畳にお布団を敷いて寝ている人は、毎日お布団をたたんでますか?
ベットのように、敷きっぱなしにしている人は多いのではないでしょうか。
その理由は、「毎日、畳んでいる時間がない」「収納するスペースがない」などが多いと思います。
たしかに楽ではありますが、畳にお布団を敷きっぱなしは良くありません。
ここでは、その理由を解説していきます。
なぜ畳にお布団を敷きっぱなしにするの?
昔に比べ、日本人もベットで寝る人が多くなってきていますが、現在でも畳にお布団を敷いて寝ている人は、意外に多いようです。
お布団を敷いて寝ている理由は、「ベットは腰痛に悪いから」「寝室が和室だから」「ベットを置くスペースがない」「子どもがまだ小さいから」などがあるようです。
その理由の中にはやむを得ず、万年床にしている人もいます。
朝起きた時、すぐにお布団をたたんで押入れやクローゼットにしまうと、収納場所に湿気が溜まってしまいます。
このことを気にして、お布団を敷きっぱなしにする人もいるそうなのです。
しかし、健康を気にしている人は1年中、敷きっぱなしにはしません。
晴れた日に、お布団をこまめに干している人も多いでしょう。
しかしながら、真の万年床の人は健康など気にせず「面倒くさい」が優先してしまっているようです。
寝ることに何も支障がなく、疲れた時にベットと同じようにそのまま横になることができるため、わざわざお布団を畳む必要がないという考えなのでしょう。
でも、実はお布団を敷きっぱなしにすると様々な問題が起こってしまうのです。
畳にお布団を敷きっぱなしにしてはいけない理由①
昔から、1年中お布団を敷きっぱなしにすることを「万年床」といいます。
この万年床の場合、お布団を干さないわけですから、お布団と畳の間に風を通すことはできません。
お布団には、通気を良くしてあげることが、なにより大切です。
なぜなら、人間は寝ている間に約コップ1杯分の汗をかくといわれています。
つまり毎日、コップ1杯分の汗がお布団にしみ込んでいるわけです。
お布団を敷きっぱなしにしていると当然、その汗の湿気はお布団の中にしみ込んだままになり、どこにも放出されないことになります。
そうなると、お布団はカビの温床となってしまいます。
この状態になると、お布団だけではなく、畳にまでカビが生えて最悪の事態になりかねません。
カビは、温度が20度から30度くらい・湿度70%から80%で、風通しの悪い、日光があたらないじめじめとしたところに生えてきます。
それに加えて、ほこりや皮脂、食べ物のカスなどが溜まっていて、掃除がきちんとされていない場所が大好きです。
このように、カビにとって「万年床」は絶好の住み家なのです。
畳にお布団を敷きっぱなしにしてはいけない理由②
カビの発生するプロセスは、寝ている間の汗をお布団が吸収し、吸収された汗が湿気となって、お布団の下のほうに溜まります。
さらに畳と触れることにより、その湿気を更に吸収してしまうのです。
結果、カビの繁殖となります。
また、カビだけではなく湿気を好む虫も発生しやすくなってしまいます。
当然、このような状態のお布団は、健康に良い訳がありません。
吸湿機能が高いお布団は、反対に湿気を多く含んでいても体感的に不快感が少ないので、どのくらい湿気を含んでいるのかわかりづらいこともあります。
一方、天然イグサの畳表は、空気を吸収・放出をし、湿気の調整をしてくれます。
しかし、新しい畳表には、このような機能の循環が悪く、湿気の吸収は優れているものの、放出機能がそれに伴わずに畳の中に湿気を溜め込んでしまう傾向にあります。
ですので、新しい畳よりも古い畳の方が、カビは発生しにくいといわれています。
しかし、どちらにしても、敷きっぱなしのお布団は畳にも大きな影響を与えてしまうのです。
「敷きっぱなし」で、身体にも影響が出てくる!?
