扱われています。
見ためは非常に美しいのですが、硬いことと傷が付きやすいことから選ばれることが少なくなっているのでしょう。
このように、様々な素材のシンクが誕生している中でもステンレスシンクは変わらず人気を誇っています。
その魅力はどこにあるのでしょうか?
ステンレスのシンクにはこんなメリットが!
それでは、まずはステンレスシンクのメリットから見ていきましょう。
ステンレスシンクの最大のメリットは、他の材質と比べると全体的に強いということでしょう。
「強い」というのは、サビに強い、熱い鍋などの熱に強い、汚れも臭いも落としやすい、というキッチンで起こり得る可能性のほとんどに対して言えることです。
ステンレスは汚れが染みこみにくいので、汚れたとしても表面をササッと洗剤で掃除するだけで簡単にキレイにすることができます。
カビも付きにくく衛生的に保てて、臭いがつきにくいのも生ゴミなど臭いの出るものが多いキッチンならではのメリットですよね。
また、全体的に柔らかいので、食器を落としても割れる確率が低いことも挙げられますね。
さらに、他の材質では醤油やお茶をこぼした時にシミが付いてしまうことがあるのですが、ステンレスだとシミになることはほとんどありません。
万が一シミが付いたとしても、落とすのが比較的簡単なこともメリットと言えるでしょう。
ステンレスシンクはとにかく他の材質と比べて丈夫なので、それほど神経質にならずに使えるのが嬉しいですね。
ステンレスのシンクはデメリットもしっかりと押さえて
ステンレスシンクは他の材質と比べるとメリットの方が多いことは間違いありません。
しかし、もちろんいくつかはデメリットもありますのでご紹介していきますね。
まず、ステンレスシンクは人工大理石などのシンクと比べると、どうしても暗く見えてしまうことがあります。
そのため、「おしゃれなキッチンに見えにくい」ということがデメリットだと感じる方はいらっしゃるかもしれません。
また、メリットではサビが付きにくいことを挙げましたが、お鍋や缶などのもらいいサビが付くことはあります。
このもらいサビは簡単に取れるものではありません。
「サビに強いから」とつい使った鉄鍋や食品の缶などを放置しておくと、そのままサビが付いて中々取れなくなってしまう可能性もありますので、十分に注意するようにしましょう。
また、掃除を怠ると汚れや水垢が白く残ってしまうことがありますので、こちらも注意が必要です。
しかし、見ための問題を除けば、どれもこれも日常的なお手入れで十分に避けられることばかりですよね。
キレイなキッチンを保つためにも、キッチンはこまめに掃除をすることが大切です。
キッチンのシンクに合ったワークトップの選び方
キッチンのシンクを選ぶ時には、ワークトップ(天板)との合わせ方も重要となります。
ワークトップにはシンクよりもさらに多くの種類があり、ステンレスや人工大理石の他にも天然石やタイルなどがあります。
天然石は、重厚感があり人気も高いのですが輸入品であることが多く、費用の問題から取り入れることを断念する方が多くいらっしゃいます。
タイルは、耐水や耐熱などキッチンで扱いやすい素材である反面、目地部分が汚れることを考慮してワークトップ以外に使用する方が多くなっています。
これらのことから、現在はステンレスと人工大理石のどちらかを選択する場合が一番多い、と言えるでしょう。
ステンレスのシンクを選ぶ数少ないデメリットとして、どうしても印象が暗くなることはお伝えしましたが、その理由からワークトップだけは人工大理石を取り入れたいと考える方は多いです。
しかし、その場合に注意したいのがワークトップとシンクの継ぎ目部分です。
異なる素材のワークトップとシンクを取り入れると、どうしても継ぎ目部分に汚れが溜まってしまい、場合によってはサビが出てしまうこともあります。
もちろん、継ぎ目については各メーカーが目立たないように、汚れが溜まらないように工夫を重ねた商品が出ていますが、やはり素材が全て一体型のキッチンと比べると気を遣わなくてはなりませんよね。
ワークトップは、できるだけシンクの素材と合わせた方が安心でしょう。
ステンレスシンクとワークトップの表面加工はどのタイプがおすすめ?
さて、ステンレスワークトップとシンクの表面加工にはいくつかの種類があるのをご存知でしょうか?
ワークトップの代表的な加工方法としては、エンボス加工、ヘアライン加工、バイブレーション加工に分かれています。
一般的なキッチンのシンクに関しては、通常「プレス加工」という金型でプレスしたままのツルリとした状態のものが標準です。
しかしながら、近年はオーダーやオプション扱いでワークトップと同じように加工を選べるメーカーが出てきました。
エンボス加工は、全体に凹凸があり汚れが付着しにくいのが特徴です。
ヘアライン加工は、文字通り髪の毛のように細いラインが一方方向へ走っているもので、輝きが強く美しいのが特徴です
そして、バイブレーション加工は、ヘアラインと同じような細かいラインがランダムに入っているもので、傷が目立ちにくいのが特徴となります。
表面加工については好みの問題もありますが、掃除が苦手という方や汚れの付着を防ぎたいという方は、エンボス加工が向いているでしょう。
見ための美しさを取り入れたい、掃除を毎日しっかりと行うという方は、ヘアライン加工でもキレイに保つことができそうです。
また、細かな傷が気になる方や、ゴシゴシと強く掃除をする方にはバイブレーション加工が気を遣わずに使用できて相性が良いと考えられます。
実際に比べてみると、同じステンレスでも加工方法によって見え方が大きく違います。
ぜひ一度、実物を比較して選ぶことをおすすめします。
キッチンのステンレスシンクを美しく保つには?
最後に、ステンレスシンクを美しいまま保つためのお手入れ方法をご紹介します。
まず一番効果的なのは、やはり掃除をしっかりとすることです。
ステンレスのシンクは水にも熱にも強いのですが、水を使ってそのままにしておくと水垢やせっけんの残りカスが白くなってシンク内に残る可能性があります。
一日の終わりにはしっかりと掃除をして水滴まで拭きとることが理想的です。
しかし、それでも水垢などが付いてしまうことがありますから、その場合には重曹やクエン酸を使った掃除が非常に効果的です。
また、少し頑固な汚れであれば専用の洗剤を使用した方が良いでしょう。
ウタマロせっけんで有名な東邦の「ウタマロクリーナー」は、中性で手にやさしいのにキッチンの汚れ落としには定評があります。
一般的にはクレンザーを使用している方も多いかもしれませんが、クレンザーには研磨剤が入っているためシンクに細かい傷が付くので、使い方に注意が必要となります。
クレンザーを使用する時には、粉ではなくクリームタイプを使用して、成分表示の研磨剤が20%程度のものを選んだ方が研磨率が低く、安心して使用することができます。
さらに、しつこい汚れの場合には漂白剤を使用したくなることもありますが、漂白剤はステンレスを白く曇らせてしまう可能性があります。
漂白剤の使用は避けて、できるだけ日常的なお手入れで頑固な汚れを付けないように気を付けたいですね。
シンクひとつでも十分にこだわって
キッチンは日に何度も立つ場所ですから、できるだけストレスなく使いたいですよね。
しかし、デザインが気に入らないと、せっかく使い勝手が良いものを選んでも「使いたくない」という気持ちになるかもしれないので、それではなんの意味もありません。
第一に使い勝手、第二に好みのデザインで価格帯も無理がない、自分にとって一番良いキッチンシンクを選んでみてくださいね。