普段寝ているお布団に、細かな黒いシミを見つけてしまったら、その正体は「カビ」です。
お布団のカビは、些細なことから発生しやすくなるため、注意が必要になります。
見た目が悪くなるだけでなく、健康被害の恐れもありますから、適切に対処していきましょう。
そこでこの記事では、カビの発生原因や落とし方、予防策などをご紹介します。
お布団にカビ!その発生原因とは?
お布団は、定期的にケアしていますか?
「お布団を干すのが面倒くさい」「忙しくて家にあまり帰れていない」など、このようなケースが当てはまる方は要注意です。
もしかしたら、お布団にカビが発生しているかもしれません。
お布団にカビが発生する条件は、以下の通りです。
<温度>20~30℃
中でも、25℃前後が最も発生しやすくなります。
また、0~50℃程度であれば、カビは活動することができません。
<湿度>60%以上
湿気が溜まると、部屋全体の湿度も上がっていきます。
<栄養源>タンパク質・脂質
カビは植物に分類されますが、光合成ができません。
そのため、外部からの栄養源を必要とします。
タンパク質や脂質だけでなく、ホコリなどのゴミやダニのふんなども栄養源となります。
この3つの条件が揃いやすいお布団は、カビの温床となりやすいため、こまめなチェックが必要です。
そして、お布団にカビを見つけたときは、早急に落としたほうがいいでしょう。
すぐに対処しなければ、眠っている数時間のあいだ、ずっとカビの胞子を吸い込んでしまうことになります。
お布団に生えるカビの種類
前章では、お布団にはカビが発生しやすいことが分かりました。
しかし、発生しやすいからと言って、そのまま放置してしまうことは危険です。
なぜなら、カビの胞子を吸い込むことで、アレルギーや病気を引き起こす可能性があるからです。
そのため、適切に落としていくことが大切になります。
お布団に生えるカビは、主に4種類です。
まずは、それぞれの特徴を把握しておきましょう。
■クロカビ:学名 クラドスポリウム(Cladosporium)
<色>黒くて斑点状になる
室内に生えた黒色のカビのほとんどは、このクロカビだと言ってもいいでしょう。
呼吸器系アレルギーの原因になることがあり、こどもが吸い込んでしまうことで、小児アレルギーを発症する危険性があります。
また、気温や湿度の変化に強く、防カビ剤が効かないこともあるので厄介です。
■ススカビ:学名 アルテルナリア(Alternaria)
<色>黒くてスス状になる
クロカビと同様に、身近にあるカビ菌で、気管支喘息や過敏性肺臓炎の原因になります。
ススカビの胞子は軽くて浮遊しやすいことから、皮膚真菌症や角膜炎、副鼻腔炎を発症することもあります。
■コウジカビ:学名 アスペルギルス (Aspergillus)
<色>白・黄色・緑・黒といった、さまざまな色に変化する
気管支肺アスペルギルス症や、呼吸器アレルギーの原因になることがあります。
さらに、アフラトキシンというカビ毒が発生することで、肝臓がんなどを引き起こす可能性があるとされています。
■黒色酵母:学名 アウレオバシジウム(Aureobasidium)
<色>白から黒に変化していく
黒色酵母の胞子を吸い込むことで、過敏性肺炎に発展していくことがあり、紫外線や乾燥に強いという特性があります。
お布団のカビを落としたい!自分で取り除く方法①敷布団
お布団にカビが生えていることを確認したら、まずは自分で対処してみましょう。
敷布団にカビが生えていたときは、以下の方法で落としてみてください。
●必要なもの:キッチンペーパー・スポンジ・重曹スプレー・エタノールスプレー
重曹スプレーとエタノールスプレーは、市販のものでも構いませんが、自分でつくることもできます。
●重曹スプレーのつくり方
重曹小さじ1と、ぬるま湯100mlをスプレーボトルに入れてよく混ぜます。
●エタノールスプレーのつくり方
消毒用エタノール大さじ5と、水20mlをスプレーボトルに入れてよく混ぜます。
<敷布団のカビを落とす方法>
①水で湿らせたキッチンペーパーで、敷布団の表面に付着しているカビを拭き取ります。
②そこに重曹スプレーを散布して、少しの時間放置します。
③カビが浮き出たところで、スポンジを使って撫でるように洗い、天日干しをします。
④エタノールスプレーで、仕上げの殺菌処理をおこないます。
⑤最後にもう一度天日干しをして、作業完了です。
お布団のカビを落としたい!自分で取り除く方法②布団カバー
次にご紹介するのは、布団カバーに生えたカビの落とし方です。
布団カバーであれば、丸洗いすることができるので、漂白剤を使ってカビを除去しましょう。
使用する漂白剤は、色柄ものであれば「酸素系漂白剤」を、白くて柄のないものであれば「塩素系漂白剤」を選んでください。
●必要なもの:漂白剤・ゴム手袋・マスク・大きめなバケツ・熱いお湯・古い歯ブラシ
<布団カバーのカビを落とす方法>
①漂白剤を使うため、窓を開けて換気をしながらおこない、必ずゴム手袋とマスクを着用しましょう。
②バケツに布団カバーを入れて、用意した漂白剤の規定通りの分量と時間で浸け置きします。
③浸け置きしたあと、カビの生えた部分を歯ブラシでこすります。
④通常と同じように、洗濯機で洗います。
⑤最後に天日干しをして、完全に乾いたら作業完了です。
カビの発生を防ぐために、対策を学ぶ!
前章では、お布団に生えたカビの落とし方をご紹介しました。
適切に対処したあとは、効果的なカビ対策を学びましょう。
<こまめな天日干し>
天日干しをすることで、殺菌効果を得ることができます。
また、自然風を当てて、お布団にこもっている湿気を飛ばすことも大切です。
<すのこを利用する>
お布団を直に敷いていると、湿気が溜まりやすくなります。
そのため、「すのこ」を利用して、お布団と床のあいだに隙間をつくってください。
通気性をよくすることで、カビが生えにくくなります。
<除湿シートを利用する>
市販の除湿シートには、さまざまなタイプがあります。
中でも、「シリカゲル」を使用したシートは定番です。
吸湿量だけでなく、消臭性にも優れており、乾燥させることで何度も繰り返し使えるのが嬉しいポイントでしょう。
落としにくい頑固なカビには「お布団クリーニング」
今回ご紹介した方法で、お布団のカビが落とせなかった方は、プロに頼んでみることも検討してみましょう。
たとえ頑固なカビであっても、きれいに落としてくれるはずです。
「お布団クリーニング」のサービスは、宅配であれば、気軽に頼むことができますね。
送料が無料になっている業者もありますので、ネットを中心に探してみるといいでしょう。
そして、注文する際には、対応しているお布団の種類とサイズを確認してください。
通常であれば、「木綿布団」「羊毛布団」「羽毛布団」には、対応していることが多いでしょう。
また、カビ取り作業がオプションになっていることもあるため、追加料金が発生してしまう場合もあります。
そのため、事前によく料金システムを把握しておくことも大切です。
お布団のカビはすぐに落としたほうがいい!
今回は、お布団に生えてしまうカビについてお話ししました。
お布団に発生したカビは、そのまま放置することでどんどん増殖し、最悪は健康被害につながる恐れがあります。
そのため、発見時には早急な対処が必要です。
この記事でご紹介した対処法や、お布団クリーニングを利用して、快適な睡眠環境を取り戻しましょう。