賃貸住宅にお住まいの方で、「壁に穴を開けてしまった」という人は、少なくないのではないでしょうか。
修復を業者に依頼すると高くついてしまうため、無駄な出費は出来るだけ避けたいですよね。
では、原状回復とはなんでしょうか。
また、自分で修復することは出来ないのか、どのような修復方法があるのかについてもまとめてみました。
賃貸の壁を修復する前に構造について知ろう!
賃貸の壁を自分で修復する前に、まずは自分の借りている部屋の構造について知っておくと良いでしょう。
日本の賃貸住宅は、木造か軽量鉄骨の構造で建てられていることが多いです。
では、建て方や壁には、どんな違いがあるのでしょうか?
・木造構造
木造の場合は、一定の間隔で柱を建て、石膏ボードを張りつけて壁にしていることが多いです。
石膏ボードは、石膏の両面を特殊な板紙で包んでいるものです。
厚さは建築物によって違いますが、主に9.5mmから12.5mmの厚さの石膏ボードが使われています。
また、柱の間に吸音材を入れていることもありますが、基本的に、柱の間は空洞となっていることが多いので、生活音などが聞こえやすくなってしまうことが特徴です。
・軽量鉄骨構造
軽量鉄骨構造の場合は、見た目は木造には見えなくても、安心してはいけません。
木造に見えない軽量鉄骨構造と言っても、柱が鉄骨というだけで、壁は石膏ボードで作られていることが多いです。
そのため、生活音などの防音性や壁の耐久性は、木造と同じくあまり強くはありません。
木造にしろ、軽量鉄骨構造にしろ、「壁に穴が出来やすい」ということを覚えておきましょう。
賃貸の壁に穴が!なぜ修復が必要なの?
ではなぜ、賃貸の壁に穴を開けた時、修復をしなければならないのでしょうか?
それは、お部屋に入居した人には、お部屋を出るときに「原状回復」の義務が発生するからです。
退去時に行う原状回復とは、部屋の壁や天井、床などに穴を開けたりして傷つけてしまった場合に、「出来るだけ入居時と同じ状態に戻す」ことを言います。
ですが、入居時となるべく同じ状態に戻すと言っても、全く同じにする必要はありません。
通常の日常生活を送っていて出来てしまった傷や汚れ、摩耗などは原状回復をする必要はありません。
ですが、どこからどこまでという範囲がないので、なるべく傷や汚れが付かないようにしておくと退去時に楽でしょう。
また、「画鋲やピンなどの小さな穴は良いけれど、ネジや釘などはNG」という大家さんもいるので、もし壁に穴を開ける際は、大家さんや管理会社に問い合わせをしてみると良いですね。
賃貸契約でよく聞く敷金は、壁などの修復に使われる?
ところで、賃貸のお部屋を借りるときには、「敷金」という言葉をよく聞きますよね。
「家賃三ヶ月分」を支払う必要があるなど、決して安くはない敷金とは、どういうものなのでしょうか?
敷金とは、お部屋を借りる際に家賃の1~3ヶ月分を契約金と一緒に支払うお金のことです。
その支払った敷金は、退去時の修繕費として使用されます。
ですが、修繕費として使用されますが、すべてが敷金から使用されるわけではありません。
敷金が使われるのは、「住んでいる人による故意な過失や破損などの場合のみ」です。
つまり、日常生活で出来てしまった傷や汚れの修復には、敷金は使われることはないということですね。
ですが、壁に釘で穴を開けてしまった、故意に傷を付けてしまった場合は「住んでいた人の責任」となるので、敷金から修繕費として使われます。
なので、お部屋を綺麗に使ったら、退去時に敷金が戻ってくることもありますし、雑に扱って破損が大きければ敷金が戻ってこないだけでなく、足りない分を更に負担ということにもなります。
ですので、お部屋はなるべく綺麗に使うように心がけましょう。
また、敷金ではなく「修繕費」として契約時に支払う場合もあります。
その場合、大きな故意的な破損がなくても、支払った全てのお金が修繕費として使用され、退去時に戻ってくることはないので注意しましょう。
賃貸の壁の修復を業者に依頼する場合の注意事項とは?
