なにげない日常の中で、ふと壁を見たときに穴やへこみを見つけてしまった、なんて経験をしたことはありませんか?
壁に穴やへこみ、傷などがあると、あまり良い印象ではありませんね。
難しそうに感じますが、専門業者ではなくでも自分で修復はできるのです。
ちょっとしたコツをマスターして、楽しみながらDIY気分でチャレンジしてみましょう。
壁の穴やへこみの原因を知ってから修復しよう
修復作業に取り掛かる前に、まずは穴やへこみの原因を知っておきましょう。
壁の穴やへこみや原因は、引越しの時の家具移動時や、子どもが遊んでいる時の不注意からなどが多いようです。
壁にぶつかった時の力が強かった場合は、壁の穴やへこみとなってしまいます。
家の壁の多くは、石膏ボードという材質からできています。
石膏ボードは耐火性に優れていますが衝撃に弱く、すぐに穴が開いたりへこんだりしやすいのです。
1点に加わる力には弱く、砕けやすくできています。
壁に衝撃が加わり、表面のクロス(壁紙)が裂けると、クロスが貼ってある石膏ボードにも影響を及ぼします。
このような理由から、壁の修復には表面のクロスだけではなく、石膏ボードも併せて修復しなければなりません。
面倒で、そのままにしておくと、ますます穴も広がってきてしまいます。
専門業者に助けを求めるまで大きくならないうちに、自分で修復をしてしまうのも一つの手です。
実際にやってみると、意外と簡単に穴やへこみを目立たなくさせることができるのです。
壁の穴を修復する!
壁に衝撃が加わると場合によっては、石膏ボードにも影響が出ることをお話しました。
衝撃によって、石膏ボードが破損している場合は、隠そうと上からクロスを貼ってしまってはいけません。
上から貼ったクロスが剥がれやすくなり、破損した部分もさらに大きく広がってしまう可能性があります。
そのような時は、まず石膏ボードの穴の開いた部分を中心にして、四角形に切り取ります。
切り取る時は、ものさしなどできちんと測り、平行になるようにします。
その理由は、後から長さが違ってきたり、見栄えも悪くなるなどの不具合が生じることがあるので、きちんと測りながら切り取りるのが良いのです。
次に、新しい石膏ボードを貼り付けていきます。
先に切り取った部分に合わせて、はめ込む石膏ボードを切っていきます。
そして、はめ込む新しい石膏ボードは微調整ができるように、やや大きめに切っておくと良いでしょう。
この時もし、開いている穴に深さがあり、壁の中にある桟木と言われる角材が折れている場合は、新しい桟木を取り付けます。
新たに取り付ける桟木は、小さな木材でも対応できます。
桟木を取り付け、石膏ボードを貼り付けた後に、壁の隙間を中心にまんべんなく、パテ塗りをします。
修復した部分もしっかりと、デコボコができないように塗りましょう。
1時間から3時間くらい乾燥させ、乾いたらサンドペーパーで壁を平らにし、ムラをなくしていきます。
サンドペーパーで磨いてきれいになったら、さらにパテを塗ります。
そして、その後にクロスを貼れば完成です。
クロスを貼る時に、浮きが出てしまったら再度、サンドペーパーで磨くと良いでしょう。
新しく貼るクロスは、目立たないように元のものと近い色を選びましょう。
小さな壁の穴を修復する!
大きな穴は修復できたけれど、よく見ると他の部分に小さな穴はありませんか?
例えば、ポスターなどを貼る際に使う画びょうの跡などです。
これらはスキマ時間で、簡単に修復することができます。
細目の画びょうやピンなどの小さな穴であれば、オフィスなどで使っている修正テープで目立たなくすることが可能です。
この作業は簡単で、修正テープを貼った後に、指で軽くなじませるだけです。
これなら遊び心も沸いて、簡単に修復ができます。
しかし、少し太めの画びょうで開いてしまった穴もあるでしょう。
この場合は、接着剤を使って塞ぎます。
開いた穴の入り口に接着剤を付けて、ティッシュペーパーを押し当てます。
そして、画びょうでティッシュペーパーを穴に詰めていきます。
その後、余分なティッシュペーパーをちぎり、はみ出た部分も穴に押し込み、指でクロスとなじむように軽く押し付ければ終了です。
この時、楊枝も使うと上手に仕上がります。
クロスのへこみや部分的な修復をする!
