一般的な家庭では、キッチンとリビングダイニングの床は同じ素材であることがほとんどですよね。
しかし、近年ではキッチンだけをタイルにしているおしゃれな住宅も増えています。
キッチンは主婦にとって長い時間を過ごす場所ですから、おしゃれさも使い勝手の良さも両方手に入れたいものです。
今回はキッチンの床をタイルにするメリット・デメリットや、おすすめのタイルをまとめてみました。
キッチンの床をタイルにするメリットとは?
キッチンの床をタイルにするには、どのようなメリットがあるのでしょうか?
まず、何といっても大きいのは、おしゃれなキッチンを作れるということでしょう。
リビングやダイニングと一線を画して、空気がガラリと変わるのも素敵ですよね。
しかし、タイルはおしゃれなだけではなく、実用的なメリットもたくさんあります。
まず、タイルは耐久性・耐水性に優れていて、傷がつきにくく掃除がしやすい素材です。
食器洗い中の水はねがあっても調理中に何かをこぼしてしまっても、沁み込むことはなく、簡単に拭き取ることができるので安心です。
素材が硬く頑丈なので、何かをぶつけてしまっても傷が付くことはほとんどありません。
このようなことから、ある程度の期間が経過しても、美しいままのキッチンを保つことができます。
例えば食器棚など大きな家具を移動する時も、傷が付かないので安心して模様替えすることができますね。
また、キッチンは火を使う場所ですので、夏にはエアコンをかけていてもキッチンだけが暑いということはありますよね。
そんな時、床がタイルだとフローリングよりも涼しさを感じることができます。
さらに、タイルは化学物質を含んでいない素材のため、シックハウス症候群の対策になることも大きなメリットと言えます。
キッチンの床がタイルであるデメリット
キッチンの床をタイルにすることはメリットだらけのように感じますが、デメリットもあるのでしょうか?
基本的にはタイルはキッチンに使いやすい素材なのですが、メリットがそのままデメリットとなっている場合があります。
例えば、硬くて丈夫であることです。
これは、食器を落とした時に粉々に砕けやすい、というデメリットになります。
転んで頭を打った時なども、素材が硬いのでフローリングよりも怪我をしやすい可能性があります。
夏に涼しくて嬉しいタイルも、冬には寒くて失敗だという考え方もあります。
そして、タイル自体は汚れにくい素材なのですが、目地(タイルとタイルの継ぎ目、隙間)は汚れやすくカビが生える可能性があるというのもデメリットと言えます。
「あまり汚れないから」ということで掃除を怠ってしまっては、せっかくのおしゃれなタイルに自分でカビを生やす機会を与えてしまうことにもなりかねません。
また、タイルは導入する時、フローリングと比べてしまうと金額が高くなってしまう可能性があります。
こうして見ると、デメリットも意外に多いように思えますが、実際には使い方次第で防げるものも多いのです。
デメリットから考える!キッチンの床へおすすめのタイルとは?
キッチンの床に使うタイルは、どのようなものを選ぶと良いのでしょうか?
前項でデメリットを挙げましたが、おすすめのタイルというのはデメリットを上手にカバーできるということでもあります。
・滑りにくいもの
・汚れが目立たない色
この2点を踏まえて選ぶことで、キッチンでも使いやすいタイルを選ぶことができます。
素材ばかりは写真では分からないため、実際に使用されているショールームなどで、歩き心地を体験できると良いですね。
目地に関しては、ダークグレーなど汚れが目立たない色を選んだり、防汚目地材を使用しているものを選ぶと良いでしょう。
キッチンの床で特に人気が高いのは、やさしく暖かみのある色のテラコッタタイルです。
1枚1枚風合いが違うので、おしゃれでありながら汚れが目立たないことが特徴ですね。
ただし、本物のテラコッタタイルは素焼きのため、空気孔が多く耐水ではなく吸水性に富んでいて、タイルのメリットからは少し外れている部分もあります。
掃除のことなどを考えて、キッチンにはアレンジされた日本独自のテラコッタ風やテラコッタ調タイルが向いている、という考え方もあります。
しかし、本物のテラコッタタイルは「年季の入った汚れも味があって良い」という考え方がありますし、冬でも冷たくなりすぎないので、キッチンには向いている商品なのかもしれません。
キッチンのタイルのお手入れ方法とは?
