インテリアとしてグリーンを吊るしてみませんか?
グリーンを吊るすと場所を取りません。
重さがネックとなって自然とボリュームが抑えられるので、小さめなグリーンが中心となりますが、扱いが楽ですし、宙に浮いているのでお掃除も楽、と良いこと尽くめです。
ひとつでも絵になりますし、たくさん吊るせばとてもおしゃれな雰囲気になります。
単にグリーンを吊るすだけなのに奥は深く、現在ではたくさんの方が吊るすインテリアグリーンを楽しんでいます。
インテリアグリーンの基本は一輪挿し
一番簡単で気軽に始められるインテリアグリーンは、一輪挿しではないでしょうか。
花瓶に花を一本挿すだけで良いという手軽さですが、ほんの一輪花があるだけでも、驚くほど空間が生き生きしてきます。
花は、好きなものを選びましょう。
花瓶は、空いた小瓶に麻ひもを巻いて下げるだけでも良いのです。
もちろん、お店に出向いて花瓶を選んでも良いですし、ネットで「一輪挿し」「吊るす花瓶」等で探せば魅力的な花瓶がたくさん出てきます。
壁にぴったりくっつけたければ、壁と一体感が出るような半円形の花瓶が安定します。
とは言え、小さめであまり丸いものでなければ、どんな花瓶でも大丈夫です。
一方、空間に吊るして立体的な姿を楽しみたいなら、形の自由なガラス製品が豊富にあります。
ワイヤーや紐の形も面白いので、花瓶選びから楽しむことができますよ。
インテリアグリーンを育てるならハイドロカルチャー
小さくても植物を育ててみたいという方には、ハイドロカルチャーがお勧めです。
ハイドロカルチャーは直訳すると「水耕栽培」です。
土を使わないので汚れず衛生的で、室内で育てるのに向いています。
ただ、植物が根を張るための土台は必要ですので、土に代わる植え込み材を使います。
植え込み材には、木炭、炭から作ったネオコール、レンガでできたレカトン、熱帯魚の水槽にも使われるゼオライトなどがあります。
どれも保湿力が高く、多孔質で水を浄化する性質を持ち、高温で処理されているので衛生的です。
他にもハイドロカルチャー用のゼリーボールや、ビー玉も土の代わりにすることができます。
ただ、投げ入れの一輪挿しと違って、植え替えのひと手間が必要です。
植物を元気に育てるためには、根を傷めないようにそっと洗って土を落とし、丁寧に植え替えましょう。
どの植え込み材にするかはお好みですが、透明ガラスなら、植え込み材の質感も楽しむことができます。
木炭やレカトンなら岩のようなゴツゴツとした感触を、ネオコールやゼオライトならカラフルな砂の色を、ゼリーボールやビー玉ならその透明感を楽しめます。
ビー玉以外は保湿力が高いので、水が切れて2~3日経ってから水を足せば良く、土より手間がかからないのも嬉しいところです。
吊るすインテリアグリーンとしては、一番選択の幅が広く楽しめる方法です。
和テイストいっぱいの苔玉を吊るす
最近は苔玉も人気です。
もっとも、吊るすインテリアとしての苔玉は、江戸時代から「吊り忍(釣り忍・つりしのぶ)」の名前で親しまれてきました。
吊り忍とは、シダの仲間の「シノブ」の根を苔で包んで苔玉にしたものを吊るせるようにしたもので、夏の風物詩のひとつです。
シダの涼やかな葉っぱが夏に相応しく、乾燥にも強いので今も人気のグリーンです。
中には、下に風鈴が下げて売られているものもあります。
江戸ガラスの風鈴は見た目が華やかで可愛らしく、南部鉄の風鈴は涼しげな透き通った音で涼を感じさせてくれます。
そんな和のテイストたっぷりの苔玉ですが、意外にも吊るすと洋間の壁をおしゃれに飾ってくれるのです。
思ったより簡単に作れますので、自作するのもお勧めですよ。
苔玉を作るには、「乾燥水苔」「ケト土(盆栽用の土)7割+赤玉土(小粒)3割を混ぜた土」「木綿糸と吊り下げるための紐」があれば、簡単に作れます。
作り方は、まず植物を選んだら根から土を落とし、軽く長さを整えます。
次に、根に水苔を巻いて木綿糸で縛ります。
お団子にした土の真ん中に穴を開け、苔を巻き付けた根を差し込みます。
さらに土の周りに隙間無く水苔を貼り付け、お気に入りの紐で巻いていきます。
あとはしばらく水に浸し、したたらない程度に絞れば出来上がりです。
水やりは簡単で、数日おきに霧吹きで水をかけるか、苔玉が軽くなった時に水に浸ける程度で十分なのが嬉しいですね。