壁に作ってしまった画びょうやピンの穴の修復はできましたが、その周りにへこみはありませんか。
このへこみも併せて、修復してしまいましょう。
まずは、へこみ部分のクロスを丁寧に剥がしていきます。
剥がしづらい時には、カッターを使ってクロスを切り取ると良いでしょう。
そして、剥がした部分にメッシュテープを貼り付けておきます。
その上からならすように少量のパテを塗り、乾いたらサンドペーパーできれいに仕上げます。
その後に、クロスを貼って完成させます。
また、部分的に破れたクロスの修復も覚えておくと便利です。
同じように周りのクロスを剥がし、その後に少し大きめの補修用クロスを準備し、貼り付けます。
ハケで空気を抜き、もともと貼ってあるクロスと、新たに貼ったクロスが重なったラインで、2枚のクロスを同時に切ります。
切りしろと1番下の切り取ったクロスを取り、つなぎ目をローラーなどで押さえてなじませます。
その他にも、部分的に「めくれている」クロスの修復もしておくと良いでしょう。
めくれている部分の下地にジョイントコークを塗って、クロスを元にもどすだけで修復は完成です。
これは便利!壁の修復グッズ
これまで、壁の修復の方法についてお話してきましたが、修復する為には道具が必要です。
基本的には、壁パテ・サンドペーパー・カッターナイフ・ものさし・小型のこぎり・石膏ボードを準備しておくと良いでしょう。
いずれも、ホームセンターや100円ショップなどで購入できます。
それでも選んで買うのが面倒くさい人向けに、必要なグッズがまとまったキットも販売されています。
穴を塞ぐボンド状のものや、貼るだけのものなど種類は豊富に揃っています。
また、どうしても残りがちなパテが、少量サイズや使い切りの小分けにされて入っている、石膏ボードの壁専用キットも販売されています。
その他に、小さな穴・すきま・剥がれやクロスの汚れを消すキットもあります。
このキットは主な3色(ホワイト・ベージュ・アイボリー)のクロスに対応できるようになっており、超手軽に修復ができるようになっていることが多いです。
キットは、どれを買い揃えたらわからない初チャレンジをする人向けに考えられているので、利用してみても良いでしょう。
そして、その値段は単品で安いものなら800円から販売しており、キットなら2000円程度で購入することができます。
備えあれば患いなしです。
1つは買い揃えておいてもいいかもしれません。
壁の汚れ落としもマスターしよう!
壁に開いた穴やへこみの修復作業方法はマスターできましたが、壁に付いた汚れ落としも、マスターしておくと良いでしょう。
汚れの種類によって、お手入れ方法が違ってきます。
防水加工のあるビニールクロスは、表面のほこりを掃除機で吸い取った後、市販の住宅用アルカリ性洗剤をスプレーします。
または、ネット通販で1000円から3000円くらいで手に入る「壁専用の汚れ落とし」を使っても良いでしょう。
その後に、水を含ませたメラニンスポンジで円を描くように軽く擦り、きれいな雑巾で拭き取れば、全体の黄ばみは落とすことができます。
さらに頑固なカビ汚れは、使い古した歯ブラシなどを使って擦り、その後に掃除機で吸い取って、水で濡らしたたわしで軽く擦った後、水拭き、乾拭きをします。
このとき、すぐに落ちると思って、いきなりカビ取り剤をかけてしまうと、漂白効果により落としたところだけが、白く目立ってしまうことがあるので注意しましょう。
また、防水加工のない布クロスのえんぴつの落書きは、消しゴムで落とせます。
布クロスは、水を付けると染み込んでいくので、先に掃除機や乾拭きできれいにしておきましょう。
このようにきれいに汚れを落とした後は、汚れ防止のスプレーを吹きかけたり、壁の傷も防止できる半透明タイプのシートを貼っておくと予防しておくことができます。
汚れる前、深い傷になる前に、防止してくことも大切です。
専門業者に依頼!いったいいくらかかる?
壁やクロスの修復やお手入れ方法がわかっても、自分でできない人は専門業者に頼むしかありません。
クロス洗浄業者に依頼すると、平米単価でおおよそ10平米あたり5500円(税込み)くらいが相場と言えます。
そして、壁の修復作業はさほど大きな穴で無い限り、約8000円から35000円くらいでしょう。
金額の幅が広いのは、穴の大小だけではなく、下地やクロスの状態や穴の開き具合によって、修復作業が違ってくるためです。
依頼を決めたら、現場に来てもらい見積もりを出してもらいましょう。
また、壁のクロスを張り替えた場合には、平均約20万円程度かかります。
張り替えるクロスの種類によっても、価格の変動はありますが最近増えている機能性クロスは通常のものよりは、高価格になっています。
これから、張り替えをするなら若干高くても、機能性クロスが良いかもしれません。
お手入れを考えると、汚れを落としやすく、傷もつきにくく丈夫になっている「消臭・抗菌クロス」が良いでしょう。
また、一般的なクロスに比べ、約10倍の犬や猫の引っかき傷に強く、衝撃も約3倍の耐久性、そして抗菌消臭にも優れた「耐久性アップクロス」もおすすめです。
他にも「マイナスイオン発生クロス」や「防汚・消臭・抗菌のトリプル機能クロス」などの種類もあります。
予算があえば、検討してみても良いかもしれません。
ただし、賃貸アパートやマンションに住んでいる人は、専門業者に依頼する場合は特に注意が必要です。
契約違反にならないように、事前に管理会社や大家さんに相談をしておきましょう。
壁の修復は上手にかしこく、そして楽しく!
日常の中の当たり前になってしまっている「壁の穴や汚れ」をもう一度、チェックしてみましょう。
気がつかないところにも、穴やへこみ、汚れがあるかもしれません。
「また、出費がかさむ…」と考えなくても、早めに発見して修復してしまえばいいのです。
ちょっとした時間にサクッと、壁の修復を楽しみながらやってみましょう。
きっと部屋の壁が明るくなり、気持ちまで明るくなることでしょう。