賃貸の退去時に、お部屋の修復を自分でするのは難しいと判断した人の中には、業者に依頼する人もいます。
ですが、業者に依頼する場合には、注意すべきことがあるので頭に入れておきましょう。
①大家や管理会社に気づかれないようにしましょう。
壁などの修復は、大家や管理会社に連絡をする必要があり、本来、部屋を借りている人が勝手に業者に依頼して行うことが出来ません。
ですので、できるだけ費用を抑えて自分で業者を選ぶのであれば、なるべく気づかれないようにしたほうが良いでしょう。
大家が近所に居る場合は、業者の出入りで気づかれることもあるので注意しましょう。
②隣の部屋の迷惑にならないようにしましょう。
壁の修復は、多少なりとも騒音の発生がありえます。
夜間の修復などは騒音問題にも発展し、不動産会社に気づかれてしまう要因にもなります。
修復を依頼する場合は、平日の昼間など、近隣の人の居ない時間を選ぶと良いでしょう。
③壁紙も必要となります。
壁に開いた穴の修復には、その部分の壁紙の修復もしなければなりません。
壁紙も大きく破損してしまっている場合は、業者に同じ壁紙を準備してもらわなければなりません。
また、壁紙の張り替えは、1mあたり1000円ほどの料金が発生してしまうので注意しましょう。
自分で業者に依頼する場合は、以上のことに注意しましょう。
賃貸の壁の修復!修復費用の相場はどれくらい?
賃貸のお部屋の壁の穴を業者に頼んで修復してもらう場合、心配になるのが費用ですよね。
では、費用の相場はどれくらいなのでしょうか?
壁の穴の修復は、穴の大きさによって異なります。
小さければ小さいほど安く、大きければ大きいほど値段の相場も上がってしまいます。
机などを運ぶ際に出来てしまうことの多い、こぶし大ほどの大きさの穴であれば、2~3万前後掛かってしまうこともあります。
また、こぶし大ほどの穴が複数開いている場合は、5万前後が相場のようで、よほど大きな穴がぼこぼこ開いていない限り、10万円を超えるような金額にはなりません。
そして、釘やネジなどの穴も修復を依頼することが出来ます。
釘やネジなどの穴の修復は、1ヵ所5000円くらいが相場ですが、小さな穴は自分で修復することも出来るので、まずは自分で修復してみるのも良いでしょう。
また、業者に依頼する場合、リフォーム業者よりもリペア業者を選ぶことをおすすめします。
リペア業者の中でも、壁の修復が豊富な業者であれば、様々な状況に応じて対応してくれるので安心して依頼することが出来ます。
なるべく安価で済ませたい!賃貸の壁を自分で修復する方法!
業者に依頼せずに、自分で壁の修復を行うことで安価で済ませることが出来ます。
そこで、賃貸の壁の自分で出来る修復方法をご紹介します。
①竹串とティッシュで簡単修復
たとえ小さい画鋲の穴でも、なるべく気づかれたくないですよね。
そんなときは、竹串とティッシュを使うと、簡単に修復することが出来ます。
方法は、ティッシュを細かくし、竹串の先端で埋めていくだけです。
最後は、竹串のおしりでしっかり埋め込めば、綺麗に、目立たずに修復することが出来ます。
②粘土で簡単修復
粘土の先を細く「こより状」にし、穴に入れてカットするだけです。
粘土が余った部分は、爪や指で押し広げて目立たなくさせれば、簡単に修復が完了します。
壁紙の色がカラーの場合は、カラー粘土で対応することが出来ます。
③ティッシュとボンドで簡単修復
穴の部分にボンドを付けて、穴にティッシュを押し当て、爪楊枝などでティッシュを詰め込みます。
余分なティッシュをカットし、はみ出た部分を穴に押し込み、爪などでクロス模様に凹凸を付けるという簡単な自己修復方法です。
クロス模様にすることで、簡単に目立たなくすることが出来ますね。
賃貸の壁の修復は義務!自分で修復して安価に済ませることも!
いかがでしたでしょうか?
賃貸のお部屋の退去時には、壁などの修復は義務ではありますが、必ずしも業者に頼まなければならないということはありません。
小さい穴であれば、自分で修復することによって安価に済ませることも出来ます。
もし、壁の修復について考えている方は、まずは自分で修復してみるのも良いでしょう。
ですが、自分で修復して更にひどくなる場合もありますので、よく考えて作業してくださいね。