葉を楽しむ観葉植物を吊るす
さて、次は何を選んで吊るすかです。
ここでは、切り花ではなく、育てて楽しむ植物を考えていきましょう。
まず、インテリアグリーンとして最初に浮かぶのは、葉の形が美しい観葉植物です。
花のような華やかさはありませんが、葉の緑色が心を癒やしてくれます。
苔玉に向いているシダ類は、観葉植物の代表選手と言って良いでしょう。
色々な葉の形がありますが、たくさん並べて壁に吊るすと面白い絵になります。
小さな薄い葉がこんもり涼しげなアジアンタムは、シダの仲間です。
寒さには弱いですが、育てやすくずっと人気のある植物です。
また、枝垂れるタイプでは、何百種類もあると言われるヘデラ(愛称アイビー)が人気です。
緑に白の斑入りのもの、緑の濃いもの薄いもの、形も星形やハート型など色々な種類があり、長く伸びたヘデラを高いところから吊るすと、なかなかの存在感があります。
ヘデラ以外では、文字通りくるくる巻いたワイヤーのようなワイヤープランツや、カエデの葉のようなシュガーバイン、白い縁取りの小さな葉が可愛いプミラも良いですね。
大きめの葉を持つポトスも、ずっと人気の観葉植物です。
薄い黄緑色の葉は部屋を明るくしてくれますし、育てやすく、水に挿しておけば簡単に増えてくれるのも嬉しいポイントです。
ポトスのような大きめのものは水を良く吸うので、ハイドロカルチャー向きですが、そのほかの観葉植物は苔玉でもどちらにも向いています。
形を楽しむ多肉植物とエアプランツ
観葉植物以外なら、多肉植物とエアプランツが良いのではないでしょうか。
多肉植物は、単なる肉厚の葉のかたまりで少し無愛想な印象ですが、色と形が驚くほど多様です。
また、一見置物のようなのに、ある日突然、夢のように美しく繊細な花を咲かせるという意外性もあります。
テレパシー伝説を持つサボテンも多肉植物の仲間で、つい話しかけたくなるような魅力をこの仲間は持っています。
インテリアグリーンとして楽しむ時には、すぐ真横でその姿を楽しめるよう、目線と同じか少し見下ろすくらいの高さに吊るすのがポイントです。
苔玉にするも良いのですが、ハイドロカルチャーの方が葉の面白さが映えるのではないでしょうか。
エアプランツも最近人気があります。
エアプランツは、空気中の湿気を吸うだけで生きていけるという、面白い植物です。
一見枯れ草のような地味な姿ですが、こちらもまた目が覚めるような華やかな花を付けて驚かせてくれます。
土は必要としませんので、小さな籠や専用の花器に置いて吊るせば出来上がりです。
週に2回霧吹きで水を吹きかけ、月に1度水に4~5時間浸せば、元気に育ってくれます。
インテリアグリーンを吊るす場所の選び方
落ちてくる心配もありますので、インテリアグリーンを吊るすフックと場所は選びたいものです。
フックは、軽い物なら釘でも押しピンでも大丈夫ですが、お勧めはピンを数本打ち込んで支える額縁用のフックです。
数キロの重量にも耐えてくれますし、細いピンなので壁に大きな穴が開けずに済み、賃貸住宅でも安心です。
場所を選ぶ時は、あまり高温になったり乾燥したりするところを避け、落ちても影響の少ない場所を選びます。
室内に置かれると、植物はカーテン越しの優しい光の方を好みますので、窓から少し離れた場所を選ぶと良いでしょう。
カーテンレールは大変魅力的ですが、重さでレールが変形したり、カーテンにカビが生える可能性がありますので、避けた方が良い場所のひとつです。
お風呂場に植物を置くことには賛否両論あるようですが、高温多湿という意味ではシダ類に向いています。
ただ、お風呂場は冬場、夜中に室温が下がりすぎてしまう場所でもあります。
温度変化の激しい環境なので、植物の性質を良く理解してからの方が良いのではないでしょうか。
気軽に吊るしてグリーンと親しもう!
吊るすタイプのインテリアグリーンは、手間がかからず、気軽に始めることができるのが嬉しいところです。
ただ吊るすだけでおしゃれに見えますし、しかも掃除が楽というオマケ付きです。
インテリアグリーンは、百円均一のお店でも手に入るので手軽に始められます。
もっと気軽に、一輪挿しにフェイクグリーン、から始めるのも結構楽しいものですよ。
たくさん吊るして、遊びながら植物との生活を楽しんでくださいね。