お布団のお手入れをしていない「万年床」は、不潔になりがちです。
敷きっぱなしの「万年床」は、健康に良くないということがお分かり頂けたでしょうか。
畳の上に敷きっぱなしのお布団には、たくさんのほこりが溜まりやすくなっています。
ほこりは就寝後でも、床上30センチまでの高さまで舞っています。
ほこりが溜まると、ダニが発生しやすくなり、ほこりとダニで風邪やアレルギーなどの原因にもなりかねません。
また、お布団や畳に生えたカビが体内に入り込んで、炎症を起こすと肺炎になったり、花粉症のようなアレルギーを起こします。
これは、免疫力などとは関係がないので、環境によっていつでも起こりうることなのです。
さらに、肌荒れの原因にもなり、それに伴ってストレスを抱えがちになってしまい、精神面でもダメージを受けてしまいます。
1番怖いのは、「万年床」が大好きな「アスペルギルス・フミガータス」という恐ろしく危険なカビを大量に吸ってしまうことです。
「アスペルギルス・フミガータス」は、人の体温が適温で、枕や人と接触するお布団に生えやすいカビです。
強いアレルギー性の肺炎や、強い呼吸不全になる可能性もあるのカビなので、お布団の乾燥は怠らないようにしましょう。
このカビだけではなく、他のカビも発生させないためにも、お布団の敷きっぱなしは早く止めた方が良いでしょう。
万が一、お布団と畳にカビが生えてしまったら?
万年床の人は、敷きっぱなしのお布団の裏側を1度めくってみましょう。
もし、黒いポツポツを発見したら、それがカビです。
カビは1つできると、どんどん広がっていくので、見つけたら早めにカビを落としましょう。
軽度のカビなら、カビの生えている場所に、重曹スプレーで対応することができます。
重曹スプレーを、カビにかけて3分待ちます。
その後歯ブラシでこすり、最後にティッシュペーパーかキッチンペーパーなどで、水分を押し付けながら取ります。
次に、エタノールを含ませたティッシュをカビのあった箇所にあて、3分間放置した後に干して乾燥させます。
それでも落ちない場合は、クリーニングに出しましょう。
お布団のカビは、自分で落とす・クリーニングに出す・お布団ごと捨てる、という方法がありますが、畳は簡単にはいきません。
畳にカビを発見してしまったら、とっさに雑巾で拭き取ってしまいがちですが、それはNGです。
なぜなら、逆に湿気を与えてしまうからです。
軽度のカビなら、掃除機で吸い取ってから、雑巾で乾拭きを数回繰り返します。
また、酢を水で薄めたものを布に含ませて、優しくていねいに拭き、乾拭きをして乾燥させる方法もあります。
その他にも、エタノールを使用してカビを撤去することもできます。
その場合は、歯ブラシで軽く擦り掃除機をかけ、さらにエタノールを振りかけ除菌します。
最後は乾拭きをして、乾燥させます。
軽度なものなら自分でも除去することができますが、黒く広範囲に渡るカビなら、専門業者に相談してみましょう。
ズバリ!予防対策!
お布団と畳にカビを発生させない1番簡単な予防策は、やはりお布団を天日干しすることです。
敷きっぱなしのお布団は、日光浴をさせてあげましょう。
しかし、天気の悪い日や梅雨時には天日干しはできませんよね。
そんな時は、お布団乾燥機やエアコンの除湿モードなどを活用して、お布団と畳に溜まった湿気を追い出しましょう。
そして、部屋の換気も忘れずに行います。
部屋の窓やドアを開けたり、換気扇を回すことも部屋全体の換気になります。
雨の日や寒い日でも換気をすることによって、部屋の空気の流れ道を作って湿度を下げることができます。
空気の流れ道を作ることによって、湿気を防ぐことができるので、畳にすのこを置くのも良いでしょう。
その場合、すのことお布団の間に空気の通り道ができませんので、すのことお布団の間に、除湿シートを敷くことをおすすめします。
除湿シートは、丸洗いができるもの・臭いも除去できるもの・湿気が溜まるとお知らせマークが出るものを敷くと良いでしょう。
また、カバーだけでも抗菌・防ダニ・防臭加工のものをするもの対策の1つです。
今日から脱!敷きっぱなし!
以上のようなことから、お布団を畳の上に敷きっぱなしにしていることは、良いことではありません。
毎朝、お布団の上げ下げすることは、生活にメリハリがつけられ、湿気も追い出すことができます。
そして、良く晴れた天気の良い日にお布団を天日干しし、部屋の換気をすると気分まですっきりします。
面倒くさいよりも、快適な睡眠と健康が第一です。
すっきりとしたお布団に寝る気持ち良さを、実感しましょう。