「キッチンの床をタイルにすると汚れにくい」とご紹介しましたが、ずっとキレイに保つためには、やはりお手入れもしっかりとする必要があります。
特に目地に関しては汚れやすいので、早めの対処をすることで防げるものもあるでしょう。
ここでは、キッチンの床をタイルにした時のお手入れ方法をご紹介します。
まず、通常時のお手入れは軽く水拭きをするだけで十分です。
ホコリや髪の毛などが目立つ時には、掃き掃除をしてから水拭きをしましょう。
汚れが目立つ場合には、中性洗剤を薄めて拭き掃除をしてみます。
洗剤が残っていると滑ることもありますから、後からしっかりと水拭きで拭き取るようにしてくださいね。
また、部分的に強い汚れが付いている時は、メラミンなどの研磨スポンジが役に立ちます。
目地が汚れた時にはすぐに拭き取るようにしますが、汚れが染みこんでしまった場合には塩素系の漂白剤を使用するようにしましょう。
キッチンペーパーなどに漂白剤を浸し、汚れ部分に5分程度被せるようにします。
汚れが浮いてきたら、軽く布でたたくように拭き取ることで落ちやすくなります。
タイルはお手入れが簡単だからこそ、こまめに掃除をすることでずっとキレイさを保つことができますよ。
タイルとフロアタイルはどう違うの?
さて、ここまでは一般的なタイル=焼き物の陶磁器についてご紹介してきました。
しかし、新築やリノベーションを考えている時に「フロアタイル」という言葉を聞いたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ここではタイルとは違うフロアタイルについて見ていきましょう。
フロアタイルは焼き物ではなく、タイル状に切り取って貼ることができる塩ビ素材の床材です。
とは言え、柄や質感、凹凸などもしっかりと本物のように再現されるため、見た目は本物のタイルのように見えて、とてもおしゃれなものです。
近年では種類も豊富になり、色やデザインがたくさんあるので好みのものが見つかりやすく、人気も高くなっています。
フロアタイルの利点は、タイルと同じように耐水性に優れていて汚れにくく、お手入れがしやすいことです。
また、フローリングなどの床材と比べれば冷たいかもしれませんが、本物のタイルと比べると冷たさが大きく軽減されるため、キッチンの床としてはバランスの取れている素材だと考えられます。
「見た目をタイル調にしたいけど、特に本物にこだわるわけではないし、冷たさを軽減したい」という場合は、フロアタイルを視野に入れてみるのも良いのではないでしょうか?
キッチンの床をタイルへDIYできる?
「キッチンの床をタイルにしたい」と思った時、自分で貼ることは可能なのでしょうか?
ある程度の知識や心得がある方であれば、自分で施工することもできないわけではありません。
しかし、タイルは必ずしもピッタリに置けるとは限りませんので、カットなど高度な技や専門の道具が必要になることも多いため、やはり専門家に任せることを強くおすすめします。
しかし、先ほどご紹介したフロアタイルや、敷くだけのクッションフロアならば、簡単にDIYをすることができます。
特に、一番本物に質感が近いフロアタイルは、実はDIYでも一番おすすめしたい素材と言えます。
クッションフロアはお手入れ自体は簡単で良いのですが、タイルやフロアタイルのように硬くないのでへこみが付きやすいと言えます。
また、汚れが付いて取れない時には、全体を取り換えなくてはなりません。
一方、フロアタイルはそれぞれピースが分かれているため、汚れが取れなくても一部分だけを取り換えれば良いので、メンテナンス費用がグッと下がります。
ただし、フローリングなどの上にそのまま貼る場合には注意が必要となります。
フロアタイル自体は耐水性がありますが、ピースが分かれているため水をこぼした時などは隙間から水が下へ染みこんでしまうことがあります。
自分で貼る場合には、デメリットもしっかりと確認した上で行うようにしてみてくださいね。
キッチンに立つのが楽しくなるようにしよう!
タイルについてメリットとデメリットを確認しましたが、その上で改めてキッチンの床にタイルは、とてもおすすめできる素材です。
デメリットに関して、自分で対策できるものが多いことも理由のひとつです。
それ以上に、やはりキッチンは「立つことを楽しめる場所」であってほしいと考えます。
自分だけのおしゃれで楽しいキッチンを作れるように、床材で少しだけ冒険してみるのも良いのではないでしょうか?