何気なくお布団を裏返したら、黒ずんでいた経験はありませんか?
もしかすると、それは「カビ」かもしれません。
「カビは高温に弱い」と言われているので、その理屈がお布団にも通用すれば良いですよね。
そこで今回は、熱を加えることのできるアイロンが、カビを退治できるのかという点についてお伝えします。
また、アイロンはダニに効果的なので、その点についても触れていきます。
何故カビ退治にアイロンを取り上げたのか
お布団のカビはアイロンで取れるのか、気になるところですが、「そもそも何故アイロン?」と思われた方もいるかもしれません。
食品であれば、フライパンや電子レンジなど、熱を加える手段が多いですが、お布団に使われている綿やポリエステルなどの素材に、熱を加える手段は限られています。
その手段は、恐らくアイロンくらいではないでしょうか。
何故なら、アイロンは家庭にあるものとしては貴重な、100℃をゆうに超える温度に到達する器具なのです。
つまり、アイロンを熱を加える機器として使用し、効果があるのかを探っていきます。
それではまず、熱に対するカビの耐性についてですが、通常カビは60℃を超える環境では死滅します。
しかし、すぐに死滅する訳ではありません。
完全に死滅させるには、30分ほど温め続けなければなりません。
ただ、アイロンを30分当て続けると、お布団の素材が燃える可能性があります。
そのため、カビ退治にアイロンを使うのは現実的ではなく、おすすめしません。
しかし、同じお布団に付着しやすい「ダニ退治」としては効果的です。
その理由を次項でお伝えします。
お布団に付着するダニの特徴
お布団にダニが付着していると嫌ですよね。
何故カビ退治は不可能で、ダニ退治は可能なのでしょう。
それは、ダニの特徴が関係しています。
先ほどもお伝えした通り、カビは熱し続けないと死滅しませんが、ダニは60℃を超える熱に触れた瞬間に死滅します。
そのため、お布団の素材が燃える心配もなく、アイロンが非常に効果的です。
屋内ダニと呼ばれる、部屋の中で生息するダニは6種類と言われていますが、そのほとんどはチリダニです。
チリダニそのものは人間を刺したりはしないのですが、チリダニの糞や死骸がアレルギー疾患に影響してしまうことがあります。
さらに、チリダニの死骸が別のダニの餌になるので、ダニの増殖にも繋がります。
そのため、ダニ退治はダニを死滅させるだけでなく、ダニの死骸も取り除かなければいけません。
そこで次章から、アイロンと掃除機を組み合わせた駆除方法をお伝えします。
お布団のダニ退治にはアイロンと掃除機を使う
まず、ダニ退治をするときには、窓を開けて換気をしてから行いましょう。
ダニ退治の手順は「部屋を暗くする」「スチームモードでアイロンをかける」「掃除機で吸引する」の3つになります。
【ダニ退治の手順】
①部屋を暗くする
まず、部屋を暗くする理由は、ダニは夜行性であるためです。
定番の手法ですが、昼であればカーテンを閉め、夜であれば電気を消して1時間ほど放置してください。
すると、ダニがお布団の表面に出てきます。
②スチームモードでアイロンをかける
部屋を暗くしてから1時間経って、ダニがお布団の表面に出てきたところに、スチームモードでアイロンをかけます。
高温のアイロンを、そのままお布団に当てるのは危険なので、水で濡らして絞ったタオルを当て布として使ってください。
ダニはカビと違い、60℃を超えれば瞬時に死滅するので、スチームを強にして当ててください。
③掃除機で吸引する
アイロンがけが終わったら、掃除機で死滅したダニを吸引しましょう。
スチームとドライの使い分け
アイロンの使い方についてもう少しお話ししていきましょう。
先ほど、お布団のダニ退治法の中では、「スチームモードを使う」とお伝えしました。
昔はドライアイロンとスチームアイロンの2つがありましたが、近年ではどちらも装備しているモデルが多いです。
しかし、ドライモードとスチームモードは、どのようにして使い分けるのでしょう。
まず、ドライモードは熱とアイロンを持つ手から発生する力を利用してシワを伸ばすのが特徴です。
それに対し、スチームモードは蒸気でシワを伸ばすのが特徴です。
ドライモードは、布団や衣類などに使われることが多い、綿・麻やポリエステルなどの合成繊維のシワを伸ばすときにおすすめです。
一方スチームモードは、セーターやニットなどをふんわり仕上げたいときや、スカートの折り目をつけるときにおすすめです。
ただ、せっかくシワを伸ばしてもアイロンの保管状態が悪ければ衣類にカビが付着してしまいますので、次項では、アイロンにカビが生えないようにするにはどうすれば良いのかをお伝えします。
アイロンのカビ防止
突然ですが、アイロンのタンクに水を入れっぱなしにしたことはありませんか。
それが、カビの原因になります。
そこで最後に、水を入れっぱなしにしたときのタンク内の状態をお伝えします。
カビは、湿気が多い場所を好みます。
カビは常に大気中を浮遊しているため、アイロンの給水タンクを開けたときに大気と接触し、カビが侵入してきます。
そして、アイロンを使った後は、タンク内の水の温度も下がり、外気に近い温度になります。
カビは20℃から30℃が一番過ごしやすい環境なので、タンク内で増殖します。
ただ、黒ずんでいる状態にならないとカビが生息しているか肉眼で判断できません。
そのため、放置してしまい、いつの間にか黒ずむのです。
面倒ではありますが、アイロンがけが終わったら中の水を必ず捨てましょう。
そして、何度もすすぎ、乾いた布でしっかりと拭くことのを忘れないようにしてください。
お布団にも、同様のことが言えます。
湿気の溜まったお布団では、カビが生えやすくなりますから、きちんとした定期的なケアが必要になります。
お布団のカビ退治
ここまで、アイロンを使ったダニ退治の方法を見ていきましたが、お布団のカビ退治は結局どうすれば良いのでしょうか。
カビはアルカリ性に弱いです。
重曹は水に溶かすとアルカリ性になるので、カビ退治によく使われます。
そこで、重曹を使ったお布団のカビ退治法をお伝えします。
まず、カビ退治をするときには、ダニ退治の手順と同様に、窓を開けて換気をしてから行いましょう。
カビ退治の手順は「重曹水を吹きかける」「エタノールを吹きかける」「カビを拭き取る」の3つになります。
そのため、今回準備する物は「重曹」「水」「エタノール」「100均などで売っている霧吹き容器」の4つです。
【カビ退治の手順】
①重曹スプレーを吹きかける
まずは、重曹スプレーを作ります。
霧吹き容器に、水300mlに対し、重曹大さじ1杯の割合で入れましょう。
そして、完成した重曹スプレーを、カビが生えたお布団全体に吹きかけて、数分そのままにしておきます。
全体に吹きかける理由は、カビは見えなくても存在しているため、見えないカビまで除菌して、カビが生えない期間を長くするためです。
②エタノールを吹きかける
続いて、エタノールスプレーを作ります。
エタノールはそのまま霧吹き容器に入れて、お布団全体に吹きかけます。
数分後、カビが取れるようになっているので拭き取りましょう。
もしも、この方法でカビが拭き取れなければ、お布団クリーニングに出すことも検討してみましょう。
カビ退治には重曹を!ダニ退治にはアイロンを!
いかがでしたか。
今回アイロンがカビ退治に役立つと思い、ここに辿り着いた方もいるでしょう。
残念ながらカビ退治には役立ちませんが、ダニ退治には役立ちます。
カビ退治には重曹で、ダニ退治にはアイロンです。
どちらの方法も簡単なので、是非試してみてください。